コラム・観戦記

FACES - “選手の素顔に迫る” 最高位戦インタビュー企画

【FACES / Vol.48】嵯峨寛彬 ~「打牌が遅いのは悪」 最強を目指す、一見真面目なイキりっ子~

(インタビュー・執筆:梶田琴理

 

サガ君、麻雀のプロになったんだって。

福井県の小さな街で、誰に聞いたのだったか。

サガ君の記憶を辿る。彼は同じ小学校の4学年下だった。

眼鏡をかけていて、真面目そうな少年。

一時期競技かるたをやっていて、練習場で何度か一緒になったことがある。

対戦したことはあったのだろうか。覚えていない。当時、競技かるたで私といい勝負をするような子は、4学年下にはまずいなかったから。

中学校も同じだが代は被っていないため、サガ君の記憶は本当に小さな子供のままで止まっていた。

 

嵯峨寛彬。

小学校で習う漢字は多分ひとつもない。

サガ君が麻雀プロになったという噂を聞いたのは約4年前。

私も麻雀プロに興味を持ち始めた頃だったから、サガの漢字を雰囲気で変換して「麻雀 嵯峨」で検索した。すると、アマチュア時代に既にいくつかの大会で実績を残しているようだった。麻雀、そんなに凄いのか。

サガ君の半年後に私が最高位戦に入会し、後輩となった。

十数年ぶりに再会した彼は、ちょっと体格がよくなっただけで正直拍子抜けするほど全然変わっていなかった。

サガ君はするするとリーグ戦を昇級していき、次期B2リーガーである。団体内でも何度か「嵯峨は強いよ」と聞いた。そんなに凄いのか。

眼鏡の真面目そうな少年は、どんな人生を歩んだら眼鏡の真面目そうな麻雀プロに行きついたのか。

嵯峨 寛彬(さが ひろあき)

最高位戦選手ページ → https://saikouisen.com/members/saga-hiroaki/

Twitter → @bakyochu

 

B2リーグ昇級。同期で一番じゃないと気に食わないから気持ちよかった

嵯峨が最高位戦に入会したのは44期前期(2019年)。平成から令和に移る直前に入会したこの代は、黄金世代と言っても過言でないほどタレントが豊富だ。

入会したその年に女流選手で初の新人王を獲得した松井夢実、入会後1年で現B2リーグにジャンプアップした多喜田翔吾はその年に飯田正人杯最高位戦Classicの決勝にも進出した。

今年の47期前期C1リーグには、奇しくもそんな同期たちが多く出場することとなる。嵯峨、松井、多喜田、そして嵯峨や多喜田が大学時代に働いていた麻雀店『ジャンナック』の代表・渕上翔平、女流Aリーガー羽月まりえ

嵯峨は入会前からその全員と面識があったという。それだけに、今回のC1リーグは特に意気込んでいた。

同期でいったら自分が一番じゃないと気に食わない。そもそも多喜田がすぐにB2リーグまで上がったのもタイトル戦で決勝までいったのもムカついたし。ゆめみん(松井)に新人王取られたのも悔しかった。

C1からB2に昇級すれば、特例で上位リーグから入会した山田独歩を除いて同期で一番上のリーグになれる。嵯峨は順調に勝った。最終節こそマイナスしたものの、第4節まで毎回プラスを重ね、全体2位で昇級を決めた。

同期5人がいた中で自分だけ昇級できて気持ちよかった。

とニヤつく。真面目そうだと思っていたが、もしかして結構イキる(調子に乗る)系の打ち手なのか。

リーグ戦のシステムって面白い。限られた打荘数の中で上手く打ったから勝つってことはなくて、減点方式だと思っている。勝ったから上手いってことはないんだけど、下手で負けるってことはある。

嵯峨の入会以来のリーグ戦成績を振り返ると、7半期のうち昇級5回、残留1回、降級1回。ここまでの好成績は自身の腕によるものとは言い切れないものの、ミスや悪手は相対的に少なかった、という認識だろう。

そんな嵯峨が最高位戦ルールを打つときに心がけていることは何なのだろうか。

順位ウマが1着+30、2着+10、3着△10、4着△30でオカがないということで、2着で良しとしようって言う人が結構いるんだけど、自分はそうは思わない。素点を叩くチャンスを逃すし、取れるトップは狙わなきゃいけない。これはルールを問わずなんだけど、麻雀って勝負すべき手は勝負しないといけない。

このように嵯峨はトップの重要性について言及する。確かにリーグ戦で昇級する選手のポイント推移を見ていると、どこかで大きくポイントを増やしていることが多いように見える。取れるトップは貪欲に狙っていく。この戦い方で、嵯峨はこれまでうまく結果に繋げてきた。

 

競技かるた、卓球、麻雀…個人競技が好きな賢い少年

福井県あわら市。人口3万人弱のまちで生まれ育った。百人一首の札を取り合う競技かるたが盛んな県で、子供の頃に経験したことがある人は多い。嵯峨もその一人だ。

かるたは小学校1年生か2年生ぐらいから卒業するまでやっていた。始めたきっかけは忘れたけど、親に何かをやらされたってことは一度もない。自分の意志でやってみようと思ったんだろうね。

競技かるたは百人一首の100首を覚えるところがスタートラインだ。麻雀でいうところの役と点数を覚える段階。そこから、いかに速く札を取れるか、どうしたら相手が取りづらいかなどを追求していく。札を取るときの瞬発力のみならず、記憶力や集中力、体力などさまざまな要素が鍛えられる。そのおかげかどうかは分からないが、嵯峨少年は勉強もよくできる賢い子だった。


(かるたの練習会。嵯峨は後列右から3番目。右隣は嵯峨弟、左隣は嵯峨と同級生の筆者弟)

小学校3年生からは卓球を始めて、6年生のとき個人で全国大会にも出場した。中学校も卓球漬けで、団体では3年連続で全国大会に出た。カットマンっていう守備的な選手だった。相手が嫌がる返し方をするタイプ。

相手が嫌がること。かるたでも卓球でも出てきたが、麻雀にも通じるところがある気がする。


(小学生のときの卓球の全国大会。嵯峨は右から2番目)

 

麻雀との出会いは、ありきたりなものだった。

中学校1年生の卓球部の遠征に、カード麻雀を持ってきた子がいて。そこで初めて麻雀をやった。それからネット麻雀の『雀龍門』もやるようになって。かるたも卓球もそうだけど、個人競技が好きだったんだよね。仲間のミスで負けてしまう、みたいなことがないから。

自分のミスでチームが負けるという心配は微塵もしていなさそうな嵯峨。実際に何をやっても優秀だったのだろう。高校は福井県内で最もレベルの高い進学校に入ったが、志望動機は「まあ、勉強ができたから」。すごいイキるやん。

高校でも卓球部だったけど中学校までのような本気度ではなくて、だいぶ麻雀にハマってた。高校1年生のときからネット麻雀の『天鳳』をやり始めた。当時、天鳳位はまだ2人だったかな。ASAPINさん(朝倉康心)とマーク2さん。あと、ゲームセンターで『麻雀格闘倶楽部』もよくやってた。

どうしても東京に出たいって思っていて。東大を受けて落ちて、東京の予備校で浪人した。浪人時代にフリー麻雀店に通うようになって、それでますます麻雀にハマっていって。2年目の受験も東大は落ちて、受かった中から慶應を選んだ。大学では本格的に麻雀をやろうって決めてて、当時麻雀の活動がより活発に見えたのが慶應だったから。

東京への憧憬。何でもできた嵯峨少年の意識下には、自分は福井の田舎には収まりきらないぞという思いがあったのだと推察する。

 

慶應義塾大学入学時に天鳳五段、自分は麻雀が強いと思っていた

慶應大の麻雀研究チーム(通称:mjkt)に入った嵯峨。天鳳は高校・浪人時代で合わせて1,000戦ほど打ち、五段の腕前だった。

自分のことを麻雀が強いと思ってました。天鳳五段で、ですよ。でもmjktには天鳳七、八段の人が10人以上いた。

天鳳では段位によって対戦者が振り分けられ、七段以上になると鳳凰卓という最上位卓で打つことができる。意気揚々とmjktの門を叩いた嵯峨は、同世代で自分よりも上を行っている打ち手たちと出会うことになった。負けず嫌いな嵯峨は、そのときにも思ったはずだ。自分が一番にならないと気が済まないと。

大学1、2年生でWebの現麻(現代麻雀技術論)を読み込んだ。天鳳は大学1年生の冬に七段になった(その後、九段まで到達)。

戦術本によるインプットと実戦のアウトプットを繰り返し、持ち前の学習能力の高さでどんどん成長していく。

大森の『エスポワール』という麻雀店で誘われてアルバイトをするようになって。そのうち日吉の『ジャンナック』でも働き始めた。大学3年生のときかな。そこで麻雀を始めてから半年くらいの多喜田たちと出会った。自分は当時天鳳七段で、ジャンナックでは一番上だった。多喜田なんて4566の形から5をチーすると両面ができることを初めて知って感動しているぐらいのぺーぺーだった。

初心者に毛が生えたような頃の多喜田を知っているからこそ、C1リーグの昇級争いは負けたくない思いも強かったようだ。

ジャンナックで共に働いていた友人のPさん(天鳳元十段)は、嵯峨の印象をこう語る。

嵯峨は「日吉の門前派と言えば俺」って毎日言ってました。嵯峨と出会ったのがたぶん2016年とかですけど、当時って今よりも速度重視で、かなり副露寄りの選択が流行だったんですよ。愚形も即リーチでテンパイ外しをするケースは少なかったり、役牌はほぼ1枚目から鳴くのがセオリーだったり。先切りの有効性とかは全然流行ってなくて、とにかくストレートにブクブクにみたいな。

自分はその状態で嵯峨と出会って色々麻雀の話を聞くんですけど、こいつ鳴かなすぎやろっていうレベルで鳴かないんですよね。とにかく打点を重視しているイメージはありました。あと危険牌を先切りしたりとか七対子やるときは河作りを意識してバレバレにならないようにするとか。よく自分のことを「場況厨」(手牌の形より場況を重視して判断する傾向の強い打ち手、の意)って言ってますけど、確かに当時からかなり立体的に考えて打っているイメージはありました。その後だんだん打点志向や押し返せる手組が流行ってきて今に至るって感じはします。

嵯峨のTwitterのIDを今一度見てみてほしい。「@bakyochu」である。イキりがちだが麻雀に対しては真面目で憎めず、微笑ましい。

 

在学中から競技にも興味。自然とプロの道へ

嵯峨は大学生のうちから競技麻雀の世界にも飛び込んでいった。

RMUの仲川翔プロがmjktの特任講師をしてくれていて、かなりお世話になった。プロ団体が主催している競技大会とかに出るようになったのは仲川さんのおかげ。3年生のときにRMUのワンデー大会(2016スプリントカップ第1戦マーキュリーカップ)に出て120人くらいの中で優勝して。学生のうちから多井さん(多井隆晴・RMU)とかと打つ経験ができた。最高位戦のプロアマリーグにも出て、大学院1年生のときに決勝にも残った。


(マーキュリーカップで優勝した嵯峨。RMUホームページより)

私が「麻雀 嵯峨」で検索したときにヒットしたのはこういった競技大会の記事だった。いくつかの大会で好成績を残した嵯峨は、自然とプロの世界にも興味を持つようになる。

大学4年生ぐらいからいずれプロになろうと思い始めていた。麻雀で有名になりたいし、表舞台で麻雀を打ちたいから。大学院1年生の秋にMリーグが始まって、今後プロになる人が増えそうだなと思って。本当は卒業してからのつもりだったけど前倒しして、その年が明けた2月に受験した。そしたら多喜田とか渕上さんとか、ジャンナックのメンバーが示し合わせて受けてて。まりぷぅ(羽月まりえ)とは麻雀オフ会で友達になっていて自分が誘った。元々知り合いだったゆめみんもいて、入ってみたら同期が知り合いだらけだった。

麻雀で有名になりたい。淡々とした口調で、とてもデカいことを言う。

最高位戦プロアマリーグでも結果を出し、鳴り物入りで入会した嵯峨。リーグ戦はここまで140半荘で計935ポイントを叩きだした。順風満帆の競技人生に見える。

プロになって良かった。強い人との接点が増えたのは大きい。今は石田さん(石田時敬)が主宰している私設リーグ『Reリーグ』に参加していて、石田さんや有賀さん(有賀一宏)たちと勉強させてもらっている。あと、浅井さん(浅井裕介)や品川さん(品川直)にもお世話になっている。

入会後に大学院を卒業して、現在は会社員3年目。学生時代と比べて麻雀に費やすことができる時間は限られるが、自分のペースで向き合っている。

しかし、友人でありライバルでもある多喜田から見ると物足りないそうだ。

嵯峨は麻雀の知識多いしなんやかんや強いけど、勉強をサボってる。やりゃできるのに。

己にも友人にも手厳しい。これを聞いて嵯峨自身がどう思うかは分からない。反論があるかもしれない。だが実際、次のB2リーグから通年になるため嵯峨は今年後期の半年間はリーグ戦がなく、公式対局の機会が減ることは決まっている。半年間しっかり準備してB2に臨めよ、という多喜田のエールだと受け取った。

 

最高位戦A1リーグのさまざまなデータを可視化したい

今、最高位戦でA1リーグのデータを集めて見られるようにしようっていうプロジェクトをやっている。和了率、放銃率、平均打点とか。将来的にA2リーグに拡大することもあるかもしれないけど、とりあえず牌譜が残っているA1で。

多喜田が言い出しっぺで自分が乗っかって、阿部くん(阿部柊太朗)も加わってやっている。麻雀の選択で迷うところって期待値にして数百点とかの差だから、議論しても結局主観でしかなくてよく分からんってなって。麻雀を語る上でデータは裏切らんよねって。

麻雀の既存のデータはシミュレーションか天鳳の鳳凰卓の統計で出しているものがほとんどだけど、最高位戦ルールでもそういうデータを取ろうよってことになって。天鳳のデータをそのまま使って考えていい部分があるのか、最高位戦のフィールドだとどんな特徴があるのかとかを可視化したい。

プログラムを作って過去の牌譜を読み込ませてデータベースにして、検索でサッと出せるようにしようという感じで進めている。今取っているデータの量とか細分化ってまだまだだと思っている。天鳳の鳳凰卓と比べて、A1リーグのデータ量は圧倒的に足りない。年間144本。データがあるのが43期(2018年)分からだから、今年で5年分。5年分でも720本。全然足りない。細分化も今の状況だと足りていない。まだ盤面とか場況とかにはアナログ感覚も入る。

でも、将来的には全てデータで見られるようになると思っている。多少の人読みとかブラフとか…普段数値的には得だと思わないことをするって場面は絶対にあるから、そういう対人要素は当然あるけど、盤面上での最適解は分かるようになるし、そうなってほしいと思っている。データで見えるって面白いし、自分自身もデータを基にして麻雀を打っている部分も結構あるし。運用に関してはまだ全体公開できるレベルではないけど、内々でのテストは終わっているんで、次のテストをクリアしたら本運用って感じかな。年度末くらいに動かせればいいかなって思っている。楽しみだね。

私は根っからの文系でこういった話には滅法弱く、嵯峨の早口の説明をへーほー凄いなーと聞いていた。しかし、文系だろうが理系だろうが、麻雀を打つにあたってやはりデータに頼る機会は多い。自分で解析することは到底無理だが、解析された後の産物である統計本や各種データには大変お世話になってきた。それを、最高位戦の対局についてやろうとしてくれている。5年後、10年後には、最高位戦ルールを学ぶ上で彼らが編み出したデータが用いられるかもしれない。とてもワクワクする話だ。

 

こだわりは打牌速度、遅いのは悪

麻雀において、嵯峨には強いこだわりがあるそうだ。

こだわりが一つだけある。打牌速度。そもそも麻雀に制限時間がないのはおかしいと思っている。将棋にも囲碁にも制限時間がある。時間内にできないものはその人の実力ではないということ。ただの練習不足、腕の足りなさ。麻雀は今のところ無限に考えられるようになってしまっているけど、本来は時間制限を設けてその中で打てたものだけがその人の実力とするべき。無限に考えてよくて最善手を絞り出すというのは競技のあり方として正しくない。

打牌速度についてここまで強く主張する選手は珍しい。しかし、現状リーグ戦には時間制限がないのだから、嵯峨は自分自身にだけ打牌速度が遅くならないように課していることになる。もしそれでミスをしたら、自分で自分の首を絞めていることになるではないか。

自分は他の人から遅いって思われない範囲で打つことを心がけていて、もしそれで間違えたとしても自分の実力だとして納得している。もう少し考えたら正しい牌を打てた、というのは言い訳になっていない。深く考えて打つことが正義だとは全く思っていない。練習の場だったらいい。リーグ戦は実践の場だから。実践の場は少なくとも自分がサッと考えられる範囲で打つのがその人の実力だと思う。

正解を絞り出すのではなく、短時間でその正解を導き出せるように練習をしておかないとだめ。現実的には対局時計を作るわけにもいかんし…技術的にはできるかもしれないけど本気で導入しようと思っている人がいないんじゃないかな。自分にだけ課すのは損なんだけど、それはこだわりだから。

佐々木寿人プロ(日本プロ麻雀連盟)は、スピードがあって内容も良くて尊敬している。なんで時間制限が設けられてこなかったかっていうと、たぶん10年前とかの対局は人を待たせないっていうのが当たり前だったから。今はなぜかそれが当たり前じゃなくなってきているから、その時代に合わせた新しいルールを作らなきゃいけない。将来的に何らかの形で時間制限を導入したい。

嵯峨の強い主張は一石を投じることになるのか、どうだろうか。

 

どんなルールでも強い、「最強」を目指している

つい先日、今年の新人王戦の決勝が行われ、メンバーに嵯峨も名を連ねていた。

全6回戦のうち5回戦を終え、微差の首位。だが最終戦に東場でダマテンの満貫に放銃、さらに跳満放銃と持ち点を減らしてしまう。オーラスの親で粘りに粘ったが一歩届かず。現在4年目の嵯峨は、来年のラストチャンスを残すのみとなった。

もっと力つけて出直します!

とTwitterに決意を記した嵯峨。最終戦が終わった直後、すぐに解説の品川と対局内容を振り返る姿があった。


(新人王戦決勝後の嵯峨。「盛れるアプリで撮ってください」と言うが当然無加工)

 

嵯峨は麻雀プロとしてどこを目指しているのか。

最強でしょ。

即答だった。

そりゃそう。一番強くて一番勝つヤツ。本当に麻雀が強い人って、全てのルールで強い人だと思う。自分は麻雀のほとんどのルールを打ったことがある。人間である以上完全に打ち分けるのは無理なんだけど、全ルールで強いのが理想ではある。強さの指標は、タイトルとかは当然あるけどやっぱり世間的な評価。自分の雀力を評価するのって常に周りの人だから。

今は天鳳の安定段位で八段をちょっと切っているくらいで、気に食わんけど鳳凰卓で勝ち越してはいるから、鳳凰卓の平均よりは強いのかなと。フリーは東南戦3,000本くらい打って勝ち越している。これらは数字で評価できる部分。でもトップ層と比べて自分がどうなのか、それは分からん。数字で見えない部分は他者が評価するしかなくて、麻雀誰が強い?ってなったときに嵯峨って言ってもらえるようになりたい。最高位戦で一番強い人、麻雀プロで一番強い人。そこで嵯峨って名前を出してもらえるように頑張りたい。

サラッと大きなことを言う。入会当時から全くブレていない。

来期から通年リーグになって打数が増えるのは嬉しい。たくさん打てる方が面白いし、実力差も出やすくなるので。できるだけ普段通り打てるようにしたい。B2の選手については麻雀を直接見たことのある人が少ないからなんとも言えないけど、強いと聞いている人もいるから、盗めるものをどんどん盗んでいきたい。実戦中はもちろん自分が一番強いと思って打ちますけどね。

嵯峨は、B2リーグでさらに評価を上げることができるか。28歳イキり男子の眼鏡が鋭く光る。

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