昨年創設された自団体選手のみを対象としたタイトル戦。
新津潔代表と金子正輝副代表から1文字ずつ取って、とてもカッコイイ名前のタイトル戦になった。
「新輝戦」の大きな特徴としては、戦うステージによってルールが異なることが挙げられる。
今回の第2期は、一次予選:最高位戦、二次予選:Classic、本戦:最高位戦、ベスト16・準決勝:Classic、決勝:最高位戦というルールで行われた。
「新輝戦」のもう1つの特徴として、最近、決勝を配信卓として放送するタイトル戦が増えている中、新輝戦は現在放送対局を行っておらず。対局会場まで足を運ぶことで、生で決勝を観戦できるという、現在においてとても貴重なタイトル戦である。
<決勝システム>
全6回戦 最高位戦ルール
4回戦以降、トータルトップは2着とのポイント差が80.0P以上開くとコールドとなり、その時点で優勝が決まる。
ここから本編となります。
お楽しみくださいませ。
2018年12月24日(月・祝) 北海道札幌市
今日は新輝戦の決勝戦が札幌で行われる。
最高位戦のタイトル戦の決勝を北海道で開催するのは初めてである。
でも、こんな歴史的1日がなぜ今日なのかと思う方もいるだろう。
だって、今日ってクリスマスイブやん?
御心配なく!
我々最高位戦のプロにはそんなの関係ねえ。
新輝戦を優勝した後で、最高の聖夜(すすきの)を過ごすのだ!
今回、新輝戦の決勝まで残った4名のファイナリスト達はそんな最高な夜を想像しながら、決戦の地となるこの北の大地に集結したと思う。
たぶん。
それでは、御紹介しましょう!
第2期新輝戦ファイナリスト!!
エントリー№1
村上 淳 選手
MURAKAMI JUN
(第35・39・42期最高位、第5・9期最高位戦Classic、Aリーグ所属、Mリーグ所属)
リーチ超人:1000万パワー
鋭く研ぎ澄まされた読みで、卓上を支配する男!
リーチという最強装備で決勝に臨む。
<村上選手のコメント>
最高位戦の麻雀プロとして活動を始めて早や22年。
その間いろいろなことがありましたが、22年間変わらない想いは「日本一のプロ雀士になること」。
自分プロフィールに「第2期新輝戦優勝」を付け加えます!!
エントリー№2
水巻 渉 選手
MIZUMAKI WATARU
(第17・22・23期發王位、B1リーグ所属)
キングオブバランス
彼のバランスを例えるなら、まるで表面張力。
水がこぼれるかこぼれないかというギリギリの攻守バランスで優勝を狙う。
<水巻選手のコメント>
久々の決勝が本当に楽しみです。
リーグ戦最終節、新輝戦本戦(最高位戦ルール)でめちゃめちゃふがいない内容で後悔しているのですが、まずは納得のいく麻雀を打ち切れること一番に頑張ります。
エントリー№3
平島 洋太 選手
HIRASHIMA YOTA
(今期D2・D1リーグ連続昇級、来期C3リーグ所属)
速攻型ルーキー
プロ1年目にしてタイトル戦決勝の舞台まで勝ち上がった。
1年目とは思えないほど落ち着いている好青年。
得意の速攻を武器にジャイアントキリングを狙う。
<平島選手のコメント>
プロになって1年目でこのような大きな舞台に立てることになり、夢のようです。
緊張せず自分らしい麻雀を打てるよう、頑張ります!!
エントリー№4
長谷川 来輝 選手
HASEGAWA RAIKI
(第13期最高位戦Classic、北海道C2リーグ所属)
北海道に希望を与える男
今、北海道で一番輝いている男。
決勝の大舞台でも緊張しないという強メンタルの持ち主。
今年のClassic戴冠に続き、貪欲に二冠を目指す。
<長谷川選手のコメント>
北海道で決勝戦ができるなんて!
北海道代表として頑張ります。
決勝の舞台は、北海道札幌市にある麻雀スクール「アエル」(伊藤聖一選手のお店)。
正午、戦いのゴングが鳴った。
1回戦
起家から 村上、長谷川、水巻、平島
<東1局> ドラ
北家平島6巡目
まずは挨拶がわりにリーチ!
水巻から一発で出アガリ。
水巻→平島 6400
<東2局>
平島、速攻の仕掛けでさらに加点。
水巻から1300
<東3局> ドラ
(西家)村上 30000 (北家)長谷川 30000
(東家)水巻 22300 (南家)平島 37700
(西家)村上5巡目
ツモ
少考して、打
ドラのを使い切る作戦か。
と、思いきや次巡、ツモで打
直後水巻が放った1枚目のをポン。
トイトイタンヤオ、ツモリ三暗刻の聴牌を取りこれを平島からで出アガル。
平島→村上 5200
<東4局>
水巻、リーチツモで700/1300のアガリ
<南1局> ドラ
(東家)村上 34500 (南家)長谷川 29300
(西家)水巻 25000 (北家)平島 31200
(東家)村上、ドラドラのチャンス手を貰った4巡目
ツモ
逡巡して打
次巡ツモ
さて、どうする?
村上にためらいはない。
大きな声で「リーチ!」
村上はペン3待ちが好きだという情報を事前に仕入れていたが、いきなり裏付けがとれた。
ここは他の3人が村上の圧力に押され、村上1人聴牌で流局。
<南1局1本場 供託1000>
長谷川の1人聴牌で流局
<南2局2本場 供託1000> ドラ
(北家)村上 35500 (東家)長谷川 31300
(南家)水巻 23000 (西家)平島 29200
(北家)村上、4巡目聴牌
ここはリーチ超人村上といえども取りダマに構える。
次巡、ツモ
文句なしの手替わりで「リーチ!」と高らかに宣言!
一発はなかったが、直ぐにをツモあがり、裏ドラも!!
この日の好調さを感じさせるあがりで2000/4000は2200/4200
<南3局> ドラ
(西家)村上 45100 (北家)長谷川 27100
(東家)水巻 20800 (南家)平島 27000
ここまで苦しい展開の水巻、絶対に落とせない親番を迎えようやくチャンス手が入る。
3巡目に両面×2のイーシャンテン
4巡目に生牌のツモで打
7巡目生牌のツモで場に1枚切れの打
8巡目にツモで打リーチ!
好配牌でも隙は見せない。
当たり前のことを当たり前にできる、水巻の表面張力。
ここはしっかりをツモ!
しかし裏乗らず2600オール
<南3局1本場> ドラ
(西家)村上 42500 (北家)長谷川 24500
(東家)水巻 28600 (南家)平島 24400
親番のない(北家)長谷川の7巡目
ツモ
ヘッドレスのイーシャンテン。
長谷川山読みに入る。
とは場に1枚切れ(平島、1巡目6巡目手出し)は生牌。
長谷川の選択は打
現にこのとき、は村上にトイツで山に0枚、は山2枚、は山3枚だった。
次巡ツモ 大正解
待ちのリーチ!
道中、もも場に3枚切れという鉄板みたいな待ちになった長谷川。
をポンしてペンで押し返す平島の手元に、無情にもがひょっこり。
平島→長谷川 8000は8300
<南4局> ドラ
(南家)村上 42500 (西家)長谷川 32800
(北家)水巻 28600 (東家)平島 16100
トップ目村上と9700点差にまで詰め寄った長谷川の配牌
と連続で引き、4巡目でこれ
国士?(*´Д`)
この間、トップ目の村上は、5巡目
ツモ
ここで打
役あり聴牌を目指す。
次巡ツモ
聴牌取らずの打
次巡ツモ
場に1枚切れとドラ表、カンのタンヤオ三色
しぶしぶ聴牌を取った村上だったが、これがわりとすぐに長谷川から出アガリ。
さすがの強メンタル長谷川も、この放銃での着落ちを嘆き天を仰いだ。
長谷川→村上 8000
1回戦終了
村 上 +50.5
水 巻 +8.6
長谷川 △15.2
平 島 △43.9
2回戦
起家から 平島、水巻、長谷川、村上
<東1局> ドラ
(北家)村上の配牌
チャンタ、三色、国士の天秤
と引き、ヤオチュウ牌だらけになる村上
ここに、と引き、七対子にシフトチェンジ
字牌はしっかり手の内で温存
そして11巡目、ツモ
ここまで一切の被りなし!
は生牌、は場に2枚切れ
村上は、単騎でリーチ!
村上「はほぼ誰かがトイツで残り1枚山にいるかもしれない、は山に必ずいる1枚。同じ1枚残りなら、相手を抑えつつ、残り1枚のをツモるイメージをしました。」
現に、このとき長谷川はトイツのポン聴の構えをとっていた。
終盤、丁寧に打ち回していた水巻も聴牌を入れ、結果2人聴牌で流局
<東2局1本場 供託1000>
親の水巻のリーチと北家平島のホンイツの勝負、流局で終わる。
<東2局2本場 供託2000>
平島9巡目、メンピンリーチ!
流局間際、なんとかツモアガリ
裏1の1300/2600
<東3局>
ここも平島、配牌トイツのを1鳴き、速攻の1000点を決める。
水巻→平島 1000
<東4局> ドラ
(南家)平島 38800 (西家)水巻 28200
(北家)長谷川 25500 (東家)村上 27500
ラス目の長谷川にチャンス手
8巡目リーチ!
2巡後、高めのツモ!3000/6000
<南1局> ドラ
(東家)平島 35800 (南家)水巻 25200
(西家)長谷川 37500 (北家)村上 21500
前局に6000の親被りでラス目となった村上がやり返す。
5巡目リーチ
安めではあったが、一発ツモ2000/4000
<南2局> ドラ
(北家)平島 31800 (東家)水巻 23200
(南家)長谷川 35500 (西家)村上 29500
4巡目に親の水巻暗カン、手出しで
誰しもが水巻から直ぐにリーチが飛んで来ると構える場面
しかし、先に聴牌を入れたのは平島だった。
5巡目、平島の手牌
ツモ
ここで先制リーチを掛けた場合、既に暗カンを入れている親の水巻との直対になることが濃厚で、この待ちと打点は見合うか?
手替わりを含めると判断が非常に難しい。
しかし平島はためらわず「リーチ!」を宣言!
平島「暗カンも入っていますし、先手がとれるなら、どの聴牌でもリーチと決めていました。」
この判断がどう出るのか。
結果は、完全イーシャンテンのまま有効牌を引けない水巻が平島のアタリ牌を掴み放銃となった。
平島のこの好判断が2回戦目の2人の明暗を分けることとなった。
裏1枚乗って水巻→平島 2600
<南3局> ドラ
(西家)平島 34400 (北家)水巻 20600
(東家)長谷川 35500 (南家)村上 29500
平島、配牌
ツモ キター!!
絶好のドラ重なりで早くもメンホン七対子ドラドラの超勝負手のイーシャンテン!!
2巡目
ツモで打
しかしここからが平島流
5巡目ポン
6巡目ポン
を引き入れ、瞬く間に聴牌
ポン ポン
村上のリーチが掛かるがここは真っ向勝負、をツモアガリ
平島らしさが光り3000/6000
<南4局> ドラ
(南家)平島 47400 (西家)水巻 17600
(北家)長谷川 29500 (東家)村上 25500
なんとかラスを回避したい水巻、7巡目
直前の1枚目のをスルーしてツモリ三暗刻の聴牌
水巻、渾身のリーチ!
そこそこ手が整っていた平島の手牌にはが1枚
打点が必要な水巻が1枚目のをスルーしていることもあり得ると考えたのか、一発で切ってもおかしくない牌だったが、ここはキッチリと撤退。
水巻にとっては痛い流局となる。
1人聴牌
2回戦終了
平 島 +46.4
長谷川 +8.5
村 上 △15.5
水 巻 △40.4
平島、1回戦のラスを帳消しにする。
3回戦
起家から 長谷川、水巻、村上、平島
<東1局> ドラ
親の長谷川、6巡目ポン、7巡目ポン
卓上では親のこの仕掛けはどう映っているだろう。
実際はこんな7センチ
ポン ポン
ぐちゃぐちゃ( ゚Д゚)
この決勝の舞台で堂々とこんな仕掛けができる長谷川
長谷川「どんなに悪い配牌でもじっとしていないで何かをする。これが僕のスタイルです。」
肝が据わっている。
この7センチが美しくさえ見えた。
しかし、残念ながらこの仕掛けに対応してくれたのは水巻だけ。
村上、平島から立て続けにリーチが入る。
これには、安牌がなくなった水巻が村上のリーチドラドラへ打ち込み
水巻→村上 5200
<東2局> ドラ
(北家)長谷川 30000 (東家)水巻 24800
(南家)村上 36200 (西家)平島 29000
平島、ドラのを鳴き待ちの聴牌を入れるが、ここは長谷川が平和のみ1000点で場を流す。
平島→長谷川 1000
<東3局> ドラ
(西家)長谷川 31000 (北家)水巻 24800
(東家)村上 36200 (南家)平島 28000
親の村上、3巡目リーチ
大好きなペン3待ちだ!
キッチリとツモアガリ2000オール
<東3局1本場> ドラ
(西家)長谷川 29000 (北家)水巻 22800
(東家)村上 42200 (南家)平島 26000
村上4巡目
ツモ
2度受けを嫌い打
その後、ツモと続く
2枚切れのを手に残し、13巡目
ツモ
ここでリーチ!
そして一発ツモ!
6000は6100オール
<東3局2本場> ドラ
(西家)長谷川 22900 (北家)水巻 16700
(東家)村上 60500 (南家)平島 19900
これ以上村上に走らせるのは不味い
5巡目、西家長谷川先制リーチ!
しかし親の村上、11巡目に追っかけリーチ!
直後、南家平島、ツモ切りで追っかけリーチ!
三者によるめくり合い
この時点では残り2枚、は0枚、は1枚、は0枚、は3枚
村上が優勢か
これは平島がを掴み、頭ハネで長谷川のアガリ
平島→長谷川 2600は3200
<東4局> 長谷川先制リーチ、1人聴牌で流局
<南1局1本場 供託1000> ドラ
(東家)長谷川 30100 (南家)水巻 15700
(西家)村上 58500 (北家)平島 14700
村上、ドラ暗刻のまたまた勝負手
ポン
水巻からリーチが掛かるが村上が9巡目、ツモ
2000/4000は2100/4100
<南2局> 長谷川→村上 1300
<南3局> 平島リーチ!流局
<南4局1本場 供託1000> ドラ
(南家)長谷川 23700 (西家)水巻 11600
(北家)村上 69100 (東家)平島 14600
この半荘は2着をキープしたい長谷川の8巡目
ここからチー、ほどなくしてツモって500/1000
3回戦終了
村 上 +68.5
長谷川 +7.0
平 島 △26.5
水 巻 △49.0
3回戦トータル
村 上 +103.5
長谷川 +0.3(103.2差)
平 島 △24.0(127.5差)
水 巻 △80.8(184.3差)
*( )内はトップとのポイント差
3回戦終了時点で既に2位との差を103.2P付けている村上
次の4回戦終了時点で1位と2位の差が80P以上ついた場合コールドゲームとなる
皆の注目は4回戦での村上のコールドゲーム成るかに焦点が向けられた。
4回戦
起家から 平島、村上、水巻、長谷川
4回戦は、村上の押し引きが目立つ半荘だった。
東1局に当面のライバルである長谷川から5200を直撃した村上、東2局の親番
5巡目にして上のイーシャンテン、ドラは
北家の平島が1巡目にをポン
明らかにピンズのホンイツ気配で、7巡目からと手出し
普通であれば聴牌濃厚と考えるであろう。
この仕掛けに対し、まだイーシャンテンだった村上はとを通す。
生牌のを持って来たところで流石に投了となったが、
村上「自分がある程度勝負手だったことと、これまでの平島の打ち筋を見て、聴牌が5割、ピンズで打ち込んでも3900だろうという読みから、とは勝負しました。」
自分の読みを信じてギリギリまで攻め込んでくる村上の打牌と気迫に圧倒され卓上が飲み込まれていくような、そんな印象的なシーンであった。
<南1局>
親の平島がポンしてマンズ、西家水巻が索子模様
村上は、生牌のとツモ切り、自身で700/1300をツモアガる。
ポイントリードしていても手を緩めることなく、オーラスを迎えることとなった。
<南4局> ドラ
(南家)平島 30700 (西家)村上 31900
(北家)水巻 25000 (東家)長谷川 32400
村上はアガれば4回戦コールド優勝
親の長谷川は、まず自分があがること、次に最低でも聴牌で親連か。
平島、水巻にとってはひとまず5回戦に進むために、トータル2位である
長谷川の着を落としてはいけないので、ツモアガリがNG(平島3倍満ツモ以上のみOK)で村上から直撃して長谷川をひとまず援護しないといけないという苦しい立場
平島は村上から1600点以下か、満貫以上の直撃、役満出アガリ
水巻は村上から1300点以上の直撃のみ
村上は6巡目にをポン
村上の上家の平島はこのポンを見て、この局の行く末を他の2人に託して牌を絞る。
村上の下家に座る水巻は8巡目にペンをチーしてマンズのホンイツへ
チー
11巡目ツモ打で聴牌
12巡目ツモ
念のためカラ切り
このカラ切りを村上どのように捉えているのか。
15巡目、親の長谷川に聴牌が入りリーチがかかる。
同巡、村上も聴牌
ポン ツモ
村上「下家(水巻)はマンズのホンイツで、ほぼとのシャンポン待ちであろうと読んでいました。」
普段のリーグ戦等のバランスでは絶対に切らないであろう
しかしこれを通すことができれば4回戦コールド優勝はもう目前
どのくらいの時間を掛けただろう。
深い思考、苦悶に満ちた表情
村上は覚悟を決めて、一礼
水巻の待ちがである可能性に懸け、村上がを河に置いた。
そして、水巻から「ロン」の声
村上→水巻 3900
この放銃で長谷川トップ、村上ラス
この日1日を通して、終始冷静沈着だった村上が唯一後悔した1局となった。
4回戦終了
長谷川 +31.4
平 島 +10.7
水 巻 △10.1
村 上 △32.0
4回戦トータル
村 上 +71.5
長谷川 +31.7( 39.8差)
平 島 △13.3( 84.8差)
水 巻 △90.9(162.4差)
*( )内はトップとのポイント差
2番手長谷川が村上の背後を捉えた。
5回戦
起家から 水巻、長谷川、平島、村上
5回戦、東場はリーチ超人の本領発揮
東1局5巡目リーチ!
東2局4巡目リーチ!
東3局7巡目リーチ!
東4局6巡目リーチ!
しかも4回中3回のアガリに成功している。
特に、東4局が絶妙だった。
上の配牌からを重ね、5巡目
ツモ
を待ち頃の牌として手に残し、次巡ツモ
こんな捨て牌でリーチ
村上に通りそうな牌としてを残していた長谷川から一発で出アガる
長谷川→村上 6400
長谷川にとっては致命的とも言える放銃となってしまった。
<南3局> ドラ
(西家)水巻 25800 (北家)長谷川 19000
(東家)平島 36800 (南家)村上 38400
親の平島が3巡目にポン打
5巡目にポン打
6巡目にポン打
ポン ポン ポン
捨て牌が、
この親に対し、村上
ツモ
ここでを切り飛ばす
次巡はツモ切り
さすがに強烈!!
村上「ホンイツだとしたらまだ聴牌はしていないだろう。おそらくくっつきのイーシャンテン。ピンズが余るまではピンズは押します。ポン出しがだったことから、ホンイツでなければが危険なので、切り順がとなりました。」
実際の平島の4枚の手は、だった。
ほぼ読みどおり
前述したように、これが村上の強さなのである。
カンチーしてペンの聴牌を取った村上は直後、平島から出アガリに成功した。
<南4局> ドラ
(南家)水巻 25800 (西家)長谷川 19000
(北家)平島 34800 (東家)村上 40400
6回戦を迎えるための3人の条件が出そろう
平島はこの半荘、村上を捲れば最終戦に望みを繋ぐことができる。
その差5600
1000/2000以上のツモ、3200点以上の直撃、6400点以上の出アガリ
長谷川はツモは倍満以上、水巻から倍満以上
村上、平島からの満貫以上直撃が条件
水巻が優勝するにはかなり厳しい状況ではあるが、僅かな希望に懸けてここは6回戦を狙う。
三倍満ツモ以上か、村上から6400直撃
村上はノーテン流局でもコールド優勝となる
この局は慎重に打つと思っていた村上だが、最後まで攻めの姿勢を崩さない。
8巡目にはドラのを切り飛ばし、9巡目にはポン!
最終的には、ここまでピンズに寄せた!
ポン
平島も負けじと寄せた!
長谷川も寄せた!
だが、全員イーシャンテンのまま先に進めず
村上は三列目からは守備に徹し、最後は静かに牌を伏せた。
長かった戦いに終止符が打たれた。
5回戦終了
村 上 +40.4
平 島 +14.8
水 巻 △14.2
長谷川 △41.0
トータル
村 上 +111.9
平 島 +1.5
長谷川 △9.3
水 巻 △105.1
2着との差が80ポイント以上となったため、5回戦をもって村上の第2期新輝戦の優勝が決まった。
そしてこの後、表彰式が行われた。
表彰式
第4位 水巻渉選手
終始、苦しい展開ながらも、常に冷静であり続けた水巻選手
表彰式のコメントでは、本当はすごく悔しいはずなのに、その気持ちを押し殺し、優勝した村上選手への賛辞とプロとしての姿勢に関する言葉だけを述べておられました。
4回戦オーラスでのの出アガリが本当に苦渋の選択だったことは、会場内全員に伝わっていました。
アガっても優勝にはかなり厳しい状況ですし、アガらなければ5回戦を迎えることなく決勝が終わってしまう … 、そんな辛い試練にも堂々と向き合い、最後まで諦めることなく、素晴らしい戦いを魅せてくれた水巻選手でした。
第3位 長谷川来輝選手
今回、地元開催ということで、北海道代表として最後の最後まで我々北海道本部に希望を与えてくれました。
表彰式でのコメントでも、悔しいと言葉を漏らしていましたが、その顔はとても晴れやかで、タイトル戦の決勝を戦い切った男として胸を張っていた長谷川選手を同じ北海道本部として誇りに思います。
準優勝 平島洋太選手
手数は他の選手より圧倒的に多かった平島選手
プロ1年目とは思えない程堂々としていて、卓上では他のトッププロ選手達となんら遜色ないオーラを纏っていました。
表彰式でのコメントは、激闘を終えた後だったこともあり、少しぎこちなさがあったものの、彼の今後の活躍に大いに期待できると充分に感じることのできる1日になったと思います。
第2期新輝戦優勝 村上淳選手
終わってみれば、5回戦コールド優勝
4回戦の焦りこそあったものの、そんな4回戦を含めて、最初から最後まで会場内に存在感を感じさせてくれました。
村上選手は今回の決勝で打ったリーチが14回、そのうち9回がアガリにつながりました。
まさにリーチ超人と言うべきかもしれませんが、村上選手の本当の強さは、正確無比な読みがあってこそ成立する押し引きなのだと感じました。
村上選手、第2期新輝戦優勝おめでとうございます!!
最高位戦の歴史にまた新たな1ページが刻まれました。
新輝戦はまだまだ若いタイトル戦です。
村上選手に続き、これから多くの最高位戦プロが活躍することで、新輝戦というタイトル戦が大きくなっていくことを願っております。
(文責 小俣賢介)