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園田 麻雀駅伝自戦記 その2
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さて、間が空きました。
本番から一ヶ月以上たってそろそろ鮮度も落ちてきてみなさんどうでもいいかもしれませんが、まあそこをなんとか、トイレのお供とかでいいんで読んでいただけたらうれしいです(^o^)
さて、麻雀駅伝、本番!
最終日を迎えてトップを走るアマチュア連合と我が最高位戦は290ポイントほどの差。
最終日は各チーム二人ずつ3半荘ずつ出走して合計6半荘。
強豪ひしめく中、誠一さんと園田で3回ずつ、合計6半荘でこの差をつめなきゃならないわけです。
トップラスで順位点80と素点で20くらい、100縮められるシステムとはいえ、相当厳しい。トップラスなんてなかなか狙ってできるものじゃないですからね…
6半荘でトップ4回以上。アマチュア連合に一度たりともトップは取らせない。これが現実的に逆転できる時のストーリーかなと。オカが大きいルールなのでトップを一度でも取られたら終わりでしょう。
そのためにはそうすればいいのか。
「普通には打たせないこと」
アマチュア連合の二人が本気で普通にトップを取る麻雀をすれば6半荘のうち一回は取られてしまうかも。
がんがん場を掻き回して、山越し決めたり、リーチに被せたり、普段打てる牌を打てなくする。恐怖を植え付けて手を縮こまらせて、結果普通に打てば取れるはずのトップを取らせないようにできれば…
こんなことを考えながら最終日に臨んでいました。
さて一回戦。メンツはこちら。
初めて入ったスタジオの対局室は無人。
自動で動くカメラだけがウイーンウイーン言って動いています。
さすがabemaTV様。対局者の心境をよく考えてくれてる。これなら全然緊張せずに対局に集中できそう。大きなカメラで何人ものカメラマンさんがいたら、場慣れしてない僕クラス、緊張でガクブルですからね!
さあさあ、軽くトップで始めるぞ!と。
開局。
東1局、親は藤田さん。ここはさっさと流そう。
と思ってたら藤田さんの先制リーチ。そこに追っかけるヒサトさん。
GOGO!ヒサト!頑張れ!ヒサト!と心のなかで応援するも…
(´・ω・`)
なんでやねん。なんで裏裏やねん。
点数以上に印象的だったのがこのリーチ。親のチートイのみ。
もちろん基本スタンスとしてはリーチが正しいと思いますが、この逃げる状況で平然とリーチしてきたのは意外。
大体誰かが攻め返してきますからね。このリーチが8000放銃になることも少なくない。
それを承知で「それでも得でしょ」とリーチを打てるのは普段のバランスで打っているということ。
守ってばかりよりも普通に打てばどこかでトップが取れる。そして一回でもトップを取れば総合優勝は安泰。それをきっちりわかってその通り打ってきているなと。
これはやばいかも。
しかし、12,000差はまだなんとかなる点差です。自分が放銃側にまわらなかっただけ幸運だと思おう…!
東4 親:朝倉 ドラ
藤田さんとの仕掛け対決。
対面の藤田さんは役牌を2つポンして、ポン出し。
、から切り出しなのでホンイツの可能性も結構あります。
テンパイのこともあるしもちろんイーシャンテンのこともあります。
対して僕は役牌をひとつポンしてホンイツ3900のイーシャンテン。
…そして持ってきたのは
本来なら僕の立場ではこのポン出しの時点で次の危険牌を持ってきたらそれぞれどうするかをちゃんと考えておかなければならないのです。
危険牌を持ってきてGO!ならノータイムでも少考でもさほど変わらないけど、
降りたり回ったりする場合に牌を切るまでの「間」で大きな違いが出るんです。
「やっちまった・・・考えちまった・・・」
このは通る保証はない。
こので放銃になったら1回戦目にしてほぼ総合優勝がなくなる。
「切りきれない・・・」
仕方なくを切ったという選択に後悔は全くないんですが、
少考したがゆえに降りた風に見せてしまったことは大後悔。
ここでさらっとを切れたら藤田さんは次の萬子でやめてくれたかもしれない。
南家のポン出しから北家の僕がツモるまでの約10秒間。
その間に考えをまとめ、結論を出せなかったのはまだまだ未熟な証。
こういうエラーが勝負を分けるんですよね。
次にを掴んでジエンド。
イーシャンテンをキープしつつ、おりてるように見えない牌の中からを選んだけど時既に遅し。萬子を死ぬほど通され完全にノーテンを見抜かれてしまいました。
終盤藤田さんがをツモ。はー、2000-4000かぁ…
と思っていたらなんと700-1300!染まっていないのです。
「やられた…!」
渾身のブラフでドラ色ホンイツをおろしたのです。
逃げる立場でそうそうできる麻雀じゃない。
これは僕がやらなければならない麻雀のはずなのに…!
この後も南場の親で何本も積んだ藤田さんはそのままトップ。僕はかろうじて2着には滑り込みましたがアマチュア連合との点差はさらに非現実的なものに…
350差…!!
これはもう駄目かなぁ。
残り5戦オールトップ。もしくは並びを作っての4トップ。
うん。駄目だ。やっぱり(笑
2回戦は誠一さんが出走。
頼むトップ!そしてできることなら藤田さんをラスに・・・
しかし誠一さん、なかなか勝負手が決まらず。
ラス前を迎えて断ラス(T_T)
し、しかし!
値千金ラス目からのハネツモ!!
これで3着浮上!しかも藤田さんがラス目!
ここだ!ここ!
ここで4000オールとか6000オールとかでトップまで行くとめっちゃでかい!!
早々にチートイのイーシャンテンを入れる誠一さん。
きた!!
リーヅモチートイ裏裏だ!6000オールだ。
丁寧に山にある牌を探して…打。
とその刹那、藤田さんから無慈悲なリーチが飛んできてしまう。
誠一さんと藤田さんの差は9300。
三着にあがるのに満貫ツモが必要な藤田さんはタンヤオのツモり三暗刻を仕上げてリーチ。
降りるわけには絶対いかない誠一さんはイーシャンテンをキープせざるを得ないのですが、掴んだ牌はさっき選択したフリテンで藤田さんの当たり牌でもある。
一度は止めたものの…テンパイが入って自然に押し出されるは麻雀の道理。
大丈夫。裏が乗らなければ捲くられないから。
…乗ってしまった、三枚も(´・ω・`)
これで誠一さんは3着→ラス。藤田さんはラス→三着。2600リーチだから最高位戦とアマチュア連合の差においては実に50ポイント以上の差を広げることとなる世にも悲しい裏三となったのでした。
これで最高位戦とアマチュア連合の差は380。
てか、協会にも捲くられてるし…
4万点のトップ4回でも240しか浮かないんですよ!それが380差って!
4連勝は必須としてアマチュア連合も4回とも逆連帯させなければならないくらい。
完全に絶望・・・というか諦めの境地ですね。
正直、終わった時に協会よりは上になりたいなぁ。って気持ちでした。この時までは。
そして迎えた3回戦。
前原さん、萩原さんとは本日初対決。というか競技麻雀一緒に打つの自体が初めて。
び、びびらないぞぉー。
東1局、まずは僕が5800和了ったあと、いきなり萩原さんが朝倉さんに5200の放銃。
この放銃が非常にプロっぽくて、
・リーチの朝倉さんは愚形が少ない
・前原さんがリーチに押していて次の一手でリーチが来そうだけど現物がない。
からあえて現物があるのに中スジを切ったってやつでして結構かっこいい放銃なわけですよ。普通は放銃できない。
結果は最悪だったけど「俺はそこらのアマチュア芸能人じゃないぜ!」と強烈に主張する、そんな放縦だったわけです。
「ああ、この人もか…」
まじで何がアマチュア連合だよ…
しかし、アマチュア連合がラス目に落ちたのは間違いない事実。
この並びをキープしたままツモりまくればトップラスのできあがりですから。
幸い、萩原さんにテンパイがなかなか入らない。
じりじりとラスを押し付けつつ迎えた南1局、ぼくの親番。
何考えてたか知りたいって声をちらっと頂いたんでちょっと詳しくドヤァ語りしたいと思います。てへ。
ドラは、何切る?
基本的に鳴きたい愚形が残っているホンイツに向かう場合、ぎりぎりまで何色かをバラしたくないから、2番めに多い色から切っていくのが手筋としてはセオリーですね。しかしこの手、萬子のホンイツを決めてしまってもいいものか。形が悪すぎます。この後のツモ次第では染め切らないドラ使いの和了なども視野に入れようかどうしようか…
結局、萬子のホンイツに一本化してみました。初手からピンズホンイツとチートイツ、トイトイを捨てて萬子のホンイツを和了るための河作りを最優先することにしました。
の対子落としから入り、ドラ受けターツを払っていく。
幸い、手がかみ合い、早々に、と役牌を2つポンできました。
次にを引いてきました。もも生牌。
もちろんホンイツに向かって一番広いのは打ですが…
どうすればこの手が12000の和了に近いのか。
はっきり言って今の萬子の形は相当悪い。が1枚切れの上に二度受け、しかもノーヘッド。
7cmで誰かが押し返してくる中、自分のツモだけでテンパイ・和了に向かうよりも、4cmで誰も押し返せない中、テンパイ・和了に向かったほうが良さそうに思ったんですよね。
確かに引きは痛い。しかしそのロスよりもを鳴けなくすることの方が悲しい。このよりも圧倒的に危険牌である、萬子のホンイツなら絶対に持ちたくないはずのを手出しした瞬間に全員がソウズのホンイツだと騙されちゃえ!!
と思いながら打。
そして次にツモったのは。
さて、ソウズのホンイツに見せかけるためにどうすれば良いのか。
これも悩みました。
- ツモ切り→手出し
- 手出し→手出し
次に手出しするまでの間は、
Aだとまだ萬子ホンイツの疑いが消えないが、
Bだと結構ソウズのホンイツかも!と思ってもらえる。
ただ、次に手出しをした時には、
AもBもソウズのホンイツっぽいけどAの方がソウズのホンイツっぽさがやや勝る。
もちろん将来的な危険度としてはの方が危ないからそちらを早く処理したいんですけど、今にも誰か攻めてきそうだから一刻も早く処理したい…という状況ほど、まわりから見た時に『をブラフで持っておけるわけない』という意識につながり、結果としてソウズホンイツの通常進行に見えるわけです。
んーーー。
とにかくソウズのホンイツっぽく見せるのMAXにしたいから・・・ツモ切りか。しかしこの一巡にソウズを切られるのもアツいしなぁ…
あ、あれ?そう言えばこれAbemaTVだよな。
ブラフの最中に他の色でこんなに悩むとか見栄え的にいいんだっけ?
誰もがこの少考を理解してくるわけではないし、この三味線ヤローが!とか思われちゃうかも。
はよ切らな!はよ切らな!
というわけで約4秒の少考の後、ツモ切ったわけです。
が…!今になってよくよく考えてみると、一手先のホンイツに見える度合いの差よりも、今の瞬間にソウズを打たせないメリットと危険度の差の方が大きいかなぁ。手出しの方がよかったかなぁと思ったりもしています。
さて、次巡を引いてきて打。
ソウズホンイツのブラフをMAXにするならこのもツモ切っても良いですが、を自力で引いた時の受け入れ枚数が違いすぎて流石に無理ですな。
毎巡ごとに選択を迫られます。
持ってきた生牌のですが、これをツモ切ります。
かを手出しして誰かにまたぎのソウズを踏み込まれたら死ぬほどアツいので、これはさすがにツモ切り。
次巡、ツモ。
来た!あの手牌がついにイーシャンテン。
しかもまわりからはソウズのホンイツに見えているはず。
ここで安全を追ってなんかを手出ししてしまったら今まで必死に作ってきた河が台無しです。
冷静に冷静に、打。
そして同巡、萩原さんの手牌。
これです。ここからを打ち出してもらうために、今までの選択があったのです。
ストレートにホンイツに向かっていたらここからが打たれることは絶対になかったでしょう。
美しい。美しすぎる4cmだ。
脳内にアドレナリンが出まくっていました。
あー、この手順を何十万人に見せることができるなんてもう死んでもいいや。
↑ 軽く昇天してますwww
もう一度萩原さんがを掴んで放銃になったのまではできすぎ。
ただ、この和了で絶対無理だと思っていた総合優勝が少しだけ脳裏をよぎりました。
そのままアマチュア連合とトップラスを決めて3回戦終了してスコアはこちら。
ん。380あった差が260に…!
ざわっ。
もしかするともしかするぞ…!
…ここまで書いてて思ったのですがポップな振り返りなのかマニアックな麻雀の話なのか、全くわけがわかりませんね。コンセプトがないというかww
我ながらわけがわからなくなってきましたが…なんとか最後まで続けたいと思います!
続く。