コラム・観戦記

【發王位を連覇するまで その11】

明けましておめでとうございます。
新年を迎えまして、私が出場する發王戦ベスト16まで残り2週間強となりました。
この記事も今回を含めて残り3話で完結させなければなりません。
だいたい1回戦につき1話で進めてきましたが、この4回戦に限って言えば書きたい局がありすぎて本当に困りました。
少し長くなってしまうかもしれませんがご容赦下さい。

3回戦終了時トータル
佐藤 +39.7
水巻 +30.3
平賀 +6.5
山田 ▲76.5

オール2着、ポイントリーダーで折り返し。1回戦大トップだった平賀が沈んで、1回戦ハコラスだった水巻が浮上という理想的な展開。
しかし、タイトル戦はここから少しずつ脱落者が出てきます。山田の立場でみてみると、この4回戦3着・4着を取るようなことがあればもう厳しいでしょう。
脱落者が出てくると、安全圏がなくなってきます。ここから先は少しずつギアチェンジをして、リスクを負って前に出なければならない局面が増えてくるのです。

4回戦東1局3本場

水巻 53800
佐藤 27800
山田 22600
平賀 15800

水巻が大連荘中。
このまま水巻にトップを取られると水巻がトータル首位に立ちます。
自分はほぼ無傷で2着目。なんとか水巻をまくるよりも、水巻に離されないように2着だけは取りたいと思っていました。
しかし冒頭にも書いたように、そろそろギアチェンジしていかなければいけないと思っていました。
そんな気持ちから今局はリーチを選択。

このとき私は、水巻の手は好形リャンシャンテンか愚形含みのイーシャンテンだと思っていました。私が水巻の位置に座っていたら、トータルで競っている私のリーチには向かっていきにくいと思います。

「自分がリーチなら水巻は引くだろう」

こういったアナログ読みをタイトル戦でやるとロクなことがありません。腹を括っている相手だと押し返されるわけですからね。

読みどおりのシャンテン数でしたが、テンパイが早かったため追っかけリーチを受けて裏3に放銃(´・ω・`)
しかし後ほど聞くと、水巻はすべて押すつもりでいたそうです。やはりアナログ読みは当てになりませんね。酷いことになりました。

こうなると水巻は対抗馬がいないので、親番のうちは一切手を狭めることなく攻めてくるでしょう。
水巻が更なる加点をして迎えた東1局5本場。

水巻 83700
佐藤 4900
山田 19600
平賀 11800

下家山田がをポンしてピンズの染め手へ。
自分の手はドラもなく大した手ではないが、ここは自分の手を進め、さらに山田へアシストの切り。
は平賀が切っているのでロンされることはないし、字牌も余っていないので山田がテンパイしていることはほとんどないと思います。
水巻がノーガードで攻めてくるのは親番のときだけ。山田が点数を持つ分には、平賀の逆連対率が上がるのでまだ良い。
水巻は今局降りることはないので、仕掛けて前に出ることはかなりのリスクがあります。その役を山田に任せたわけです。

山田はを234でチー、打
まだ字牌が余っていないので続けてと切りました。自分の手も進みますしね。

これにはお声がなく、山田がと手出ししたところで水巻のリーチ!

悪くない展開です。2件攻撃はツモられると失点するので良くないと思われがちですが、ピンズの染め手もを余らせたくらいではイーシャンテンのことも多いし、テンパイしていても愚形が残っていることの多いです。
戦ってもらい山田が放銃すれば着順浮上の確率が上がり、山田が上がれば水巻の親が落ちる。
水巻のツモ上がりは嫌ですが、それは水巻の1件攻撃でも同じことなので、意図的に良い展開が作れたと言えるでしょう。

結果は山田が水巻から8000!

つづく

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