「第1期最高位戦Classic開催要項」
これが私が最高位戦の門を叩いた5年前、初めてもらったタイトル戦の案内資料である。
(そういえば有名な漫画でこんなルールのリーグ戦やってたなぁ…)
無論当時の私はClassicルールはもとより、一発裏無しすらほとんど打ったことが無かった。
軽い気持ちで第1期最高位戦Classicに参加することにした訳だが、自分にとって初体験づくしの対局となったことをよく覚えている。
普段のルールと違いすぎて、どう打つべきかが分からない。
勉強しようにも初のタイトル戦なので採譜が残っていない。
周囲に知り合いもまだ少ないので、誰に教わっていいのかが分からない。
(こんなの俺みたいな若手が出ても勝てるルールじゃないや…)
何とも勝手ではあるが、当時は自分の稚拙さや行動力の無さを棚に上げて、こんな愚痴に近い心境を抱えながら帰路に着いた。
そんな苦い思い出しか残らなかった第1期から1年後、一つの転機が訪れる。
佐藤聖誠という同期の選手が、第2期最高位戦Classicで準決勝にまで勝ち上がったのだ。
予選から準決勝が終わるまでの間、何度も彼主催で勉強会やセットが行われる中、初めてこのルールの「強者」から打ち方を教えてもらう機会を得ることができた。
私はこの年の秋、第32期麻雀王座決定戦(一発裏無し、当時はノーテン罰符も無いルール)の決勝に駒を進める幸運に恵まれることになるのだが、このClassicルールの勉強で得た経験が活きたことは疑念の余地がない。
更に1年が過ぎた第3期最高位戦Classic、この期から他団体にも本格的に門戸を開放するタイトル戦にリニューアルされた。
そしてここぞとばかりに団体の枠を超えて、Classicルールの勉強会やセットを誰よりも催した人物がいる。
見事第3期の栄冠を勝ち取った、麻将連合所属の下出和洋氏、その人である。
もはや近年では、下出氏の「Classicルールの勉強しよーよ」という言葉(というか口癖)は、我々の仲間内で初夏の風物詩にもなっている(笑)
そして迎えた昨年、第4期最高位戦Classicを制したのは坂本大志。
坂本は私と同じく31期前期入会、そして最後まで坂本と優勝争いを演じた有賀一宏は31期後期入会。
4期目にして若手の研鑽が初めて大きな実を結んだ。
近年麻雀のルールは多様化し、その中でも一発,裏ドラ,赤ドラといったインフレルールが主体になりつつある。
そんなルールを主として育ってきた我々にとって、Classicルールとはある意味「異端」なのかもしれない。
「Classicルールなんて勝てないし、1年で1回しか打つ機会無いので出ませんよ」
そう言い切ってしまう若い世代の選手からも話を聞いたことがある。
只佐藤も有賀も坂本も、センスや才能だけでこのルールで勝ち進んで来たのではない。
多くの積み重ねとこのルールに対する探究心が実を結んだ結果なのだ。
何よりClassicルールは麻雀の技術的基幹を強く問われるルールとなっている。
丁寧な思考や手組みの正確さを学ぶ上で、特に我々の様な若手が学んで然るべきものではないかと思う。
さて、5期目を迎える今年。今日から始まる準決勝に駒を進めたのは以下16名(以下敬称略)。
・最高位戦
坂本大志
有賀一宏
沖野立矢
熊田健史
長南雅明
村上淳
水巻渉
・協会
阿賀寿直
・μ
井出洋介
小林剛
大沢健二
下出和洋
・RMU
河野高志
内田良太郎
・機構
土田浩翔
・101
菊池俊幸
果たして今年は誰が決勝へ勝ち進み、優勝の栄冠を手にするのであろうか!?
決勝は8/15(日),8/22(日)の2日間に渡り、神楽坂ばかんすで行われる。
私も当日はこのルールの末端の愛好家として、会場に足を運ぶとしよう。