コラム・観戦記

日本オープン②

第8回日本オープン準決勝(ベスト16)は、3月27日土曜日、神楽坂「ばかんす」にて行われた。

この「ばかんす」は最高位戦も近年A、B、女流リーグで使用させていただいており、僕個人としてもとても愛着のある会場だ。

4年前2度目の最高位決定戦、最終日には予想以上にたくさんの人が応援に来てくれた。

結果は僅差で張さんに敗れてしまったが、麻雀プロを続けて来て良かった、と思えた瞬間だった。

3年前の秋、Aリーグ陥落が決定的となる18000を飯田さんに降り打ちし、あまりの情けなさに対局後人前で号泣してしまった。

俺は11年間何をやっていたのだろう、悔しくて仕方がなかった…2年前、8年ぶりにB1リーグを戦ったのもこの会場だった。運良く1年で昇級できたが、1年間Aリーグを見ているだけなのは本当に辛かった…昨年もAリーグの残留争いを…ってあれ?

愛着はあるけどここ数年いい思い出があまりないぞ?

店長の青木さんもそんな自分を数年間見て来てくれて、ずっと応援してくださっている。

少なくともこの日は「ばかんすは俺のホームだから他の人より有利だ!!」と思い込んでいた。

もしかしたら誠一さんも同じことを考えていたかもしれないな。ま、昨年同じようにばかんすで準決勝をやって負けているのだが。

もう一つ、準決勝のメンバーが決まった2週間前からずっと思い込んでいたことがあった。

それは「この16人だったら俺が一番強い!!」麻雀打ちはこう思う人間が多いらしいが、自分はいつも「大差なんかないでしょ」と思ってしまうタイプだ。

そもそも少々差があったとしても、それが半荘6回で結果に表れるわけがない、常にそう思っていた。

しかし今回は本当に思い込んでいたのだ。

同じ最高位戦Aリーガーの誠一さんや協会Aリーガーの金さん、元協会Aリーグの鎌田や昨年優勝者の山下さん(RMU)には悪いが、「この16人の中の誰かが優勝するんだよな…一番ふさわしいのは俺じゃん!!」もちろん、どんなに強くたってこの時点で優勝確率が10%を超えているわけはないのは知っている。

それでも4人は決勝に残り、さらにそのうち一人が優勝する。今回こそ自分の番だ、かなり強く思い込んでいた気がする。

とはいえ昨年は多井、藤崎、今里といった優勝経験者は全て敗れアマチュア2人が決勝に残っているわけだし、結局のところ恵まれていなければ残れるわけないのだけれど。

一回戦、西家スタートの東パツ、残りツモ4回でピンフドラドラをリーチした。

ダマテンが多数派かもしれないが、自分のスタイルは貫かなければなるまい。

空振って当然のこのリーチが、最終ツモでツモって裏1、30006000で最高のスタートをきることができた。

そのままトップ目で迎えたオーラス、2着目の上家(田幸プロ)とは1万点強差、マンツモされてもセーフ。

下家のラス親山下さんとは2万点差、そこへトイメンのラス目の方(山下さんとはかなり微差)がをポンした。

捨て牌は平凡、大三元もダブ南もなく、ドラも2枚見えていた。

こりゃ打ってもトップだとツモ切ったにロンの声がかかった。

 ポン
2600点、狙い通りトップだったのだが…なんとならハネマン、3着転落ではないか!

しかも自分はピンフのイーシャンテンで、テンパイ打牌は2の予定だったのだ。

親の山下さんがを切っていたので、裏筋のを先にツモ切りしたのだが、もしピンフテンパイが入っていたら…麻雀の恐ろしさを改めて感じた以上に、ある予感もした。

これは神様が決勝に行けと言っているに違いない!!

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