コラム・観戦記

【第10回最高位戦Classicベスト32】玉利一

「第10期 飯田正人杯・最高位戦Classicベスト32 

飯沼雅由 選手 観戦レポート」

 

文 :最高位戦関西本部 玉 利 一(たまり いち)

 

「飯田正人杯・最高位戦Classic」 第8期より2012年に逝去された飯田正人永世最高位の名が刻まれしこの大会。最高位戦日本プロ麻雀協会に所属する選手であれば、最高位に並び最も手にしたいタイトルの一つであろう。

 

旧最高位戦ルール。一発裏ドラ無し、槓ドラ・槓ウラ無し、リーチ後の暗槓無し、ノーテン罰符無し、和了連荘、リーチをかけていても流局時に手牌の公開をしなくてもいい、など、競技麻雀愛好家のみなさまが普段親しまれているものとは一風変わったルールを採用したこの大会に、最高位戦関西本部から 飯沼雅由 友添敏之 中村誠志 玉利一 の4名が本戦(ベスト64)進出を果たしていた。

 

本戦のシステムは、16名を4ブロックに分け、各ブロック総当たりで5半荘を戦い、5回戦終了時に下位3名が脱落。上位1名がベスト16へジャンプUP。2位~13位の12名でポイント持ち越しで6回戦を行い、上位6名が翌日開催されるベスト32へ駒を進める。

 

最高位戦関西本部所属の選手4名は全員5回戦での足切りは免れたものの、ベスト32への勝ち上がりを決めたのは飯沼雅由ただ一人となった。

 

 

飯沼 雅由 (いいぬま まさよし)

第38期後期入会  関西C2リーグ所属

京都府出身 1969年5月30日生まれ AB

 

同じ年(1969年)に生まれた有名人:福山雅治、HIROEXILE)、hydeL’ArcenCiel)、吉田栄作、加勢大周、的場浩司、etc

 

同じ血液型(AB型)の有名人:小林旭、HIROEXILE)、温水洋一、ゴージャス松野、麻美ゆま、アントニオ猪木、なかやまきんに君、etc…

 

関西本部本部長にして最高位戦Classic協賛企業「マーチャオ」の専務でもあり、人脈の広さ、フットワークの良さ、懐の深さ、酒の強さ、etc…、この人なくては関西本部設立が成り立たなかったであろうお方。

 

普段の最高位戦ルールでの対局を観戦していても、アガリが見込めないと判断した局の受けへの切り替えの速さは秀逸で、最高位戦関西本部の選手の中で最もこのClassicルールに適したプレイヤーと言っても過言ではないだろう。

 

 

2015年7月19日(日)、第10期飯田正人杯最高位戦Classicベスト32の対局が行われる。会場は、Aリーグの対局やタイトル戦の決勝など数々の歴史が積み重なりし場所、神楽坂「ばかんす」。

 

ベスト32は16名を(AB)2ブロックに分け総当たりで5回戦を行い、各ブロック上位1名がその時点でベスト16へ。10位~16位は敗退。残った8名で6回戦を行い、上位4名がベスト16へ進出する。

 

飯沼が振り分けられたAブロックは、

鈴木 たろう ・・(NPM)獲得タイトル多数、雀王3連覇中、昨年のファイナリスト  

愛内 よしえ ・・(NPM)第12回野口賞女性棋士部門受賞 昨年のファイナリスト  

須田 良規 ・・(NPM)第5期雀王 「東大を出たけれど」でお馴染み  

菊地 俊介 ・・(NPM)第8回オータムチャレンジカップ優勝  

吉田 俊介 ・・(NPM)第9期日本プロ麻雀協会新人王  

宮田 信弥 ・・(RMU)2010年 「ジュピターカップ」 優勝

平井 ・・(101競技連盟)第7期 翔龍位  

堀川 隆司・・(101競技連盟)第15期 名翔位  

山本 篤史 ・・(日本プロ麻雀棋士会)「第1期ダービー優駿杯」 優勝

宇野 公介 ・・(最高位戦日本プロ麻雀協会)第6期最高位戦Classic 現在Aリーグ首位独走中 

石橋 伸洋 ・・最高位戦日本プロ麻雀協会)第36期最高位 第19期發王位 「麻雀勝ちまくり王子」の愛称でお馴染み

石井 一馬 ・・(最高位戦日本プロ麻雀協会)第21期麻雀マスターズ 「麻雀偏差値70へのメソッド」でお馴染み

鈴木 聡一郎 ・・(最高位戦日本プロ麻雀協会)第1期丸雀最高位 麻雀の観戦記者としてもお馴染み  

白鳥 ケイタロウ ・・(最高位戦日本プロ麻雀協会) 第29期後期前期入会 1964年8月13日生まれ  

本多 大将 ・・(最高位戦日本プロ麻雀協会) 第37期後期入会 グンマー出身  

 

といった上記15名、タイトル獲得経験者が多数いる厳しいブロックとなった。

いや、ここまで勝ち上がってきた者同士の対局で、そもそも楽な対局などもはや無いのかもしれない。

 

 

1回戦   起家~ 平井 飯沼 宇野 石橋

 

東1局  ドラ:白

東を仕掛け、ドラを切っての1000点のテンパイを入れる飯沼。

五六七①②③④678 ポン東

 

ドラ単騎にも出来たのだが、こんな守備力無い形でツモ専の白単騎にし、決着巡目が深くなって他者の反撃を受けるのは、うっかりツモでのリターンよりもリスクが上回るとの判断か。これが東暗刻の嵌6mチーの仕掛けならば、他者を楽にしないというのとリターンの大きさでドラ単騎に受けていたのかもしれない。

 

その後、石橋もペン3sを仕掛け、平井も5pをリャンメンチーでの仕掛けを入れ、早く軽い展開となったこの開局を制したのは・・・親番平井。宇野から1500点の出アガリでこの半荘最初のアガリをものにした。

 

東1局1本場  ドラ:9s

純チャン三色へジワジワ匍匐前進で手を進める飯沼。

そこに、親が嵌5pの仕掛けを入れる。この1副露だけを見ると1500っぽさが漂っていた。しかし2副露目に6pを456でリャンメンチー。この仕掛けで、一見ホンイツっぽくない河だったのだが、十分ありうるなと、急に匂いが色濃く出始めた。

 

シャンテン数が進むにつれ有効牌は減っていく。ゆえに、リャンシャンテン時の受け入れを狭めてでもイーシャンテン時の受け入れを強くする打ち方が現代では主流となっているが、本当に一番有効牌が少ないのは、テンパイからアガリへの枚数。ノーテン罰符のあるルールであるならばテンパイまで辿り着くことが一つ“偉い”だけにそれで問題無いようにも思うが、テンパイ料もなくアガリ連チャンのClassicルールではアガリを強くすることの有効度が最高位戦ルールよりも高い。ゆえに河に工夫を凝らすプレイヤーも少なくない。

 

そしてこの河が工夫の凝らされたものであるならば、刺さって高くなるケース・・・ケアすべきは字牌か。

 

親の上家でバシバシ牌を切り飛ばすイシバシに対し、ドラの9sをひいたところで親には現物だが飯沼は撤退を選択。その後、ひいてきた發も勿論切りださない。

 

そして、アガリが見込める手と判断した時は強く踏み込むプレイヤー石橋伸洋が切った南を親番平井が捉え、7700は8000のアガリ。

 

南南發發中中中 チー⑤④⑥ チー⑥④⑤  ロン南

 

 

東1局2本場  ドラ:7p

9pチー、1pチーと積極的に2副露を入れる石橋。

それに対し、しぶしぶ速度合わせにチーテンを入れる宇野。

平井から宇野が2000は2900の出アガリ。

わずか7巡の決着。飯沼の出番はまだ来ない。

 

東2局  ドラ:3s

12巡目 飯沼

五④⑤⑥⑦⑧2266688 ツモ④

ここらでそろそろ目一杯に構えて打5mとするのか、ツモ切りか、まだ他からのアクションが無いこの状況。

聴牌連荘、不聴罰符のある最高位戦ルールであれば当然まだ自己都合で押してしまいそうな状況だが、これはClassicルール。飯沼が手に掛けたのは8sだった。

 

ドラも見えないこの状況、この巡目でこれ以上踏み込むのはリスクが勝るとの判断で、5mも4pも切る気はないということか。

 

同12巡目、北家平井が上家から切られた4mをニ三四でチーして打1s。局面が動き始める。

いや、実際は既に局面は煮詰まっていたのかもしれない。チラリと南家宇野の手牌に目をやると、メンホンチートイツの4p単騎でひっそりとテンパイを入れていたのだ。

この局、結果は流局で終わったが、自分がもし飯沼の席に座っていたらと思うと、冷や汗が流れた。

 

ダマのチートイツに放銃するのはこれまで事故として自己処理してきたが、考え方や認識を改めなくてはならないようだ。

 

そういえば1年前、関西で行われたClassic講習会の場で坂本大志プロにメンホンチートイツをズバリ指摘されたことがあったのだが、今思うと、「染め手模様の人が居て仕掛けが入っていない。

そこに字の高さや、2枚切れのまま3枚目が見えない字牌が数種ある。」など、情報を複合して精読していくと、ただ染め手と読むのではなく、メンホンチートイツまで限定して読める局面というのはこのClassicルールでの対局だとそう少なくないのかもしれない。

 

 

東3局1本場  ドラ:4s

平井が中ポン、北ポンと字牌2副露。

飯沼も、

三四七七②③④122245

から5mを仕掛けてタンヤオドラ1の36s待ちテンパイ。

しかしこの局を制したのは親番宇野。

二二三四四②②466788  ツモ三 打8

嵌5s待ちテンパイ。

勿論、ニ盃口がこの手のMAXだが、宇野は夢など見ない。

勝負とは現実の中の出来事なのだ。

 

この局面でドラを切り出すということは大怪我を負うリスクも背負うし、この局面でドラを切ったとなっては当然「この親やべぇ…」と周囲の警戒レベルもMAXまで跳ね上がる。つまり満貫テンパイになるとはいえ、誰からも打ち出される7sではなくなるのである。

 

ツモアガる分には3900オールか4000オールの違いで微差。しかも自分で1枚使っている7sと5sでは単純見た目枚数で5sの方が優位。

 

テンパイしてすぐに平井から5sが切られ、栄和了。タンヤオ・イーペーコー・ドラ、7700は8000。値千金、トップ目平井からの直撃に成功し、宇野がこの半荘トップ目へ。

 

 

東3局2本場  ドラ:西

平井28900  飯沼30000  宇野39100  石橋22000

親の第1打北を飯沼が積極的に仕掛け、 四五②③⑧57東東西 のリャンシャンテン。

 

次巡早々にドラの西も切り飛ばす。安さをバラすことによって、絞りに回られないようにする作戦か!?それとも早いテンパイっぽさをアピールして安い場へと誘導する作戦なのか!?

石橋にも白の仕掛けが入り、平井からもリーチが入る。

平井の宣言牌4sをポンと積極的に仕掛ける石橋。ここが本手か!?

しかし平井が6sをツモアガり、1000/20001200/2200

 

 

東4局   ドラ:1s

平井33500  飯沼28800  宇野36900  石橋20800

孤立していた中が僅か2巡で暗刻になり、ようやく勝負局がやってきた飯沼。

三三九九①③⑨23中中中白

3巡目ツモ1sで打9p、4巡目ツモ2mで打白、5巡目ツモ7sで打3m、6巡目ツモ1pで打7s、そして7巡目・・・

二三九九①①③123中中中 ツモ1m

そっと1pを河に置き、ダマッパネのテンパイ。

2pは場1だが、ピンズは場に安く、今にもこぼれそうである。

しかしテンパイ後、8巡目7pツモ切り、9巡目5sツモ切り、10巡目發ツモ切り、11巡目2mツモ切り、12巡目5pツモ切り、2段目オールツモ切り。そして他者からも出ない。

 

更にその間、平井のカン5mチーの仕掛け、石橋の8sをリャンメンチーの仕掛け、2軒の仕掛けが入り、そして両者の手から中終盤に出てくる4p。この4pが親の現物も兼ねて安全牌として持っていた牌だったのか、手牌構成に関係していた牌だったのか、後者なら2pは縦持ちされているケースも含め、相当期待薄に思えてきた。

 

13巡目、白ツモ切り。14巡目、南ツモ切り。15巡目、9mツモ切り。16巡目7pツモ切り…。

鳴きが入っているので残りツモ2回。ドキドキ・・・

 

17巡目、ツモ2p。キターーーー

 

一二三九九①③123中中中 ツモ②

門前清自摸和 三色同順 混全帯幺九 中 ドラ  3000/6000

一撃で飯沼がトップ目へ踊り出た!

 

 

南1局  ドラ:2p

平井30500  飯沼40800  宇野33900  石橋14800

親の平井が白をポンと、序盤から動きを入れてくる。

これに対し、6巡目。西家の宇野がリーチとぶつけにかかる。

五六七八九234678西西

いわゆるリーチのみ。しかもペンチャンリャンメンの牌理的に好ましくないとされる類の下位リャンメン形。

 

親の仕掛けを安いor遠いと読み切ってのリーチなのか、親に本手が入っているならばそれをアガらせないことによる価値が大きいからぶつけたのか、真意は分からない。

しかし、“このリーチ“の“使いどころ”としては申し分ないタイミングであったように思う。

 

5mが場に3枚見えた。7mはワンチャンスに。そして石橋から切られる7m。打点こそ1300ながら、宇野がこの局をしっかりと制す。

 

 

南2局  ドラ:6p

平井30500  飯沼40800  宇野35200  石橋13500

親番飯沼の配牌

一二二五五八②⑤東南北中發發

第一打こそ北を切ったものの、2巡目ツモ7mからは完全にマンズの染め手へまっしぐら、ペティグリィーチャム( =ω=)

 

12巡目、石橋から切られた發を仕掛け、打7m。

一一二二三五五五八八 發ポン

發・ドラ1、ゴッパーかニーロクオールの辺3m待ちテンパイ。

 

3mも目に見えて薄く、1m2mは既に場に枯れていてトイトイなどの変化は無いが、場にマンズの下は糞安く、3mが山に残っていてもおかしくないようにも見える。

あとは飯沼がツモれるかどうかのゲーム・・・かと思いきや、

 

宇野も6巡目に

②③③④⑥⑦⑦112233

のイーシャンテン。8pひいて一盃口ドラ1の単騎待ち。そして親の仕掛け後は今通った牌などにコロコロと待ち変えをしてアガリを狙っていた。

だが、どうやら下家の石橋はそれを敏感に察している様子で、完全に宇野もケアに入っていた。

結果は流局。

どんなに場に良さげな待ちでも、周りがしっかりと受けに回っていてはそうアガリが生まれるものではないということだ。

 

 

南3局1本場  ドラ8p

平井30500  飯沼40800  宇野35200  石橋13500

北家、飯沼の配牌

四六⑧⑧333466西西發

ドラ2のチャンス手だが、縦に寄せるか、タンヤオに寄せるか、オタ風の西の扱いが難しいところか。

1巡目9pツモ切り、2巡目ツモ6sで打發、3巡目8sツモ切り、4巡目3pツモ切り、5巡目北ツモ切り、そして6巡目・・・

3334666四六⑧⑧西西 ツモ6

ここで少考後、打西とタンヤオへ。自然にアガリに向かうならば何も迷う局面ではないのかもしれないが、飯沼は現在トップ目で今はラス前。

アガリ連チャンのClassicルールならば守っていてもトップを取り切れる確率はそう低くないだろう。

しかしそんなルールだからこそ、高打点の加点チャンスというのは1局1局が重要なキー局になりうるのである。

 

次巡、ツモ2mで打西、そして8巡目、

二四六⑧⑧33346666 ツモ8

ここで打4sとして、嵌5s受けから嵌7s受けへ。6s4枚壁、3巡目8s、先ひっかけ、マンズのリャンカンが埋まってテンパイしたらリーチとまでいきたくなるほどに、良い受けが出来た。

 

そして11巡目、ご希望通りのツモ5mで嵌7s待ちテンパイ。あまりに気持ちの良い仕上がりに興奮してついついリーチ・・・と言っちゃうこともなく、しっかりとヤミテンに構える飯沼雅由46才。これが大人の渋みというヤツですか、ええ、ええ。

13巡目、石橋から切られる7s。5200は5500のアガリをしっかりとモノにし、この半荘のトップを決定付けた。

 

 

南4局  ドラ:5s

平井30500  飯沼46300  宇野35200  石橋7000

平井が8巡目にリーチ。

12巡目に親の石橋が追いかけリーチといくも、その宣言牌6sは通らず。メンピンドラ1の3900。

平井としてもツモアガっての2着を狙いたいところだったのだが、親からの追いかけとあってはアガらないわけにもいかない。いや、そもそもテンパイ料が無く、順位点も1着順差で8000点分しかないともなれば、見逃すほどの価値は無いか。

 

 

~ 結果 ~

飯沼 46300  ウマ+12pt  【+28,3pt

宇野 35200  ウマ+4pt   【+9,2pt

平井 34400  ウマpt  【+0,4pt

石橋  4100  ウマ-12pt  【▲37,9pt

 

■1回戦終了時の成績

 

飯沼は初戦トップで幸先の良いスタート。

 

関西予選は劇的な逆転劇で本戦出場を決め、本戦では激アツな200点差で平賀聡彦(最高位戦Aリーガー)とのジャンプUP争いに敗れと、波乱万丈なClassic人生だったが、ここにきて真骨頂となる受けの強さを発揮する展開がやってきそうである。

 

しかし、そんな飯沼の打ち回しを堪能しようと思っていた矢先、隣の卓が目に映る…。

鈴木たろう vs 鈴木聡一郎 vs 石橋伸洋 vs 石井一馬

み、見たい…。この「鈴vs石」の頂上決戦、超見たい…

と後ろ髪を惹かれつつ(笑)、いざ2回戦へ。

 

2回戦   起家~ 菊地 飯沼 愛内 須田

 

東1局  ドラ:南

4巡目、須田がペン7sの仕掛け。そして親番菊地から出アガリ、三色のみの1000点。

 

 

東2局  ドラ:2s

7巡目、菊地が2sポンの仕掛け。5mもポンして、2副露。

12巡目、愛内が平和ドラ2の58p待ちのテンパイを入れ、ヤミに構える。

14巡目、4pをひいて1pとスライドし、タンピンドラ2へ変化。

しかし、菊地のロン牌を先に掴み、愛内が1000点の放銃。チャンス手、実らず。

 

 

東3局  ドラ:發

ここまで得意のお地蔵さん状態だった飯沼だが、ここに来てチャンス手到来。

 

配牌

三①②②③⑤⑤⑧14557

 

1巡目、ツモ6mで打1s。2巡目、ツモ2pで打8p。3巡目、ツモ4pで打1p。4巡目、ツモ5mで打7s。

5巡目 三五六②②②③④⑤⑤455 ツモ發 打⑤

345の目としての3m、ピンズの伸びを見る種5p、どっちも残したい牌なので、一発裏ドラ有りなら重ならなきゃ使えない發を叩き切ってみたくもなる手牌。

 

しかしClassicルールでは一発も裏ドラも無い為、役牌のドラはメンタンの2600点の為に2シャンテンから切り出す牌ではないか。

次巡ツモ5sで打3m。

ブレる可能性がある三色よりは、ドラの重なりの方が圧倒的に大事。

9枚使う三色2ハン、ドラ2は2枚で2ハン。こうして改めて麻雀のゲームバランスを考えてみると、ドラの存在って手役価値下げ過ぎじゃね?w

 

8巡目、ツモ7mでテンパイ。

さすがにアガリ率に差が有りすぎるので、ドラの發をサラっと河に置き、3-6s4s待ちでヤミテンに構える。

 

しかしこの發に、3巡目に1pを仕掛けていた須田からの反応が無いのを確認し、次巡ツモ4pで、逡巡の後、空切りリーチ!

 

一発で須田からロン牌が切られるも、Classicルールには一発裏ドラが無いので2600点止まり。

 

 

東4局  ドラ6p

5巡目に親番須田が中を仕掛け、さらりと菊地から出アガリ、2000点横移動。

 

 

東4局1本場  ドラ8m

飯沼の配牌

七①①④⑦⑧⑨389西北白

1巡目、ツモ7pで打北。2巡目、ツモ西で打7p。3巡目、4mツモ切り。4巡目、8pツモ切り。5巡目、7pツモ切り。6巡目、ツモ4pで打3s。7巡目、6sツモ切り。8巡目、ツモ西で打白。9巡目、ツモ7sでテンパイ。

 

七①①④④⑦⑧⑨89西西西 ツモ7

しかし、ここは打4pとテンパイ取らず。

ドラ表示牌の7m絶対使い切るマンと化した飯沼だったが、くっついたのはチャンタ三色にもならず、ドラでもなく、ドラ受けにもならずのならずもの、5m。一応テンパイは取ったものの、次巡ツモ發で1pのトイツ落としと降りに回る。

17巡目、親番須田が平和ドラ1をダマでツモアガリ、1300は1400オール。

こういった親のヤミテンに、アガリが見込めない手から放銃するのは罪。Classicルールでは尚のことだが、普段から「アガリが見込めそうに無い手から放銃抽選を受けるのは罪だ」といった意識の強い飯沼だけに、この辺りのケアはぬかりが無い。

 

 

東4局2本場  ドラ:6s

3巡目に親番須田が中ポンの仕掛け。6mもポンして2副露。

ドラ2の飯沼も応戦し、白をポンして、58p、6s、發の満貫2シャンテンに。

しかしこの局も須田がアガリをものにして、1500は2100を愛内から出アガリ。連チャンが続く。

 

 

東4局3本場  ドラ:4m

6巡目菊地からリーチが入る。河は、4s。4p、3m、2p、6p、中。河にチートイツと書いてあるようなこのリーチ。待ちはドラの4mか、生牌の中より良い待ちということか。

直後飯沼がひいたのは自分が第一打で切っている場1の西。早速のド本命掴みに、現物の3m切ってノータイムで撤退。

しかしこのリーチに対し、發を叩き切ったのは親番須田。これにはさすがにヤバイ香りがプンプンプン。

が、リーチ後に菊地からツモ切られたドラの4mには反応無し。

とっても親の手牌が気になるところだったが、愛内が筋を追ってか1mを切り、菊地へ放銃。

發よりも良い待ち・・・というのを考え、ドラ筋の1mはダマなら優秀でもリーチとくるならここはない・・・との読みがあったのか?

 

リーチ・チートイツ、3200は4100の横移動。

 

 

南1局  ドラ:2m

菊地30700  飯沼31200  愛内21400  須田36700

2巡目に須田がカン3sチーから動き、6pを⑥⑦⑧でチー、3pポンと3副露。

飯沼も4巡目にカン3mをチーして、ドラ色のマンズのホンイツで応戦。七八九九から6mもチーしてイーシャンテン。次巡發を重ねてホンイツドラ1、高め發のテンパイ。

 

このホンイツ仕掛けに対しても押してくる須田。4巡目に3mを切ってきた親の菊地にドラの2mが固まっているのかと思いきや、本命はこっちか。

 

14巡目、須田が3sをツモアガリ。

二二45 ツモ3   チー324 チー⑥⑦⑧ ポン③③③

タンヤオ・ドラ2 1000/2000

 

 

南2局  ドラ9s

菊地28700  飯沼30200  愛内20400  須田40700

7巡目、須田が6pを⑦⑧のリャンメンで仕掛けて打2s。

8巡目、この動きで飯沼に東が暗刻になり、

一二九九①②③678東東東

の辺3m待ち役有りテンパイ。一手変わりドラの9sビキで満貫変化。

愛内にもメンホンイーシャンテンのチャンス手が入っていたが結果は須田のツモアガリ。300/500。

 

 

南3局  ドラ:3s

菊地28400  飯沼29700  愛内20100  須田41800

飯沼にドラ2のチャンス手到来。4巡目に、

 

二三四②③④⑥⑦3356白 ツモ5 打白

5巡目、3mツモ切り。6巡目、ツモ5pでテンパイ。タンピンドラ2の47s待ち。これをヤミに構え、

8巡目、愛内からロン牌が打ち出され、7700。

昨年の決勝戦では活躍を魅せた愛内だったが、この半荘はずっと苦しい…。

 

 

南4局  ドラ4m

菊地28400  飯沼37400  愛内12400  須田41800

14巡目、菊地からリーチが入り、一発の役は付かないが、これを菊地一発ツモ!

メンタンピンツモドラ1、2000/4000。これで飯沼は3着へ転落し、対局終了。

 

 

~ 結果 ~

須田 37800  ウマ+12pt  【+19,8pt

菊地 36400  ウマ+4pt   【+10,4pt

飯沼 35400  ウマpt   【+1,4pt

愛内 10400  ウマ-12pt  【▲31,6pt

 

■2回戦終了時の成績

 

最後の10ptダウンは辛かったが、まだまだトータル2番手と好位置につける。

 

 

3回戦   起家~ 堀川 飯沼 本多 鈴木(たろう)

 

 

なんとここで、2回戦終了時の上位4名が同卓。ここで抜きにでた者がこの日、頭抜けするであろう最初の山場がやってきた!

 

東1局  ドラ:6m

6巡目、鈴木がカン3mの仕掛け。早速局面を支配しにかかる。

しかし9巡目には親の堀川がひっそりと三色ドラ1の嵌7m待ちテンパイを入れ、ヤミテンに構える。

そして10巡目、これに鈴木が掴まり、東一局から手痛い7700の放銃。

 

 

東1局1本場  ドラ:5p

飯沼の配牌

四八②④⑥⑨238南發發中

この手が6巡で、

三四②④⑥⑦⑧2349發發

 

という234の三色イーシャンテンに。そして10巡目、

三四②④⑤⑥⑦⑧234發發 ツモニ

9pを切っていて39pの三門張はフリテンになるし、何より役が付かない。このルールなら勿論、打8pのカン3pダマに構える。

そしてこれを11巡目に本多から出アガリ、5200は5500。序盤に無理なく加点できるこの展開、この半荘は堀川と飯沼の争いになるのか!?

 

 

東2局  ドラ:4s

飯沼の配牌

三四六八④⑧1122456北

ここから打北とストレートな切り出し。2巡目ツモ4pで打1s、3巡目ツモ7pで打1s、4巡目8sツモ切り。

そしてこのツモ切った8sを鈴木がポン。動きを見せる。

5巡目ツモ3sで打6m、6巡目ツモ7pで打8m、ここで今度は鈴木が8sチーの仕掛け。門前進行のところで、6788からの8sポン・・・ちょっと河に匂い消しの様子が見られるが、逆にそれは麻雀ライアーと言われる男の仕掛けだけに“本当にアガりたい本手の仕掛け”のサインか。

7巡目ツモ發。少考後、ちょっと打牌トーンの上がったツモ切り。そして次巡、

223456三四④④⑦⑦⑧ ツモ一

ここで「まだ間に合うはず!」と2sを先切り。フリテン部分となるが、ドラ受け含む17s受けを固定。

 

3巡ツモ切りが続いた後、ツモ7pでイーシャンテン。そして次巡2mのチーテンを入れ、フリテンの17s待ちテンパイ。しかしアガれるの47sだけ。

鈴木の本手は潰したいところだが、通っていないソウズや役牌をひいたらその時点で撤退するであろう、瞬間芸的テンパイ。

 

だが、その2巡後、鈴木からツモの発声が…。

34白白白中中 ツモ2s   チー867 ポン888   

2sの処理は絶妙に間に合った飯沼であったが、ここで一気に前局の加点の大半を吐き出す満貫親っかぶり。一方鈴木は、開局の7700放銃を一気に取り戻す満貫ツモアガリ。さすがは雀王3連覇中、リンゴが樹から落ちるように、一撃で試合を戻してきた!

 

 

東3局  ドラ:4m

四八八①②⑤⑤⑤⑥⑥22中

この手格好から2巡目に飯沼が8mポンの仕掛け。

 

中張牌が多く、しかも縦系で牌種が少ない手格好なだけに、長引くと危険。他が整う前に速攻でケリをつけてしまおうという作戦か。

5巡目、鈴木も23で4sをチーして仕掛けを入れてくる。

 

これを受け、7巡目飯沼

四⑤⑤⑤⑥⑥22中中 ツモニ  ポン八八八  

で、ドラの4mを先切り。場に緊張感が走る…。

そして飯沼の“圧“により、この局は流局へ。

勿論アガれるのが一番良いが、飯沼からしてもこれはこれで上手くいったと言える一局でしょう。

 

 

東4局1本場  ドラ:2p

ダブ東を仕掛けた鈴木が堀川から2900は3200を出アガリ。

 

これだけ聞くと普通の一局だが、この局は飯沼に“らしくない”手順によるアガリ逃しがあったのだ。

6巡目、 ③④④⑤⑥233678發發 ツモ1

図々しい私なら「残りツモ11回もあるし、リーヅモドラ1の1000/2000で十分でしょう!」と高めツモる前提で曲げちゃいそうだけど、飯沼なら取りダマだろうなぁ~…。

 

との予想とは裏腹に、飯沼の選択は1sツモ切りのテンパイ取らず。あくまで發を暗刻にする、もしくは鳴く前提ということなのか?

 

いや、そうすると前巡の、

 

③④④⑤⑥⑧33678發發 ツモ2

 

からの打8pとの整合性がとれない。發という役でアガるつもりなら、ピンズにカン7p受けも残してシャンポンダマ効率MAXに受けるはず。つまり、前巡には14sビキによるテンパイも想定していたはずなのである。

 

対局終了後「やらかしたっ!」と本人談。

この辺はやはり緊張感のある対局に潜む“魔物“にやられて普段のフォームから外れた感じか?!

 

8巡目、ツモ5pで3sと發のシャンポン待ちテンパイ。しかしともすればここでアガリだった。そして次巡、親の鈴木にアガリが生まれた。・・・これはマズイ。ガレナー派からすると、無かったはずの親連ほど怖いモノはない。「地震・雷・火事・無かったはずの親連」なのである。

 

 

東4局2本場  ドラ:7s

親番の出目としては一番良くない出目として有名な8を出した鈴木だったが、持ち前の勝負強さを発揮し、ドラ待ちペン7sをツモアガリ。1000は1200オール。

 

 

東4局3本  ドラ:9p

飯沼の配牌

①③④⑦⑦一三1599發中

9mツモ切り、ツモ9pで打5s、ツモ3mで打4p、3mツモ切り。アガリを見るならチャンタドラ1かチートイツドラ2に伸びた時だけ、基本は休憩の回って感じの手組み。

 

4巡目にツモ切った3mを、本多が一二三でチー。

そして16巡目にツモアガリ、ドラ2持ってて1000/20001300/2300

これにて東場で4人全員にそこそこの打点のアガリが出た。さすがはトータル1位~4位の好調者同士の対局なだけはある。

 

 

南1局  ドラ:南

堀川30000  飯沼29000  本多26200  鈴木34800

2巡目、飯沼

四八九②④⑤⑨2456中中

から中をポン。

トイツを仕掛けてヘッドレスな不安定な形だが、ドラが南なだけに周りが警戒して手を狭くしてくれても良し、真っ直ぐぶつけてくるところがあればそこにドラがあるだろうと予測もし易くなる、一石二鳥作戦か。

4巡目、本多が3mポンの仕掛け。その後、②③④の2pチーも入り、2副露。ドラはここか!?

しかし11巡目、鈴木が8s暗槓でまだ戦う意志を見せている?!

いや、Classicルールだと暗槓=攻撃姿勢というわけでは必ずしもないか。

終盤ともなると自分は1000点の手だけにこれ以上は押せなくなるわけですが、14巡目、本多から出アガリ、無事1000点のアガリ。堀川の親を落とし、点数的にも堀川と並んだ。あとは鈴木を捉えれば、この上位決戦の勝利だ!

 

 

南2局  ドラ:2m

堀川30000  飯沼30000  本多25200  鈴木34800

飯沼の配牌

一二七④⑦⑨1389西西北發

南場の親番だけど、さすがにちょっとお休みかな?

第一打、北。2巡目、ツモ1mで打4p。3巡目、ツモ1pで打發。4巡目、ツモ9sで打7m。5巡目、ツモ9sで打8s。そして6巡目・・・。

ツモ切った6sにロンの声!?

ここまで無事故無違反の安全運転を続けてきた飯沼であったが、まさかここで…

「1300」

一瞬ギクリとしたが、ホっと一安心のタンヤオのみ、1300点。

手がぶつかっての放銃や早いヤミテンに放銃するのは仕方の無い必要経費ですが、その時に何点の失うのかで勝負の展開としてはかなり違いますから、1300なら御の字といったところか。

 

 

南3局  ドラ:7m

堀川30000  飯沼28700  本多26500  鈴木34800

飯沼の配牌

三五六①②③④⑧5578東

1巡目、ツモ4sで打東。2巡目ツモ2sで打8p。3巡目、ツモ4mで打1p。そして4巡目、

三四五六②③④245578 ツモ6

タンヤオのテンパイ。しかしまだ4巡目、マンズの4連形を生かしたメンタンピンドラ1を狙うべく、打2sのテンパイ取らずとしたい誘惑に駆られる手格好。

 

だが、飯沼はここで稼ぎに行くよりも、このまま今持っているリードを無事故で守り切る道を選び、打3mのテンパイ取り。

4分の1を決める戦いではなく、これは16分の5を決める戦い。そしてもうラス前。万が一が起こった時にはリカバーが利かないだけに、こちらの方が堅実な選択に思える。

6巡目、ツモ3sで500/1000をアガリ、2着目へ浮上。大きな意味を持つ加点となった。

 

 

南4局  ドラ:3m

堀川29000  飯沼30700  本多25500  鈴木34300

2巡目、本多から切られた中を仕掛けた飯沼はこの手格好。

 

二三六②④⑥⑥⑧⑧3

守備力0のこの仕掛け。まぁ一気にアガリ切るか、良形が出来れば余剰牌に安全牌も残すか?時折見せる、3~5回に1回ぐらい1000点or2000点をアガれる飯沼のこの仕掛け。

まぁ早いリーチがびゅんびゅん飛んで来ない限りは、酷いことにはならな・・・あっ!?Σ(Д゚;)ゲゲッ

 

直後、この半荘ラス目の本多から掛かるリーチの声!? 現物は6s・中・西の3種で、内2種が字牌。早いリーチとはいえ、一発裏ドラが無いルール、そしてこのぐらいの現実的に逆転が狙えるこの点差、着順を上げる条件を満たしたリーチと考えて間違いないだろう。

②④⑥⑥⑧⑧二三六3 ツモ六

最初から現物0。筋の3sが1枚あるが、筋とはいえ、第一打に6sでそのあと字牌&字牌、このルール、この点差、オーラス、手役の絡んだカンチャン・ペンチャン決め打ちも十分ありうるだけに、逆に気持ち悪いところ。が、いうて他に現物が無いだけに、手にかかるのはやはり3s。 ・・・通った! ε-(´*)ホッ

 

次巡ツモ2sで再び現物0。今度は8pのトイツ落としで1枚通れば2巡凌げる理論に縋ってみる。 ・・・通った! ε-(´*)ホッ

これでまぁヒヤヒヤしたものの、なんとか凌ぎきれるかと思って見ていたのですが、終盤、再び手詰まりΣ(Д゚;)アラマッ

三三六六七④④⑥⑥⑦ ツモ③

この巡目も含め、切り番は残り2回。ここから飯沼が選んだ牌は・・・

ドラ筋、4枚使いの筋、6mだった。

 

9mが通っていて69m待ちへの放銃はない。そしてどう考えたところで安全牌はない。ならば放銃した時に、メンピンの2000点ならば直撃されてもラス落ちすることがないので、放銃となった時に一番ドラが絡まないであろう牌、且つ1枚通せば次巡も凌げて最後まで降り切れる牌をチョイスしたということだ。

 

三三四五、三四四五五、などドラの絡む平和形も勿論ありうるし、ドラは絡まずとも他で一盃口が出来あがってる平和形の36m待ちとか、タンピンの36m待ちとか、三三五五六七七とか、放銃してラス落ちするケースなんていくらでもある。が、それは他も同じ。どれを切ってもマイナス抽選を受けるが、その中で一番マシな牌を、最悪の中の最善を模索した一打!

 

結果は6mは通り、次巡も6mを切り、流局。見事凌ぎ切り、この半荘2着を守り切った。

でもどうせなら6mで放銃して「1着順落としたもののメンピンの2000点で3着で耐えた!」って方がカッコよかったのになぁ…と無責任な観戦者は思った。w

 

 

~ 結果 ~

鈴木 34300 ウマ+12pt  【+16,3pt

飯沼 30700 ウマ+pt   【+4,7pt

堀川 29500 ウマ▲4pt  【▲4,5pt

本多 24500 ウマ▲12pt  【▲1,5

供託 1,0

 

 

■3回戦終了時のトータル

この3回戦、東発に7700を親へ放銃スタートとなった鈴木たろうが結局トップをかっさらい、トータルで2位に浮上。


 第8期、第9期と決勝戦へ残り、今年も本命の一角はこの男で間違いなさそうである。

 

 

4回戦  起家~ 吉田 宮田 鈴木(聡一郎) 飯沼

 

東1局  ドラ:3s

5巡目、發を仕掛ける宮田。

飯沼も中ポン、6mチーと2副露。東単騎テンパイ。

ニ三四東西西西   チー六五七 ポン中

この飯沼のホンイツ仕掛け2副露に対しても、一切引かずにバシバシマンズプッシュの宮田。

しかしこの局を制したのは鈴木。平和ドラ1、目に見えて薄くなった47m待ちをヤミに構えて宮田から討ち取る。

 

 

東2局  ドラ:6m

7巡目、飯沼

七②②②③④⑥456北北發 東

ここで飯沼は自身で第1打に切っている東を残し、6p切り。

同巡、親がドラ表の5mを切ったのを受け、早くも店終いの準備か!?

そして重い空気の中、流局。

 

 

東3局1本場  ドラ:2s

飯沼が1巡目にツモ切った4mを親の鈴木がポン。場に緊張感が走る。

飯沼の手牌は、

 

一二七①④⑦1278東南中 ツモ北

チャンタ三色にでも運良く伸びてくれれば儲けものぐらいの感じで第一打から4mツモ切って狭く営業するつもりだっただけに、この親の仕掛けを受けて飯沼がここから生牌の字を切り出すことはないだろう。

 

親の手牌は、

ニニニ六八③南南發發

最高位戦ルールであるならば南ぐらいはすぐに鳴けそうな感じもしなくはないが、このClassicルールで親の目立った動きは完全に封殺される。もちろんドラ3とか、タンピンドラ2のイーシャンテンとか、子方にもチャンス手が入っている者がいればその限りではないが…。

 

結局何も鳴かせて貰えぬまま、終盤残りツモ1回のところでテンパイするも、結果は流局。

4mをスルーしていたらアガれていたかといえばその限りでもなく、失点する結末になっていたかもしれないことを考えれば、鈴木としてもこれはこれでやむなしといったところか。

 

 

東4局2本場  ドラ:8s

鈴木に再びチャンス手が入る。

三三②②④④⑤⑦⑦488發

チートイツドラ2のイーシャンテン。ここからツモ1pで打發、ツモ北で打1p、安易に4sと5pに手を掛けない。

 

13巡目、親番飯沼の手牌

ニニ四五⑥⑦23478東南 ツモ⑦

ここで飯沼、打2sと3シャンテン戻し。リャンメン3つの平和ドラ1のニ向聴、親番、13巡目、他からのリーチも鳴きも無し、ここで撤退するのがClassicルールということか。

ノーテン罰符有り、テンパイ連荘の最高位戦ルールでこれを降りる人間は居ないと思うが、Classicルールではアガリまで見込めない手は全て等価値。そんな手で変に形を残すことに拘り、終盤ヤミテンへの放銃抽選を受けるのは罪なのである。

 

直後、下家の吉田が静かなる平和ツモ。昨年同大会で関西予選からベスト16まで勝ち上がった男による渋いアガリが決まり、南入。

 

 

南1局  ドラ:1s

吉田32100  宮田27400  鈴木31400  飯沼29100

飯沼の配牌

ニ四九12244②④西發中

234の三色が見えるが、穴ボッコだらけ。面子手も七対子も4シャンテン。

1巡目、ツモ2sで打9m。2巡目、ツモ6pで打西。3巡目、ツモ3mで打中。4

巡目、9mツモ切り。5巡目7sツモ切り。6巡目、ツモ3pで打發。7巡目、7sツモ切り。8巡目、中ツモ切り。9巡目、ツモ6pでテンパイ。ドラの1sを場に放つ。

 

そして10巡目、宮田から出アガリ、1300。

二三四②③④⑥⑥22244 ロン⑥

なんかめっちゃ234っぽい手格好なのに、アガると1300しかない…悲しいω`)

 

 

南2局  ドラ:西

吉田32100  宮田26100  鈴木31400  飯沼30400

1巡目、飯沼

ニ五九九⑤⑦⑧456南西北 ツモ西

字風であり、ドラの西が重なり、パっとしない配牌が一気にチャンス手へ。

10巡目、上家から切られた3mを仕掛け、西バックのイーシャンテンへ。

四五七九九⑦⑧456西西白 チー三 打七

12巡目、6pをひいてテンパイ。そして17巡目・・・

九九⑥⑦⑧456西西  ツモ九   チー三四五

ここで飯沼、長考。アガれない方をツモったものの、一つ仕掛けているので海底が回ってくる。

つまりここで考えているのは、どの牌が一番山に残っていそうなのか。飯沼の海底フリテンツモに懸けたアツき戦いが始まった。

 

そして長考後、飯沼が選んだ牌は4s。あとは海底牌に47sが眠っているのか、ドキドキターーイム!

が、当然そんな海底チャンスなどズラされてしまうわけで、上家の鈴木がきっちりお仕事チーで海底ズラし。

 

18巡目、海底1個前となった飯沼のツモは・・・おかえり4s。

山にはあった。山にはあったが海底じゃないとアガれない、哀しみのランデブー。

 

 

南3局1本場  ドラ:7m

吉田32100  宮田26100  鈴木31400  飯沼30400

3巡目、飯沼

一二七⑥⑧⑨447西西發發

この手格好から發を仕掛け、打9p。安全牌は西があるし、場にプレッシャーを与えつつ手を進める作戦か!?

 

しかし宮田から飯沼にとってダブ南となる南を早々にさらりと切られ、イラっとしたのか珍しく打牌が強くなる飯沼。

9巡目、七九④⑤⑥44東西西 ツモ西 で テンパイ。發・ドラ1のカン8m待ち。

しかし、親番鈴木にもテンパイが入っていた。

ニニ三三四四七九①②③34 のイーシャンテンからツモ8mでテンパイ。一盃口ドラ1の4s単騎から、場1の南単騎へチェンジ。この南は3段目までに掴めば、飯沼は止まらない!?

 

しかしこの捲り合いは、鈴木が8mを掴み、飯沼へ放銃。26002900と打点は高くないが、この小場で、ラス前、このアガリの持つ価値はデカイ。

 

 

南4局  ドラ:4s

吉田32100  宮田26100  鈴木28500  飯沼33300

3巡目、2着目吉田が3pポンと仕掛けを入れる。

その後2pポン、7pカカンと、アグレッシブに攻める。

鈴木も終盤カン5mを仕掛けて、發と2sのシャンポン待ちでテンパイするも、結果は流局。

 

飯沼が生き詰まる接戦を制し、この半荘をトップで終えた。

 

 

~ 結果 ~

飯沼 33300 ウマ+12pt   【+15,3pt

吉田 32100 ウマ+4pt    【+6,1pt

鈴木 28500 ウマ▲4pt   【▲5,5pt

宮田 26100 ウマ▲12pt  【▲15,9pt

 

■4回戦終了時のトータル

飯沼はトータル3番手。首位の堀川とは16,5pt差。5回戦まずまずのトップでも5回戦終了段階での首位抜けが見えてきた!!!

 

 

■5回戦  起家~ 山本 飯沼 石井 白鳥

 

トータルで大きくマイナスしている山本は、この5回戦はデカトップが絶対条件。飯沼と白鳥はトップ抜けを目指しつつ、無理そうなら6回戦へ向けて良い感じにまとめる。石井は6回戦へ向けてポイントが少し欲しいところか。

 

 

東1局  ドラ:4s

7巡目、飯沼  一二三六八⑤⑦⑦⑨56東北 ツモ3 打⑤

9巡目、 一二三六八⑦⑦⑨356東北 ツモ發 打六

最初からあんまりやる気のない局っぽかったが、ここら辺で完全に受けモード。

そして重い空気の中、流局。

 

 

東2局1本場  ドラ:中

飯沼の配牌

七九①①⑧⑨9南發北白中中中

ドラ暗刻のチャンス手到来。中ドラ3で打点は既に確保されているので、チャンタなどには拘らず、どんどん良い形を作っていきたいところ。

4巡目、上家の山本から切られる7p。

飯沼の手牌  ニ三七九①①⑧⑨9白中中中

一見一番の急所となりそうな部分だが、トータルで苦しい立場の山本がピンズの中張牌だだ切りで、7pは山本にいけばまだ拾えそうな感じでもある。

そして一つ目立った仕掛けを入れると、恐らく山本は絞りに回るだろう。そう考えた飯沼はこの7pをスルー。我慢を選んだ。

 

しかし一向に手が進まないままに迎えた11巡目、唯一のリャンメン部分となる4mをチー。そして14巡目、ツモ8mで辺7p待ちテンパイ。

 

が、同14巡目。白鳥が平和ツモのアガリ。飯沼のチャンス手、実らず。

 

 

東3局  ドラ:8p

10巡目、飯沼

三四五②②③⑤55667北 ツモ7

タンヤオ・一盃口のテンパイが入り、ヤミテンを選択。

 

直後、親番の石井

四五六六七八④④⑤⑦⑧44 ツモ⑥

絶好のテンパイが入り、リーチといくも、その宣言牌は通らず。

飯沼としては、絶妙のタイミングで親のテンパイ打牌4pを捉えた大きな2600点のアガリとなった。

 

 

東4局  ドラ:8p

5巡目、石井の手牌

二三⑤⑥⑦⑧24678南南 ツモ③

ここではマジョリティとなる、リャンメン変化の数を全てみた打2s。しかし次巡ツモ3sと、痛恨の裏目。ここでまぁ仕方ないか…とツモ切るのが凡人の一打。麻雀偏差値70の選択は、フリテンの25s部分を残す打3p。

 

そして9巡目、ツモ4mで聴牌すると、フリテンの25s待ちでリーチを掛ける!

このリーチを受けて飯沼。

四五六③④⑤34588中中 ツモ5s

8巡目にシャンポンテンパイを入れていた飯沼であったが、この石井のリーチに対して1牌も押さず、5pを抜いて即撤退。トータルポイントで優位な立場にある飯沼としては、他者と捲り合いをする必要など全くないのである。

 

それはトータル53,1pt、総合2位につけている白鳥としても同じこと。

一人旅となった石井。トータルのポイント状況から、この状況になるのも想定しての、フリテン残し、フリテンリーチということか。

つまり、フリテンじゃなかったとしてもこの状況では先制でリーチと掛けて出アガリなどまず見込めないならば、フリテンかどうかは関係ない。その待ちが山に残っていそうかどうか、リーチを掛けてツモアガった時の“リターン“が1000点を場に出す“リスク“に見合うかどうか、それが全てということだ。

 

14巡目、石井

ニ三四⑥⑦⑧34678南南 ツモ2

手順上仕方のない14mでのアガリ逃しを見事にリカバーした、会心の1300/2600を石井が決めた!

 

 

南1局  ドラ:2m

山本28200  飯沼30500  石井32100  白鳥29200

7巡目、飯沼

134467899北北白發

から2sをチー。ホンイツへ。

9巡目、北が暗刻になり、テンパイ。

 

4467899北北發 ツモ北 打白

11巡目、ツモ7s打9sで58sへ待ち変え。

しかしアガリまでは届かぬまま終盤に入り、最後は北、北、北と落として流局。

 

 

南2局1本場  ドラ:3m

山本28200  飯沼30500  石井32100  白鳥29200

7巡目、飯沼

五六七④⑤⑥⑦⑨⑨345東 ツモ③

平和の28p待ちでテンパイ。逡巡の後、リーチと発する。

 

残り2半荘、無事故で終われれば加点はなくともベスト16進出は堅そうなだけに、ドラの見えぬこの状況、リーチを掛けて無防備な状況を躊躇ったのか。

 

しかし28pは、8pが対面が5巡目に切ってる1枚だけ。一方上家の河が【2s、7p、4p、6p、3p、3p】とピンズ持ってなさそうで、3pが自身の目から3枚見え。待ちはなかなか優秀に見える。ならばここはダマで1500は1800を拾うよりも、1300は1400オールをひきに行こうということだ!

 

思ったよりも長引いたが、15巡目、8pをツモアガリ、ご希望通りの1400オール!この半荘トップ目へ。

 

 

南2局2本場  ドラ:白

山本26800  飯沼34700  石井30700  白鳥27800

10巡目、飯沼

七八⑤⑥⑦345東南北北北 ツモ六 打東

ドラの白の在り処を探りながら、あまりアガリに向かう気がなさそうな手組みだったのだが、南単騎でテンパイ。

 

そして12巡目ツモ南で、700は900オール。こうなってくると、この親番で素点を叩き、5回戦終了時のトップ抜けを目指したいところ。

 

 

南2局3本場  ドラ:9p

山本25900  飯沼37400  石井29800  白鳥26900

8巡目、飯沼

ニニ四五七八九①②③247 ツモ3 打7

平和の36m待ち先制テンパイ。やはり仕上がってる(-`ω´)ウム

16巡目、ツモ7sで打2pのイーシャンテン戻し。特に危なさを感じない7sでテンパイを崩した飯沼。

同巡、下家の石井も撤退して受けに回ったが、少考後チョイスした牌は7s。そう、7sは大体通るのである。

 

18巡目、ツモ6mでアガリを逃し、流局。

無事故・無違反・安全運転麻雀が飯沼の持ち味。大体通る牌は切らないとダメな時もあるだろう。リスクのある牌でも切らないといけない時もあるだろう。

すべては置かれている状況次第。そしてこの局面、飯沼はトータルポイント状況的に「大体通りそう」ぐらいの牌すら切る必要がない立場。

リスクを侵さず撤退こそが正着ということだ。

 

 

南3局4本場  ドラ:2m

山本25900  飯沼37400  石井29800  白鳥26900

9巡目、親番石井

一二三四四③④⑤⑦⑧⑧68 ツモ四

テンパイ料無し、アガ連ともなりとこの形でなかなかリーチとは行きにくい。6pチー、8pポン、4mポン、7sチーでのタンヤオも視野にテンパイ取らずか、テンパイ取りダマか。そんな2択が頭をよぎったが、石井の選択は打7pのテンパイ即リーチ!

子のリーチツモで2000/3900(7900点)となる手は愚形でもリーチが現代版Classicセオリーならば、このツモって2400オール(7200点)も同様ということだ!

 

7sは飯沼に2枚。私の立ち位置からでも目に見えて薄い7sだったが、13巡目、石井、会心の7sツモ!2000は2400オールで飯沼を交わしトップ目へ!!

 

 

南3局5本場  ドラ:北

山本23500  飯沼35000  石井37000  白鳥24500

マンズ屋さん模様の白鳥が終盤に4m切り。マンズを余らせる。

そしてこれまたド終盤に親番石井、マンズ待ちテンパイを維持する為にはマンズを1牌押さなければいけない状況に。

 

さすがにこの巡目までくるとこのClassicルールでは撤退の一手かと思いきや、石井の手はどっちのマンズを切ってのテンパイ維持しようかで迷っている模様!?

 

そして、7mを勝負する石井!!

直後、白鳥から切られる4m。恐らく石井にしかアガれない、2000は3500のアガリが炸裂した!

麻雀偏差値70の男が、古いステレオタイプに縛られることなく、このClassicルールにも新しいメソッドを誕生させるのか!?

 

 

南3局6本場  ドラ:6s

山本23500  飯沼35000  石井40500  白鳥21000

時間打ち切りの最終局。前局ラス目へ落ちてしまった白鳥が、9巡目に静かにツモアガリ、1000/20001600/2600でラス回避に成功。

 

 

 

~ 結果 ~

石井 37900  ウマ+12pt  【+19,9pt

飯沼 33400  ウマ+4pt   【+7,4pt

白鳥 26800  ウマ▲4pt  【▲7,2pt

山本 21900  ウマ▲12pt  【▲20,1pt

 

 

■5回戦終了時のトータル

この時点で1位はベスト16進出が決定。

1位抜けを決めたのはやはり、3回戦での上位陣決戦でトップを決めた鈴木たろう。

3年連続の決勝戦進出に向け、今年も盤石の強さだ。

 

 

6回戦   起家~ 宇野(-8,2) 須田(+7,3) 石井(+41,9) 飯沼(+57,1

 

ラスさえひかなければ、いや、ラスのひき方によってはラスでもベスト16進出が決まるであろう飯沼のポジション。目指すはトータルでの卓内2着以内だ!

 

東1局  ドラ:1s

飯沼の配牌

ニ四九⑥12257南西北北

自風の北がトイツで有り、うまく捌けそうならアガリに向かいたいところだが、現状の形ではポジション的にもまだ北は2枚目もスルーしたいぐらいか。

ツモ9m、打南。7mツモ切り。ツモ3p、打6p。ツモ西、打5s。ツモ9s、打7s。ツモ9m、打9s。5pツモ切り。ツモ7p、打9m。ツモ4s、打北。ツモ4m、打7p。8sツモ切り。ツモ1m、打北。

やはり手なりでは進めずに、早々に店終い。

 

そしてそれっぽい気配は出ていた石井のダマテン(發・ドラ2の69s待ち)に宇野が掴まり、5200横移動。

宇野としては立場的に大きなトップを目指さないといけないわけで、ヤミテン気配程度で降りている場合ではない。状況が打たせたやむえぬ放銃といったところか。

 

 

東2局  ドラ:3s

15巡目に親番須田が8sをチーと仕掛けていくも、結果は流局。

宇野も重厚にマンズの一色手を進めていくも、上家から切られた2mも仕掛けず、テンパイせぬまま局を流す。ドラの3sが浮いてる手格好では…ということなのか、はたまたもはやこのポジションでこの手をマンガンにしてしまってるようでは…ということなのか。このルールでビハインドを背負って戦うことの難しさ、無茶攻めしたからといってどうこう出来るわけではない麻雀の難しさ、実に苦しい。

 

 

東3局1本場  ドラ:9p

飯沼の配牌

三三四五五八⑨37東發發中

ツモ9pで、打東。西ツモ切り。ツモ南、打中。北ツモ切り。ツモ4s、打8m。ツモ6m、打7s。8sツモ切り。ツモ7m、打南。そして、ツモ5sでテンパイ。

三三四五五六七⑨⑨34發發 ツモ5

3mを切ってドラの9pと發のシャンポン待ちでヤミテンを選択する飯沼。

8巡目に中を仕掛けた須田が実に發を持ってそうで、いずれ切ってくれそう。そしてドラの9pはリーチを掛けて出る牌ではなく、ツモる分にはお値段変わらずなので、当然のヤミテンといったところか。

9mツモ切り、1mツモ切り、西ツモ切り、と3巡ツモ切りが続いたが、思惑通り須田から零れた發を捉え、發ドラ2の5200は5500のアガリをものにした。

ポイントと持ってる2人がそれぞれポイントを持っていない者から發・ドラ2をヤミテンであがる流れ・・・いや、そんな限定されたガレナーはないかw

 

しかしまぁなにはともあれポイントを持った飯沼と石井からすれば、あとは南1局の宇野の親番、南2局の須田の親番を越えればゴールだ!

 

 

東4局  ドラ;7s

13巡目に須田が三色崩れの8999の7s8s待ちでリーチを放ち、ドラの7sをツモアガリ。1000/2000

親っかぶりはしたものの、大きな事故に合うこともなく局が進むのは飯沼の立場からすれば許容範囲か。

 

 

南1局  ドラ:2m

宇野23800  須田28500  石井34200  飯沼33500

飯沼の配牌

ニニ三七九①⑥5778南北

ドラ2あることだし、形もそこまで悪くないし、取りあえず手は進めてみたいが、守備力の高い手牌ではないのが難点のど飴か。

ツモ2sで打1p。ツモ6pで打2s。ツモ4pで打南。

そしてこの南を仕掛けたのが南家の須田。須田にあまり高い手をアガられるのは歓迎しないところだが、1局消化できるならそれはそれで嬉しいことでもあるので、この南を鳴かれたこと自体はそれほど痛くはないか。

發ツモ切り。ツモ5pで打7m。ツモ9sで打3m。

この3mに反応したのが親番宇野。嵌3mの鳴きで、目にみえて最低限ドラ1は確定した親の仕掛け。これは飯沼としても歓迎しないところ。

ツモ6mで打9m。西ツモ切り。ツモ9pで打6m。ツモ8sで打9p。ツモ3sで打6p。5pツモ切り。そして上家から切られた4sを仕掛け、打北。

ニニ④⑤⑥77889  チー435

幻の手役「鳴き一盃口」のテンパイを入れる飯沼。2mポンor暗刻、7sポンor暗刻、8sポンor暗刻、でのタンヤオイーシャンテンでもある。

 

發ツモ切りを挟み、次巡ツモ6s。

ニニ④⑤⑥77889  チー435  ツモ6s

「鳴き一盃口」にならない方の6sをツモり、しぶしぶ9sを切る飯沼。親に中ポンの2副露目も入っていることだし、そろそろ店終いのころ合いか?!

とここで、須田から切られた1pを宇野が捉え、2900。

 

宇野 七八九②③白白 チー三二四 ポン中  ロン①

宇野の手を一色手だと思っていたのか、放銃して驚きの表情を見せる須田。マンズに染め切れずのしぶしぶな速度合わせでのアガリとなった宇野ではあったが、この表情を引き出せたならアガった甲斐があるというものか。

 

 

南1局1本場  ドラ:9s

宇野26700  須田25600  石井34200  飯沼33500

8巡目、宇野テンパイ。

三四五456789⑦⑧⑨⑨

平和ドラ1、リーチツモの2ハンつけて2600オールの加点はデカイが、いかんせん亜リャンメンの69p待ちで、9pが場1。あまり納得感のある待ちではないが、ではここから理想的な変化は?それはいつするの?と考えると、ここでリーチといくのもやむなしか。

 

そしてこの手をリーチしてツモあがれるぐらいのツキが回ってこないことには勝ち上がりは厳しい状況に、既に宇野の立場は追い込まれているのかもしれない。

 

結果は流局。現実は厳しい。

 

 

南2局2本場  ドラ:8m  供託:1

宇野25700  須田25600  石井34200  飯沼33500

 

飯沼の配牌

一二五八④611256西發

どうやらこの局は休憩の回のようである。

ツモ4s、打發。ツモ6s、打2m。ツモ9p、打1m。ツモ6p、打9p。ツモ9m、打5m。ツモ2s、打4s。4sツモ切り。6mツモ切り。ツモ2pで打4p。4mツモ切り。5pツモ切り。8pツモ切り。4mツモ切り。5pツモ切り。ツモ中、打2p・・・

 

とまぁこんな感じの受けの一局は無事流局に終わり、残すは既にポイントを持っている石井と飯沼の親番だけ。

残り2局、注意すべきは役満ぐらいか!?準決勝進出が見えた!!

 

 

南3局3本場  ドラ:1s  供託:1

宇野25700  須田25600  石井34200  飯沼33500

残り2局は両者さらっと流して2局流局で終わりかと思いきや、13巡目、石井からツモの声!?

 

ニ三四六六②③④⑤⑥234 ツモ⑦

タンヤオ ピンフ 門前清自摸和 三色同順  4000は4300オール。

別卓が一つあるとはいえ、よほどのことがなければ卓内2番手以内で勝ち上がりが決まる状況。局を増やすということは、卓内の下位2名に役満チャレンジの機会を増やすだけ。とはいえ、4000オールクラスの大きな手をしっかりアガって卓内1位の座に立っておけば、別卓の状況がどうあれ勝ち上がりは間違いなく、更に例え役満ツモが卓内で生まれたとしても飯沼よりも上の着順は守れるし、良いことしかないということだ。

 

 

南3局4本場  ドラ:7m

宇野21400  須田21300  石井48100  飯沼29200

5巡目、飯沼

五五五七九九3399東東中 ツモ3

 

ツモり四暗刻のイーシャンテン。ここでドラの7mを河に放つ。

 

そして9巡目、9mのポンテンを入れる。

 

しかしその後はオールツモ切りで、結果は流局。オーラスへ。

 

 

南4局5本場  ドラ:6m

宇野21400  須田21300  石井48100  飯沼29200

飯沼の配牌

一五六六七九④④⑤⑤247白

打1m。ツモ7p、打9m。ツモ6m、打白。ドラ3の大物手に。アガって盤石ポジション卓内トップを目指すのか、無事故で終えることを優先して流すのか、終盤の局面理解と押し引きは間違えたくないところ。

 

ツモ6s、打7p。8pツモ切り。ツモ5p、打4p。白ツモ切り。ツモ6p、打4p。ツモ5s、打6p。タンヤオドラ3の12000テンパイ、嵌3s待ち。

ツモ8m、打5m。9pツモ切り。中ツモ切り。南ツモ切り。6pツモ切り。2pツモ切り。ツモ西、打5p。残り3巡、撤退へ切り替えた!

 

ツモ2m、打5p。ツモ7p打西。・・・流局。

 

 

~ 結果 ~

石井48100  ウマ+12pt  【+30,2pt

飯沼29200  ウマ+4pt  【+3,2pt

宇野21400  ウマ▲4pt  【▲12.6pt

須田21300  ウマ▲12pt  【▲20,7pt

 

 

最高位戦関西本部所属の飯沼雅由選手が、見事準決勝(ベスト16)へ進出を決めた!

 

 

準決勝進出の16選手は以下。

村上淳 (現Classic / 最高位戦 / 現最高位)

多井隆晴 (予選11 / RMU / RMUリーグチャンピオン)

平賀聡彦 (ベスト64JU / 最高位戦 / Aリーグ)

石原真人 (ベスト64JU / 麻将連合 / ツアー選手)

石﨑光雄 (ベスト64JU / 最高位戦 / B2リーグ)

三原孝博 (ベスト64JU / 麻将連合 / 認定プロ)

鈴木たろう (ベスト32A1 / 協会 / 現雀王)

山崎佑輝 (ベスト32B1 / 最高位戦 / C2リーグ)

堀川隆司 (ベスト32A2 / 101 / A級)

伊藤聖一 (ベスト32B2 / 最高位戦 / 北海道C2リーグ)

石井一馬 (ベスト32A3 / 最高位戦 / Aリーグ)

太田元基 (ベスト32B3 / 最高位戦 / 北海道C2リーグ)

白鳥ケイタロウ (ベスト32A4 / 最高位戦 / C3リーグ)

浜田修 (ベスト32B4 / 最高位戦 / C3リーグ)

飯沼雅由 (ベスト32A5 / 最高位戦 / 関西C2リーグ)

高倉武士 (ベスト32B5 / 最高位戦 / B2リーグ)

 

 

■準決勝システム

総当りの半荘5回戦を行い、上位1名は決勝進出、下位7名は敗退。
残りの8名でポイント持ち越しの半荘6回戦目を行い、上位4名が決勝進出。

 

つまり、多井隆晴、鈴木たろう、村上淳、現・四神3名との対戦が確定している。

 

厳しい戦いになることは間違いないだろうが、関西本部初のClassic覇者誕生まで、16分の5抽選にヒット!5分の4抽選にヒット!4分の1抽選にヒット!の階段3つ!!!

 

飯沼選手の活躍を関西から応援しましょう!

 

 

準決勝は8月2日(日)神楽坂「ばかんす」12時対局開始。

観戦自由となっておりますので、関東近郊にお住まいの方は、ぜひぜひ会場で飯沼選手の活躍をご堪能ください!

 

 二日間の成績・・・

5-6-1-0

平均着順 1.67 

30000点を割ったのは最後の2着のみ!

無事故でした!

ご声援ありがとうございました! 

 

 

飯沼雅由 【ベスト32 対局データ】

和了率:20,97

平均和了点:4269

放銃率:1,61% (1回)

平均放銃点:1300

立直率:3,23

立直成功率:100% (2回)

副露率:24,19

順位点収支:+32pt

素点収支:+28,3pt

着順:1着3着2着1着2着2着

順位率:1,83

席:南家南家南家北家南家北家

起家率:0%

ラス親率:33,33

 

 

 (協賛:株式会社三矢 / マーチャオβ・γ) 

 

 

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