皆様初めまして。
第40期C3リーグ最終節の自戦記を担当する事になりました、入会2年目の立花裕と申します。
お見苦しい文章ですが最後までお付き合いいただければ幸いです。
皆様ご存知かもしれませんが、Cリーグ以下のリーグ戦は、半期ごと5節20回戦で行われております。
C3リーグは現在36名の選手が所属し、上位8名がC2リーグへ昇級し下位8名がD1リーグへ降級。
この最終節は各自それぞれの順位やポイント状況により目的が大きく変わり、色々な思考が飛び交う緊張感のある日であります。
最終日を迎えるにあたり私はというと8位の+79.4P。
昇級ボーダーではありますが、すぐ下にも沢山の選手がおり一切油断なりません。
今日の結果次第で自戦記が「勝戦記」になるか「敗戦記」になるか。
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対戦相手は、中川英一、浜崎卓哉、上野裕史(以下敬称略)
中川は昇級争いをしている一人、浜崎はこの最終節大きく負けると降級の可能性が、
上野は残留争いをしており、誰一人余裕のある選手などいない。
私の目標は自分より上にいる中川との直接対決で上回るというシンプルなもの。
「いつも通りが今のMAX」を合言葉に対局に挑んだ。
1回戦
東1局に幸先良く親の浜崎から5200をアガり迎えた
東2局 西家 ドラ
配牌で七対子の1シャンテン。
そして2巡目に親の中川が切ったをポンした瞬間、ある言葉が浮かんだ。
「今年のリーグ戦は声がでない」
それは前日にAリーグ所属の新井啓文プロとの会話の1シーン。
今年のリーグ戦の調子について聞いた時の彼の言葉であった。
このの仕掛けの是非はともかく、私がいつも通り声が出て仕掛けることが出来た事で
「今日はしっかり打てていて調子が良い」と感じた。
ポン
ポン
ロン
その後も加点し続け、終わってみれば6万点超えの1着。
この大きな1着で精神的に余裕が出来た。
2回戦 29700点持ち3着
3回戦 3200点持ち4着
4着だけ取らなければかなり余裕があると思っていたが、3回戦で痛恨の4着。
1回戦の貯金をあっという間に使い果たしてしまったどころかマイナスに。
いつも通り打てていても、昨年までの私ならここで精神的に余裕が無くなっていた。
しかし今回は特に引きずる感はなく、そういった面では自身の成長を感じ取る事が出来た。
最終4回戦
ライバルの中川とは48.3P差。
2着順差+8.3P。
決して簡単ではないが現実的ではある。
もし2着順差を付けられなくてもトップを取れば他の上位選手次第で昇級の可能性が十分ある。
この半年をかけた最終戦が始まった。
東家で始まったが特に何も出来ず貴重な親番を失った。
その後、東場は小さなアガりが続き浜崎が34000点台の1着、続いて私、中川。
上野が一人やや離れ23000点辺りだった。
南場に入り最後の親、気持ちを込めてサイコロを振る私の横で中川が何かを祈るようにしていた
姿が目に写った。
そんな中川の祈りが通じたのか私の親番も虚しく終わってしまった。
南2局、東家:上野。
彼は最終戦で大きなトップを取らなければ降級してしまう。
当然前に出てくる事は予想していた。
そして予想通りに上野からリーチが入るが・・・
ここで予想外の事が起きる。
中川から上野へ7700の放銃。
この瞬間、中川が4着になり私と2着順差がつき条件がクリアされた。
後はどう局を消化できるか。
南2局二本場 ドラ
加点したい上野の親が続いており、どう消化するかを考えていたところ勝負手が入った。
4巡目
純チャン、三色、ドラの一向聴。
これをモノに出来るかどうかが昇級の命運を分けるであろう。と
は仕掛けようと思っていたが、中々聴牌出来ず。
12巡目に差し掛かり、ようやくをチー。
そして親の仕掛けに対応した浜崎からが放たれる。
8000は8600。このアガりで私は4万点を超えた。
南3局、東家:浜崎
浜崎は大きな4着を引くと降級の可能性があった。
前局私に8000点を放銃したがまだ3着。
とはいえ、彼もここは加点をして安全なポジションに身を置きたいであろう。
しかし、ここで私に軽い手が入り風牌の西を積極的に仕掛け2000点を浜崎からアガる。
残りあと1局。
オーラス 東家:中川、ドラ
この局を軽く流したい私の手牌が3巡目に一向聴になった。
5巡目、ツモ
この時、が1枚、
が2枚切れていた為マンズの変化を残し打
とした。
親の中川が非常に遅そうに見えたので十分間に合うと考えた。
迎えた7巡目に中川が長考しを手出し。
その後更に2枚手出しが入った。
これを見て手牌が一切変化しなかった私は、ゆくゆく中川にがどれも打てなくなるだろうと予想し、打
。 マンズの変化を諦めた。
そして次巡中川から切りリーチが入った。
その瞬間、待ってましたと言わんばかりに西家の上野と北家の浜崎がツモ切りでリーチをした。
本日3度目の3軒リーチかと思ったのも束の間
「ロン」
浜崎の宣言牌のが中川への放銃。
リーチ、平和、一発、裏ドラ1の12000点。
現状1着のままだが中川が2着に浮上し着順が私と1着順差になってしまった。
しかし中川と上野の点差がさほど離れていないため、中川から8000点直撃や上野のアガりで再度2着順差がつけられる。
厳しそうであれば「1着のまま終局し他の結果を待とう」と。
南4局 一本場、ドラ 6巡目
ここで勝負手が入る。
中川から8000点直撃するチャンス手であり、かつ1着のまま逃げ切る手でもある。
状況によって使い分けようと打
迎えた9巡目、親の中川からリーチが入る。
宣言牌は。 その時私の手牌は
ツモ
ここで本日最大のミスを犯してしまった。
オリて中川に加点されると条件がどんどん厳しくなるので、
ここは打とし受け入れも打点も十分に構えるべきはずなのに・・・
私の取った選択は一発での放銃を回避する打。
が入った時に
を勝負しようと「勝負を先延ばし」してしまった。
これが自分の弱さであり、直接的に関係はなくとも昇級を逃した一打と言って過言ではない。
同巡、上野が打リーチ。
「ロン」
上野の宣言牌は中川の嵌張に放銃。
リーチ、一発、裏1、7700は8000
最終戦を終え私はポイントをプラスする事は出来たが、順位は1つ下げ9位と昇級を逃した。
「他人がどう打ったかではなく自分がどう打ったか」
あの時私が打としても打
としても結果は変わらなかった。
けれど、打として負けるのと打
として負けるのは大きな違いがある、と私は思う。
この差が昇級を逃した要因ではないだろうか。
(文責 立花裕)
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