コラム・観戦記

【第40期前期D1リーグ第4節自戦記】原悠介

皆様、はじめまして。40期前期入会 原悠介と申します。
D1リーグ第4節の自戦記を担当させていただきます。

 

 

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前日からの雨予報が外れ、ここ数日にしては涼しげな朝を迎えたこの日。いつも通りに起床し、いつも通りに身支度をし、いつも通りに家を出た。しかし、この日の対局だけはいつも通りというわけにはいかなった。


勝負所というのは、どんな勝負においても訪れるものだが、私の場合、このリーグ戦第4節が今期の勝負所と決めて臨んでいた。正しく言えば、自分で勝負所にしてしまったと言っても過言ではない。


前回の第3節、オーラストップ目から消極的になった挙句の2着落ち、5万点持ちのオーラストップ目から、二度の12,000点放銃で3着落ちなど、とにかく内容が酷いものだった。点棒を持った状態での押し引き判断がことごとく裏目に出た。


第3節までの成績は1着2回、2着4回、3着4回、4着2回、平均着順2.50と平均的。それでも+21.6Pで迎えており素点では上回っている。とにかく自分に欠けているものは、「順位点への意識」だと強く意識して対局に臨んだ。

この日の対局者は、

勝間、越山、高橋。

  

 

第3節までの成績は
 10位 勝間 +86.7P
 11位 原 +21.6P
 15位 越山 -48.3P
 21位 高橋 -199.3P

 

昇級のボーダーである8位は104.5P。10位から15位にいる三者は今日の結果次第で、次節の昇級争いの戦い方が大きく変わってくる。高橋も大きなトップを取れば昇級争いの参加権を得る。そもそもトップ取りたくない麻雀打ちなどいないとは思うが、それでも全員がいつも以上にトップが欲しい状況であることは間違いない。

私レベルでは毎局その瞬間に集中することが精一杯で、あまり対局中の細かいことは覚えていないのだが、なんとか思い出して、この日の対局をピックアップしてみようと思う。詳細部分に間違いがある可能性があるが、その点はご容赦いただきたい。

1回戦 起家から 越山 原 高橋 勝間

東1局、親の越山がピンズのホンイツ、原がソウズのホンイツと場が一色に寄る中、高橋が終盤にタンピン一盃口をツモり、1300/2600と、静かな立ち上がり。
その後も大きな点棒の動きもなく、

東4局 ドラ
配牌

「789の三色を作りなさい」と言わんとばかりの配牌。仕掛けも視野に入れつつ、他家の動きを見ていたのだが、特に仕掛けられる牌も打ち出されないまま、と引き入れた。場に高くなりそうな引きにはかなりの手応えがあった。
7巡目、上家の越山からが切られた。鳴けば三色が確定するイーシャンテンなのだが、これを見送った。そもそも打点が下がることを嫌った部分は大きいのだが、場況的にマンズの上は安く、まだ山にいる自信があったのと、この時点ではまだくっつきの選択の判断を先延ばしにしたかった。すると、同巡でを自力で引き入れ、すぐにくっつきの選択を迫られる。

何を切ってもチャンタ三色目が残る形なのだが、場を見ると、マンズは全体的に安い、ピンズは場に高いがドラ引きが強烈、ソウズは下目が安いがが二枚切れ。小考の後、単純にチャンタ三色目になりやすい切りを選択した。
すると、そのを越山がポンし、打。回ってきたツモは

狙い通りのテンパイとなった。ヤミテンでも満貫なのだが、アガれる感覚があったので、即リーチを選択。
結果的には一発ツモ、裏は乗らずとも3,000/6,000のアガりとなった。

私はリーチをかける際には打点や待ちの形の良し悪しよりも、リーチの精度を高めるよう意識している。リーチ主流の「現代麻雀」ではあるが、だからこそのヤミテンの価値というものもあると思う。この感覚が上手くいっている時は、いい成績が残せている。とはいえ、まだまだ感覚的なもので、正しいという確証も持てていない。今後の経験も踏まえて、自分なりにしっかり説明できるように研究をしていきたい。

話を対局に戻して、次局の南1局。

南1局 ドラ
  ポン ポン

配牌ドラドラから、早々に2つ仕掛けることができ、勝間のリーチ宣言牌⑤を討ち取り3900の出アガり。43,000持ちのトップ目に立った。2着目の高橋とも15,000の差。この日のテーマである順位点を早速意識した。
南2局以降、幸か不幸か全く配牌に恵まれず、常にオリ、絞りを意識して打つことに。道中まだまだ絞りが甘いと感じる場面もありつつも、結果としてはこのリードを守りきり、+38.8Pのトップで1回戦を終えた。

2回戦 起家から 高橋 越山 原 勝間

東1局に越山が親の高橋から8,000を出アガり、親番で4,000オール、1,300は1,400オール、2,600は2,800オールと立て続けにアガり続けあっと言う間に60,000オーバー。
突如訪れた越山台風にじっと身を縮めて耐え続けた4本場

東2局4本場 ドラ

7巡目で以下のような手形

 ツモ

の2枚切れを見て、打のリャンシャンテン戻し。これが功を奏し、終盤に差し掛かる辺りで以下の形。

 ツモ

絶好のツモで即リーチ。をツモり、跳満のツモアガり。
ここから乗りに乗ってトップまで…といきたかったのだが、そうは問屋が卸さない。

東3局 ドラ

6巡目に南家の勝間からリーチを受け、西家の高橋も2つ仕掛けを入れ、臨戦態勢モード。ドラの白は見えていない。
回りに回って以下の形。

待ちではあるがフリテン。なんとかテンパイ維持をと思っていたところ、ド終盤で初牌のを掴まされ、オリを選択。
勝間、高橋の2人テンパイ。勝間は単騎の七対子、高橋はバック。結果的にはは通ったのだが、勝間の手に2枚組み込まれていた。このオリの判断は間違っていなかったと思う。

その後はまた我慢の展開が続き、好調の越山が軽い和了りを続ける。私は2着のままオーラスへ。

南4局1本場 ドラ 

ここにきてようやく手が入り、5巡目ほどで以下の形となりリーチ。

安めのツモだったが、裏ドラ1枚乗せて3,000/6,000は3,100/6,100のアガり。トップの越山を捲れず、+27.1の2着のまま終了。2着とは言え、素点を稼げたのはかなり大きい。

4回戦 起親から 越山 勝間 高橋 原

3回戦は無難にトップを取ることができ、今節最終の4回戦。
今日のツキを使い果したかのように手が入らず、オーラスまでノーホーラ。テンパイにたどり着く局面も少なく、我慢の展開が続いた。小場の展開が続き、オーラスの点棒状況は以下の通り。

越山 28,200
勝間 32,400
高橋 35,700
原  23,700

祈るようにサイコロを振り、配牌を取った。

南4局 東家 ドラ

ドラ2ではあるが手が重い。とは言え、なんとしてもアガりたい状況。役牌を抱えつつ、マンズが伸びての一気通貫、場合によっては、チャンタ、七対子を見つつ、進めようと思った。

しかし開局時の懸念を払拭するほどのツモに恵まれ、引き続ける有効牌。6巡目に以下の形となる。

 ツモ

を切って嵌を切ってのシャンポン待ちの選択。※全て生牌

ここまでのツモの感触から、この形は想定していた。ノータイムで切り即リーチ。


西家の勝間が第一打、北家の高橋が第二打にを切っており、その後に字牌の手出し。おそらく2人はを使っていない。確かにドラでのアガり逃しは痛いが、ラス目の親からの先制リーチ、早々向かってくる相手もいないだろう。この時点で確実に山にいそうな待ちを選択すると決めていた。

すると、リーチの一発目、勝間がノータイムで切り。これには目の前が真っ暗になりかけた。次巡、勝間が手の内からを暗槓。なるほど、はノーチャンス。私の河にほぼ情報はない。勝間は確率計算のプロでもある。非常に勝間らしい打牌選択だ。
そして数巡後、特に危険牌を切ることもなく勝間から追いかけリーチが入る。

 

が山にいる自信はあったとは言え、ドラのをリーチ一発目に切られ、アガり逃した上の追いかけリーチ、正直このリーチは負けたと思いかけたが・・・
次巡ようやくをツモアガり、4,000オール。

次局、ドラのポンから、12,300を加点し、4回戦も+49.0Pのトップで終えることができた。

この日のトータルは1211で+158.3P、今期D1リーグ最高得点を積み上げて終える事ができた。第3節の失敗を活かしての第4節の大きな上積み。私にとっては非常に大きな経験になった。
現在4位。大きなトップを取れば、上位の動向次第で首位通過まであるが、この結果に慢心していると昇級圏からの脱落もある。

 

かつて、友添プロが「麻雀には“過程”しかない。プロである以上、勝った負けたと“結果“で一喜一憂するのではなく、完璧な”過程”を見せなければいけない。しかし、過程を見てもらうためには結果が必要なのも事実。」と言ったそうだが、まさにその通りである。

 

私はまだ麻雀プロとしての過程を見せる土俵にも立っていない。今はまだ、麻雀の過程を見られる自信も無いのだが、その自信を付けるきっかけになるものも結果であると思う。目先の目標に囚われるのも良く無いが、今はまず、昇級を第一目標に目指していきたい。

 

文責:原 悠介(文中敬称略)

 

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