はじめまして!
今回、C3リーグ第3節の自戦記を担当する、中川英一と申します!
普段は大学に通う23歳。絶賛就活中の学生麻雀プロです!
最高位戦に入会して3年目になりますが、始めて自戦記を書かせて頂ける事になりました。そのため、見苦しい点は多々あるとは思いますが、一読して頂ければ幸いです。
昨年度から最高位戦にD1リーグが新設され、C3からも降級者が出るようになった。
昨年の後期にC2から降級してしまった私にとっては、2連続での降級だけはなんとしてでも避けたいところだ。
幸いにも、第1節、第2節を通して、+80弱のポイントを積み、昇級圏で今節を迎えることが出来た。さらにポイントを上乗せ出来れば言うこと無しだが、大きなマイナスさえ引かなければ、残りの2節で十分昇級を狙える位置にいる。
前がかりにならずに、トントンで、つまりプラマイゼロを目指そうと決めていた。
同卓者は、トータルトップの沖を筆頭に、秋田、井上とポイントを持っている上位陣との卓組みとなった。
ダントツで首位を走っている沖には、一足先に抜けてもらい、自分と近い位置にいる秋田、井上を下位へと落とすのが、自分にとって最も得な打ち方だろうが、それを考えながら麻雀を打つには残念ながら自分の雀力が足りていない。難しいことは考えず、フラットに打つことを心がけた。
今回の自戦記では、特に印象の強かった1回戦目に重点を置き書いていこう。
1回戦目、並びは 沖、中川、秋田、井上
東1局 ドラ 南家
配牌
開局早々、三色の見える好配牌。
これが9巡目にはこの形。
河の情報は、は自分の捨て牌を含めて2枚見え、は1枚見え。は生牌。
は1枚見えとなっており、自分の目からは3枚見えとなっている。
秋田は変則的な捨て牌だが、沖、井上の両者は九萬を持ってなさそうなこと、
また、和了った時の打点が、高めの場合は倍以上違う事から切りの振聴立直を選択した。
すぐにツモ切られたを見て、山に残っていることを願うも、結果は流局で三人聴牌。
開かれた秋田の手は七対子。は二枚組み込まれていた。
今思えば、秋田の捨て牌は変則的ではあったが、序盤の→の切り順での持たれは想定出来たのではないだろうか。
その後、小さなアガリが続いて、場は均衡状態に。連チャンも無く、速やかに南3局へと移った。
南3局1本場 北家 ドラ 親秋田43500 井上25400 沖25100 中川26000
かなり平たい点棒状況から、親の秋田が4000オールで一人抜け。下の三人が団子で迎えた1本場。1000点、2000点がかなり影響する僅差の2着目。
現状ラス目の沖が、ポンの後、役牌ポンと萬子の混一色模様。
も余って、ツモ切りが続き、聴牌気配を感じていた所、場に1枚切れのを手出し。
何かを放銃するとラス目に転落する状態。
南4局があるとはいえ、ラス目で迎えることだけは避けたいところ。
1シャンテンから萬子を引き、沖に対して、廻りながら以下の形。
ツモ
14巡目
場の情報としては、親の秋田はオリ、井上はやや押しからのオリ、沖は聴牌気配。
また、全体的に筒子が極めて安く、萬子がかなり高い特殊な河。
選択肢としては、危険を承知で切りの聴牌、さらに回してかがあるだろうか。
長考した。今までの中でも最長の長考である。
その末に出した私の選択は「の暗槓」だった。
この時の思考としては、
1、明らかに聴牌していそうな沖に萬子で打つことだけは避けたい。放銃は3900~5200。
2、ここで聴牌を取っておくと(沖、中川の2人聴牌)、跳ツモでトップがある上に、オーラスは2着目で入れる。
3、オリるとオーラスは3着目で迎えることに。ラス親の井上に捲られる可能性がある。
4、聴牌は欲しいが、現状では切りたくない。
5、筒子が安く、を重ねれば萬子は打たなくて済む。
6、残り巡目も無いので、山に残っていそうな筒子の縦重ね抽選を増やしたい。
以上のことより、の暗槓を選択した。
気持ち的には、問題の先送りといったところか。
確かに嶺上牌は筒子だった。しかし引いてきたのは。
手牌は ツモ
困った。萬子を切らないと聴牌は取れない。
先送りにしたはずの問題が再燃し、長考に入らざるを得なかった。
沖に放銃は避けたいが、もう一度聴牌を組み直すのは厳しい。
沖に対して、萬子のは全て無筋。危険度で判断することになった。
は、-が有り、シャンポンの可能性は低い。-、嵌の可能性有り。
は、-が有り、シャンポンの可能性有り。嵌は無さそう。
は、-が有り、シャンポンの可能性は低い。嵌は無い。
よって、打とした。
幸いにもロンの声はかからなかった。
が、なんと次巡、沖がを手出し。
混一色どころか、聴牌さえもしていなさそうである。
自身の読みが如何に甘いか痛感したと共に、一人聴牌の可能性が高まったため、嬉しいやら恥ずかしいやら、傍から見れば複雑な表情をしていたことだろう。
結果、私の一人聴牌で流局。
2着目かつ、伏せても着落ちが無い状態で、オーラスを迎えることとなった。
南4局2本場 ドラ 親井上24400 沖24100 中川29000 秋田42500
僥倖の一人聴牌により、伏せても瞬間的な着落ちが無くなった2着目。
沖に対しては、2本場の為2000点の放銃も許されない。
その沖が、ポン、ポン、ポンとたった4巡で三副露。
最安の1000点から16000点まで見える、非常に対応し辛い仕掛けである。
その時点での私の手牌がこちら。
ツモ
もちろんは生牌。沖の最終手出しはをポンして。
ポン、ポンから、を引っ張ったことで、沖がを持っていなさそうなこ
とは推察出来たが、こので打つと着落ち、しかも、2着順落ちである。
ただ、前局の一人聴牌により、秋田からの満貫直撃あるいは跳満ツモでトップ条件が
残っている事、手牌がそれに見合う価値があると踏んだため、このをツモ切り。
次巡、を引き入れ、以下の形で立直。
裏ドラこそ乗らないものの高めのをツモり跳満。
秋田をまくりきりトップを取ることが出来た。
と、結果こそ最高だったものの、これらの選択は果たしてどうだったのか。
・東1局での、振聴立直。
・南3局での、を暗槓し、を打ったこと。
・南4局での、生牌のを押したこと。
今の自分ではそのメリット、デメリットを正確に理解した上で選択することはまだ出来ない。ただ、その現状に甘んじることなく、向上心を持って麻雀に向き合っていきたいと思う。それこそが麻雀「プロ」ではないだろうか。
(文責 中川英一)