コラム・観戦記

【36期Aリーグ最終節自戦記】平賀聡彦

みなさんどうも!最高位戦HP観戦記・レポート担当の平賀聡彦です。

今年のリーグ戦レポートは例年と変えて、選手の自戦記中心にしました。
特にAリーグは12人の選手に各節を担当してもらいました。
選手それぞれの個性が出ていたと思います。みなさんいかがでしたでしょうか?

さて、第1節の開幕時に節担当を決めたのですが、ボクは責任者なので残った節でいいですよと言ったら、最後に余ったのは最終節・・・。
最終結果次第では残念な自戦記になっちゃうかもと思いつつ、でも過去の自戦記担当の節は調子良かったしなんとかなるだろ、と気楽に考えてました。

しかし、いざリーグ戦が開幕すると最高位戦に入って以来の大不調!!
5節終了時に-326.3のぶっちぎりの断ラス!
2節~5節まで連続マイナス&2・3・4節の12半荘で5回箱下・・・。
しかも2・3・4節の自戦記担当がボクと同卓。
平賀って奴は、いつも大物手に放銃してトンでるエヴァ&ターミネーターみたいな奴とみなさん思われたことでしょう。
Aリーガー達に無理矢理自戦記を頼んだ呪いかと思いました・・・。

今振り返ると、トータルで大きくマイナスしてバランスを崩してしまい、攻めすぎて傷を広げてしまった局面があったと思います。
実は今年で最高位戦8年目になりますが、いままで降級争いってほとんどしたことがなかったんです。リーグ戦の苦しさを感じた1年でした。

その後6節7節と大勝して盛り返すも、後が続かずズルズル後退。
最終節を迎えた時点で9位のポジションにいました。(ちなみに10節終了時は11位!)

 11節終了時結果
1 佐藤 聖誠 709.0
2 石橋 伸洋 255.2
3 曽木 達志 246.6
4 水巻 渉 106.4
5 佐藤 崇 90.1
6 石井 一馬 -9.7
7 近藤 誠一 -66.4
8 上野 龍一 -189.3
9 平賀 聡彦 -237.4 ←ココ
10 張 敏賢 -266.2
11 大柳 誠 -311.9
12 太田 安紀 -332.4

11・12位が降級なので2人に抜かれなければ大丈夫ですが、安心出来るリードではありませんし、ラスでも引けば一気にデンジャラスゾーンです。
最終節まで危機感を感じながらの戦いとなりました。

同卓は、2位石橋・5位佐藤(崇)・8位上野。
石橋と佐藤は決定戦争い、お互いに厳しく打つだろう。
上野と自分は降級争いだが、まだボーダーとは離れているので落ち着いた展開になるだろう。
対局が始まる前はこう考えていた。

しかし、1回戦東1局から激しい局面に。
11巡目に佐藤の切ったドラをポンしてすぐに親満テンパイ。

  ツモ 打


すると下家・石橋がをチーして仕掛け返す。

 

『石橋もテンパイか、だが厳しい牌を引いたら回るだろう』
すると、上野が静かにツモ。

 ツモ

ツモイーペイコー500・1000。
『勝負手実らず。くっ、残念』

その後、東2局は親・石橋のリーチを受けながら上野がツモのみ。
東3局は親の上野がリーチして1人テンパイ。
上野がジワジワと加点していく。
『上野さん渋いなあ。調子良さそうだなあ』

同1本場、ピンフドラをリーチしてメンピンツモドラ裏。
上野に親かぶりさせトップ逆転。

南1局1本場 ドラ

ここで大きく展開が変わる。

 ツモ 打リーチ

『三色にはならなかったが、3メンチャンが残ってリーチ。ムフフ。
2着目の上野はモチロン、ラス争いの2人も親リーチには押しにくいはず』
しかし、結果は想定外。上野がツモ切りリーチで押し返してきた!!
だがリーチ宣言牌は。メンタンピン一発裏で親満のアガリとなった。
実は上野も前巡にテンパイ。


待ちはは唯一の放銃となる牌だったのだ。
これで上野は一気にラス目に転落してしまう。

南2局1本場 ドラ
前局に仕掛けて5800をアガった親の石橋が、軽快に仕掛ける。

  

 

しかし好配牌だった自分も有効牌を引き入れ5巡目にリーチ!

捨て牌は(↓はツモ切り)

         ↓    ↓      ↓

石橋 ポン)チー)
平賀 

『親の石橋にドラが何枚有るか分からないのが若干不安だが、石橋もソーズの下は持っていなくて待ちにもなってなさそうなので、脇から拾えるかも』
結局、数巡後佐藤から出アガリ。リーチ三色ドラ裏の満貫。

このまま1回戦は5万点オーバーのトップでホッと一息。
上野をかわしてトータル8位に上がる。
しかし、11位の大柳もトップだったため降級ボーダーまでの差はほとんど変わらず。まだ予断を許さない状態が続く・・・。

この日は好調の波に乗り、1212と全連対。
3回戦も6万点オーバーのトップで+140、今期一番の成績だった。

一方、上野は3434と大きくマイナスし、結果降級してしまった。
対局後に1回戦のターニングポイントになった局について、上野は語った。
『直接対決の平賀からアガればその後が楽になるなと思い追っかけリーチした。
だが、先行リーチをせずにダマにしたなら、暗刻落としで良かったな・・・。』

激しい打ち筋の自分とは違い、上野は粘り強く大崩れするタイプではない。
この日もその後は大きな放銃は無かったが、アガリが遠く苦しい展開だった。
みんなギリギリで戦っている。まさに紙一重なんだな、あらためて感じた。

36期Aリーグ最終節結果
1 佐藤 聖誠 654.6
2 石橋 伸洋 254.1
3 曽木 達志 221.3
4 水巻 渉 133.1
5 佐藤 崇 65.1
6 近藤 誠一 -34.7
7 平賀 聡彦 -96.9
8 石井 一馬 -107.4
9 大柳 誠 -215.6
10 張 敏賢 -234.1
11 上野 龍一 -303.7
12 太田 安紀 -341.8
1~3位 最高位決定戦進出  11・12位 B1リーグ降級

最終結果は7位。
Aリーグに上がった当初は決定戦争いをしていたが、ここ2年はトータルマイナスという結果。
下からはどんどん新しい選手が上がってくる。
進化し続けなければ生き残れない。
前へ進み続けられるのか、これからが正念場だ!

文責 平賀 聡彦

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