第36期B1リーグ第10節の自戦記を担当します、26期後期入会の谷口 竜です。
今年でプロ10年目になりますが、今までのリーグ戦の結果はこの様になります。
C2→C2→C1→C1→C1→B2→・・(7年間)・・→B2→B1→B1
特筆すべきはB2リーグでの7年連続残留、昨期ようやくB1リーグへの初昇級が叶いました。
B2リーグは最高位戦全リーグ中で一番降級率が高く(今は緩和されましたが)、以前は24人中12人降級というシビアな年も何度かありました。
よく7年連続B2にいたな、と自分でも驚いてしまいます。
良く言うと安定感があり、悪く言うと勝ち切れないのかもしれません。
さて、リーグ戦もいよいよ終盤となる第10節、この日の面子は嶋村、中嶋、中村。
面子によって打ち方を大きく変えることはないですが、3人の打ち方の印象とポイント状況は把握しておくようにしています。
私は9節終了時+75.4とまぁまぁの位置、昇級のためには今節で更にポイントを重ねる必要があります。
しかしながら前述の通り7年間B2リーグに籍を置き、降級することへの危機感を幾度となく味わっていることも事実。
上を目指す為に無理なバランスを取りすぎて、不要な痛手を負う気はありません。
第10節の結果を先に書いてしまうと、4・1・3・3の▲31.5でトータル+43.9。
ポイントを減らしてしまいましたが、この日の自分の調子からすれば、この程度のマイナスで済み上出来だったと捉えています。
この日一番印象に残った1局について、ここで書きたいと思います。
<<4回戦オーラス>>
親は中嶋、点棒状況はかなり縦長でトップの中嶋とは24900点差、2着中村とは20000点差。
ラス目の嶋村とも20000点以上離れています。
配牌を取る前は、親の連荘を許して得点を減らす前にサッと終わらすことを考えていました。
配牌は
ドラ
第1ツモでが重なり、切りで早くもイーシャンテン。
ポンテンをとり終わらせるつもりでしたが2巡目に2着目の中村がをポン、これで中村の上家の親の中嶋が受け気配となりました。
このタイミングで以下の理由により打点重視に方針変更。
・親がノーテン終了を考えたので連荘の可能性が減った。
・中村に放銃しても着順落ちの危険が無い。
・トータル+200オーバの中嶋をトップで終わらせるよりは中村がトップの方が最終節にむけて昇級できる可能性が高まる。
ツモでピンズのメンホンに向かい、ドラの受入ターツを捨てていきました。
中盤、中村に危ない牌を持ってきても、自分の上がりの可能性と中嶋のトップ阻止を優先し前進。
17巡目、チートイツでやっと聴牌します。
私から見て2枚切れ、は4枚見え、は生牌、4枚見え。
もう手変わりを期待するには厳しい巡目、私は切りリーチを選択しました。
単純に見えている枚数ならば待ちの方が良いですが、中盤に嶋村がを手出しておりをトイツかアンコを持たれている可能性がかなり高そう。
は自分から4枚見えているのでが他家には不要牌、この時点最後の1枚は確実に山にいます。
そして染め手気配の河なのでダマでも中嶋と嶋村は出すことはないだろうし、リーチしても残留する為にポイントを叩く必要がある中村はオリないと踏んでの判断でした。
結果は聴牌している対面の中村が1発目にツモ切り、もツモれず流局し対局終了。
はワンパイ、はやはり嶋村の手にトイツでした。
配牌時にメンホンを見据えていたならば、が重なっているのでアガリになっていたかもしれません。
そう考えると分岐点は第1打だったことになります。
しかしあの配牌と点棒状況で初手から無理な打点指向に偏ることは自分のバランスから考えて良しとは思いません。
上がりには結びつきませんでしたが、巡目と相手の状況に応じた最善を尽くせた1局だったと思っています。
―36期B1リーグ第10節終了時結果
1 山口 まや 280.3
2 中嶋 龍太 253.9
3 清原 大 195.2
4 浅野 剛 170.7
5 山内 雄史 151.2
6 坂本 大志 57.8
7 谷口 竜 43.9
8 新井 啓文 39.5
9 嶋村 俊幸 37.6
10 冨澤 直貴 1.1
11 浅埜 一朗 ▲19
12 武中 真 ▲109.8
13 齋藤 敬輔 ▲165
14 いわま すみえ ▲275.9
15 篠原 健治 ▲358.9
16 中村 英樹 ▲365.6
今年のリーグ戦も残り2節8半荘。
昇級も降級もボーダーから離れた位置ですが、最後まで気を緩めず戦い抜きたいと思います。
文責:谷口 竜(文中敬称略)