コラム・観戦記

【第6期最高位戦クラシック準決勝・初日自戦記】三ケ島幸助

急遽予定が変更になり、今回の自戦記を書くことになりました。

予選を首位で通過したため、本戦を超えて今回の準決勝を
戦うことに。

少し早めに会場に到着すると村上三冠王が、笑顔で気合いを
入れているのが印象的だった。
私にとって初対決となるのは新津・村上とまったくデータのない
矢島である。

1回戦の卓組が発表された。
私の対戦相手は新津・嶋村・大川戸。
私が20歳の頃、新津と嶋村はAリーグを長期に渡って
在籍していた強豪である。
因に大川戸とは以前、私のお店で頻繁に打っていた。
私の闘志にスイッチが入るのは早かった。

東1局、親番でトイツシステムと牌山読みが見事にマッチし
ドラドラチートイツのテンパイで1枚切れの待ち。
不運にもこのをツモ切ったのは嶋村で、私は絶好の
9600のアガリで優位に立った。

しかし、東3局に親の新津が新津らしい手筋で攻め、私から1500の
直撃などであっさり捲られてしまった。
その新津の親番を蹴るべく、私もリーチで攻める。

すると新津からも追い掛けリーチが入る。
は1枚切れで苦しかったが、私はこれをツモアガリで
1000・2000
オーラスは3着目の大川戸が嶋村からのアガリで2着目に浮上。

私は幸運にも初戦をトップで終えることが出来た。

+21.3

2回戦 起家から私・水巻・村上・木原

木原とは以前、私のお店で頻繁に打っていた。
当時、もの静かなサラリーマンで黙々と打っている
姿が印象に残っている。
その後に木原はプロになり、再び戦うことになるとは
当時はまったくわからなかった。

またも起家の私はドラドラのチートイツを4巡目に
あっさりテンパイ。
7巡目にあっさり村上から9600をアガり、体勢は磐石
となってきた。

東2局の7巡目に私はをチー、晒したのは
これでもう局面は一気に終盤である。
当然、他家は瞬時に危険を察知し、受けに回っている。
ノーテンかもなんていう対応は出来ないのである。
これはレベルが上がれば上がるほど対応が鋭くなって
いくのである。
たまたま1000点のチーテンでツモアガリの300・500で
あったが本手が入っている可能性は高いからである。

オーラスまで、終始私のペースで局が進んでいった。
そのオーラス、私は役無しのでテンパイ。
もちろん、こんな手牌ではリーチはかけない。
そのテンパイ打牌のを親番の木原がポンして打
しかもドラはでほぼ間違いなく、タンヤオではなく
ドラが絡んだ手牌でテンパイかイーシャンテンだろう。

終盤、危険を察知している私と水巻は受けに回った。
ラス目の村上はマンツモ条件で、リーチと来たのである。
これでドラのが村上にトイツ以上である可能性が高くなった。
流局を願うが、手詰まりの水巻が村上に7700の放銃。
これで私は2連勝となった。

+21.6 ( 計+42.9 )

3回戦 起家から矢島・私・石田・宇野

東1局   ドラ

4巡目に宇野からリーチが入る。
待ちは絞りきれない。

同巡、私の手牌は下記になっていた。

ここに6巡目にドラをツモ、無筋のを選択する方法もあるが
慎重に受けに入った。
この判断は微妙だな、そう考えていた。
しかし、7巡目にをツモってくるではないか。
もし、打も押せていると同巡、宇野からのドラ
捕らえることが出来ていた。

結局、宇野がツモアガリ1000・2000で終わる。
私はアガリを逃した結果となった。

この後は宇野と矢島のペースとなり、私は放銃もありラス目
に転落していた。
ここでラス抜けは厳しいな、無理をせず小さなラスは受け入れよう
そんな気持ちであった。

結局、南場の親番もテンパイまででラスで終了となる。

△18.9 ( 計+24.0 )

4回戦 起家から山田・西嶋・私・須藤

東場は流局が多く、小場の展開になり私はヤミテンで
慎重に加点していった。
3000点ほど浮いたトップ目の南1局に勝負のポイント
となる局があった。
山田がをポンし、ピンズのホンイツにまっしぐらという
ところで私は8巡目に下記の手牌となっていた。

関連牌はが2枚切れで、ここに生牌のツモである。
ここは迷わず、打を選択。
さらに次巡ツモで打でイーシャンテンとなる。

は牌山に残っていることは読めていた。
そして、11巡目にツモである。
山田はピンズのホンイツであることは間違いない上に
を余らしている。
テンパイかもしれない。
こので放銃すれば12000を覚悟しなければならない。
そんな状況であったが、私は迷わず打を選択しヤミテン
に構えた。

つまり、この局までの体勢を重視し、勝負をかけたのである。
すると山田からポンの声がかかる。
そしてピンズが打ち出されるだろう。
そう思うのも束の間で山田の打を捕らえ、2000

そうして南3局を迎え、私は中盤に下記のテンパイとなった。
ドラ

このテンパイはドラ表示牌のを引き入れてのもの。
当然のヤミテン、ほどなく須藤から打ち取り11,600
仕上がったアガリであるが、やはり南1局のアガリが
この11,600を呼びこんでいるのである。
結局、大きなトップで終了となる。

+31.9 ( 計+55.9 )

5回戦 起家から白鳥・石橋・近藤・私

目無しの白鳥とボーダー付近の石橋と近藤との戦い。

東1局に白鳥が近藤に8000の放銃。
ラスの可能性が減った私と石橋が近藤を追うべく
攻めに転じる。

南1局の中盤にメンホンのテンパイ。

私は捨牌にも気を使い、テンパイしているところに
ツモである。
ここでアンカンをすればホンイツと読まれるかもしれない。
それでもリンシャンのツモ筋を見てみたい。
そう迷わずアンカンである。
するとリンシャンから待焦がれていたで2000・4000
 アンカン ツモ

これで何とかトップ目にたった。

しかし、オーラスに試練が待っていた。
ドラ


2着目の近藤とは1900差で1本場である。

その近藤が9巡目にワンズをチーして打
もう間違いなくクイテンである。
のソバテンかピンズの待ちであることは間違いない。

しかし、近藤の仕掛けで私に好牌が流れテンパイとなった。


私はドラドラの手牌だけにアガリきりたいとこである。
近藤のクイテンに対して、3着目の石橋が無筋の

ノータイムで押し、リーチと来た。
これで近藤の待ちはカン
かピンズの愚形待ちである
可能性が非常に高くなった。
の残しはカンの受け入れか、リャンメンへの手牌変化を
考慮したからだろう。
後者の場合はピンズが愚形だからこそ、
で好形を作りたいはずで
だからこそ、
を残していることになる。
対局中、これらのことは瞬時に判断できる基本的な読みである。

私はテンパイしていたので、(石橋の現物)だけは引くな
そう願い牌山に手を伸ばしていた。
すると
をツモり2600オール、決定打となった。

+29.4 ( 計+85.3 、2位)

局後、近藤から「を引いたらどうするの?」と聞かれたが
私は本音で2分くらいの長考になって判断するでしょうと答えた。
ただし、残りが3巡となっていて、近藤がテンパイを維持している
場合は受けに回るのが当然である。

準決勝2日目も死ぬ気で打ちます。
極品を作り上げるために・・・

私のブログの宣伝です。
http://ameblo.jp/km-ultimatemika/

また、多くのファンの皆様の観戦もお待ちしています。

準決勝2日目の自戦記は女流の西嶋に託します。
ご期待下さい。

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