コラム・観戦記

【36期C2リーグ第1節新人レポート】小林 里沙  


136牌と向き合う理由は人によって違うと思います。

デジタル思考、オカルト、そんなジャンル分けもありますが、

 

もっと細かく多種多様な考え方があるでしょう。

私は、自分の人生を修正する為に麻雀を打っています。

チンプンカンプンであったらごめんなさい。

麻雀に人生を映して臨んでいるのです。

生活の全てが麻雀に出るという考え方です。

麻雀で失敗が続いたら、それを麻雀牌で克服しようとは思いません。

例えば、安易な放銃が続いたら、危機管理能力が足りないと認識し、

 

日常の危機管理能力を養います。

立直の判断が鈍っていたら、日々の取捨選択に気を遣います。

間に合わない打牌が続いたら、日常で間に合う訓練をします。

今回のリーグ戦第1節、開始前にアナウンスがありました。

「今節の上位2名に自戦記を書いてもらいます」

私はどうしても勝ちたかった。

その一心で勝利を勝ち取りました。

自戦記ということですが、自己紹介を兼ねているというコンセプトの

 

ようですので、今節の麻雀ではなく、これまでの(12年間の)麻雀人生

 

においての「自戦記」を綴ろうと思います。

 

 

 

3年前の春、私は最高位戦を去りました。

他団体に魅力を感じたからです。

しかし、この3年の間、ここに書ききれない苦しい思いをしました。

これから先、どう麻雀と関わっていけばよいのかわからず、

 

絶望の中にありました。

そんな時、手を差し伸べて下さったのが、最高位戦の先輩方です。

「本当に麻雀を愛しているんだな」と感じた時、

「この人達と一緒に麻雀を普及していきたい」と無条件に思いました。

その私の想いを最高位戦が再び受け入れて下さったことに心から

 

感謝を致します。

 

 

新津代表、村上さん、石橋さん、なおさん、本当にありがとうございます。

最高位戦を1度辞めたことは、本当に良かったと思います。

あのまま続けていても、私がプロである価値は無かったでしょう。

「最高位戦でやっていきたいんだ!」

そう強く思う現在(いま)に意味があると感じています。

3年前に在籍していた頃の私には、

‘‘切ってはいけない牌‘‘が多過ぎました。

様々な勉強会に足を運び、諸先輩方の教えを一生懸命に聞きました。

挙げ句、人の目を気にする打牌しか出来ない打ち手になっていったのです。

あの頃の打牌には、自分の意志が全くありませんでした。

この3年の月日の中で、私が選んだ道。

それは、「体で麻雀を打つ」ということです。

私には、デジタル思考だけで効率的な麻雀を打つことは出来ません。

人の手牌を推測して、読みや戦術で論理的に麻雀を打つことも好みません。

何故なら、私はゲームとして麻雀を打ちたいわけではないからです。

生き方を体言する手段だと思っています。

「理屈だと残り8枚の両面待ちに受けるのに、体が何故か1枚しかいない

 

双碰(シャンポン)待ちと感じるから双碰にとってみたら1発自摸。」

そういう麻雀に魅力を感じます。

常識を覆すこと、奇跡の様なことを麻雀に求めています。

私は麻雀でしかそれを表現することが出来ません。

だから、麻雀で奇跡を起こし続けたい。

その奇跡を積み重ねて、麻雀界を発展させたい。

そう思っています。

「切ってはいけない牌を切らない人」より、平気で切る人の方が私は怖いと思う。

「普通の人がやらないようなこと」を、やってのけてしまう人こそ私は強いと感じる。

そんな人に私はなりたい。

例えば、發、中、と鳴かれても、白を切っていいと思う。

そこに明確な根拠が無いとしても、

体で「通る」と感じたのなら、それは立派な理由だと私は感じる。

「何をやってもいい」 「全部麻雀」 

どんな場面に直面しても、笑顔でそう言える麻雀打ちでありたい。

プロの麻雀には、

「暗黙の了解」 「あり得ない打牌」 「してはいけないこと」があり過ぎると思う。

私はそれを壊したていきたい。

 

 

「切ってはいけない牌なんて無い!」

「やってはいけない事なんか無い!」

 

 

「プロらしく」その言葉の意味を打牌の束縛ではなく、

自由の上に成り立つように変えていきたい。

その闘いの第1節が終わりました。

+101.1ポイントの暫定2位。

「体で、感覚で打つ私の麻雀」を精一杯に体現し、昇級を目指します。

何よりも、心から笑顔で牌を握ることに重きを置きながら・・・。

 

 

C2新人レポート第1節 小林里紗

 

 

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