コラム・観戦記

【36期Aリーグ第2節自戦記】佐藤 聖誠

-4月6日(水)第36期Aリーグ第2節-

 

 

ツモ

開始数分で曽木が手を倒す。
リーヅモとドラの
が暗刻で3000-6000である。
その後親番でも手が入っており、6万点近くまで加点していく。

私は『その日の出来』というものを非常に大切にしている。ネット麻雀で麻雀を覚え、

東風戦の雀荘「ジパング」で勤務していた雀歴から、私のことをデジタルな打ち手だと

思っている人が多いであろうが、そうでもないのかもしれない。
麻雀に流れがあるかどうかはわからないし、興味もない。

しかし、出来の良し悪しというものはあるような気がしている。

今日の曽木は良さそうだ。曽木は超攻撃型の雀風で、自分と似ている部分が多い。

今日の曽木とはなるべく喧嘩せず、曽木より一歩下がった位置からポイント加算を

狙っていくことにした。

相反して、今日の平賀は悪そうである。
平賀とは初対戦だが、麻雀自体は何度かAリーグで観戦していた。

開かれなかった手牌はわからないが、押し引きのバランスを少し崩しているようにも見えた。
更には放銃に繋がってしまっていて、持ち点は配給の半分に減っていた。

東3局2本場
東家曽木 57200
南家平賀 13800
西家上野 22500
北家佐藤 26500

無風の中、テンパイを果たす。

北家佐藤10巡目

 

 ドラ

恐らくテンパイ一番乗り。ドラのは既に2枚切れ。
が3枚切れとが1枚切れ。

役無しだがヤミテンに構える。
こんな手で曽木とぶつかる危険を冒したくないからだ。
東3局だが気持ちはもう2着維持へと切り替わっていた。

結果はすぐにを引いてピンフへ手代わり。そのままヤミテンでアガリを拾い、

無事無失点で局を進めることに成功する。

東4局
ラス目の平賀が失点を取り返そうと果敢に仕掛けていく。

東家平賀10巡目

 

 

     ドラ

4巡目にをリャンメンチーして、ドラを持ったソーズのホンイツかと思いきやどうやらチャンタらしい。
どのみちドラの
はトイツだろう。最終手出しがと来ているので

ソーズのホンイツを視野に入れたチャンタのソーズ待ちが本線。
下は鳴いているので、自分の手牌から見るとペン
が第一本線か。
そして自分にもテンパイが入る。

西家佐藤13巡目【全体配譜はこちら】

 

 ドラ

 

 

前局と同じく役無しのである。
しかも
が3枚切れでが1枚切れ、枚数まで前局とまったく同じ。

しかし今度はリーチを打った。
理由は平賀以外の二人を含め、
を誰も持っていない情報があったからだ。
脇の二人は既に回っている感じだったので打ってくれることはなさそうだが、

平賀から出たは捉えたい。
なんか引いた日には目もあてられないが、は回っている両脇が持っていることを期待して。

私的には本日1回目の勝負であった。
結果は平賀が
を掴み1300の出アガリ。

恐らくこれでこの半荘ラスを引くことはないだろうと気持ちに余裕ができた。

しかし、上野との2着争いに十分なアドバンテージは未だ出せていない。
南1局には親番の上野が平賀から3900、12300と奪い取り、

あっさりと2着の座を明け渡すことになる。

南1局2本場
ようやく自分にも軽い手が入る。

東家上野 39700
南家佐藤 29400
西家曽木 57200
北家平賀 △6300

南家佐藤8巡目【全体配譜はこちら】

 

 ドラ

 
とりあえずテンパイだが、最低メンタンピンにしてアガりたい。
場況はピンズの上が良いだけであとはわからないが、

たった今平賀が逡巡してを手出しした瞬間であった。
恐らくソーズの下のターツ落としであり、次巡にでも
が出てくるだろう。

かもしれない。ソーズの下が2枚減ってしまった。
更に親の上野に対し
が現物とくれば、ソーズを伸ばすよりもカンのテンパイを取って

ピンズの変化を待った方が良さそうである。
2巡後、三色+場況の良いピンズの上待ちに変わる
を引いて待ち変えリーチ!
程なく
をツモアガリ、2着獲得へ大きく前進できた。

しかし上野も食い下がってくる。
3巡目で既に地獄待ちの
単騎をリーチ。ベテランっぽいチートイツ8000を曽木から直撃。
オーラスを迎えて、非常に歓迎しない点差になってしまった。

南4局
東家平賀 △8000
南家上野 46300
西家佐藤 37500
北家曽木 44200

私と上野の差は8800点、曽木とは6700点。曽木と上野は2100点。
更にドラが

他家がぶつかって自分が着順浮上するようなことはあまり期待できそうにない。
となれば自力であがらなければならないのだが、平賀とぶつかることは

点数状況だけ見れば割の良い勝負ではない。
上野、曽木に先を越されると平賀が割って入ってすぐに決着が着いてしまいそうだ。
この点数状況では、3着で終了してしまうケースがほとんどだろう。

実際この半荘は曽木が平賀から8000をアガって3着。

順位戦比率の強い最高位戦ルールでは屈辱とも言える素点プラスの3着であった。

1回戦 3着 - △2.5

しかし、自分で言うのも何だがこの日は状況把握、状況判断がよくできていたように思う。
その後も一歩下がった位置でポイントを重ねていき、第1節に続き勝ち頭で第2節を

終えることができた。

2回戦 2着 - +12.1
3回戦 1着 - +56.7
4回戦 2着 - +12.4

第2節 +78.7

第2節終了トータル
+297.0

現在首位に立てているが、正直Aリーグの中で自分が一番強いとは思えていない。

たまたま私の良さが出ているだけだと思っている。
その差を埋めようと日々研鑽しているが、それは他のAリーガーも同じことであり、

一生埋まらないこともあるだろう。
それでも私は、負けることが大嫌いだ。

残り10節を首位で終えられるよう、第3節以降も懸命に闘っていきたい。

 

 

31期前期入会 佐藤聖誠

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