根本永世女流最高位への挑戦権をかけての第一のハードル、『第10期女流最高位戦』予選リーグ最終節が9月6日(土)神田『ゴースタアネックス』にて行われた。
まずは最終節が始まる以前のポイントから確認していきたいと思う。
Aリーグは山口が当確なものの、他の者は上位でも落ちる可能性があり、下位でも全然チャンスがあるという大混戦。
Bリーグは先日野口賞を決めた浅見に当確。2位渡辺の177.9Pから16位細谷の-51.4Pくらいまでにチャンスありか?
Aリーグ1回戦
1卓 ②須山 ⑤いわま ③涼崎 ⑩川端
2卓 ⑨野添 ④京杜 ⑦野口 ⑥和田
3卓 ⑪北島 ⑬宮本 ①山口 ⑫夢野
2卓は全員が全員ポイントを大事にしたいボーダー付近。
案外大人しい立ち上がりになるのかと思いきや序盤から激しい殴り合いとなった。
まずは東1局 ドラ
2副露の野添が和田のリーチ宣言牌をとらえ隠れドラ3の12000。
野添
ロン
東1局1本場 ドラ
野口の先制リーチ後、野添は困りながらも現物を切るがそれがダマ聴を入れていた京杜に捕まってしまい、
タンヤオチートイドラドラの8000は8300。独走を許されない。
京杜
ロン
東3局 ドラ
野添に12000を打った和田が黙っていない。
親の野口のリーチに対して、当たり牌を組み込み追いかけリーチ!
和田
ツモ 打
そして2巡後にをツモり、3000・6000!!
激しい殴り合いとなったが南場の親で連荘した野添がトップを取り、チャンス手不発の野口がラスを押し付けられてしまった。
1卓ではいわまがまたまたドスコイ節を炸裂。
南1局1本場 ドラ
親のいわまが下家の涼崎のピンズのホンイツ仕掛けに対して鋭い張り手を飛ばす!
いわま
ここからをポンし、打!
確かに涼崎にテンパイはまだ入ってなさそうではあるが・・・それでも・・・さすがです・・・。
結果、川端からを出和了し、7700は8000。
自分らしさを出したいわまがそのままトップとなり、張り手をくらった涼崎がラスとなった。
前半2回戦を終えて、前節4連続ラスの野添が2連勝。
7位和田が22.7P、8位ボーダーの野口が-66.9P、9位花本が-76.1Pとなり、8位を巡る熾烈な争いとなりそうだ。
Aリーグ3回戦
1卓 ⑦和田 ③いわま ⑥野添 ①山口
2卓 ⑩宮本 ⑤須山 ⑧野口 ⑫川端
3卓 ⑬夢野 ④涼崎 ⑨花本 ②京杜
3卓オーラス ドラ
宮本 27800
須山 39400
野口 21200
川端・親 30600
ここから宮本がさわやかに2着をもぎ取る!
宮本
ここで打としテンパイ取らず。一縷のトップの可能性を目指す。
すぐにドラの引いてカンでリーチ!野口からリーチ三色ドラ8000を出和了った。
3回戦が終了し、抜け番で5回戦のある4名を除き最終戦となった。
ポイントは以下の通りである。
①山口 226.9
②いわま 123.3
③須山 86.3
④京杜 70.9
⑤野添 55.4
⑥涼崎 39.6
⑦和田 13.8
⑧花本 -60.3
⑨宮本 -76.7
⑩北島 -110.1
⑪野口 -112.8
⑫夢野 -121.1
⑬川端 -146.2
上位7名はほぼ確定か。
残るは最後の椅子8位を6人で争う。
基本的には花本、宮本の一騎打ちであるが、
二人とも沈めば北島・夢野・川端は5回戦もあるのでチャンスあり!
結果、花本・宮本ともに2着をキープし、北島も2着を取りなんとか追いすがった。
4回戦終了時
⑧花本 -48.9
⑨宮本 -64.9
⑩北島 -90.3
⑪川端 -146.2
⑫夢野 -155.8
花本の条件は24100点以上の3着以上かつ北島と2着順差つけられないこと。
逆に北島は花本に2着順差をつけて、トップもしくは45400点以上の2着。
川端、夢野は花本をラスにしつつ、北島を3着にしてのデカトップ。
そして5回戦は9位宮本の見守るなか、北島-花本-川端-夢野の並びで始まった。
東1局 ドラ
北島がまず先手を取り、8巡目にリーチ!
北島
ツモ 打
2巡後に花本の手が止まる。
花本
ツモ
自分でを2枚切っており、一度に手をかけるが思い直し
ドラのを暗刻落としてしのぎ切る!!
ここでしのいだ花本に親番ご褒美が入る。
東2局1本場 ドラ
花本
6巡目でこのスーパーイーシャンテン!
しかし北島の手も早い。
北島
北島が追いつくかと思われたが、花本がすぐを引きリーチ!
そして一発ツモ!!
ツモ
リーチ一発ツモタンヤオ表裏!
この6000オールで北島と結果を待っていた宮本の心が折れる音が聞こえた気がした。
そのまま花本が逃げ切り、最後の椅子を勝ち取った。
以上Aリーグは
山口まや
いわますみえ
須山いづみ
和田聡子
野添ゆかり
京杜なお
涼崎いづみ
花本まな
の8名が準決勝進出となった。
Bリーグは最終戦独特の雰囲気に注目してみたいと思う。
3回戦が終わって以下の通り。
⑥亀山 119.2
⑦石井 117.9
⑧細谷 38.5
⑨小池 27.3
⑩華村 19.9
⑪久慈 19.2
⑫近藤 17.1
⑬柳 2.8
⑭桐生 1.5
⑮高橋 -6.4
⑯大場 -12.8
⑰西嶋 -29.8
亀山、石井はでかいラスは取れないが、ボーダーの細谷でも2着でも安心できない。
五回戦目が最終戦となる小池、近藤は最終ボーダーがわかる分有利か?
他の人もトップを取っても別卓次第と非常に大混戦になった。
卓組みは以下の通り。
2卓 渡辺 石井 谷崎 吉川
3卓 近藤 成宮 亀山 細谷
4卓 柳 大場 池下 鳥越
5卓 桜庭 月江 佐藤 西嶋
6卓 桐生 浅見 高橋 北見
1卓
南2局 ドラ
トップ目の小池が親番。
江森が先制リーチ
これに華村が追っかけリーチ。
さらに久慈もリーチ。
小池は3人の戦いを見守ることにした。
この3人の戦いで勝利の女神が微笑んだのは華村であった。
江森からで8000とさらにリーチ棒を加えて10000点のプラスでトップ目の小池と2500点差まで近づいた。
オーラス、華村は自らのの和了でトップを掴み取り最終戦を終えた。
3卓
南4局
3着の細谷はトップまで7100差。
4着の近藤はトップまで11600差。
と全員がトップが見える状況。
親の細谷が仕掛けて連荘を目指すも亀山が2着を守りきる。
4卓
南1局 ドラ
親の柳が9巡目に先制リーチ。
を一発でツモり裏ドラを乗せ4000オールを和了、トップ目に立つ。
南4局 ドラ
リードを守って迎えたオ-ラス、柳にテンパイが入る。
さくっとをツモリ2000・4000とさらに加点し大きなトップを取った。
4回戦が終了して8位までのポイントは以下の通りとなった。
①浅見 386.0
②吉川 213.7
③池下 185.8
④渡辺 182.9
⑤鳥越 160.4
⑥亀山 132.1
⑦石井 105.4
⑧柳 68.1
5回戦が残っているのは
②吉川 213.7
⑩小池 45.4
⑬近藤 -18.7
⑲宇佐美 -87.8
小池はトップか42700点以上の2着。
近藤は86800点以上のトップでなおかつ小池を42700点以下に抑えるという条件。
内心ハラハラしながら柳が最終卓を見守る。
時間打ち切りで最終局となった南3局。
小池は31200点の3着、2着の宇佐美は33200点。
小池はこの1局で12000点を和了すれば準決勝に進める。
その小池の配牌は
ドラ
これを12000以上に仕上げ、なおかつ和了りきらなければならない。非常に苦しい。
小池はピンズに寄せていくも
1歩届かず最終戦終了となってしまった。
Bリーグからの準決勝進出者は
浅見 真紀
吉川 愛莉
池下 真理子
渡辺 洋香
鳥越 智恵子
亀山 馨
石井 あや
柳 まお
以上の8名に決定した。
レポーター 中野慎也・吉村昌敏