コラム・観戦記

真夏の決戦!! 第5期最高位戦Classic準決勝 レポート

現時点での首位は今年悲願の初タイトルを獲得した村上。
そのポイントは95.4。リーグ戦も好調で今年3冠王の可能性もじゅうぶんにある。

ここまで残っている選手はほとんどがベテランだが唯一の20代が有賀である。

有望若手の筆頭格で昨年も決勝に残っている。
昨年の雪辱に気持ちは燃え上がっているだろう。
しかし、20代の選手が一人しか残っていない
また女流選手全滅、これらの現実が厳しさを表している。
決起する強い気持ちを持った若手はいないのか・・・

1卓 1回戦 ()内のスコアは開始時点

起家から井出(+50.4)、沖野(+31.4)、村上(+95.4)、熊田(+52.4)

井出は開局からダブ東をポンして1000オール、

次局もメンゼ ン三色を沖野から直撃し好スタートである。
連荘を重ねた井出のらしい選択は6巡目、

 

  ツモ

でホンイツを見切り打
ホンイツトイトイを捨てロンアガリしやすいテンパイを目指す。
すぐに村上からをポンしてトイトイをテンパイしたが流局へ。
ポンテンの後に井出はをツモりアガリ逃しとなったが
これは井出のフォームである。

南2局 ドラ

親の沖野がピンフドラ2テンパイ


 

これを最終ツモでを引き当て2600オール
しかし、次局は沖野が熊田のホンイツに8000放銃となる。

ここまで出番のないラス目の村上、オーラスにリーチで
攻めるが、2着目の井出が1000・2000のツモアガリで
熊田を捲り逆転トップとなる。

井出+19.4 熊田+10.8 沖野△8.6 村上△21.6

2卓 1回戦 ()内のスコアは開始時点

起家から菊池(+24.6)、有賀(+30.1)、坂本(+19.4)、土田(△6.6)

開局から菊池が喰い仕掛けで主導権を握るが、有賀にテンパイを
入れさせ自らが放銃する苦しい展開。
ラス目になり菊池は仕掛けを多用するが、他家に利する展開となる。

オーラス、土田がバラバラの配牌からチートイツのテンパイを組む。
まさに土田システムであった。
連荘となったが、ダンラスの菊池が3000・6000。

有賀+23.1 坂本+7.9 土田△8.8 菊池△22.2

3卓 1回戦 ()内のスコアは開始時点

起家から水巻(△24.0)、阿賀(△23.5)、下出(△28.9)、小林(△20.0)

開局から阿賀1000・2000、水巻2000・4000
と早くも荒れ模様となる。
阿賀はブラフ仕掛けが裏目に出て水巻にマンガンをツモられたのだ
が、これ以降はさっぱり手が入らなくなってしまった。

南4局 ドラ

 

水巻と小林が+4.5の同点トップでオーラスを迎えた。

9巡目ラス親の小林が積極的に仕掛ける。
  

水巻は前巡にテンパイ

共に攻めるが、14巡目に水巻はを引かされ撤退。
小林も他家の動向に注意を払い、撤退し流局へ。

水巻+12.5 小林+12.5 下出△7.6 阿賀△18.4

1卓 2回戦 ()内のスコアは開始時点

起家から土田(△15.4)、熊田(+63.2)、有賀(+53.1)、小林(△7.5)

どうしてもトップが欲しい土田と小林。
有賀はスコアが影響しているのか、守備に重点を置き
オーラス小林がトップ目で迎える。

2着目の有賀は攻めるが、小林の仕掛けに1500放銃。
小林のトップが濃厚になってきたが、ここで土田システム
が爆発、リーチツモタンヤオイーペイコウ2000・3900で
逆転トップとなる。

土田+17.9 小林+7.5 有賀△2.5 熊田△22.9

2卓 2回戦 ()内のスコアは開始時点

起家から菊池(+2.4)、村上(+73.8)、水巻(△11.5)、沖野(+22.8)

東2局 ドラ

 

8巡目、水巻リーチ

 

このとき、沖野はすでにドラを暗刻にしてペン待ちの
テンパイだったが、水巻がをツモ1000・2000。

南1局 ドラ

 

 

3巡目、菊池が水巻からをポン。

 

 

 

 


ここから打、トイトイ狙いだがアガリ切るには
難しい手牌である。

このような遠い仕掛けに他家はほとんど無視して
攻めて来ている。
村上も仕掛け返しポン、カンチーでテンパイ

 

      


ここにツモで2000・4000。

水巻も必死で追い上げるが、村上のトップ。

村上+19.1 水巻+10.0 沖野△5.8 菊池△23.3

3卓 2回戦 ()内のスコアは開始時点

起家から阿賀(△41.9)、坂本(+27.3)、井出(+69.7)、下出(△36.5)

窮地に立たされている前王者の下出が東1局から2000・ 4000。
そして南1局には坂本からチートイツドラドラを直撃し 9600。

しかし、阿賀も4000オール、12,000を坂本から直撃し
てトップ逆転。
現王者の坂本はこのハコラスで致命傷となった。

阿賀+35.0 下出+19.2 井出△2.6 坂本△51.6

1卓 3回戦 ()内のスコアは開始時点

起家から坂本(△24.3)、有賀(+50.7)、村上(+92.9)、小林(0.0)

南1局 ドラ 1本場

小林が配牌でドラがトイツ
4巡目にリーチ

 

 

 

6巡目にをツモ 3000・6000。

結局これが決め手になり小林のトップ。

小林+26.9 有賀+2.8 村上△7.1 坂本△23.6

2卓 3回戦 ()内のスコアは開始時点

起家から井出(+67.1)、水巻(△1.5)、熊田(+40.3)、菊池(△20.9)

開局から熊田の2000・4000、東3局には菊池の
1300・2600で荒れ場となる。
井出は東4局に水巻に3900を放銃し、ラス目となりピンチを
迎える。

 

 

南3局 ドラ 2本場

井出にチャンス到来

5巡目、

 

ツモで打

 

次巡ツモで打空切り
9巡目にツモでテンパイとなる。

 

 


このとき、水巻は井出のテンパイ気配を察知し、オリに回り
熊田が500オール。

南4局 ドラ 

井出、今度は配牌でドラが4枚。

6巡目にテンパイと同時にドラをアンカン。

 

 

 アンカン

が3枚切れ、当然の即リーチ。

一人旅かと思われたが菊池がクイタンでテンパイ。
待ちはタンキ。
結局この仕掛けで井出にが流れ3000・6000。

菊池+20.1 水巻+6.9 井出△5.3 熊田△21.7

3卓 3回戦 ()内のスコアは開始時点

起家から下出(△17.3)、沖野(+17.0)、阿賀(△6.9)、土田(+2.5)

東1局、土田から下出に5800。
連荘の下出がここで爆発。
なんとスーアンコウを土田から直撃し48000。

 

 

  アンカン

南1局のオヤ番で下出は1300オール、700オール、4000
オールと畳み掛ける。
このトップで決勝進出の希望が見えて来た。

また、たくさんのギャラリーを背負っていた土田だが、この半荘が
致命傷となった。

下出+77.8 阿賀+9.1 沖野△8.6 土田△78.3

4回戦 
ここで下位4名が足切りになり、上位8名が最終戦を戦い
決勝進出の4名が確定する。

1卓  ()内のスコアは開始時点

起家から坂本(△47.9)、菊池(△0.8)、村上(+85.8)、下出(+60.5)

オーラスにドラマが待っていた。

南4局 ドラ

 

8巡目に下出がテンパイ

 

これに対してトップ目の菊池が11巡目にチーで仕掛け
下出にを流し3900オール。

下出+21.4 菊池+5.4 村上△7.6 坂本△19.2

2卓  ()内のスコアは開始時点

起家から熊田(+18.6)、有賀(+53.5)、水巻(+5.4)、土田(△75.8)

南2局、オヤの有賀が5巡目に1枚切れのドラ西待ちで

チートイツテンパイ。
これに対してトップ目の熊田が終盤テンパイから西をツモってきた
のだが、冷静にオリに回る。

オーラス、熊田はクイタンで逃げ切り何とか望みをつなぐ。

下出+21.4 菊池+5.4 村上△7.6 坂本△19.2

熊田+24.0 有賀+2.9 水巻△7.1 土田△19.8

3卓  ()内のスコアは開始時点

起家から小林(+26.9)、井出(+61.8)、阿賀(+2.2)、沖野(+8.4)

小林は南1局の2フーロのホンイツのハネマンテンパイは
流局したものの、小刻みにアガリオーラストップ目で迎える。
オーラスは阿賀からチートイツ1600でトップを確定させた。
安定感が抜群である。

小林+20.8 井出+3.5 阿賀△7.8 沖野△16.5

4回戦終了時の上位8名

1位 下出 +81.9
2位 村上 +78.2
3位 井出 +65.3
4位 有賀 +56.4
5位 小林 +47.7
6位 熊田 +42.6
7位 菊池 +4.6
8位 水巻 △1.7

5回戦
1卓

起家から小林、有賀、下出、水巻

東1局 ドラ

 

10巡目、オヤの小林がリーチ

 

同巡、有賀もツモでテンパイし無筋のを勝負。
こちらはヤミテン。

 

これは小林がをツモで2600オール。

有賀はこの後も水巻とのリーチ合戦もアガれず
オーラスを迎えてしまう。
ラス親の水巻のリーチに終盤、有賀が涙の差し込み。

次局も水巻は最善を尽くしてのリーチ。
しかし流局となり終了。

小林と下出は決勝進出。

水巻+30.5 小林+12.2 下出△9.8 有賀△33.9

2卓

起家から熊田、菊池、井出、村上

東1局に菊池がハネツモのリーチ

 

 

 

南3局に熊田がドラ暗刻のマンツモのリーチ

 

いずれも流局。

好調の村上はメンホンの8000を菊池から直撃し
余裕の展開となってきた。
オーラスも3900オールでさらに加点する。

マンツモ条件まで粘った熊田もついに力尽きた。

村上と井出は決勝進出。

村上+36.4 井出+1.9 熊田△9.7 菊池△28.6

1位 村上114.6
2位 下出  72.1
3位 井出  67.2
4位 小林  59.9

               レポーター 三ヶ島幸助

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