コラム・観戦記

第5期最高位戦Classic準決勝初日レポート

本格的な夏を迎え、うだるような暑さが続く中、第5期最高位戦Classicはいよいよ準決勝までやってきました!


本選を勝ち上がった12名に予選1組・2組の優勝者、リバイバルマッチ優勝者、そして現Classicの坂本大志を加えた精鋭16名が一同に集結!

決勝進出を賭けた戦いがついに始まったのです!!


今期より大幅にリニューアルしましたこの最高位戦Classic

雀ナビ四人麻雀オンラインの()ウインライト様にもご協賛頂き、賞金総額も大幅アップ!優勝賞金は100万円!!最高位・發王位に肩を並べるタイトル戦へと着実に成長しているのです。

結果はHPトップページの「そのほかの大会」にアップされますので、そちらをご覧ください。


まずは準決勝のシステムを。

1日目・・・16名による総当たり半荘5回戦、下位4名を足切り。

2日目・・・初日のポイントを持ち越し12名にて半荘4回戦、下位4名を足切り。最終10回戦目を8名で行い、上位4名が決勝進出。

となってます。ちなみに決勝は2日間、全10回戦です。


この日僕は立会人。1組予選初日を、2位で折り返しながらの悔しい敗退。

今日ここまで勝ち残ってきた16名の戦いを、半ば羨望の目で見つめながらの運営となりました。


だったらついでにレポートも書いちゃえ!ということで、しばしこの駄文にお付き合い下さいませ。


準決勝初日結果

1位 村上淳 95.4

2位 熊田健志 52.4

3位 井出洋介 50.3

4位 沖野立矢 31.4

5位 有賀一宏 30.1

6位 菊池俊幸 24.6

7位 坂本大志 19.4

8位 土田浩翔 ▲6.6

9位 小林剛 ▲20

10位 阿賀寿直 ▲23.5

11位 水巻渉 ▲24

12位 下出和洋 ▲28.9

(以下足切り)

13位 河野高志 ▲34.5

14位 内田良太郎 ▲36.6

15位 大沢健二 ▲60.5

16位 長南雅明 ▲70


1316位は残念ながらこの時点で脱落です。


初日大きく抜け出したのは、我らがアンパンマンこと村上淳選手。大胆かつ繊細、豪快かつ剛腕な彼の麻雀が1回戦から炸裂!


 ドラ


8巡目、ドラが暗刻のこの手を迷わず立直!

あのーアンパンマンさん?立直棒を出すと3着落ちなんですけど…。これ、Classicルールなんですけど…。

『確かにヤミテンなら簡単に拾えそうな状況だったけど、打たれたら熱いし、何より自信のある待ちなんだから3000‐6000にしたいじゃん!空振り上等!立直最強!フガーッ!!』

と力強くをツモりあげて30006000


続く2回戦でも開局早々この手を立直!


  ドラ


残りツモたった5回!ちなみにワンズはバカ高!!

『黙ってればはこぼれるかもしれないけど、それでこの手を2600で終わらせるなんて勿体ないっしょ!流局上等!リーチ最強!!アーンパーンチ!!』

と力強くをツモり上げて30006000

・・・恐れ入りました。


しかし彼の本当の強さは、決して集中力を切らさない『受けの強さ』にあるのです。

メンゼンをベースに常に他家の動向を考え、突然開き直りすぎでしょ!ってな立直をかましてアガり切る。

まさに村上麻雀全開のこの日は、542着が1回と、完璧な成績。

最終日を残して早くも当確ランプ点灯か?と言った所でしょうか。日本オープンに続く2冠目も目前です。

『最後まできっちり攻め切って勝ち残ります。攻撃は最大の防御!オッス!ブヒッ!アーンパーンチ!!』



そしてそれとは実に対象的だったのが、井出洋介選手。今回は土田浩翔選手同様、1組からの特別招待選手として出場していただいてます。準決勝前にお話を聞きました。


「予選リーグと本戦、計17回戦でトップ3回、2着10回、3着3回、ラス1回。

トップが少ないながらも全体的に自分らしい麻雀が打てていると思っています。

準決勝もじっくりと打って最後までチャンスが残る様に戦っていくつもりです。」


さすがの貫禄。そしてそんなコメント通りの1局を目撃!!


1回戦東1局西家 ドラ



この手を当たり前のように闇テン。するとすぐに河野選手から立直が・・・しかしそれでもサラリと安全牌をツモ切り、闇テン続行。


いいのか?じゃあがれないけどいいのか?リーチして引けたら20003900だけどいいのか?


『これは俺からのメッセージ。麻雀は立直なんかに頼らなくても勝ち切れるゲームです。それを私が証明して見せます!まあ見てて下さい♪』


対局後力強くこう言い放った第19期最高位(当時の最高位戦ルールはClassicと全く同じ)は、この日一度も『立直』と発声することなく+50。51勝ながら2着が4回、トータル3位と抜群の安定感を見せつけてくれたのです。

僕的には村上選手同様、決勝進出大本命。



そしてこの二人とはまた違った、強烈な個性を放ちながらここまで勝ち上がってきたのが菊池俊幸選手。名翔位4回・八翔位・發王位連覇等々・・知る人ぞ知る101競技連盟の豪傑です。

現在はリーグ戦を引退されてますが、發王戦の実績などを考慮し、今回は3組から出場していただきました。

その菊池選手、1回戦から『菊池ワールド』全開です!

華麗な対々三暗刻でトップ目に立った後、圧巻はラス前の一局。

南3局南家 ドラ



4万点オーバーのトップ目なら、手拍子で打となりそうですが、ここをノータイムで打

次巡ツモ ツモ* ツモ* と立て続けにワンズを引き入れ、対面から出たをポン!打と一気にチンイツへ。さらにツモでこの形。


  


普通切りますよそりゃ。のテンパイ逃しが痛すぎるから。ところが菊池選手の選択はのアンカン!!そしてリンシャンから引いてきたドラのを涼しい顔でツモ切り!!12巡目にツモで、ようやく、神妙に、打

『いや・・・正直パニくりました。チンイツだろうとは思いましたがいろんな事を考えてしまい、何も切れなくなりました。』

とは同卓の坂本大志現Classic。その言葉を表すように、微差の2着目でテンパイの入っていた大沢選手が、吸い込まれるようにをツモ切り。配牌からは想像もつかないチンイツの完成です。まさに狙い通り。


 ロン       


『この時、上家の親の国士は本物だと感じていたから死んでもを切る気はなかった。だったらカンでしょ♪後はどこまで押せるか・・だね。』

事実この時、親の沖野選手は早々に国士無双のイーシャンテン。菊池選手のポンでテンパイの中*を食い流されていました。その読み筋は流石の一言です。

こうしてロケットスタートを切った菊池選手ですが、3回戦では試練が。1800012000と立て続けに放銃し箱下に・・・しかし点棒借りても何のその!ここでもオヤジパワー(失礼!)全開です!!

南局東家 ドラ



こんなところから1巡目に打たれた9p*を元気よくポーン!

3巡目のも当然ポーン!

その隙にを引き入れ、まさかねぇ~と上家が降ろしたを『なめんなよ』とチー!!


 

    


・・・・。

いまだノーテン。失礼ながらちょっとお下品(笑)

しかしここからドンピシャツモでドラ単騎テンパイ。

次巡ツモで元気よくをリリース!そんでもってツモ!!


  ツモ     


菊池選手の麻雀を見ているとなんだかそう・・・ジェットコースターに乗っているような気分になれます()

ハラハラドキドキ、道中絶叫、そして終わった後の充実感、達成感!

好きな人には解るであろう、この感覚♪しかしながら当の本人は至って真面目。

それもこれも、膨大な経験値と、雀力があっての成せるワザではないでしょうか。

現役を退いた今でも、菊池ワールド今や健在!着実に決勝の椅子を狙うべく、好位置につけています。


他にも去年のチャンピオン坂本大志プロ、準優勝の有賀一宏プロ。昨年のClassic決勝では最終戦最終局までデッドヒートを繰り広げたこの二人。一回り自信をつけた彼等が好位置に付け、虎視眈々と決勝進出を狙います。

そんな坂本選手からは注目コメントが・・・


『崇さん、ちょっと悩み事があるんですけど聞いてもらえます?』

『おお。おまえにしては珍しいな。どうした?』

『いやー。仕事明けに最強戦のプロ予選で、その後また仕事で、さらにその後にセットの予定組んじゃってて、寝る時間もないんですよー(汗と笑)

『・・・・。ま・・まあ、あんまり無理すんなよ。』

『それより何よりリーグ戦なんですけどね!店でも他でもどんだけ負けてもいいから、リーグ戦とClassicは、何が何でも勝ちたいんですわー()。あ、そうそうちょっと聞いて下さいよ!こないだのリーグ戦での牌姿なんですけど・・・』

『・・・・。』


まさにミスター努力!仕事を辞めてこの世界に飛び込み、対局会場に近いからという理由だけで神楽坂に引っ越し()、寝る間も惜しんで麻雀に全てを捧げる男がここにいます!!


『麻雀プロは、ひたすら麻雀の事だけ考えてりゃいいんすよ!!』


そりゃ応援したくもなるって。


そして目下最高位戦Aリーグを独走中!最高位決定戦進出は確定と言ってもいいでしょう、水巻渉選手も、この日は本人曰く絶不調ながら、土壇場の最終戦を2着で辛くも勝ち残り。

誇り高きAリーガー戦士として、最後まで諦めず決勝進出を目指します。

「これまでと変わらず、今最善の一打を打ち続けるだけです!」


そしてそして…忘れてはいけない人がもう一人。土田浩翔プロの大爆発にも期待したいですね!

『今年はClassicに全身全霊をささげています。獲ります!!』

土田プロにも戦前コメント頂きましたが、長過ぎたので(失礼!)まとめさせて頂きました。(かなり面白い内容のコメント全文はコチラ)


爆発力ならこの人多分、日本一です。つまりは世界一です。そして恐らく宇宙一です。そして間違いなく、日本史上、最も四暗刻をツモっているのは土田浩翔その人です。

見たいぞ!土田浩翔選手の四暗刻!!



最後に惜しくもこの日で敗退された選手を代表して、「RMU」S級プロ、河野高志プロにこの大会を振り返って頂きました。


「元々一発、裏なしルールが打ちたくてプロの門を叩いたので、このルールは好きなんです。

このルールで勝つ為のロジックの蓄積には自信がありましたが、残念な結果に終わってしまいました。しかし参加した予選2組では、初対戦の選手もいて刺激を受けましたし、今日まで良い面子と麻雀打てて楽しかったです!今回は勿論「勝ちたい」と思っていましたが、同時に「楽しみたい」とも思っていたので、参加出来た事感謝しています。

ありがとうございました!!」


運営者冥利に尽きるコメントありがとうございました!!泣けてきます・・・。



さあそして、大注目の準決勝最終日は811日。いよいよ残り5回戦で決勝面子が決まります!こんな個性溢れる12名が決勝進出の最終切符を賭けて811日、再び激突!!

果たして勝ち残るのは・・・!!


会場は神楽坂『ばかんす』観戦自由となってます。この激闘を是非ライブでご覧下さい!


レポート 最高位戦理事・大会部長・Classic担当・佐藤 崇


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