コラム・観戦記

前期C2最終節新人レポート

最高位戦日本プロ麻雀協会、三十五期前期の今西祐司です。
前回に引き続き、二度目の登場です。
こんにちは。

第五節は、Cリーグでは最終節になります。
上位のメンバーは、昇級ボーダー以上のポイントを確保できるように。
下位のメンバーは、降級ボーダーを見据えながら。
そういう風に、それぞれの条件が厳しく交錯するという点で、第四節までとはまた少し違った戦いを強いられることになります。

ボクはといえば、第四節までで十分にポイントを稼げていたので、よほどのことがなければ、昇級は見えていました。
優勝まで、20ポイントほど。
「とりあえず優勝を狙ってみようかな~」
という気持ちと、
「下手な放銃をして、万が一があったらヤだな」
という気持ちが半々で、
実に中途半端な気持ちで第一戦に入ってしまいました。

ドラなし

普段ならリーチにいっていそうなこんな手も、ダマ。
相手にリーチをかけられ、通りそうなを引いて、現物のを切って降りたり。
こんなことばかりしていたので、まあ、当然のようにラスを引いてしまいました。

トイレに行って考えた。
あの切りのとき、後ろに立っていたギャラリーはどう思っただろうか。
ボクのポイントを把握してくれているかどうかはともかく、
とてつもなく格好悪かったことだけは間違いない。
もうちょっと……
麻雀を楽しんでもいいんじゃないかな!?

迎えた第二戦。
吹っ切れました。

ドラなし

こんな手で即リーチをかけましたよ。
ボクの捨て牌がですね、

こんな感じだったのですよ。
チートイとホンイツを両天秤にかけていて、
どちらでもない形でのテンパイ。
偶然にも、なんかすごい捨て牌になったわけです。
まあ当然、なんか出ます。
1300点。
あがれることにはあがれるんですが、いかんせん安い。
を外してホンイツに行くのが普通だと思います。
でも、この時のボクは、ただただリーチをかけたかった。
ダマにして、いずれ降りに回らなければいけなくなるという、これまでの展開を変えたかったのです。

この半荘、オーラスにダブ南のみをあがってなんとかトップ。
次の半荘も、オーラスにトップ目からの満貫直撃で、逆転トップを取れました。

休憩を挟んで、最終第四戦。
このとき、ボクは知ったのです。

「優勝、ムリじゃん……」

トップを走っていた斎藤巧也プロが、なんか字一色あがったとかで、更に独走態勢を築いていたのです……えー……。
ボクのモチベーションは急降下。
最後の半荘、することが何もなくなりました。

しかし!
だからと言って、だらだら麻雀を打つなんてことは、許されていなかったのです。

ツモ

東1局、親がこんな手をあがりました。
「8000オール」
「あいよっ!」
チラッと見て、点棒を渡すボク。

……ちょっと待ちましょう。
これ、正しくは12000オールです。
メンチンイッツーピンフツモイーペイコー。
指が十一本折れます。

リーグ戦では、卓上の出来事には、四人全員が責任を持つ義務があります。
相手が誤申告をしたら、選手は報告して訂正しなければならないのです。
普段のフリーの時のように、「お。安く申告された。ラッキー!」などというわけにはいきません。
(いやまあ、フリーの時だって、いけないことはいけないんですけど……)

点棒自体は、ぜんぜん痛くないんですがね。
プロとしての、自分の意識の低さを痛感させられました。

最後の半荘は三着。
なんとか全節プラスでまとめ、昇級を決めることができました。
ですが、最後の半荘での出来事は、ボクの心の中にくさびのように残っています。

まだまだ青いですけど。
いずれはAリーグの高みに、
プロ全体の中の鑑に、
なれるように頑張る所存です。

相当頑張らなきゃなりませんね。
……ええ、頑張りますとも!
よろしくお願いします。

今西でした。

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