コラム・観戦記

第34期Aリーグ12節 自戦記

11節に大敗を喫した私は、最終節を前にして決定戦進出には負けられない状況に追い込まれていた・・・。
12節の対戦相手は金子・水巻・佐藤。特に決定戦ボーダー付近の一つ上の順位の水巻には負けられないところ。自分の中のボルテージは最高潮に高まっていた。

1回戦

東4局 ドラ
親の金子のマンズのホンイツ仕掛けに生牌のT*を叩き切ってリーチ!

しかしこの3面張がツモれない・・・。結果は親の金子と2人聴牌。(金子カン待ち)
記録のために裏ドラを見ると、裏ドラも!さらにガクッとくる。

放銃も無いがアガれもしない。
ツモられ点棒を削られるが、なんとか聴牌料で原点付近をキープする。
親番も無くなったラス前、突然のチャンスが到来する。
南3局 ドラ
配牌

第1ツモでが重なり、を切ってイーシャンテン。
第2ツモでをツモり、を暗カンしてリーチ!

暗カンが盲点になったのか、水巻からリーチ一発裏の6400出アガリ。
トップ目の金子に迫るも、オーラスは脇がアガって2着で終了。まあ御の字。

じつは南3のリーチは、リンシャン牌のをツモ切ってのリーチ。
このは空切りしたほうがイーシャンテンでカンに固定したことになるので、
さらにが出やすくなるなあと後から思った。

2回戦

東3局に佐藤が親で連荘してトップ目に立つ。
むかえた東4局の親番、2連続でリーチをうつが流局する。

 ドラ

 

 ドラ

なんとも煮え切らない感じだ。
続く2本場、仕掛けてタンヤオドラ1000オールをアガり、供託の3000点もゲット。佐藤をまくってトップ目に立つ!
しかし、3本場で佐藤に3200放銃、再逆転される・・・。

このまま局は進んでいきラス前、金子が2巡目にリーチ。
このリーチに佐藤が飛び込み、リーチ裏裏5200放銃。
なんと600点差のトップ目に!

しかしオーラスは親番、放銃しなくても700・1300以上をツモられたらまくられてしまう。
じりじりとした緊張感のなか水巻が10巡目にリーチ。ヤバスヤバス!
ここは金子が1300を放銃して事無きを得る。
ちなみに金子は仕掛けて純チャンドラドラのイーシャンテン。ツモられたら3着まで落ちるとこだった・・・。
ラッキートップ。なんか今日オレ展開ツイてるかも!!

3回戦

東1局、いきなり親の佐藤に満貫をツモられる。あれれ・・・。
駄菓子菓子、だがしかし、東ラス親番で破れかぶれドラ単騎チートイリーチをツモって6000オール。

 ツモ ドラ

さらに4本場まで積み上げて点数を伸ばす。

結局このリードのまま逃げ切り2連勝!
ここで同卓の水巻をかわしてトータル4位に躍り出る!
しかしこの後、金子・水巻の逆襲が始まるのであった・・・。

4回戦

東1局 ドラ
好調の波に乗ってメンホンをリーチしてツモ2000・4000。
この時まではイケてるなと思っていた・・・。

 ツモ

次局、親の金子にチートイドラドラ9600放銃。
いくらツモり四暗刻のイーシャンテンとは言え、すでに16巡目。
もう少し慎重にいくべきだったか・・・。

東3局は水巻の仕掛けに白で白トイトイ6400放銃。
満貫ツモはどこへやら、この時点でラス目に転落してしまう。

東4局は5巡目に先制リーチ!しかし金子の純チャンドラに捕まり8000放銃。
なんだ、何が起こっているんだ、どうしてこんな風になってしまったんだ・・・。
頭の中は???の嵐が駆け巡っていた。

南3局の親を迎える時には点棒は1万点を割り込んでいた。
このままではさっきのトップが意味の無いものになってしまう。
この親でなんとか、なんとかしなければ!サイコロを振る手にも自然と力がこもった。
南3局2本場 ドラ 供託1000

8巡目に水巻の先制リーチを受けて、9巡目追っかけリーチ!
三色も平和も待っていられない。格好悪くても泥臭くてもいい。前に前に出続けるんだ!
2人聴牌で流局。

南3局3本場 ドラ 供託3000
仕掛けて發のみをアガる。500は800オール&3000点。

  ツモ

まだだ、まだ前に真っ直ぐ進み続けるんだ!

南3局4本場 ドラ
そんな想いを打ち砕くように3着目の佐藤が6巡目に早々とリーチ。
佐藤との点差は3400点、他の2人の点棒は4万点以上。
ここでアガられればラスは確定だ。負けられない・・・。
なんとか8巡目に追いついてリーチ!

アタリ牌のは佐藤が前巡に切っているが致しかたない。前に出るしか道は残されていないのだ。
佐藤が一発目に掴んだ牌は、・・・だった。裏ドラをめくるとそこにもがいた。
リーチ一発裏7700は8900。

佐藤のリーチは

は零牌だった・・・。
佐藤は対局が終わったあとに、『あの局は平賀さんの決定戦にかける気迫に負けたよ』と語っていた。
麻雀に神様がいるなんて、御都合主義者の考えるオカルティックな妄想かもしれない。
でもあの時ボクには神様がいるような、そんな気がしたんだ・・・。

結局、この後オーラスにも満貫をアガって3着ながら原点に戻して4回戦を終えることが出来た。
5位に戻ったが決定戦ボーダーの3位とも15P差に迫り、最終節に望みをつないだ。
リーグ戦をすべて終えた今も、あのカンの局は胸に残っている。

最終節は2連続ラスを引いて早々戦線離脱。
3年連続のイマイチ君で終わるのだが、それはまた別の話・・・。

文責:平賀聡彦

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