コラム・観戦記

C1リーグ最終節観戦記

卓組み
A卓(中嶋1位・淵田6位・長南8位・佐藤10位・中郡12位)
中嶋は首位とはいえポイント差は少ない。
淵田や長南も並びを考えつつトップが欲しいところだ。

B卓(相島3位・橋本5位・工藤13位・菊崎14位・鈴木15位)
団子状態の昇級争いから抜け出せるか相島、食らい付く橋本
そして残留へ向けて工藤・菊崎・鈴木の熾烈な争いがありそうだ。

C卓(小池2位・森4位・長谷川7位・谷崎9位・有賀11位)
4節終了時点で2位の小池と4位の森とはわずか20ポイント程度の差。
長谷川も十分に昇級が狙える位置にいる。
昇級をかけた直接対決に注目したい。

1回戦

A卓
起家から長南・中郡・佐藤・淵田(抜け番中島)でスタート
東1局
南家の中郡がをポンの後、ポンで手出し。マンズ染めか。
終盤、親の長南がのトイツから1枚落としてオリたかと思ったが
リャンシャンテンからをチー。テンパイに向かうにはを落とさなければならないのでのトイツ落としが微妙である。
チーで流れたが中郡のアガリ牌。マンズのホンイツで2000・4000。

東2局、佐藤の待ちリーチが入るがテンパイしていた中郡がダマで2000。

東2局1本場、ドラは 残留へと駆ける中郡が攻める。
しかし中盤に淵田が中郡のをポン。
数巡後、淵田が力強くツモったのは
   ツモ ドラ
4000・8000は4100・8100
+76.1の6位で迎えたこの日、昇級へ向け淵田もまた勝負所の最終節であった。

その淵田が東4局、親を迎えて気合いのリーチ。
出アガリならウラがなければダマと同じ12000。
 ツモ ドラ ウラ
押さえ込みの意味も含めた8巡目リーチ。見事にツモり6000オール。
前局、佐藤が6000オールをツモってトップ目に立っていたが
今度はこれで淵田がトップ目に躍り出る。

南場に入り佐藤がアガリを重ね再びトップ目に。
南2局には長南に中チャンタドラドラの8000を放銃してしまうが
ラス前の親でまたもやトップ目に立つ力強いアガリをみせる。

流局をはさみ南4局の3本場 親は淵田
淵田 44200
長南   800 
中郡 18500 
佐藤 56500

中郡がポンしたをさらに加カンして新ドラが
親淵田の手牌に厚みが増したところにさらにツモ
 ツモ 打
ここから中郡がをポン。流れてきたでチートイへ向かう。
ツモ ツモ ツモ
ツモをツモ切ると、ツモでテンパイ。
 ドラ カンドラ
淵田がまた逆転するのか?これを決めるようなら昇級への大連荘も…
しかしコレは実らず1人テンパイで流局。
チートイに向かわなかったとしたらその後のツモでこんな形が予想される。
A 
B 
C 
どの手順でもテンパイだが、Bの形ならツモで2000オール
アガリがあったとしたらこの手順だけだったというのか…麻雀は難しい。

この半荘の運命は次局へと持ち越されて4本場
淵田がテンパイとともに掴んだは佐藤の当たり牌。6400は7600。
昇級を目指す淵田、降級を免れたい佐藤、今回は佐藤に軍配が上がる。

B卓
起家から 鈴木・橋本・工藤・菊崎(抜け番 相島)
東1局
この時点で5位の橋本、昇級を狙うためにもトップが欲しい。
その橋本が先制リーチ。
宣言牌のを工藤がチーすると次巡橋本が引き寄せたのは
メンタンピンツモドラの2000・4000。
チーが無ければ鈴木のペンが埋まっていたが…橋本が好スタートを切った。

東3局
工藤が1000・2000で東2局を制し親を迎えた東3局
工藤がダブをポン、しかし菊崎も動く。ポンに続きもポン。
鈴木・橋本はこれで守りに。この時の工藤

ツモるしかないな…思った瞬間に持ってきた
4000オール。残留に望みを…トップを取りたい工藤がリードする。
このツモで「もらった♪」と思っていたらしい。

東3局1本場 ドラ
6巡目、親で連荘したい工藤が先制リーチ

しかし7巡目に追いついた鈴木がリーチ

程なく鈴木がをツモり700・1300は800・1400
橋本の手牌にはとあり丁寧にオリていたのが伺える。

東4局 
菊崎 22200
鈴木 25000 
橋本 31200 
工藤 41600
工藤と同じく残留をかけてトップがほしい菊崎が親番。
ここまで放銃はなくツモられる苦しい展開。なんとかこの親で…
ドラの白は橋本と工藤に1枚ずつ。
7巡目の鈴木
  ツモ
ドラもないこの手牌、はツモ切ってもいいと思うところだが…
ここから打とする。後から聞いたがが切りにくかったという判断。
ここからツモ ツモ そしてツモ
でリーチ!

当然のように(は言い過ぎでしょうか)一発でツモってきたのは
静かに上向きに置かれた牌と共に鈴木が申告する
8000・16000。
ツモの時にツモ切っていても同じ結果…いや、鳴きがあったかもしれない。
鈴木もまたこの前期苦しみながら最終節を迎え、4連勝⇒残留に望みをつないでいたのだった。
まさに残留へのクモの糸。この1本の糸を登って残留の道へ辿りつくのか…

南2局 ドラ
局は進む中、防戦一方だった菊崎に手が入り4巡目のリーチ
まわりながら手を進めたのは橋本

ツモ ツモ ここにツモ
 ツモ
少考して打でリーチ
これが菊崎の待ちに放銃。ドラのが雀頭の5200。
橋本がつかまりラス目まで落ちてしまう。

南4局 ドラ
菊崎 23700
鈴木 55000
橋本 18700
工藤 31600

親の菊崎に連荘させずになんとしてもトップがほしい鈴木
静かに進んだ14巡目、ついに菊崎にテンパイが入る。
菊崎のリーチに対して息を潜めていたのは橋本だった。

の6面待ち。以外なら出アガリ倍満、
でも12000、リーチ棒があるからどこからでも二着になれる。
同巡にツモってきたのは。菊崎には通っていない。
橋本が戦っているのはこの半荘だけではない。しかし最終節。
少考して橋本はを押した。ソーズは薄く押すならリーチ?
これまた当然のように(言い過ぎですか?)ツモってきたのは
4000・8000で二着まで浮上。
これについて橋本「いや~押すならリーチだったなぁ…」
橋本は苦しいこの展開ながら最後の大物手をものにして堂々の二着。
厳しい展開だったのは言うまでもなく菊崎。
親の時にツモられたことにより24000の失点。次で立て直したいところだ。

C卓
起家から有賀・谷崎・長谷川・森(抜け番 小池)

東1局1本場 ドラ
北家森が12巡目ドラのを暗刻にしてのリーチ!
一発でツモり跳満となる。
一見ラッキーなツモにも見えるが、後から本人に聞くと相当手ごたえがあったとのこと
今後の展開も期待できそうか

東3局1本場 供託1.0 ドラ
静かに流れる局が続いたが、南家の有賀が序盤から積極的にを仕掛ける。
  
ドラを暗刻にして待ちは
悪い待ちには見えないのだが、なかなかツモれないまま中盤を過ぎ、場にソーズが高くなる。
14巡目ようやくをつもり2000・4000
安心したのか発声が力強かった有賀、トップで南入。

南1局 ドラ
6巡目、有賀、ドラが余剰牌の状態で好形のイーシャンテン。

しかし、動かないまま7巡目に北家の森から先制のリーチが入る。

そして10巡目西家長谷川からもリーチ。
12巡目有賀ツモ
誰よりも早く引いてテンパイしているであろう展開だったはずなのに…。
大きくため息をつく。
さすがに2軒リーチとなって、場に1枚も見えていないドラを勝負できずを抜く。
その後も大きくため息をついた。
トップで持ってきた親番、チャンス手を生かして素点を稼ぎたいところだけに無念。
結局長谷川がを掴み、森に5200放銃し横で決着がつく。

南2局 ドラ
親の谷崎14巡目にこの形
 ツモ
引きのイッツーの形を見るにはもう巡目として余裕がないか打としてリーチ!
そこになんと西家の森が一発でドラのを勝負!
しかし、谷崎とほぼ同時に北家の有賀からもロンの声。
頭ハネで有賀のアガリとなり、チートイドラドラの単騎で6400。

この場面、森はのテンパイだったという。
カン二待ちに受けることができていればドラは純カラとなり、森に優位な展開だったのかもしれない。
しかし、親にドラを一発で放銃というところを、6400の失点で致命傷を免れたのは
今後の展開にも大きく左右するはず…。

南3局 ドラ
親の長谷川はこの局も手が遅く苦しそう。
それに対し、南家の森は序盤からダブ南をポン
持ち点が45900点となってかなり余裕が出てきた有賀も手が早く、6巡目にはリーチ。
脇の二人はなす術がないまま有賀がつかみ、森にダブ南ドラドラの8000を放銃。
スピード勝負は森に軍配が上がる。

南4局

点棒状況
有賀  36500
谷崎  22700
長谷川 11700
森   49100

8000点の直撃で一気に形成を逆転し、森はいい状態でラス親を持ってくることができた。
ここは昇級に向け大事な一勝を飾りたいところ。
有賀は今のトータル順位からひとつでも下がると降級となる位置。
その有賀が8巡目から仕掛け、谷崎から1000点アガり、しっかりと2着をキープし1回戦終了となった。

有賀  +7.5 (+17.5)
谷崎  △8.3 (-18.3)
長谷川 △18.3(-48.3)
森   +19.1(+49.1)

今日のポイントしだいでは昇級も十分に狙える位置にいた長谷川だが、
終始後手にまわって苦しいラススタートとなった。
まったくテンパイが入らないと肩を落とすが、次回気持ちを切り替えていってほしい。

2回戦

B卓
起家から鈴木・工藤・菊崎・相島(抜け番は橋本)

東1局 ドラ
菊崎が先制リーチ

親の鈴木もテンパイ
 ポン
工藤も終盤なんとかテンパイをとる

工藤はリーチせず。ハイテイ1巡前に鈴木からが出るが和了れない。
するとハイテイで鈴木が静かにツモったのは
ハイテイ・タンヤオ・ドラの2000オール。
1回戦の役満トップに続いて2回戦も快調なスタートを切ったかに思われた。

東2局
菊崎が300・500で1本場を蹴って迎えた東2局
親の工藤がリーチ、数巡後にツモる。
 ツモ ドラ ウラ
8000は8100オール。「もらった♪」工藤、このリードを守りきれるのか。

東3局  ドラ
相島が1000は1300で工藤の親を蹴り局を進めた東3局。
ドラのは相島以外の3人に1枚ずつ入る。
リリースのタイミングがこの局のポイントになりそうだ。
トップ目の工藤は以下の手牌
 
ツモ さらにツモとする。
チャンタも見える手牌だが、親への対応を考えたか。
次のツモでチートイに一歩進めていく。
11巡目、相島からリーチの声。しかしツモの発声は親の菊崎だった。
 ツモ ドラ
この4000オールで二着目に浮上。

東3局1本場 ドラ
3着目になった鈴木は攻めるしかない。
鈴木が先制リーチを打つが、テンパイしていた相島が待ち変えリーチ
 ツモリーチ
数巡後に鈴木がを掴み、相島に2600は2900

局が進み南3局1本場では相島が先制のリーチ。
ここでも鈴木が一発目に1枚切れのを切るとこれが相島のアタリ牌。
リーチ・一発・チートイ。吸い込まれるように鈴木の打牌が相島へ。
前にでる鈴木の打牌を相島が捕らえていく展開に。

南4局
相島 36300
鈴木△7300
工藤 55200
菊崎 35800
菊崎が自風のをポン、更にポンで待ちのテンパイを取る。
1000点でも和了れば2着だ。しかし工藤にドラ雀頭の5200を放銃。
菊崎は無念の3着目に。工藤は残留に向けての大きなトップを手にした。

C卓
起家から長谷川・小池・谷崎・有賀(抜け番 森)

同卓の小池、別卓の相島が抜番となっているうちに、森はトップスタートを決め暫定2位に浮上。
森が抜番となるこの2回戦、小池にはまた別のプレッシャーがあることだろう。

東1局 ドラ
親の長谷川仮テンを取っていたところから12巡目
 ツモ
リーチで16巡目にツモとして
メンピンツモドラウラの4000オール。
ここにきて本日初めての会心のアガリとなった。

しかしここから女性陣の反撃が始まる…。

東1局 ドラ
なんと9巡目に北家の有賀が単騎待ちで国士をテンパイ。
十分に早いテンパイに見える。これはアガれるのではと期待も膨らむ。
しかし待ちのを南家の小池が直前に切っている…!
小池はさらに10巡目以降もと強気で攻める!!
その直後、12巡目になんと西家の谷崎がリーチをかぶせる!
谷崎

すぐ下家の有賀のツモは…。
ツモ切りでリーチ一発ドラ3の8000は8300。
小池は、当たったら当たったで次に気持ちを切り替える覚悟はできていた…というくらいの気持ちで攻めたと後で話していた。
女性陣の勝負強さに目を見張る局面であった。

東2局 ドラ
西家有賀8巡目にリーチ

満貫放銃の直後なのでここは少しずつでも取り返したいところ
しかし、のシャンポンをダマで張っていた谷崎がをツモり、發ドラドラの1000・2000とする

東3局 ドラ
親の谷崎10巡目
 ツモ
慎重に打のダマを選択。
なかなか手変わりのないまま13巡目小池よりリーチが入り、谷崎は慎重にゲンブツを打ってオリにまわる。
結局小池・有賀の二人テンパイで流局となる。

東4局1本場 供託1.0 ドラ
ここで勝負に出ようと前のめりになったトップ目の長谷川が、小池にマンズのホンイツ8000は8300を放銃してしまう
小池
  ロン
これで長谷川は原点に、谷崎にとっては楽な展開になったか。

南1局 
勢いにのる小池がリーチを打つ。
親の長谷川またも押すが逆に放銃し、またしても8000…長谷川無念そうに天井を仰いだ。

南2局1本場 ドラ
前局0本場はスピード勝負を親の小池が制し、小池は着実に点棒を増やしていく
続く1本場は谷崎が3巡目より早い仕掛け
 
10巡目にツモとなりタテに受け数巡後ツモ
發三暗刻ドラ3…本人も驚く大きな3000・6000をツモアガった。
親の小池が跳満をかぶり、トップ谷崎との差が大きく広がる。

南3局1本場 ドラ
ほぼ独走状態に入るも、粘り強くテンパイで親番を続ける谷崎が1本場で4巡目のリーチ。

数巡後、ツモ、ウラドラ、2000は2100オール。
持ち点が50000点を超え、谷崎はトップに向けかなりの安全圏に突入する。

南3局2本場
続く2本場は2着目の小池がリーチを打つも、終盤追いついた長谷川に対し、高めイッツーとなるを掴み
8000は8600放銃。
二人の点差がグッと詰まり、勝負はオーラスにもつれ込んだ。

南4局 

点棒状況
長谷川 26100
小池  29400
谷崎  54000
有賀  10500

親の有賀、14巡目にしてようやくテンパイが入りリーチ!
 ドラ
有賀の最後のツモは
4000オール…親マンツモで小池・長谷川は一気にラスの危機に晒されることに。

南4局1本場

点棒状況
長谷川 22100
小池  25400
谷崎  54000
有賀  22500

谷崎以外は誰がラスになってもおかしくない状況。
西家小池がをポン、南家長谷川がをポンと白熱した2着争いが繰り広げられる。
しかしここは谷崎が小池から1300は1600を出アガリ。
小池が振り2着となり静かに幕を閉じる。
ここでもラスを押し付けられ、長谷川は一気に降級の危機に陥ってしまう。

長谷川 △7.9(-37.9)
小池  △6.2(+3.8)
谷崎  +21.6 (+51.6)
有賀  △7.5 (-17.5)

直前まで入院生活のため、麻雀自体が久しぶりで緊張していたという谷崎。
点数申告で声が震える場面も見受けられた。
残り2回も落ち着いて自分の麻雀を打ってほしい。

3回戦

B卓
起家から菊崎・鈴木・橋本・相島(抜け番は工藤)
相島+164.2の3位、橋本+96.3の5位でその差は57.9
昇級争いもさらにヒートアップ。どちらがトップをとれるか。

東1局 ドラ
大トップ連勝で残留を目指す親の菊崎が7巡目にリーチ。

宣言牌はドラの。打点だけなら打のシャンポンリーチもアリだ。
攻める鈴木が宣言牌のをポン。次巡に流れてきたをツモ切る。
菊崎に7700。ポンが無ければ一発ツモで4000オールだった。
またも攻める鈴木が高打点の餌食に…

東2局 ドラ
橋本が1000は1300を相島から和了って局が進み東2局へ。
ここは相島が先制のリーチ 

どうなるかと思われたこのリーチになんと橋本が一発でをツモ切り放銃。
橋本も数巡前からテンパっており、相島の現物待ちのピンフだった。
「リーチを打っておけば良かったかなぁ…」
後から聞いた橋本の談話。ドラ無しのピンフながらも、先にリーチしていれば
相島がテンパイ即リーチにいけたか、その手順を踏めたかどうか…

東4局 ドラ
南家の菊崎が11巡目にリーチ

西家の鈴木が北を引き入れて同巡にテンパイ
 ツモ 打でリーチ
鈴木とすればを、悪くてもをツモってのピンフリーチで打点がほしい。
そうなるとで放銃になるところを打で放銃を避けてリーチ。
流れがあるのならば…その流れで菊崎がを掴み鈴木に2600を放銃。

南1局1本場 ドラ
菊崎 39800 
鈴木 24900
橋本 24100
相島 31200
トップ目の相島から7700を直撃して菊崎がトップ目に。
その菊崎に配牌の妖精がやってくる。

当然の打とすると、2巡目3巡目でが鳴ける
  
インパチ~!!!のテンパイ。
頑張る鈴木、急所が菊崎から出る牌で満たされる
 チー チー
そして最後も菊崎がを掴んでしまう。止まらない。
18300を和了れれば残留ロードまっしぐらのはずが鈴木に8300。

南4局 ドラは
相島 34300
菊崎 31200
鈴木 30700
橋本 23800
上から下まで10500差。まだ全員にトップのチャンスがあるオーラス
菊崎が5巡目でリーチ。
 ドラ
相島との差は3100差。ツモればOK。出和了りは相島からの直撃はもちろん
他家からのならどこからでもOK、他家からのだとウラ条件だ。
リー棒で4100差になった相島はオリ。1人ノーテンでも100点差トップ。
もしが相島以外から出たら…と思っているうちに難なくツモ
菊崎は最低限のトップをとり、橋本は痛恨のラス…。

C卓
ついに始まる現在暫定2位の森と3位の小池による直接対決。
起家から谷崎・有賀・森・小池(抜け番 長谷川)

東1局 ドラ
西家の森が6巡目先制リーチ。

をツモることができれば、いずれにしても大きなリードになることは間違いない。
開局早々森にとって大きなチャンスがやってくる。
しかし結果は、親の谷崎からがこぼれ3900の出アガリ。
これが吉と出るか凶と出るか。

南1局1本場 ドラ
点棒の動きがほとんどないまま迎えた南場。
12巡目に親の谷崎がリーチ。

数巡してツモ ウラドラ メンピンツモドラウラの4000は4100オール。

南1局2本場 ドラ
またしても谷崎が抜け出すかと思いきや、
7巡目親の谷崎が河に放ったに対し、有賀がロンの声。

ホンイツイッツーの8000は8600を谷崎から直撃し、今度は有賀が頭ひとつ抜ける状態に。

決め手に欠けるまま、全体に静かに流れる局が多い印象のこの半荘。
しかし、点棒のやり取りが少ないまま本場が積まれるからこそ、打てない牌が増えていき、各選手の腰を重くしていく。
そのような張り詰めた空気がひしひしと伝わってきた。

南3局1本場 ドラ
緊迫した空気はプレッシャーとなり、ときに歯車を狂わせる。
この局でひそかに、狂った歯車をとめられずに苦しむ選手がいた。
5巡目南家小池

この手牌から打でダマとする。
一見して普通のタンヤオドラドラ、高めタンヤオドラ3のテンパイである。
この打牌に対しての正着打が何であるかすら問題にしないまま進めていくプレイヤーも山ほど居るだろう。
しかしこのを河においた瞬間、小池はこの打牌を致命的なミスだと感じたそうだ。
本来ならば打だった…と。
テンパイして先手を取ったが、プレッシャーからドラに手をかけることを躊躇い、切りとしてしまった。
中盤なかなかピンフに手変わらないまま、小池が持ってきた牌は致命傷となる
この牌をツモ切りすると後にを持ってきてもうま味がなくなってしまう…。
結局15巡目に森から有賀への横移動で決着はつくものの、
小池はこの後悔の一打から、気持ちをうまく切り替えることができないままオーラスを迎えてしまう。

南4局

点棒状況

谷崎  30100
有賀  36800
森   27200
小池  25900

ドラ

森と小池の着順争いはオーラスまでもつれ込んだ。
親の小池が自風のを早くから仕掛け、テンパイを入れるも、森、谷崎より続けざまにリーチが入る。
テンパイを維持したい小池がを掴み森に放銃。リーチチートイの3200。
森と小池の間に2着順差がつき終了。

谷崎  △0.9 (-10.9)
有賀  +6.8 (+36.8)
森   +1.4 (+11.4)
小池  △7.3 (-37.3)

4回戦

A卓
起家から中嶋・淵田・中郡・長南(抜け番は佐藤)
中嶋+268.6:1位
淵田+103.1:5位
中郡△220.5:14位
長南+30.7:7位
昇級ボーダーは220P前後、残留ボーダーは△56.6P
淵田はトップをとって別卓2~4位の選手の成績が下がるのを祈りたいところ。
この半荘は淵田が何点のトップをとれるのか、が見どころになると思われた。

東2局2本場 供託3.0 ドラ
淵田がチートイをドラの待ちでテンパイ。
しかし昇級への地盤を固める中嶋が1000は1600。供託3000点付きは大きい。

東3局
またも淵田がテンパイ、そしてリーチ
 ドラ
親の中郡が終盤鳴いて追いつくとこの形
  チー
すると淵田がハイテイで掴んだのは
トップを取りたいところが逆に5800の失点。
それでもまだこの半荘、淵田が何点のトップをとるのか…と思い見ていた。

同3本場
親の中郡が1000は1300オールをツモる。あれ?
59100も持っている。
5800のアガリの他、ここまで放銃なくテンパイ料を得てきた。
完全に中郡ペースになっていたのだ。

同4本場
中郡が6巡目でリーチ。そしてあっさりツモる。
 ドラ ウラ
4000は4400オール。これで72300点。

とまらない中郡、ツモるツモる。1000は1500オール。700は1300オール。
そして淵田がこの嵐に巻き込まれた。2000は4100、1500は3900を放銃。

この時点で88700点。

同9本場
中郡は配牌が悪い、しかしツモでなんとかする。
7巡目にこの形に。そして即リーチ!
 ドラ
苦しい形…両面やタンヤオへの変化もあるのだが勢いは止まらない。
索子で染める淵田からが出る。も出てしまうかも…
いや。ツモる。変化より前にツモで1000は1900オール(ウラは

94400点

同10本場
淵田の先制リーチで中郡がオリる。長い東3局が終わる。

東4局11本場 供託1.0 ドラ
11本場をとりにいく中郡がリーチ!まだ手が整うのか!!

親の長南がをとめてテンパイし流局

東4局12本場 供託2.0
中郡がリーチ!この勢いは誰が止めるのか!

またツモってしまうのでは?そんな空気も漂う中、その声は中嶋。
300・500は1500・1700。しかも供託3000点付き。
東2局でもアガリと共に供託3000点を得ている中嶋。
勝負所の強さを見せた首位の中嶋が二着目をしっかり確保。
7700点(4700点+3000点)という点数以上に大きなアガリである

南1局 ドラ
中嶋 23400
淵田△5200 
中郡 91400 
長南 10400
先にテンパイを入れたのは親の中嶋、のシャンポンリーチ。
これに中郡がツモ⇒打で待ち変えリーチ、これを一発で引きあがる。
 ツモ ドラ
ウラはないが3000 6000。これで遂に104400点と大台へ乗せる。

こうなると中郡があと1回ある親で加点することができるのか。
残留ボーダーは△56.6P、次が抜け番でこれが最終半荘の中郡
150000点以上のトップならまさかの残留も…
これまでの勢いならそれも可能なのではないかと思わせる展開だ。

この後、淵田が意地を見せる6000オールでプラスに戻す。
そして局が進み南3局、中郡の連荘は見られずこの半荘は終了。
しかし魅せた102700点のトップ。中嶋は二着で昇級安泰か。

C卓
起家から長谷川・森・小池・有賀(抜け番 谷崎)
3回戦でラスを引きトータル順位をひとつ落とし暫定4位となった小池。
ここで気持ちを切り替えていけるかが鍵となる。

リーグ戦終盤となり、各選手の打ち方もより慎重になる。
この卓には大トップ条件等の特殊条件が必要な選手も存在しないため
派手な動きがないまま前半は進んでいった。
リーチの選択に関しても、判断が難しい場面が多々見受けられた。
役なしドラなし等決め手はないが、相手に自由に打たれるのを防ぐためにリーチを打つなど
各選手ともに、打点狙いよりも戦術としてのリーチが多かったように思われた。

南1局 ドラ

各選手僅差のまま迎えた後半戦
2着目32500点の森(南家)がピンフドラ、高目三色の手をダマにする。

をツモってツモピンフドラの700・1300。

南3局 ドラ
この半荘で素点と着の両方を稼ぎたい小池は、慎重な森と対照的に前半から積極的に攻める姿勢を見せる。
8巡目南家有賀のリーチに対し、小池は9巡目
 ツモ
でリーチ!
は有賀のゲンブツだが、ここでまわっていては昇級のチャンスはつかめないか、強気でぶつかっていく。
数巡後、小池がをツモり、リーチツモイーペーコードラドラの4000オール。

南3局1本場 ドラ
森がドラのないピンフのみをテンパイしている。
一手変わりでタンヤオイーペーコー、もしくはドラと入れ替える形も残っていた。
当然リーチはないとの判断か。
しかし、手変わりを待つうちに400・700ツモ。
オーラスでトップ目の小池と4500点差となるが、南1局に続き、ここはいささか慎重すぎたのではないだろうか…。

南4局

点棒状況

長谷川 24600
森   33400
小池  37900
有賀  24100

ドラ
ここまでずっと守備重視で打ってきた森が11巡目にリーチ。

これまでずっと役アリをダマにしていた森が、ツモウラ1条件でのリーチ。
小池から直撃ならウラ1、他家からの出アガリならウラウラが必要である。
わずか500点差の長谷川と有賀の着争いも見越しての爆弾投下なのか。
結果有賀からがこぼれ、ウラは乗らず2000点の移動にとどまる。

長谷川 △5.4 (-15.4)
森   +5.4 (+15.4)
小池  +7.9 (+37.9)
有賀  △7.9 (-37.9)

小池は何とかトップで終了し、最終戦の昇級争いに望みをつないだ。

5回戦

各自条件を持って臨む最終戦。
A卓はほぼ全員に条件がなく早い卓回しが予想される
一方B卓とC卓は若干条件が複雑である。
中でも注目を集めそうなのがC卓。
19回戦終了時点で暫定2位の森と3位の小池。昇級のキップを手に入れることができるのはおそらくどちらかひとり。
現時点では48ポイント差で森がやや優位ではあるが、
小池と森の間が1着順差かつ、点差が28000点以上
もしくは2着順差かつ、点差が8000点以上であれば小池が逆転し2位昇級となる。
これは現実的に十分ありえる条件といっていいだろう。
さらに残留目標の長谷川が自己に設定した条件は原点持ち3着以上。
この卓のほぼ全員の着順が、すべての命運を左右することになりかねない。
B卓はトータル4位の相島がトップしばり。
相島がトップの時、C卓で小池が3着、森が4着となると相島が2位昇級となる。

C卓

東4局 ドラ
手に汗握る瞬間は折り返し地点が近づくあたりでやってきた。
森の打ったに対し、ダマで待っていた長谷川がロンの声。

サンアンコウトイトイの8000。
森の満貫放銃で森はラスに落ち、この時点で2着目の小池と9200点差と早くも並びができる!

点棒状況
長谷川 36800
谷崎  28000
小池  32200(現在2着)
森   23000(小池と2着順差かつ9200点差)

南2局2本場 供託1.0 ドラ

点棒状況
長谷川 34300
谷崎  31500
小池  32700(現在2着)
森   20500(小池と2着順差かつ12200点差)

2局連続で3着目の谷崎がテンパイし、小池-森の差は広がるが、逆に谷崎-小池の差がかなり縮まり
小池にプレッシャーがかかる。
6巡目南家の小池

これをあえてリーチとし、まわりをおろしにかかる。
ひとりテンパイで流局となり、狙い通りではあったのだが、
ダマでアガリを拾いに行ったほうがよかったのだろうか。
本人も選択に疑問が残る部分だったようだ。

南3局3本場 供託2.0 ドラ

点棒状況
長谷川 33300
谷崎  30500
小池  34700(現在トップ)
森   19500(トップの小池と13200点差)

わずかな差だがトップに立った小池。このまま慎重にいきたいところだが
5巡目からテンパイしていた長谷川にダマの5200は6100を打ってしまう。

南4局

点棒状況

長谷川 41400
谷崎  30500
小池  28600(現在3着)
森   19500(小池と1着順9100点差)

大事な局面で放銃にまわってしまい焦る小池。
森との点差は十分、とにかく落ち着いてひとつ着順をあげればいいだけ…。
ラス親となる森はとにかく連荘しなければならない。

ドラ
6巡目森がリーチ
小池は必死にテンパイに向かうが、ドラを掴みさすがに打ち切れずオリを選択。
17巡目森がツモ。リーチツモドラ2000オール。
たった1局で8000点の差をつめられてしまう。
小池大ピンチ。

続く1本場も森は9巡目にリーチ、リーチツモドラの2000は2100オール。
2本場もリーチを打ち、メンピンツモウラの2600は2800オールとし一気にトップに浮上する。
3本場ではすでに流局時に手を伏せてもよい状態までになった。

森がトップで終了し、自らのツモで力強く昇級を決めたという結果となった。
「一時ラス目だったが焦りはなかったか」との質問に対し、森は
「ラス親だったから何とかなると思っていた」と落ち着いて答えてくれた。

別卓でも相島がラス親でトップを取って連荘していた。
C卓トップで終了した森をまくるためには、かなりの大トップが必要。
オーラス4本場終了時で5万点を越える粘りを見せていたが、
ついに5本場テンパイできずに流局し終幕。
昇級争いに決着がついた。

一方、最終戦を残し暫定トップだった中嶋
最後は大きくポイントを失ったが、トータル2位で無難に昇級枠に残った。

最終結果

1 森 雄基 250.0
2 中嶋 和正 232.6
(以上2名がB2リーグへ昇級)
3 相島 翔 182.2
4 小池 美穂 119.0
5 淵田 壮 108.5
6 橋本 辰徳 88.5
7 谷崎 舞華 10.4
8 佐藤 慎也 -9.8
9 長谷川 聡 -32.9
10 長南 雅明 -57.6
11 工藤 恵 -58.0
(以下5名がC2リーグへ降級)
12 有賀 一宏 -94.5
13 中郡 慧樹 -117.8
14 菊崎 善幸 -207.8
15 鈴木 茂雄 -325.0
16 永田 航 途中休場

各選手とも最後まで魅せる麻雀に徹して戦ってくれたことと思う。
後期C1リーグ開幕は7月11日。一層の研鑽を積んで臨んでほしい。

レポーター 大関忍・須藤珠水

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