コラム・観戦記

第34期Aリーグ第8節観戦記

Aリーグ第8節レポート

平賀聡彦自戦記

12節中7節を終えてプラスが4人にマイナスが8人、縦長の展開になってきた。
現状自分は4位、決定戦ボーダーの3位との差は約120P。
まだ焦る時期ではないが、ポイントを重ねて上位を追撃したいところ。

そんななか迎えた第8節。
対戦相手は尾崎・石橋・佐藤。
実は2位尾崎・3位石橋との対局は今期最後。
一気に差を縮めるチャンスの直接対決、否が応にもボルテージは上がっていた。
もちろん11位佐藤もこの位置に満足しているはずがない。
降級ボーダーから脱出を目指して果敢に攻めてくるはずだ。

1回戦
起家から尾崎・石橋・平賀・佐藤の順。

東1局
7巡目に親の尾崎が早々リーチ。
自分の手もまとまらず参ったなあと思っていると、石橋が押している・・・。
結局、石橋が尾崎から現物で2000出アガリ。
『親にツモられるよりは良かったな、ウムウム』

東2局
11巡目に尾崎がまたもリーチ。
参ったなと思うまもなく、石橋がリーチ一発タンヤオ5200放銃。
親の石橋は9巡目からタンピンドラ高目三色テンパイ・・・。
『あっぶねー、こういうのちゃんと教えてくれないと困るんですけど・・・』

東3局 ドラ
『親番来たでー。4巡目にイーシャンテンいけるで、いけるでー!』

思ったのもつかの間。
4巡目に佐藤がリーチ、さらに石橋がツモ切り追っかけリーチ。
『チャンスと思ったら、ピンチかよ!』
少し前に出るがも出ずが2枚3枚と切られて撤退。
結果は石橋が佐藤にリーチチートイ3200放銃。

全ツッパすると、

テンパイして佐藤のツモ切る4枚目のを捕らえられたかもしれない。
だがテンパイ打牌のは、石橋にメンタンピン三色ドラ2ウラ放銃・・・。
『呪文が長すぎる・・・。罠だ、罠でしかない』

小さなアガリの横移動で連荘もなく、小場でスムーズな展開。
『ていうか点棒30000のまま。オレらしくねー』

南2局 ドラ
親の石橋と佐藤の2軒リーチで石橋がメンピンツモ1300オール。
この半荘の初の連荘で初めて点棒が減る。

この局7巡目
 ツモ

カン待ちで先制リーチが打てたがツモ切りとしていた。
『ちょっとウマぶってらしくないプレイだったか・・・』

同1本場
終盤チーして形式テンパイ。次巡タンヤオドラ2に振り変わるが6枚切れリャンメン待ち・・・。
結果は3人テンパイ。
このとき佐藤はなんとメンホンチートイ混老頭テンパイ!
チーでツモを2枚も下家に食い流していた。
『オレ出来る!ナチュラルファインプレイ』

同2本場
仕掛けにリーチ宣言牌で1000は1600放銃。
『しゃーない。次の親番で勝負だ!』

南3局
8巡目にイーシャンテンとなるがテンパらず、石橋1人テンパイ。
『萎え・・・』

南4局1本場 ドラ
点数状況
尾崎   25600
石橋   31200
平賀   27100
佐藤・親 36100

8巡目に好形イーシャンテン!

テンパらず・・・。
『激萎え・・・』
しかし全員ノーテンでなんとか3着。
『小場な展開で1回もアガれず消化不良。ラスにならなかっただけラッキーか』

佐藤 +36.1
石橋  +1.2
平賀 -12.9
尾崎 -34.4

2回戦
起家から平賀・石橋・佐藤・尾崎の順。

東1局
『よっしゃ起家スタート、初っ端からやったるでー』
7巡目に佐藤がリーチ、リーチツモウラ1000・2000。
『萎え・・・。3局連続・・・』

東2局 ドラ
5巡目、6巡目と連続でドラをツモってイーシャンテン。
 ツモ

切りはテンパイチャンスが広いが、好形テンパイを目指して切り。
その後12巡目にテンパイしてすぐに石橋から満貫出アガリ。
 ロン

『御館様ー、してやったりですじゃー!』

東3局
波に乗って8巡目にリーチ!
すぐに佐藤に追っかけられるが、メンピンツモドラ1300・2600。
『来た来た、のって来たー!』

南1局 ドラ
『小林くん、この親番はさっきほど甘くないぞ』
11巡目に先制リーチ。終盤16巡目にツモ!
 ツモ

メンピンツモドラ・・・ウラウラ!6000オール!
『ウラウラの呪文を唱えた。攻撃力が1.5倍になった』
点棒は59500となり王様モード突入。

同1本場は1000オールって6万点越えるが、
同2本場は満貫親かぶり。
その後はスムーズに進み迎えたオーラス。

南4局 ドラ
点数状況
平賀  56300
石橋  25100
佐藤  33100
尾崎・親 5500
『とりあえず親だけマークしてパッパと終わらそう』

7巡目にチーしてテンパイ。佐藤も仕掛けていて早そう。
 

すると9巡目に親の尾崎がリーチ。親にうってもいいことないので撤退。
すぐに尾崎がドラをツモってメンピンツモドラ2600オール。
『しゃあない。次、次ー』

同1本場も尾崎が先制リーチ、石橋の宣言牌を捕らえて3900は4200。

同2本場 ドラ
石橋が仕掛けて捌きに行くが、尾崎が7巡目にリーチ。
一発目のツモをカンしてリンシャンツモ!
  ツモ ドラカンドラウラカンウラ

リーチツモリンシャンドラ3ウラ4、8000は8200オール!!!
『たわば、ひでぶ、あべし・・・』

同3本場 ドラ
平賀 45500
尾崎 42100
『5万点差が3千点差になってるし!ここだここで決めるしかない』

6巡目にイーシャンテンとなるが、7巡目に尾崎もチーして早そう。
しかしなかなかテンパらない。
『く、苦しい・・・』
15巡目にようやくテンパイしてリーチ!

尾崎
 

結果は一発で尾崎がを掴んで2600は3500放銃。
なんとかトップを死守する。
『あっぶねー、楽勝かと思ったら薄氷の勝利だったよ』

平賀 +49.0
尾崎 +18.6
佐藤 -17.7
石橋 -39.9

3回戦
起家から佐藤・平賀・尾崎・石橋の順。

東3局 ドラ
尾崎が6400・2600と連続でアガって親番を迎える。
ここで尾崎に3フーロさせて5800放銃してしまう。
    ロン

を切った時から行くと決めてはいたが、自分の手はまだリャンシャンテン。
 さすがにやりすぎだったか・・・』

同1本場 ドラ
配牌

1巡目、2巡目とツモってリーチ!

『キタコレ!とーり、トーリ、鳥。カモーン!』
ツモならメンピンツモチャンタ三色ドラで倍満)

結果は中盤にツモって1300・2600は1400・2700。
『ショボーン。まあツモっただけよし』

リーチの時点で1枚切れ、は生牌だった。
ここでダマで高目ハネ満出アガリを目指す人もいるかもしれないがボクの選択はリーチ。
安目見逃してアガリ逃しは嫌だし、安目でも裏や一発で満貫になる。
なによりも倍満ツモった時に気持ち良すぎるから!

南2局 ドラ
東ラスにも3900アガって迎えた親番。
配牌

配牌はテンション下がり気味だったが、ツモが絶好で8巡目にリーチ!

一発でをツモってウラも乗って6000オール!
『侍キター!』
一気に5万点のトップまで突き抜ける。

同1本場 ドラ
13巡目にテンパイしてリーチ。佐藤も仕掛けてかわしにくるがツモー!
 ツモ

リーチツモドラドラ、4000は4100オール!
2局で3万点の荒稼ぎ!
『祭りだ祭りだ!ワッショイワッショイ!』

そのままスムーズにオーラス。

南4局1本場
点数状況
佐藤    6300
平賀   62900
尾崎   27100
石橋・親 22700
供託    1000

親の石橋がをポンして仕掛ける。
自分もイーシャンテンで巡目も早いので真っ直ぐ打って白ドラドラ5800は6100放銃。
『しゃあない。次、次ー』

同2本場
石橋が尾崎から東發ホンイツの満貫をアガる。

同3本場
平賀 56800
石橋 42400
『ラス親に粘られて満ツモ圏内・・・。ていうかこのパターンさっきと一緒やんけ!』

仕掛けてテンパイすると、親の石橋も仕掛けてテンパイ気配。
しかしここは佐藤がリーチを一発でツモリ、メンピン一発ツモ1300・2600は1400・2700。
『連続で終盤もたついたけど、2連勝ゲットー!』

平賀 +55.2
石橋 +19.5
尾崎 -27.1
佐藤 -47.6

この時点で尾崎を抜いてトータル3位に躍り出たが、3人の差は僅差。
最後まで気の抜けない闘いが続く。

4回戦
起家から石橋・平賀・尾崎・佐藤の順。

東2局 ドラ
尾崎が仕掛けてをアンカンしてリンシャンツモ。
   ツモ

東トイトイ三暗刻リンシャン3000・6000!
『親っかぶり、ガーン・・・。尾崎のリンシャンは危険(メモメモ)』

東3局 ドラ
石橋が3巡目4巡目にポン!!!
しかし自分もピンズの染め手一気で真っ向勝負!!!
『全面戦争じゃー!(引くまでは・・・)』

結果石橋も対応して2人テンパイで流局。
  

石橋
   

その後、淡々と局は進み南場の親でも加点した尾崎が5万点越えてなおも連荘中。

南3局2本場 ドラ
佐藤が9巡目にリーチ。
その時の自分の手牌

さらに親の尾崎が13巡目にリーチ。
しかし自分もまわりながらドラを重ねて追いついて追っかけリーチ!

佐藤

尾崎

この時点で山にいるアガリ牌は平賀3枚・佐藤3枚・尾崎2枚。
自分の感触は十分だったが結果は佐藤がをツモって2000・4000は2300・4300。
『かぁー、ここで負けるかー。せつなっぺ』

南4局
点数状況
石橋   24500
平賀   18900
尾崎   46700
佐藤・親 29900

親の佐藤が8巡目にリーチして一人テンパイ。

同1本場 ドラ
石橋   23500
平賀   17900
尾崎   45700
佐藤・親 31900
供託    1000 
1000・2000ツモか5200出アガリ以上で3着浮上。

をポンして染め手に向かうと、石橋もポンチーと積極的に仕掛けてくる。
イーシャンテンの形は
 

をポンして出アガリだと3900しかないなあと考えていると、
すぐにをツモって不安解消、さらに次巡をツモって高目ツモ倍満の手に!
 

『YOUやるね!バイマンつもっちゃいなYO』
だがここは石橋が佐藤から白ドラドラ3900は4200をアガって2着浮上。
佐藤もテンパイ打牌で放銃は致し方なしか。

尾崎 +45.7
石橋  +8.7
佐藤 -12.3
平賀 -42.1

この日の結果は3114で+50くらい。
大満足とはいかないが上位との差を縮めることが出来てまずまずといったところ。
この日大躍進したのが發王位・水巻、なんと4連勝で降級ボーダーから一気に5位に浮上した。
おちおち上ばかりを見てもいられない。

帰り道で尾崎と一緒になり少し話した。
対局内容についてだったが、尾崎はこの時期すでに並びを考えて打っていたと言う。
試合巧者の尾崎らしいが、正直自分には出来そうにない。
11・12節なら少しは考えるだろうが・・・。
武骨な侍らしく前にいる敵を一人ずつ倒していくだけだ。
真っ向勝負!

文責  平賀聡彦

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