コラム・観戦記

第34期C2リーグ第5節観戦記

C2リーグ第5節 リポート

後期C2リーグは今期の最終節になります。
光り輝くダイヤのような選手はいるのだろうか。

昇級は上位3名。
現時点の上位は首位から白組が坂井、永田、須田、赤組が石崎、京杜、菊崎
である。
若手選手は坂井だけである、ベテランの壁が厚いのだろうか?

4節までの結果
赤組
1 石崎 光雄 302.4
2 京杜 なお 124.2
3 菊崎 善幸 102.2
4 沖野 立矢 92.4
5 吉村 昌敏 57.8
6 正木 太志 39.0
7 西嶋 千春 37.6
8 柳井 隆道 21.9
9 手倉森 弘 -1.2
10 須山いづみ -108.5
11 増田 慎吾 -165.7
12 松本 敦 -240.6
13 三國 麗子 -270.5

白組
1 坂井 秀隆 240.0
2 永田 航 193.4
3 須田 春恵 191.7
4 小山 直樹 117.5
5 中野 慎也 71.4
6 鴻海 大輔 39.0
7 中郡 慧樹 -8.9
8 竹内 朋之 -83.5
9 永野 弘夢 -92.2
10 紺谷 博 -143.7
11 石田 時敬 -181.6
12 河野 直也 -201.5
13 藤田 基三 途中休場

全5節。1位~3位がC1リーグへ昇級。9位~13位がC2リーグ陥落。

赤組、1回戦

起家から石崎、正木、菊崎、沖野

東1局 ドラ

昇級確実とも言えるポイントを持っている石崎の4巡目
 から打
ドラの重なりを重視してを打つか、ヤミテンでのロンアガリを
考慮するかという選択であるが、石崎は後者を選択する。
後にドラが重なり発のポンテンを逃し、正木からメンタンピンドラ入り
のリーチが入り、沖野がまっすぐ攻め8000放銃となる。

東2局 ドラ

開局から8000放銃となった沖野だが、焦りはまったく感じられず
ドラ入りのジュンチャンを菊崎からアガリ8,000。
近年不調の沖野だが、このクラスでは楽に昇級しなければならない。

南2局 ドラ

トップ目の正木が親で、5巡目
沖野  から打で即リーチ。

いろいろな選択がある手牌であるがもっともストレートに攻めた。
9巡目にあっさりをツモ2000・4000。
沖野とは対照的に石崎は点差を重視し、徹底的に守りの麻雀であった。

南3局 ドラ

ここまで元気のない菊崎がリーチ
 から安めのツモの1000オール。

南4局 1本場 供託1 ドラ

ここまで沖野はアガッては放銃を繰り返し、リズムに乗れないまま
オーラスを迎える。
その沖野は前局リーチで流局のテンパイ連荘、この局はテンパイすら
難しい手牌でケイテンに向かい仕掛ける。
この時の持ち点は沖野△2.1石崎±0、正木+6.8、菊崎△5.7

ポンの沖野、ファンパイは全切れまさかのトイトイもあるが
通常はクイタンのみの仕掛けと判断できる状況になる。

ここで石崎は10巡目に下記の手牌になる。

ここにツモで打の安全策を取るが、リーチツモでトップ
の局面、そして沖野は安い可能性が高いならばツモ切りで
良いのでは。
結局、沖野はテンパイ連荘。
次局は菊崎が700・1300で2着に、なんと石崎がラスになる。
正木は安定したトップ、昇級を狙える状況に。

石崎△32.4、正木+34.4、菊崎+10.1、沖野△12.1

白組、2回戦

起家から石田、坂井、中野、中郡

白組は若手選手が多い、その中でも前評判が高かったのが坂井。
下位リーグは単調に棒攻めになる打ち手が多いのだが、坂井は
見切りが早く、場況判断力が優れていた。
坂井は開始前の段階で+240あるのだが、普段からAリーグを
観戦し、真摯な姿勢がこの結果につながっているのではないか。

南1局 ドラ

親番の3着目石田が4巡目 
から打
あっさりドラの受け入れを拒否する一打だが、基本手筋としては打
するところ。

この局は坂井がダブを暗刻にし、1000・2000のツモアガリ。
坂井は守りを重視し、じっくり戦う戦略を選択したようだ。

南3局 1本場 ドラ

ここまで手順ミスや遠い仕掛けでチグハグな状況に追い込まれている
石田だが、中野の親リーチを中郡が一発消しのチーで役満テンパイとなる。
 長考後に打でリーチ。
中野との一騎打ちとなるが流局へ。
オーラスは坂井が1000点で終わらせ、安泰となった。

石田△15.4、坂井+15.4、中野△37.9、中郡+37.9

赤組、2回戦

起家から菊崎、沖野、正木、石崎

東場からエンジンがかかり沖野はラス前で45300点持ちのトップ目

南3局 ドラ

速攻を得意とする沖野、らしい仕掛けを2巡目に敢行。
 からペンをチー。

ここに対抗したラス目親の正木がテンパイ。

しかし、8巡目にをツモ アガルのか?
長考の正木は切りのリーチを選択、そして一発ツモの
6000オール。

南4局 ドラ

南3局の仕掛けが空振った沖野、まったく躊躇することなく
2巡目にカンをチー。
残った牌姿は

目眩がしそうな仕掛けだが、これが沖野流。
続いてもポンしカンのマンガンテンパイ。
    
これを正木からアガリ8000。
しかし、菊崎に元気がない。

菊崎△44.1、沖野+47.3、正木△19.7、石崎+16.5

赤組、3回戦

起家から西嶋、京杜、増田、柳井

増田と柳井が繰り広げる遠い仕掛け、西嶋が箱割れ
これらは京杜に利する展開となり、楽に京杜がトップ。

西嶋△56.5、京杜+43.8、増田△9.5、柳井+21.2

赤組、3回戦

起家から松本、手倉森、三国、吉村

前評判が高かった新人の吉村、昇級に向けてトップがほしいところ。
他3人も残留に向けて必死である。

新人の吉村、早速魅せてくれた。

南3局 ドラ

吉村4巡目テンパイ  打

当然のヤミテンを選択、さらに7巡目にツモマチに変化し
ヤミテン継続。
これは場にソウズが高かったためである。

無理をせざる得ない状況の松本が遠い仕掛けを敢行し、吉村に絶好
のツモ発が舞い込み、打のノベタンに待ち替え。
 そしてすぐにをツモり2000・4000。

素晴らしい打ち筋だった。

オーラス、松本が意地のハネツモでトップ逆転となるテンパイを
組むが、流局へ。

松本+10.5、手倉森△12.9、三国△44.8、吉村+47.2

さあ、いよいよ最終戦へ

白組の昇級候補は坂井に確定ランプ、永田・小山・鴻海・須田まで
赤組は石崎に確定ランプ、京杜・柳井・菊崎・吉村・沖野・正木まで。

上位3名の枠を巡って激戦となっている。

全員に昇級の可能性がある4名の激突は
起家から石崎、正木、菊崎、沖野
正木は10万点持ちのトップ、沖野も4万点持ち以上のトップ、菊崎は2着以上が
必要となっている。

赤組、4回戦

東2局 1本場 ドラ

15巡目 沖野 からをポンして打とする。
アガリよりもテンパイ料を優先せざる得ない仕掛けである。
この仕掛けでが下家に流れたのだが、次巡沖野はをツモり打でテンパイ。
すぐに菊崎からロン8000。
沖野にはとても大きいアガリになり、菊崎は痛恨の放銃となった。

東4局  ドラ

体勢上昇の沖野、今度はポンテン   
直後に菊崎からリーチが入るものの、あっさりをツモアガリ1000オール。

南1局 1本場  ドラ

6巡目 正木がリーチ 
しかし流局へ。

南2局 2本場  ドラ

最後の親番の正木 なりふり構わずをポン 
残ったピンズの形は  では昇級確定の位置にいる上家石崎
からは何も溢れず、ノーテンで流局へ。

南4局 4本場 供託1  ドラ

前局の菊崎の親番も流れ、各自のスコアは石崎△1.2正木+1.7菊崎△11.6沖野+10.1

昇級確定の石崎、ほぼ残留確定の正木と最低でもハネマンツモ条件の菊崎。
沖野だけは微妙な持ち点である。
ラス親の沖野は攻めるだろう。

沖野に絶好の配牌  第一打はドラの
ツモは順調に5巡目には  
ここまで来たらメンゼンで仕上げたいところ。
しかし、沖野はあっさりをチーテン、正木からでロン2900。
次局は石崎の300・500で終了。

石崎+11.4、正木△13.2、菊崎△42.4、沖野+44.2

昇級は赤組が上位から、石崎・京杜・沖野、白組は坂井・永田・小山。

赤組(上位3名が昇級)
1 石崎 光雄 349.6
2 京杜 なお 118.6
3 沖野 立矢 116.3
4 柳井 隆道 110.2
5 吉村 昌敏 74.9
6 菊崎 善幸 54.2
7 正木 太志 15.9
8 須山いづみ -49.4
9 手倉森 弘 -60.5
10 西嶋 千春 -82.8
11 増田 慎吾 -129.0
12 松本 敦 -262.6
13 三國 麗子 -266.4

白組(上位3名が昇級)
1 坂井 秀隆 402.3
2 永田 航 179.5
3 小山 直樹 156.0
4 須田 春恵 137.9
5 鴻海 大輔 70.5
6 中郡 慧樹 38.6
7 竹内 朋之 -10.1
8 中野 慎也 -84.1
9 永野 弘夢 -99.2
10 紺谷 博 -121.4
11 石田 時敬 -235.9
12 河野 直也 -292.5
13 藤田 基三 -1187.6

卓数の関係ですべての選手の打ち筋までは把握できなかったが、
20代の選手で有望だなと思える選手もいて、これから誰が頂点まで
昇って行けるのか楽しみでもある。
残念ながら降級の選手も、敗戦を糧にさらに精進してほしい。

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