第5期最高位戦クラシック決勝3回戦目は、起家の村上選手が700オール。1本場は小林プロが井出プロより3900は4200のアガリ。アガった小林選手の親を迎える東2局の話からです。
各選手にアガリ出る中で続く一進一退の攻防が続く中、村上選手が取り上げた2局をご紹介
します。
編集部
東2局 ドラ
村上(以下・村) この局は良く覚えています。僕が、まず4巡目に・・
からツモ切ってシャンテン戻ししてるんですね。
か切ればカンとのシャンテンなんですけど、それをとらず。
で、次巡ドラのをくっつけてマンズの両面を外して。カン引いてカン引いて、
切ってこの最終形になるっていう。
役ありなんでアガリ重視でいく打ち方もあるんですが、伊藤英一郎さんみたいなクラシックっぽい打点重視の打ち方をして、綺麗に嵌ったんですよね~。
編集部(以下・編) 重い手筋ですが、最高位戦ルールでも手牌によってはこんな感じで打つ時あり
ますよね。いわゆるデジタル、のイメージではないのですが?
村 まあそのイメージももう古いですよね。前から言ってますが、単純に牌効率やスピード重視で打つって事では無くて、オカルト的な事は分からないから考えず、様々な要素を合理的に考えて得するように打ち進めるという事なんです。
この局は直前に2枚目のカンを見送ったのもあって、重い手筋の方に寄りましたが、軽い仕掛けをあまりしないで面前重視というスタイルな以上、重く打つ事も結構あるんです。
編 なるほど。一方僥倖のアガリをモノにした小林プロ、自然にこうなったって感じですかね。
村 うん。仮にのところでヘッド固定の打としてても同じようになるし。
僕もは空切りなんで。切ってたからということでもなく。
でも、僕も変な話、カン残しててもマンズの両面残しててもここのメンツが換わるだけで
結局同じ形になってるんですけどね。
だから、すごく上手く打ったというわけでもないんですが。でもツモ切ってないとこの形にはなってませ
んが。最高形をこのダマハネに想定してマンズを落としていったと。
しかし後からみて、カンがこの巡目で山に3枚いたとは・・・・!
編 両者ともClassicでは半荘を決め兼ねない手でぶつかって、小林プロが制した訳ですが、3回戦も
小林プロに持っていかれるという感じでしたか?
村 はい。で結局、オーラスに僕が着順を下げちゃうんですけど。初日は結果がちょっと悪いんですよ。
編 内容的にもですか?
村 いや、2回戦・3回戦は結果がいまいちだったんです・・・けど、まあ内容はまあまあ。
オーラスも役なしのカンテンパイが入って、14巡目のを押してれば次巡をツモって
3着から2着に上がってたんですけど。
3回戦南4局 ドラ
結局井出さんが剛くんから2000点あがって僕がラスまで落ちるんです。
結果だけ見ると、順位点の16ポイントと500・1000の分合わせて18ポイントくらい損してるんですね。
1牌押せば・・・でも、読みどおり2人テンパイだったし、はキー牌だったし。
クラシックって流局で終わりじゃないですか。で14巡目、トップ目の剛くんがテンパイ気配。2着目の下出さんはもうオリてる。ラス目の井出さんがテンパイ気配。
剛くんはもうそろそろやめそうだな、という感じだったので、井出さんがツモれなければ終わりじゃないですか。
編 この状況ではなかなか押せないですよね。
村 そうそう。剛くんに打って落ちるのは最悪じゃないですか。
編 そうですよね。じゃあこれは全然普通というか・・・
村 でも、結果は最悪の方向に出てしまったという。行ってれば2着に上がれたのに、ラスに落ちてしまったと。
結果論者だったら揺れてるところですよね。「やっぱり決勝だから行くべきだった」とか。
ただ、そういう風にまったく思わなくなったところが、自分の中では精神的に成長してるなと思いましたね。変な話格好悪いじゃないですか。でも、自分の中では「いや、こんなのオリるし」みたいな感じで。ピンズも全然感触ないし。だから、唯一あるとしたら開き直ってリーチっていうのはありましたね。
どうせ自由に打たれてたら3着か4着なら、押さえつけて3着、上手くいけば2着みたいな。
正直、ヤミテンにしたからにはそこはオリなきゃいけないと思うので。
そういうことで、ちゃんと打ったかなと。
今思うと、考え方としてはずっとこうなんだけど実際に心が揺れなかったのは、もしかしたら日本オープン獲ったのも大きかったのかな・・。
あ、でもこれ面白いのが、井出さんがとかツモると、1300・2600で僕が下出さんより上行くんですよ。で、剛くんがツモっても、タン・ヅモ・三暗刻で2000・4000で僕が2着なんですよ。
だから、一番最悪の横移動になっちゃったんですよ。
それを休憩のときにちょっと聞いて、うおーと思ったんですけど。でもしょうがないなと。
自分のやったことに対してしょうがないと思えるのはすごくよかったですね。
編 3回戦は印象的な2局を紹介してもらいました。
このラスでポイント的に平たくなって仕切り直しになりました。
小林+13.5 村上+2.1 下出-3.2 井出-12.4
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そして初日の残り2回戦も4者が拮抗した展開のまま進み、村上プロは2着、3着で終了します。
(詳しくは「101競技連盟所属・萱場貞二プロ」執筆の観戦記をどうぞ)
初日結果
Total 下出+19.2 村上-2.2 井出-5.4 小林-11.6
勝負の行方は、2日目の半荘5回戦へと持ち越されます。
次回からは村上プロが執筆した自戦記をお届けします!お楽しみに!! 編集部
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