コラム・観戦記

第41期前期北海道C2リーグ第4節自戦記 松本亮一

今回の第4節は相川、田渕、山田との対局でした。
この中で、同じ苫小牧で日ごろからともに切磋琢磨している田渕百恵とは北海道リーグでの対局は今回で最後になると思います。
田渕は今期終了後から東京で生活を送ることになっており、それに伴い後期から東京本部への編入が決まっています。
第3節終了時点で7位の私に対し、全節プラスで終え2位の位置に付けている田渕は出会ったころからは考えられないほどの成長を見せています。
そんな田渕とのリーグ戦最後の対局で情けない姿を見せる訳にはいかず、少しでも田渕の印象に残るような戦いをしたいと考えて挑んだ第4節。
また今回の成績によっては自身の昇級に向け、最終節の戦い方に大きな影響が出る重要な第4節。
そんな『負けたくない』という気持ちを誰よりも強く持って挑んだ今節も自戦記を書かせていただきます。
それではよろしくお願いします。

 

1回戦

松本、田渕、山田、相川の並びでスタートした東1局。
いきなり相川の一発ツモの2000/4000を親かぶり、東2局1本場で田渕の1300/2600は1400/2700と失点の連続で何もできずにラス目に立たされる。
頭の中では「まだ序盤」とは分かっていても自分では気付かない焦りがあったと思う。

東3局1本場 供託1000点 6巡目

 ツモ

ツモピンフ400/700である。
供託等を考えると2800点を加点することができるがラス抜けはできない。
ここで私は打とし、チンイツへ向かう選択とした。
次巡のツモはで、打でイーシャンテンとなる。
その直後、相川からリーチが入る。
アガリを拒否したことに対する多少の後悔があるものの、次巡ツモってきたのはで一気にテンションが上がる。

 ツモ

打点は十分なのでリーチはせず、ダマで押しまくる。
が、親の山田が相川のリーチに刺さり、ここでも加点に失敗。
今思うと6巡目という微妙な巡目と供託込みでの2800点かつ、まだ東場という状況を考えて400/700はアガっておくべきだったと反省している。

続く東4局 ドラ

このイーシャンテンの状態で相川のカンにより新ドラがとなった。
すると三色にならないをツモり、すかさず打でリーチ。
3巡後、高めドラのをツモり3000/6000と今までの失点分を取り戻した。

しかし反撃もこの一撃で終わり。
1回戦は△19.1Pの3着で終了した。

 

2回戦

並びは相川、田渕、松本、山田の順となる。

東1局9巡目でドラはである。

 ツモ

確定満貫ではあるが、直前に親の相川にリーチを打たれている。
は通っていない。
カンというやや不安な待ちではあるが打点は十分であるため、打は当然として、あとはリーチを打つかどうかである。
リーチを打ってのツモ、もしくは裏ドラ期待の12000より、ドラを引いて親へ放銃したときのダメージを考えるとリーチは攻めすぎと考えダマ聴を選択した。
ドラを引いた場合は打でリーチを打つと決め、静かにを河に置く。
これが通り、その直後に相川がを掴み8000を得る。

東4局1本場 ドラ

上記のチートイツを8巡目で聴牌し、もう少し優秀な単騎選択をすること2巡、が相川から打ち出され6400は6700の収入。

東場は終了時点ではかなり有利な状況であったが、南場に入って山田の猛攻にあい、終わってみればトップの山田に大きく離された2着で終了。
2回戦 +13.8P

 

3回戦

相川、山田、田渕、松本の並びでスタート。

東1局は山田の500/1000、東2局は自身の700/1300と小さなアガリが続いた。

東3局1本場で山田のハネ満ツモが炸裂し、2回戦同様に山田の猛攻が続く。

何とかして山田を捲くってトップに立ちたいと考えていた南1局2本場で、とんでもないことをやらかしてしまった。
まず先に西家の相川がリーチを打つ。
これに対し、山田も私も完全にオリ状態になっていた。
しかし親の田渕だけは完全にオリてはいない様子。
すると18巡目、親の田渕が牌を横に曲げたのである。
山田が序盤に仕掛けを入れており、ハイテイは北家の山田である。
つまりツモ番がないリーチを打ってきたのだ。
ルール上はまったく問題はないのだが、このリーチにより私の少ない脳ミソがパニックを起こしてしまった。
『役が無くてドラが固まっているのか?』とか『山に残っていそうな待ちなのか?』等々、色々なことを考えながら共通安全牌でやり過ごす。
相川の最終ツモが生牌のであり、相川、田渕のどちらのアガり牌でもなかった。
このは私が対子で持っていたのだが、ここで何と『ポン』と発声をしてしまったのだ。
私の手牌はオリていたため鳴いても聴牌にはならず、かつ再び相川にハイテイ付きツモのチャンスを与えるのと同時に田渕にもアガりのチャンスを与える、まさに「百害あって一利なし」の行為をしてしまったのだ。
最終ツモも相川、田渕のどちらのアガリも発生しなかったのだが、もし査問委員会があるならば思いっきり問い詰めれる行為であったと猛省している。
なぜ発声してしまったのかと自分自身で考えても本当に分からない。
こんな愚かなことをやったのにも関わらず次局、以下をものにする。

南1局3本場 供託2000

 ロン

1600は2500+供託2本の4500の加点とする。

結局このアガリにより田渕との2着争いに勝利し、3回戦目も2着の+9.1Pで終了した。

 

4回戦

相川、松本、山田、田渕の並びスタート。
3回戦の恥ずかしさを一旦忘れて再び集中する。

まずは東1局1本場で以下の300/500は400/600をアガる。

 ポン ツモ

ここから異常とも思える牌の寄りが訪れる。

東4局1本場 ドラ

ピンフ一通ドラ3というとても贅沢な牌姿である。
ここに至るまでのツモはという鬼のような引きであった。
11巡目、田渕のを捕まえ、12300の収入となる。

続く南1局も7巡目で下記聴牌が入る。

南1局 ドラ

またしてもダマでハネ満、ツモで倍満という贅沢な牌姿である。
すると9巡目に親の相川からリーチが入る。
これで私もダマにしている理由は無くなったのと、一歩も引く気はないので追いかけリーチでめくり合いの勝負を挑む。
一発目で相川がを掴み、16000の加点となった。

これで完全に独走状態となり、オーラスで以下の点棒状況となっていた。

東家 田渕   8700点
南家 相川  24000点
西家 松本  63500点
北家 山田  23800点

この状況で一番イヤなのが親の連荘であるのだが、親の田渕がリーチを打ってくる。
やはり簡単には終わらせてくれない。
続いて相川がリーチを打ってくる。
河も既に3段目に入っており、私の手牌には共通安全牌が無くなっていた。
こうなると親の田渕に打つよりは子の相川に甘く打つのが当然であり、また私の手牌には幸いにもドラのが2枚入っている。
よって、田渕の現物であるを打つと相川からロンの声が掛かる。
正直満貫くらいであればまったく構わない気持ちでいたのだが、開けられたのは以下であった。
南4局 ドラ

 ロン

ドラを抱えてのリャンペーコーで12000である。
裏ドラが乗ってたとしても着順には影響はなかったが、予想を大きく超えた打点であったのには驚いた。
しかしこれで終局となり+51.5Pトップで最後を締めくくった。

 

本日のトータルは+55.3Pで、総合成績でも4位となりました。
しかし3回戦目の大ポカは本当に恥ずかしく、対局者に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
少しでもイレギュラーなことが起きると、平常心が保てなくなる自分の弱さが恨めしいです。
田渕とは最後の戦いとなったわけですが、今後は發王戦などのタイトル戦で再び戦える日が来ることを夢見て頑張っていきたいですね。
さて次節の最終第5節ですが、組み合わせ的に大荒れになることが予想されます。
よって、いかに平常心を保って打てるかが大きな課題となると考えています。
今回のようなことがないように、しっかりと4回戦を打ち切れることを目標として改めて頑張りたいと思います。

ありがとうございました。

 

(文:松本亮一)

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