―5月4日
ゴールデンウィーク真っ只中、神楽坂ばかんすにてB1リーグ第3節目が行われた。
ここまでの自分のポイントは+41.3。
2節目は国士放銃から崩れてしまい、その後「自分の中で納得のいかない打牌」をしてしまった。
それを考えると何とか持ちこたえた、といった感じのポイント。
一昨年、一身上の都合により途中休場となり降級を余儀なくされたB1の舞台。
開幕前は「再び戻る事ができた場所なのだから、今年こそは後悔の残らないような打牌を心掛けよう」と強く思っていただけに、今節はいつも以上に「冷静」を意識して対局に臨んだ。
今節の対戦相手は谷口、いわま、齋藤の3人。
自分のイメージでは、いわま・齋藤は超攻撃型で、谷口は無理攻めをしないタイプ。
進行は攻撃型の2人に任せて、谷口より先に抜けて出るイメージを抱えて卓についた。
1回戦目東1局北家7巡目
本日最初の聴牌が入る。
場況的にはに不満はないが、さして迷わずヤミに構える。
軽く1300を和了した後、小場が続き迎えた東4局。
ここは先制したい。
そう祈りながら取った親番の配牌。
ドラ
文句のつけようが無い配牌だ。
を3巡目に引き、7巡目にのポンテン。
これをあっさりツモアガリ、大きなリードを手に入れる。
続く1本場、配牌は平凡だったものの手がまとまり8巡目に以下牌姿となった。
ドラ
対面の谷口が三元牌2つをポンし、マンズのホンイツ模様。
残りの三元牌は2枚切れでテンパイ気配もまだだが、自分がリーチを打てば押し返されることも覚悟しなければならない。
下家の齋藤はをポン。
こちらはソーズのホンイツが本線なのだが、まだ情報がはっきりしない。
役満の可能性も消えていないし、ドラメンツがある可能性もあるし、トイトイかもしれない。
ただ一つ言える事は、4~5巡目にを落としているので、1000点の仕掛けではない、という事。
もも待ちとしては優秀だと思っていたが、齋藤の仕掛けや自分がトップ目という現状を考え、待ちになった時はダマにするか非常に迷っていた。
そんな事を考えながらツモってきた牌は
多少の怖さはあるものの、これなら迷いは無い。
こんな優秀な待ちで12000確定のリーチを打てる機会なんかそうそうあるもんじゃない。
これが裏2で18000となり、1回戦目は大きめなトップを取る事が出来た。
2回戦目は当初の想定通りに齋藤・いわまの2人が場の中心となる展開。
いわまが脱落し、谷口と1900点差、齋藤と6200差の3着目で迎えたオーラス
ドラの無い先制テンパイとなり、迷わずリーチ。
中盤にをツモると、2万点分の価値がある裏ドラも載ってくれた。
こうして僥倖の連勝を飾る。
ここまでは、さして難しい選択も無い。
はっきり自分の好調を自覚して、3回戦目に臨んだ。
西家で始まった東1局、またもドラアンコの配牌をもらうも、この日最初の難解な選択を迫られる。
手牌を丁寧に進めて、9巡目に以下のテンパイ。
ツモ ドラ
形だけを見ればリーチしか考えようの無い手牌だが・・・
場況を説明すると、上家のいわまがソーズのホンイツテンパイ。
役牌を2つポンし、のアンカンを入れている。
いわまが悩まずを切った直後に谷口がを抜いたのを見て、テンパイ打牌となる自体は通るとは思っていた。
優秀な待ちになるのであれば、迷わずリーチと行くつもりだったが、が入ってのテンパイ。
すでに手仕舞い気味の谷口と齋藤から、リーチを掛けてが出てくることは無いだろう。
についてはいわまと谷口がを1枚ずつ、齋藤がを1枚切っている。
場況的にも良いとは言い難い。
ここでのリーチ判断、正直聴牌する前からかなり迷っていた。
1回戦目の東パツならダマに構えていたかもしれない。
リーチかダマ、どちらがいいのか分からなかったが、敵に迷いは見せたくない。
聴牌した瞬間時間を掛けずにリーチを打った。
結果はを掴んでいわまに8000放銃。
微妙な選択により裏目を引く結果となったが、前向きに倒れた分後を引くものではない。
この半荘はこの後いいところが無くラスとなるも、オーラスいわまのダマ満を警戒できていたところなど、自分的にはピントが合っており内容に不満は無かった。
迎えた最終戦南1局の親番、この日2回目の難解な選択が訪れる。
平場で谷口のリーチに追いかけ7700を和了した1本場。
谷口1人が沈んでおり、残り3人とも満貫分くらい浮いており1000点圏内の大接戦。
まず谷口がアンカンを入れて10巡目にリーチ。
13巡目に自分もテンパイ。
ツモ ドラ
は中筋となっており、ほぼ安牌。
そんなに目立つ牌では無い。
また谷口のリーチ後、いわまが無筋のを通している。
谷口にはかなり通りそうな牌なので、いわまがテンパイかどうかはわからない。
場にはマンズが高くは良い受けに見える。
おそらく100回この状況になったら、リーチを打った方が点数効率はいいに決まっている。
ならリーチを打つべきだ、とも思うのだが、ダマで構えて両脇から和了できる場合はほぼ既に現物となっているだろう。自分がリーチをかけて他の2人からが出てくる可能性はまず考えにくい。
谷口からが出てきた場合が寒いが、それ以外の和了パターンはツモアガリを含めて点数状況的にかなり優位に立てる。
少考の後、ここではダマを選択。
和了れる確立を1%でも減らしたくなかった。
結果は次巡をツモアガリ、2600オール。
これが決定打となり、最終戦もトップ。
しかし、これで本当に良かったのだろうか?
冒頭に記した「自分の中で納得のいかない打牌」とまではいかないが、対局終了後はこの局の選択が真っ先に頭をよぎった。
もしリーチをかけていれば、即ツモで6000オール。
16人中2人という昇級枠を狙っている自分が、結果論とは言えこの10.2ポイントを獲りにいかなくて本当に良かったのだろうか?
この答えは12節目終了時に分かるのだろう。
3節目成績
+52.2 1着
+34.7 1着
-56.5 4着
+40.6 1着
トータル +71.0
―36期B1リーグ第3節終了時結果
1 中嶋 龍太 229.7
2 山口 まや 162.6
3 清原 大 112.3
4 坂本 大志 102.6
5 冨澤 直貴 70.1
6 嶋村 俊幸 61.0
7 山内 雄史 54.6
8 浅埜 一朗 -21.9
9 齋藤 敬輔 -22.1
10 谷口 竜 -64.5
11 新井 啓文 -76.9
12 浅野 剛 -92.6
13 篠原 健治 -96.3
14 いわま すみえ -119.4
15 武中 真 -148.3
16 中村 英樹 -156.9
文責:清原 大(文中敬称略)