コラム・観戦記

第35期Aリーグ第1節レポート

いよいよ今期もこのAリーグを皮切りにすべてのリーグが開幕する。
みな気合の入った戦いである
この約半年、いくつのドラマが生まれいくつのドラマがこの目で見られるのだろうか。
本当に楽しみである。

A卓 金子、村上、石橋、大柳
去年の決定戦進出者2人を含む卓である。
1回戦、東家から大柳、村上、石橋、金子
大柳が東1局連荘をかさね55000といきなりリードを広げる。
しかし誰もこのリードを許すまい。
東2局 ドラ
5巡目に金子がリーチ

7巡目石橋もをしかけこの牌姿
 ポン
村上も親番で東を仕掛け勝負に行くが、
 チー ポン
こので金子に放銃となってしまう。金子は裏ドラをのせ8000の収入を得る。
金子の反撃である。
さらに東4局  ドラ
7巡目金子がリーチ

実はこのリーチ、4巡目にが切ってある、フリテンリーチである。
しかしなんのその、リーチをかけこのフリテンをで一発でツモリあげるのだ。
これで金子がトップ目にたつのだ。
この点差を守りきり最初の半荘は金子トップで終わる。
金子   +51.7
大柳   +23.3
村上   -25.1
石橋   -49.9

2回戦 東家から金子、村上、大柳、石橋
大柳が東3局連続で7700、9600とアガりトップ目に立つ。
それを石橋が次の親番で追撃して3000点差まで追いかける。
南3局 ドラ
大柳が10巡目にテンパイを入れる。
 ツモ
を切りヤミに構える。
15巡目石橋も仕掛けてテンパイを入れる。
  ポン
これを見て大柳は空切りリーチ、これを石橋が一発で掴み放銃。大柳は裏ドラも乗り8000の大きなアガリとなる。
今までの大柳ならこのカンは即リーチであったが本人はAリーグでのリーチバランスに関して今勉強をしていると後に語った。
この半荘大柳は東場のリードを守りトップ。
大柳   +53.4
石橋   +14.9
金子   -16.8
村上   -51.5

3回戦
東家から村上、金子、大柳、石橋。
東場は小さな点棒移動が続いた。
東場が終わってトップが32400と南場勝負となった。
南1局1本場  ドラ
9巡目に金子がドラドラのテンパイ。

金子はヤミテンを選択。この男が金子に噛み付いた。大柳である。
大柳は11巡目ピンフドラドラテンパイ。

大柳は果敢に即リーチとした。これを受けて金子も追っかけリーチ。
大柳が一発でツモアガリを決め3000-6000という大きなアガリをものにした。
さらに南3局  ドラ
大柳の親番。12巡目タンピンドラ1をテンパイ。

テンパイ打牌を石橋がチーしてテンパイ
  チー
14巡目、さらに村上もテンパイ。

この勝負は大柳が制し2600オールのツモアガリで終わった。
オーラス
石橋   24700
村上   32900
金子   17400
大柳   45000
ここまで大柳に有利な展開が続いている。
しかしこのオーラス親番、石橋が黙ってはいなかった。
石橋は4000オール、1500は1800、1500は2100と大柳をまくる。
しかし最後は大柳が石橋をまくり返しまたもトップをもぎ取った。
大柳   +48.3
石橋   +14.7
村上   -15.6
金子   -48.3

4回戦  東家から金子、大柳、村上、石橋
またもこの半荘大柳の有利な展開であった。
決め手となったのはラス前のアガリである。
南3局  ドラ
12巡目

中は1枚切れでヤミテンに構える。巡目も深くあがれたらいいな~という感じである。
しかし大柳は2巡後あっさりドラのをツモリトップ目に立つ。
オーラスは村上が2着を守りきり終了。
大柳   +46.5
村上   +14.0
石橋   -17.9
金子   -42.6
大柳は非常によいスタートダッシュで初節を終えることが出来た。

B卓は水巻、上野、佐藤、太田

第一回戦、東家から太田、佐藤、上野、水巻

東3局上野が親番で1300オール、2000は2100オールと連続でツモアガリを決めた2本場、ドラは、上野が13巡目にリーチを打つ。
上野

同巡、親の連荘を止めに白を仕掛けた水巻にテンパイが入る。
     ポン

さらに太田にも17巡目チートイツのテンパイが入る

しかし3人とも巡目が深かったためか誰もあがれず流局。
さらに流局が続いて南2局6本場、太田に速い手が入る。
4巡目
   ポン
そして6巡目にを仕掛けトイトイのテンパイに変化
6巡目
   ポン  ポン
15巡目親の佐藤にも高めイーペーコーのテンパイが入るテンパイが入る

次巡太田が佐藤の高めを掴んでしまい3900は5700の放銃となってしまう。

そして次の南2局7本場、ドラは、10巡目に佐藤と太田にテンパイが入る。

佐藤

太田

佐藤はリーチを打ち、太田はヤミに構える。もともに生牌である。
13巡目に佐藤が太田の当たり牌中を掴み8000は10100の放銃となってしまう。
そしてオーラス、トップ目の上野に手が入り、6巡目にチーしてテンパイ、12順目に3900をあがり、トップを守る
上野
   チー

上野   +43.9
太田   +13.7
佐藤   -11.1
水巻   -46.5

二回戦、東家から上野、水巻、佐藤、太田。
またも上野が東発から攻める。ドラは、9巡目にリーチ。
上野

誰も勝負できず、上野もツモれず上野の一人テンパイで流局。
東3局、ドラ、佐藤は10巡目、上野、水巻は13巡目、太田は16巡目にテンパイが入る。
佐藤

上野

水巻

太田

しかし太田はテンパイと同時に佐藤に放銃してしまう。

この2回戦を制したのは水巻である。
水巻   +38.2
佐藤   +11.7
大田   ―14.2
上野   ―35.7

3回戦、東家から水巻、太田、佐藤、上野。

東発水巻が2600オール、4000は4100オールといきなり50000オーバーとなった2本場、これ以上の連荘はさせまいと太田が4巡目にリーチ。
太田   ドラ

8巡目佐藤が追いつきリーチ
佐藤

これを佐藤が一発でツモあがり、裏ドラも乗せマンガンのアガリを手に入れる。
そして東4局、水巻が10巡目にドラのを暗カン、次巡リーチときた。
水巻  ドラ 新ドラ
   暗カン
さらにその次巡、太田がテンパイ、リーチと行く。
太田

・・・ペン!!!
今期が初めてのAリーグの太田、どんなときでも前向きに突っ走ってやるという意気込みを感じるリーチである。
しかし、やはりというべきか次巡すぐに水巻のロン牌を掴み放銃。
裏ドラ表示牌にも、水巻の16000のアガリとなる。
このアガリで水巻に勢いがさらについてしまったのか南1局の親番で6000オール、南2局で3900とあがり、オーラスには80000オーバーとなっていた。
そしてここから上野の追撃が始まる。
南4局   ドラ
11巡目に上野にチートイドラドラのテンパイが入る。
上野  

4000オールで2着に浮上するこの状況、どうにかツモアガリしたい。
なんと14巡目、水巻がこのドラ単騎のチートイツに飛び込んでしまう。
水巻

イーシャンテンのところですでに1枚切っていたドラを持ってきてツモ切り。痛恨の9600の放銃となる。この南は3枚切れでまだテンパイしていない、いつもの水巻ならこの放銃は楽にかわせるはずなのに水巻らしくない放銃である。
勢いがついたか、次局12000を太田から上がる。
南4局3本場
11巡目に佐藤がリーチ。高目をツモれば2着となる
佐藤   ドラ 

次巡太田もテンパイが入りリーチ

しかし一歩届かず、宣言牌ので佐藤に8000は8900の放銃となってしまう。
水巻の大トップで3回戦は終わった。
水巻   +73.5
上野   +16.9
佐藤   -7.0
太田   -83.4

第4回戦東家から上野、佐藤、太田、水巻。
東2局 ドラ
親の佐藤が早くも4巡目にテンパイ

イーペーコードラドラのテンパイ、待ちはドラ表示牌のペン、これをヤミテンに構える。
そして7巡目にを持ってきて打

マンズを伸ばして行きたいというのはわかる、ペンよりあがりやすそうである。
しかしドラがなので普通切るならからでは・・・
いやいやこの切りこそ佐藤らしい一打である。ピンズの形もよくしてが入ってもリーチという考えなのである。
狙い通り次巡を持ってきて待ちに変化しリーチ。

このリーチを受けて水巻、
   ツモ
アンパイのない水巻、一発目に切った牌はである。佐藤と付き合いの長い水巻ならではの人読みの入った一打である。
結果は一人テンパイで流局だったがおもしろい一局であった。
東4局  ドラ
ここまであまり調子の出てない太田、1巡目にいきなりドラのを切る。
太田  
   ツモ
あまり調子がよくないから流れを変えるためなのか緊張しているからなのか思い切った打牌である。
このドラのを佐藤が少考してポン。
佐藤
  ポン
バックではあるがここをあがれば大きなリードとなる。すぐに親の水巻からが出てさらにポン。
   ポン ポン
12巡目にでテンパイ。同順に親の水巻もテンパイ、リーチと来る。
佐藤
   ポン ポン
水巻

佐藤が水巻の当たり牌を持ってきてと入れ替え一発で12000の放銃となってしまう。
南3局2本場 ドラ
12巡目上野がリーチ。

これを受けて16巡目カンでテンパイしていた佐藤が無スジのを持ってきて降りる。
が、17巡目佐藤の最後のツモでまたテンパイ復活。長考してリーチ。

ツモ番はないがが山に眠ってる可能性が高くリーチをかけている上野がハイテイなので狙ってリーチを打つ。
結果は流局となってしまうがはともに王牌に眠っていたのである。
この半荘も制したのは水巻である。
水巻   +41.7
太田   +14.3
佐藤   ―14.9
上野   ―41.1

今回は卓の都合上2卓しかお伝えを出来ないが、どの卓も非常に興味深くおもしろい麻雀であった。皆さんもぜひこの最高位戦最高峰リーグ、Aリーグの観戦にどうぞお越し下さい。観ればその臨場感が溢れる戦いに、きっと伝わってくるものがあるはずです。 
文 C1リーグ 吉村 昌敏

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