Aリーグ第6節レポート
水巻渉自戦記
-100.3
5節を終えての自分のポイントだ。
まだ半分以上を残しているとはいえ、現在8位。
最下位とのポイント差が約50となれば、否が応でも降級の二文字が頭をよぎる。
とはいえ、やることは何も変わらない。
揺れない心で、局面に殉じるだけだ。
1回戦 (起家から村上、平賀、上野、水巻)
東1局 ドラ
配牌チートイツのイーシャンテンをもらうが、終わってみればまさかの1人ノーテン。
しかし、河に並んだ唯一のトイツは今の自分には捕まえられないもので、納得の3000点。
東1局1本場 ドラ
2巡目に以下の形になる。
狙いはソウズのホンイツ一点だが、ただがむしゃらにソウズをかき集めればいいというわけではない。
捨て牌にも気を使わなければならない。
特に、ドラ色のホンイツと疑われた場合、易々とその色をおろしてくれる輩はAリーグにはいないし、
もしその色を打ち出してくるような者がいたら、それは危険信号が灯ったと言えるだろう。
を打った後にツモで打。
次巡ツモ切り。
5巡目に2枚切れのをツモって打でこの形。
、、は鳴く。
、…もおそらく。
、は鳴かないつもりだった。
当然、この選択が絶対とは思ってはいないが、周りの三人の打牌傾向を加味して、これくらいのバランスかな、という感じだ。
次巡にポンで打。
をツモ切ったさらに次巡、を鳴いてション牌のを打ち、8巡目テンパイ。
自分の河は以下の通り。
(4巡目のとがツモ切り)
まあ、ホンイツには見えないだろう。
そのままツモ切りを続けて、他家にさしたる動きもなく迎えた12巡目。
ドラのをツモった。
ちなみにこの時点では-は3枚見え、とはション牌で、
ツモアガリのみに関しては-の方が若干勝るかな、とは思っていた。
しかし、手出しと、ドラのをツモ切った場合の相手の対応を考えると、出アガリに関してはツモ切った方が良いだろう。
結論としては、どちらに受けてもそう大差はないということ。
ただ、一つ言い切れることがある。
それはどちらに受けるにしても、時間を使ってはいけないということ。
せっかくホンイツには見えない捨て牌が出来ているのに、ここで考えてしまっては全てが水の泡。
Aリーグの猛者どもなら、すぐにホンイツの可能性まで疑い始めて、出アガリなどは遥か彼方だ。
強者というのはこういう牌譜に出ない部分でも非常に隙がないもので、とにかくやりづらい。
16巡目にをツモり、--にマチカエて、村上から4枚目ので出アガリ。
打った親番の村上は、チートイツのイーシャンテンからで、前巡にが3枚切れになったところでの打ちだった。
自分が村上の立場でもこのは打つだろう。
手出しは、との振り替わりに見えるからだ。
一見、12巡目にを打ってもを打っても、16巡目ので--になりアガれていそうだが、
先にを打った場合は、16巡目にドラのの異常事態となるわけで、果たしてそれでもは出たのだろうか?
東2局 ドラ
13巡目の村上の先制リーチに、15巡目に親の平賀が追い掛けるも、流局。
平賀
村上
村上の、「らしい」リーチ。
点棒状況も含めてアリだとは思うが、リスクを考えると、自分だったら打つかどうかは微妙。
東2局1本場
上野が6巡目に發のポンテンで、平賀から1000は1300。
まだ東2局で僅差といえど、トップ目で特に自分に手が入っていない時に、局が潰れていくのは気持ちがいいものだ。
東3局 ドラ
前巡にテンパっていたピンフを、10巡目にカラ切りリーチ。
テンパイ打牌はなのだが、そのが同巡に合わされるような形で打ち出されたのを見ての着手。
カラ切ったのは、ツモ切った場合よりもナメられにくいようにするため。
これが本手の場合は逆にツモ切りリーチと出る。
多少のリスクはあるが、この-ならばなんとかなるかな、と思っていたが、
同巡にツモ切り追っ掛けリーチが入った時はさすがにヤバイかな、と。
Aリーグにおいて、ツモ切り追っ掛けリーチの本物度は体感95%だ。
ともあれ、思惑通り(?)4巡後にをツモって、700・1300のリー棒付き。
点数以上に気持ちよし!
東4局 ドラ
親番を迎えての配牌はこれ。
ワンズ、ピンズが早い巡目に伸びて、中のトイツを落としのメンタンピンドラ1辺りが理想だが、
現実的には中を鳴いて相手とぶつからないうちに1500で連荘かな、という感じ。
実際は後者で、早いとは言えないが、6巡目ポンの7巡目テンパイで、11巡目に平賀から出アガリ。
打った平賀だが、自分と同巡にこんな5200テンパイが入っていた。
ここにを引いての打だった。
東4局1本場 ドラ
7巡目にテンパイが入る。
カンは悪くはないが、形と平賀の2巡目チーを見て、慎重にダマテン。
平賀はおそらくピンズのホンイツで、形も打点もそこそこ。
親番とはいえ、リーチを打つ時にはぶつかるのを覚悟しなければならない、と思っていた。
次巡、ツモ。
好形変化枚数が減り、親番先制。
いわゆる押さえつけリーチを打ちやすい状況だ。
だが、自分の選択は切りのダマテン続行。
切りリーチを悪手とは思わない。
リーチを打つことによって局面が伸び、ツモってウラドラの4000オールになることもあるだろう。
しかし、これではただの博打なのだ。
Aリーグでは(=メンツがキツくなると)、親リーだからといって全員がそうそう簡単にオリてくれるわけではない。
もちろんいつもというわけではないが、だいたい1人は押し返してくる、それも的確にだ。
今局のように、早い巡目にリャンメンチーが入っていたり、ドラが見えていなければなおさらだ。
さらに次巡、ツモ、打でリーチ。
山に3.5枚はいると思っていた。
この待ちで負けるなら、まったく後悔はない。
2巡後にあっさりをツモって、ウラ1で、2000は2100オール。
上出来。
東4局2本場 ドラ
こんな配牌を丁寧に打ち進めて、11巡目にはこう。
当然のリーチ。
例のごとく、ワンズのホンイツの上野とぶつかったが、すぐにをツモり、2600は2800オール。
かなりの好感触だ。
東4局3本場 ドラ
12巡目にまたもや先制リーチ。
が3枚飛びなので見た目ほどの待ちではないが、最悪流局連荘くらいはできるだろうと高をくくっていると、
イーシャンテンの上野がツモ切った現物ので村上が1000は1900。
さすがに、そうそう何連荘も許してはくれないか。
東場を終えて、
村上 20500
平賀 22100
上野 24700
水巻 52700
それぞれの親を蹴って、オーラスの自分の親番で、さらに加点といきたいところだ。
南1局 ドラ
3巡目に上家からのをフカすと、すぐにそのがアンコってイーシャンテン。
次巡重なったを叩いて、カンテンパイ。
どこかから火の手が上がる前に捌きたいと思っていたところ、8巡目に一番嫌な村上の親リーが入る。
一発目には通りそうなを打つものの、次々巡のドラ表でダウン。
のアンコ落としを始めると、平賀からも追っ掛けリーチが入る。
めくり合いの軍配は、残念ながら村上に。
ロン
仕掛けた自分に自由に打たせないためのリーチだろう。
ちなみ打った平賀の手牌は、
例によって本物だった。
南1局1本場 ドラ
こんな配牌だったが、ピンズのツモに恵まれ、9巡目にはドラののポンテンが入る。
のターツ落としの瞬間だっただけに、1枚切れのくらいは拾えるか、と思ったが、結果は流局。
終盤、少考を繰り返していた親の村上に、最終巡目でうまくテンパイを取られてしまった。
うーん、うっとおし。
南1局2本場 ドラ
配牌、ツモ共に悪く、親を含めた二人が早そう。
早々にオリ本線のできちゃったチートイツ狙い。
8巡目に上野が切ったに平賀からロンの声が。
ドラ単騎にして、仮テン。
自分のピントは合っているな、と認識。
南2局 ドラ
村上の先制リーチに、親番平賀がイーシャンテンからマッコー勝負。
しかし、軍配は再び村上に。
ロン
自分はというと、ピンフのイーシャンテンが入っていたが、もちろん、金持ちケンカせずだ。
南3局 ドラ
さあ残すは上野の親番だけ、これさえ蹴ればオーラスはやりたい放題の王様だ!などと思っていられたのも束の間。
親の上野が2巡目にドラのをアンカン。
しかし同時に自分にもアンコのがのり、5巡目にはこの超充分形。
ダマテンのケアは当然するが、この形ならば基本的にはリーチが入るまでは無視するつもり。
はいつでもチー、上野の進行度合いと-の場況によるが、の重なりはリーチを打つつもりだった。
7巡目にチー、打で高目8000のテンパイを入れる。
チー出しがカンドラのだけに、他家からはあっても2000点くらいに見えるのではないだろうか。
村上 27600
平賀 22000
上野 16200
水巻 54200
この点棒状況ならば、サシコミも充分に期待できる。
その期待通りに、平賀がサシコミにきてくれたようだ。
、、ときて、次巡かと首を長くして待っていると、待望のが場に放たれた。
「ロン」
「ロン」
かぶる2つの声。
もう1つの声の主は上野だった。
アンカン
上野の申告が続く、
「12000」
打った平賀の心中やいかに?
南3局1本場 ドラ
9巡目に村上がをポンしてドラのを打つ。
ポンテンが入っていそうだ。
そのドラを平賀がポン。
こちらはまだ良くてイーシャンテンという感じ。
村上も同じように思っていたのだろう、下家の平賀に対して無スジをツモ切る。
平賀、手出しを2つ入れた後に村上のツモ切ったをチー。
完成したようだ。
これを見て村上ものトイツ落としでまわっている。
同巡、アンパイを打ち続けていた自分に偶然テンパイが入る。
を打てばテンパイだが、これは平賀の本命の1つ。
完全アンパイはゼロだが、はほぼ通る。
点棒状況を確認する。
もし平賀に8300を打ったとしても、上野の親が流れ、オーラスは全員にマンチョクセーフの親番だ。
それに、このがアタると決まったわけじゃない。
打。
「ロン。8000は8300」
覚悟の打牌だったので、動揺や後悔はなかったが、今見直してみるとやや疑問が残る。
今回トップを取るということに関しては、を打った方が良いのかもしれない。
しかし、長いリーグ戦においては素点の8.3ポイントというのはバカにできない。
果たしてこのは打った方が得だったのだろうか?
南4局 ドラ
13巡目にピンフドラ1の-テンパイが入る。
待ち的には悪くないと思っていたが、リー棒を投げると上野に8000が打てなくなってしまうので、慎重にダマテン。
次巡、村上から出アガリ。
さあ、次局からは王様だ!
南4局1本場 ドラ
村上が2巡目にダブポン、4巡目にペンチーと仕掛ける。
自分は、
こんな配牌が13巡目には最高形に仕上がり、リーチ!
テンパイ確実な村上も終盤にオリ。
これだけ楽な状況というのは、そうそう訪れるものではない。
積めるだけ積もう。
南4局2本場 ドラ
3巡目にドラのを打ったのはここから。
連荘が最低目標にして、絶対ノルマだからだ。
10巡目に村上がリーチ。
12巡目に自分も追いつく。
無スジのを飛ばしてダマテンに構えた。
はションパイで、は1枚切れ。
オリる気など毛頭ないが、ツモときた時だけリーチに踏み切ろうと思っての選択だ。
同巡、平賀がを打ち上げ3900は4500で終了。
二軒リーチならあのは?の思いが頭をよぎったが、目の前の5万点という点棒を見て一息つくと共に、残り3回もと気を引き締めた。
第6節トータル +79.2P(1,1,4,2着)
第6節終了時 -21.1P
総じて、メリハリの効いたいい麻雀が打てたと思う。
まだまだ上も下も可能性は充分にあるが、あまりポイントを気にすることなく、来節以降も自分の麻雀を打ち続けよう。
文責 水巻渉