コラム・観戦記

前期C1リーグ白組最終節観戦記

前期C1リーグ白組最終節レポート

1位・2位がB2リーグに昇級、12位~15位がC2リーグに降級である。

卓組み

A卓(浅埜1位・土井2位・松本4位・依田8位・武田9位)
1位浅埜と2位土居の直接対決の上位卓。
浅埜は3位と160Pくらいの差があるので、開始時点で90%ぐらいの昇級確率。
対して土井は安心できる位置ではない。プレッシャーに負けずに逃げ切れるか?

B卓(志村5位・河本6位・関本7位・大関11位・紺谷12位)
5位から12位と全員が中頃に位置する中位卓。
ポイントはギリギリ降級ラインの12位紺谷が同卓者をまくって残留できるか?
5位・6位・7位の3人は大きくポイントを稼げば昇級チャンス!

C卓(太田3位・仲山10位・小山13位・須山14位・石崎15位)
3位太田以外は全員マイナスの下位卓。
周りは必死にポイントを叩きにくるので、
太田がそのペースに巻き込まれずに自分の麻雀が打てるかが鍵。

1回戦

A卓(浅埜抜け番)
東3局に依田がメンホンチートイをリーチしてツモると、
東4局親番でもメンピンツモウラ2600オールで5万点越え。

オーラス、依田45000親・土井30700・松本30400。
熾烈な二着争いの二人が染め手で仕掛けてテンパイ。
南4局 ドラ
土井
 

松本
  

松本のテンパイ打牌は初牌のだったが、土井はこれをポンせずスルー。
次に松本が初牌のを切ると、なんと親の依田がロン!
依田
 ロン

イーペイコー白ドラで7700。
後で土井に話を聞くと、親の依田が押してきてテンパイなのはわかったので、
發は鳴かずに安牌として持ち、危険牌を引いたらまわるつもりだったとのこと。
土井と松本、対応力の違いが出た1局だった。

このまま依田トップ土井二着で終了。大トップの依田は4位に順位を上げた。

B卓(志村抜け番)
東4局の親番で紺谷が連荘して5万点を越えるが、
大関が仕掛けて南西チャンタホンイツドラドラのハネ満をツモると、南場の親でも加点し逆転。
大関
    ツモ ドラ  

結局大関が5万点越えのトップで7位浮上。

C卓(太田抜け番)
マイナスポイント者同士の血で血を洗う争いを制したのは仲山。
ポイントもプラスに戻して9位浮上。

2回戦

A卓(土井抜け番)
要所要所でアガった浅埜がトップ。
トータルを300Pとして見事昇級確実ランプ点灯!

B卓(河本抜け番)
大関の勢いが止まらない!
志村も白發ホンイツチャンタなどをアガって追いすがるが、オーラスに大関がアガリきって2連勝。
志村
   ロン

開始時の残留ボーダーから4位まで浮上し、昇級も遠くに見えてきた。

C卓(仲山抜け番)
須山がトップで1回戦のラスを挽回。
厳しい状況だが残留に望みを繋ぐ。

3回戦

A卓(松本抜け番)
土井が白チャンタツモドラドラのハネ満をアガって5万点近いトップ!
土井
 ツモ ドラ

下の追い上げから逃げる土井、連勝すれば優勝もあるか。

B卓(関元抜け番)
好調の波に乗る大関、南入時点で4万点越えのトップ目!
3連勝すれば最後の半荘次第で昇級も見えてくる。
しかし・・・。
南1局 ドラ
大関

の形からを仕掛けてる親の志村に対して切りとすると、
次巡アガリ牌だったを持ってくるとを切って、南發の3900放銃。
中途半端な対応を見せてしまう。
結局親の志村に連荘され捲くられると、オーラスには紺谷にも捲くられ3着落ち・・・。
風は確かに大関に吹いていた、ただしっかりと掴まえることが出来なかった。残念。

一方、志村は5万点越えトップで3位浮上。残り2半荘に賭ける。

C卓(小山抜け番)
須山が南ドラ3の満貫などを着実にアガって2連勝!
4回戦は抜け番だが他者の動向をチェックしながら、最終半荘に挑む。

この卓で苦しいのが開始時3位の太田。
下位陣のハングリー精神に気合負けか、3着4着と振るわない。

4回戦
4回戦の注目は5回戦抜け番の選手。
各卓開始時に上位の選手から抜け番になるために、各卓最下位の選手は5回戦抜け番。
最終半荘に抜け番になるためにポイントの目安にされやすい。(若干不利)

A卓(依田抜け番)
注目の5回戦抜け番の選手は武田。
降級に首の皮1枚、残留ボーダーギリギリの11位。
ラス前に三色をツモってトップ目に立つと、
オーラスはポイントを考えながら無理せず丁寧に打って確実にトップをものにした。

B卓(大関抜け番)
注目の5回戦抜け番の選手は紺谷。
降級の崖っぷちに立たされた12位。
しかしここで奮起して東3局の親で5万点越え!
これに待ったをかけたのが関元。
メンタンピンの高目三色のほうをツモって紺谷にハネ満を親っかぶりさせると、
オーラスの満ツモ条件もきっちりとタンヤオツモドラドラをアガってトップ。

紺谷は現状11位と微妙な位置で終了。
果敢に仕掛けて前に出て攻める姿が武田と対照的だった。

C卓(須山抜け番)
注目の5回戦抜け番の選手は石崎。
残留ボーダーまでは200P以上離れた15位。
最終節が始まる前からかなり厳しい状況で、最終半荘を始まる前にほぼ降級確実。
それでも終始きちんとした麻雀を打ち、最後にトップをとって男の意地を見せた。

そして自分が終わったあとも最後まで残り、昇級者に祝福の声をかけていた。
対局だけでは伝わらない、一人の選手の姿がそこにあった・・・。

この時点で昇級争いは、1位浅埜(270P)2位土井(170P)3位志村(60P)・・・。
ポイント差と1位2位が同卓で卓回ししやすいことなどを考えると、昇級は上の二人で決まりだろう。
一方残留争いは目が離せない。
14位石崎(-200P)15位小山(-220P)の二人はほぼ降級として、
8位仲山(6P)から13位須山(-100P)まで誰が落ちるかわからない。
11位紺谷(-38P)が残留ボーダーであり、紺谷の対局が終了してることを考えると実際の目安になるだろう。

5回戦(最終戦)

A卓(武田抜け番)
注目は10位の松本(-11P)。
松本は2節終了時までは首位だったが、気付けば今はこの位置。
ボーダーの紺谷との差は-27P、ラスなら降級の可能性大。最後に一踏ん張りできるか。
松本は役ありツモり三暗刻の形でリーチなどいつも通りの麻雀を打ち、
オーラスの土井とのトップ争いには敗れるが2着で終了。残留圏に踏みとどまる。

B卓(紺谷抜け番)
注目は12位の河本(-45P)。
紺谷との差7Pをまくれば、残留濃厚。まくれなければ、降級濃厚。
その河本、東2局に満貫をツモり大きなアドバンテージを得る。
しかし東3局親番で関本に白中ホンイツの満貫を放銃してしまい振り出しに戻る。
粘る河本、南2局にリーチをかけて最後のツモでツモって、リーチツモ白ウラ2000・4000。
残留に確かな手応えを感じると、オーラスも逃げ切りトップで終了。
粘り強さはベテラン健在をアピールした。

C卓(須山抜け番)
注目は13位の須山(-100P)。
ボーダー紺谷をまくるには62000点以上のトップと条件はかなり厳しいが、
1回戦のラスの後に2連勝でここまで僅かな望みをつないできた。
最終半荘の奇跡の大まくりに賭ける!
須山東1局親番で怒涛の連荘、なんと条件を満たす63000点まで点棒を稼ぐ!
しかし4本場に満貫放銃で54000点に。最後まで油断できない。
他家の連荘もあり南1局の親番がまでに49000点まで点棒を減らすが、
この親番でもタンヤオツモドラドラの満貫などで64000点まで復活。
このまま点棒を減らすことなく条件を満たす大トップ!

結果、他の選手もポイントを伸ばしたために須山の奇跡の残留はならなかった・・・。
しかし、最後まで諦めずに自分に出来る精一杯の努力をし続ける彼女の姿は、
この日もっとも深くボクの記憶に残ったのは間違いない。

最終結果
1 浅埜 一朗 254.9
2 土井 孝輝 221.3
(以上2名がB2リーグへ昇級)
3 太田 元基 64.6
4 大関 忍 40.4
5 関元 宏純 38.6
6 志村 友基 8.3
7 河本 智彦 2.2
8 松本 浩司 1.0
9 依田 暢久 -3.5
10 武田 哲也 -7.2
11 仲山 真史 -12.1
(以下5名がC2リーグへ降級)
12 須山いづみ -36.6
13 紺谷 博 -37.9
14 石崎 光雄 -205.1
15 小山 直樹 -279.5
16 鈴木 朗央 途中休場

勝ったもの、敗れたもの、それぞれ一人一人にドラマがあった。
後期C1リーグ開幕は7月11日。
頂点を目指して戦士たちの戦いは続いていく・・・。

レポーター 平賀聡彦

コラム・観戦記 トップに戻る