Classic予選1.2.3組は全三日間で行われる。
今節は第2節。最終節をいい位置で迎えられるよう、本戦への切符を賭けて選手たちの死力を尽くした闘いが始まる。
――予選1組――
東4局、トップ目で親番を迎えた新津潔代表。をポン、嵌をチーして
チー ポン
の高め11600のテンパイ。これに対し忍田(麻将連合)、木原(日本プロ麻雀協会)は降り気味に回し打つが、真っ向勝負を挑んだのが須藤。11巡目にリーチを敢行。決着はつかず次局に持ち越しかと思われたが、新津が海底でをツモり4000オール。これが決め手となり新津は55000のトップに。オーラス、丁寧に手牌を進めた木原が
ドラ
このリーチ。忍田からこれを出上がり2着を確保する。
その忍田は最終戦、後が無いオーラス親番で執念の連荘。1本場に
ポン ドラ
この西単騎の2000オールをツモり、トップ目の土田まで1000オールor3900出アガリ差まで迫る。
打ち切り最終局、なんとかトップで終えたい忍田だったが、土田の手が非常に良く、3巡目には
ドラ
この形。ここからを引いて,と払って行く。ツモも良く、なんと7巡目にはこのテンパイ。
ドラ
有賀がリーチと来るが、知ったことかとノータイムで無筋を叩きつけてゆく。
結果は有賀の700/1300。加点はできなかったものの、土田は3連勝で11位から2位へと大躍進した。
最高位石橋もオーラス微差をことごとく競り負けるも安定してポイントを伸ばし、首位に立つ。
第2節終了時成績
1 石橋 伸洋 29.3
2 土田 浩翔 24.7
3 嶋村 俊幸 20.8
4 須藤 泰久 17.8
5 忍田 幸夫 15.9
6 村上 淳 0.4
7 新津 潔 0.2
8 佐藤 崇 -1.7
9 木原 浩一 -4.9
10 水巻 渉 -6.8
11 有賀 一宏 -36.1
12 須田 良規 -65.6
(上位8名が本戦へ通過)
石橋「1組は団子なので、最後まで気を抜かないように全力を尽くします。」
忍田「プラスポイントを維持できるように頑張りたい。」
――予選2組――
2回戦、小林(麻将連合)が開局親番で大連荘。6本場まで積み54000まで点棒を伸ばす。が、なんと・・・東2局には親番の中嶋龍太に放銃もなく捲られてしまう。Classicルールは和了連荘、ノーテン罰符無しと親権の維持が非常に難しい。が、和了を重ねた時の得点力も高く、その重要度を改めて思い知った。あおりを食った同卓の下出(麻将連合)、根本はこの日通して苦しい半荘が続き、上位からボーダー下まで落とされてしまう。
続く3回戦、またしても小林と中嶋のデッドヒートかと思いきや、オーラスひょっこり親の坂本が出てくる。細かく連荘し2着目の中嶋をかわすと、
リーチツモ
この2000は2300オールで一気にトップ目へ。オーラス4本場坂本40400、小林33700。小林の序盤の手牌がこれ。
ドラ
条件は出あがりは6400必要だが、ツモなら10002000でクリアとなる。これを
リーチツモ
の1300/2600でまくり返してトップ。が相当薄かっただけに値千金のツモだった。
RMUから2組に参戦の多井・阿部・河野だが、本年度のClassicでは思うように結果を出せていない。
1着2着と順調に来て前述の小林・中嶋・坂本の三つ巴を前に痛恨のラスを引いた多井。4回戦に
から打としてからの
ツモ
続く親番で
からまとめあげ
このリーチ。選択が難しい手牌を立て続けにツモ和了りトップ目に立ち、いよいよ来たかと思うも近藤にあっさりまくられ2着。
河野は4回戦小林からドラのが隠れ暗刻の満貫を出和了るも平賀にかわされ2着。
そして4回戦起親スタート阿部の3巡目。
どこから仕掛けても字一色の超大物手が入る。
4巡目にを仕掛けて一向聴。とは1枚切れで他家も止まり辛いが・・・これがなかなか顔を出さない。15巡目、坂本からを鳴きついに聴牌。続くを加カン。が、ツモれず・・・
次巡、を打ち出してきた坂本が長考後、を暗カン。リンシャン牌に手を伸ばすと、そのまま力強く引き寄せた。
リンシャンツモ ドラ
坂本には大きな、阿部にとっては天国から地獄へ落とされるかのような2000/4000。もし、引いてきたを加カンしなければ?あるいは坂本がを押さなかったら?麻雀はほんの少しの打牌の差で恐ろしいほど結果が変わることもある。
坂本はこのまま8000、2600オールなど点棒と積み重ね、60000近いトップを積み上げる。対する阿部は、オーラス土井の隠れドラ3に放銃し800点差でのラスとなってしまう。好調の坂本はこの日63ポイントをプラス。首位で最終節を迎えることとなった。
第2節終了時成績
1 坂本 大志 80.8
2 近藤 誠一 62.8
3 平賀 聡彦 58.2
4 冨澤 直貴 34.5
5 依田 暢久 34.0
6 土井 泰昭 30.7
7 小林 剛 12.8
8 中嶋 龍太 -3.3
9 佐藤 聖誠 -13.3
10 根本 佳織 -13.7
11 鈴木 たろう -27.3
12 下出 和洋 -29.1
13 須山 いづみ -38.6
14 多井 隆晴 -52.1
15 河野 高志 -55.1
16 阿部 孝則 -82.3
(上位8名が本戦へ通過)
多井「数字は気にせず、自分の麻雀を打ち切れればいいな、と思っています。」
小林「このルールはやっぱり良いですね。」
坂本「また決勝の舞台へ行きたい。ベストパフォーマンスが出せるよう準備していきます」
――予選3組――
至高の守備派のフレーズで知られる、日本プロ麻雀協会五十嵐代表。第21期、Classicルール最後の最高位である。順調にポイントを伸ばす五十嵐だが2回戦目にまさかの落とし穴が。
40000点ほどのトップ目から5200、8000と放銃し微差のラスを引いてしまう。
その後は持ち直しこの日は2.4.1.3とサイクルでポイントを伸ばし6位につけた。
同じく日本プロ麻雀協会の矢島亨。今年協会Aリーグ入りを果たし攻撃的な麻雀で知られる。
3回戦南3局50000点のトップ目からドラのをポンして7700和了。あくまでも攻めの姿勢を崩さない。続くオーラス、あっさりと
このテンパイを果たし、更なる加点を狙いながら自力で勝負を決めに行った。ラス親の3着目山田さんも鳴かずに対子落としなどでじっくり手を作り
のダマテンに。二人の勝負はどうなることかと見守っていると、矢島の切ったに西家菊崎からロンの声が。
ドラ
まさかのツモり四暗刻倍満。この和了でなんと菊崎の逆転トップとなった。
同じく3回戦、篠原と競る清水(麻将連合)は南3局、
ドラ
この5200は5800で篠原をつき離すと、オーラス親番で丁寧な七対子を2400で出和了り更に加点し、次局は静かに手牌を伏せた。4回戦はラスを引いてしまうものの、この日プラス35ポイントで最終節に望みをつないだ。
昨年度決勝進出、今期唯一の一般参加である山田昌和さんにも注目したい。
第1節はマイナススタートしたものの、この日は初戦トップ。続く2回戦オーラス。
トップ目の谷井(RMU)とは9400点差。3着目の曽木とは2700点差の2着目で迎える。が、、供託リーチ棒が1本ある4本場となっていた。供託、リーチ棒が非常に大きな意味を持つのもClassicルールならではといえよう。
曽木が早々にのポン、チーとしてタンヤオ模様。それを受けた山田さんの手牌
ドラ
ここから9を切り出していく。山田さんは非常に慎重な打ち手である。多くは自分の手牌の欲に負けて甘い牌を切ることもあるが、山田さんは決して注意を怠らない。
の暗刻落としをしていくうちに、曽木が更にをチー。もうテンパイである。
ここから山田さんは上手く危険牌を打たずにチー、チーとして
チー チー ツモ
この渾身の300/500ツモ。2着を守った。
現在三組首位は圧巻の平林。平林はリーグ戦は出ていないもののClassicでは毎年良い成績を残している実力者。菊崎もこの日大きくポイントを伸ばし2位に躍進した。
また、3位佐久間、6位五十嵐など日本プロ麻雀協会勢も良い位置につけている。
第2節終了時成績
1 平林 佑一郎 149.1
2 菊崎 善幸 75.1
3 佐久間 弘行 61.0
4 村田 光陽 55.0
5 篠原 建治 48.4
6 五十嵐 毅 38.2
7 三ヶ島 幸助 33.1
8 濱 博彰 32.5
9 矢島 亨 31.3
10 山田 昌和 21.1
11 伊達 直樹 13.8
12 沖野 立矢 6.0
13 京杜 なお 2.3
14 山下 健治 -0.8
15 清水 英二 -3.5
16 谷井 茂文 -8.4
17 熊林 真也 -23.9
18 吉田 光太 -26.7
19 石井 一馬 -35.7
20 淵田 壮 -47.6
21 曽木 達志 -49.5
22 茅森 早香 -111.0
23 長南 雅明 -130.6
24 山口 まや -135.2
(上位10名が本戦へ通過)
山田「ようやくプラスにすることができた。少しでも長く打ちたいので、本戦に残れるよう頑張りたい。」
以上Classic予選1.2.3組第2節レポートをお送りしました。
Classicは昇降級ポイントもあるため、本戦進出以外にも来年以降へ向けた順位争いも激しいものとなります。次節最終節はどのような激闘が繰り広げられるのでしょうか。
最終節は6/13(水)、銀座「柳 本店」にて正午より開始です。観戦自由ですので是非熱い戦いをその目でご覧ください!
(文中敬称略)