12月9日(日)、横浜「シルバー」にて『第10期アマ最高位戦』の決勝大会が行われました。
全国の予選を勝ちあがってきた35名の方々に、昨第9期アマ最高位の石川貞夫さんを加えた総勢36名が真剣勝負で火花を散らしました。
決勝大会は本戦4回戦を行い、上位12名が準決勝に進出。
準決勝は順位により3卓にわけられ、総合ポイント上位4名が決勝に進出します。
そして決勝戦1回戦を行い、第10期アマ最高位が決まります。
全てポイント持ち越しで行われるので、本戦での戦いも非常に重要となってきます。
本戦4回戦をトップで通過したのは横浜予選代表の楢原和人さん。
1回戦で6万点トップ、2回戦で8万点トップとダントツで準決勝進出を決めました。
唯一の北海道代表、藤澤奈都子さんは、最終戦大きなラスさえ引かなければ、というところで無念のラス。わずか1.4ポイント届かず、惜しくも敗退してしまいました。
第9期アマ最高位の石川貞夫さんもあと一歩が届かずここで敗退となりました。
(上位12名が準決勝進出)
準決勝は3卓に分かれて行われます。
☆準決勝1卓☆
(写真左から岡田さん、藤原さん、楢原さん、芝さん)
1卓は岡田さんがリーチ攻勢で先行。芝さん・藤原さんも多彩な攻めを見せますが、中々和了には結びつきません。
そんな中、トータル首位の楢原さんが南1局でドラのとのシャンポン待ちタンヤオをドラでツモ和了り2000-4000。これで大きな放銃をしない限りは決勝はほぼ安泰に。
続く南2局、トータル10位で大きなトップが欲しい岡田さんはヤミテンで藤原さんから満貫を出和了ると南3局ではこのテンパイ。
ドラ
が2枚切れでダマテンにしていると、をツモってくる。長考の末岡田さんは打でリーチ!
するとなんと一発ツモは!4000-8000で大きな大きなトップで決勝へ望みを繋ぎました。
☆準決勝2卓☆
(写真左から古川さん、前田さん、嶋村さん、望月さん)
2卓は稀に見る乱打戦となりました。
東1局、嶋村さんがメンピン即ツモドラ裏のハネマンをツモって先制。
東2局9巡目には前田さんに
ドラ
このヤミテンが入る。これを古川さんからアガリ12000。東1局ハネマン親被り、この跳満を放銃してしまい苦しくなった古川さんの「受難」はまだ続きます。
続く東3局、1本場では古川さんが満貫のテンパイを入れるも上がれず。2本場では
ドラ
7巡目にサンメンチャンリーチを打つ古川さん、掴んだドラがまたしても前田さんに放銃。
ドラ 裏
またもハネマン・・・しかし古川さんはまだ諦めない!またまたサンメンチャンでリーチ!
ドラ
今度掴んだドラは望月さんのドラ単騎待ち七対子に放銃となり満貫・・・点棒を借りることになってしまいます。
もはや後がなくなった最後の親番またも渾身のサンメンチャンリーチ!
ドラ
しかし願い空しくも同テンのを前田さんにツモられる。次局リーチ1発チャンタを望月さんから出アガリ一矢報いるものの時既に遅し。悔しい敗退となってしまいました。
前田さんは大きなトップで首位楢原さんとの差を大きく詰め、嶋村さんも大きな2着をキープし、決勝が見えてきました。
まさに「受難」で敗退となってしまった古川さん。ほんの少し何かが変わっていれば、全てのアガリをモノにできていたかもしれません。しかし何度放銃の憂き目にあっても冷静に点棒を支払い、最後まで諦めず、何度も何度も勝負手を作り戦う姿は素晴らしかったです。 是非とも来年また決勝へ挑戦して欲しいと思います。
準決勝3卓
(写真左から佐々木さん、吉沢さん、板谷さん、西村さん)
こちらは非常に細やかな押し引き攻めあいが見られる卓となりました。
西村さん、板谷さんが先手を取り、どちらかがどちらかをかわす軽いアガリの応酬。
吉沢さん、佐々木さんは手を作ってゆくが中々本手が決まりません。
やや平たい状態で迎えたオーラス。
点棒状況は
親 西村さん 30900
板谷さん 36500
吉沢さん 21000
佐々木さん 31600
先手を取ったのは親の西村さん。 –待ちのピンフリーチを打つ。
吉沢さんもポン、ポンと仕掛けて満貫のカンテンパイ。ツモれば2着に届き、別卓次第となるが・・・
しかしなかなかアガリが出ないまま迎えたハイテイ直前。
吉沢さんの切ったに佐々木さんの手が止まります。
佐々木さんはの形でカン待ちのテンパイを入れていた。は両者の現物、ハイテイで無筋を持ってくるリスクか、親にハイテイを回すリスクか・・・考え末佐々木さんはをポン。
西村さんに回ったハイテイにいたのはなんと!嬉しい2600オールでトップに踊り出ます。
時間打ち切り最終局となったオーラス1本場、
2着まで4900点差の3着目佐々木さん、5巡目にイーシャンテンになります。
ドラ
ここへ をツモりテンパイを果たした佐々木さんでしたが、スコア表に目を落とし熟考の末選んだのは!
最高のをツモってくるとヤミテン。見事でチャンタ三色を討ち取り2着へ浮上しました。
(上位4名が決勝戦進出)
見事な倍満を和了しトップを獲得した岡田さんでしたが、決勝へはわずかに及びませんでした。
そして最終局冷静な判断で2着にあがった佐々木さん。あそこで着順を上げていなければ敗退となっていました。素晴らしい選択で決勝への最後の切符を獲得しました。
☆決勝戦☆
(写真左から楢原さん、前田さん、佐々木さん、嶋村さん)
ポイント持ち越しのためかなり有利なのは楢原さん。東1局に役無しヤミテンの300・500をツモあがると、丁寧な打ち回しで局を消化していきます。
そして迎えた南1局。
東2局に5200を和了り仮のトップ目に立っていた親番の佐々木さんは
ドラ
ここから打!安易な手広さよりも一通への渡りを見据えた選択。ここからツモ、と引いてリーチ!を引き当てるとウラドラも乗って4000オール。
猛攻はまだまだ止まりません。1本場はドラのペン待ちでリーチ。するとドラアンコから七対子ドラドラのテンパイになってしまった嶋村さんから余ったでロン。裏も乗せて7700は8000。
そして2本場には、
リーチツモ ドラ 裏
とどめの6000オール!!これで佐々木さんの持ち点は70000点を軽くオーバー。首位楢原さんまであった84ポイントの差をわずか15ポイントまで詰め寄りました!
3本場もタンピンイーシャンテンまで漕ぎ着けますが、仕掛けていた前田さんに3900は4800を放銃でついに親落ち。流局を2度挟んでついに勝負はオーラスを迎えます。
南4局 2本場
持ち点 現在のトータルポイント
楢原さん 22600 189.1ポイント
佐々木さん 72000 174.0ポイント
前田さん 15600 132.0ポイント
嶋村さん 8800 53.2ポイント
オーラスを迎えてその差は15ポイント。供託もあるため佐々木さんの条件は6400直撃かハネマンツモ。
前田さんは三倍満以上が必要になってきます。
ギャラリーの見守る中サイコロが回り、オーラスが開始されます。
イニシアチブを取っていったのは佐々木さん。
ポン ポン
と落としていっての直撃条件のトイトイ。ここから佐々木さんは脇から出たをスルーすると、更に打たれたをポン!単騎での直撃狙いに切り替えていきます。これを見て狙いを察した楢原さんでしたが、単騎のため待ちを絞るのは難しく、非常に苦労しながらもようやく流局。ラス親の嶋村さんもテンパイを入れており二人テンパイで更に差が縮まってしまう。
このノーテン罰符によって、佐々木さんは5200出和了、満貫ツモ条件と一気に条件が軽くなりました。
そして、、、運命の最終局。
ここまで慎重かつ丁寧な打ち回しを見せていた楢原さんが腹を括ったこの仕掛け。
チー ドラ
北家のため三色に懸けた勝負に出た。上手くツモが効いてテンパイを果たすが、そこへ襲い掛かる佐々木さんの渾身のリーチ!
楢原さんが一発で持ってきたのは・・・佐々木さんの入り目である。
ツモ
ピタリと止まり、悩みに悩む楢原さん。その指がに触れる。
三色がある。マンズを鳴けるか引けるかすればテンパイは復活できる。現物のを切って凌ぐか・・・?
しかし佐々木さんも確実に逆転のリーチ。とするならば・・・
楢原さんの決断は打!引いてなんかいられない。戦うんだ。
次の瞬間、親でテンパイを入れていた嶋村さんが河に置いたで、第10期アマ最高位戦は幕を閉じました。
優勝 楢原 和人 さん (関東代表) 192.5 ポイント
準優勝 佐々木 仁一 さん(東北代表 174.5 ポイント
第3位 前田 憲吾 さん (中部代表) 131.0 ポイント
第4位 嶋村 一晃 さん (関東代表) 51.8 ポイント
第10期アマ最高位 楢原 和人 さん
(写真右:新津 潔 最高位戦代表)
準優勝 佐々木 仁一 さん
第3位 前田 憲吾 さん 第4位 嶋村 一晃 さん
余談ではありますが、佐々木さんの2巡後のツモは。佐々木さんのツモアガリの牌。
即ち、もし仮にあの時に触れた指がそのまま動いていたら、栄冠は楢原さんの手からすり抜けていたということ。
攻守のバランスに優れ、ここ一番の勝負所で押せたからこその優勝。
楢原さん、本当におめでとうございます!
そして、参加頂いた皆様、素晴らしい戦いをありがとうございました。