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【決勝進出者決定!!Classic準決勝レポート】

最高位戦Classicもいよいよ大詰めの準決勝を迎えた。

 

 

今日1日で決勝に進む4名が決まってしまう。

準決勝にも、これまでの本戦と同様に途中での足きりが存在する。16名で総当りの5回戦を行い、その時点で1位は決勝に進出。下位7名は敗退となる。残る8名で最終6回戦を行い、上位3名が決勝に進出となる。

また、最終戦はその時点での1位・4位・5位・8位が同卓、2位・3位・6位・7位が同卓となるため、ポイントを大きく離されなければ直接対決で逆転することも可能になってくる。

 

準決勝に進出したのは以下の16名。

 

  

  現Classic 宇野 公介 選手 (最高位戦)   予選1組1位 須藤 泰久 選手 (最高位戦)

 

  

 予選2組1位 平賀 聡彦 選手(最高位戦)        坂本 大志 選手 (最高位戦)

 

   

      松ヶ瀬 隆弥 選手 (RMU)           矢島 亨 選手 (日本プロ麻雀協会)

 

  

     沖野 立矢 選手 (最高位戦)             齋藤 敬輔 選手 (最高位戦)

 

  

     鳥居 裕一 選手 (最高位戦)             冨澤 直貴 選手 (最高位戦)

 

   

    谷井 茂文 選手 (RMU)             五十嵐 毅 選手 (日本プロ麻雀協会)

 

   

     佐藤 崇 選手 (最高位戦)              近藤 誠一 選手 (最高位戦)

 

  

    コウ 選手 (日本プロ麻雀協会)          土田 浩翔 選手 (最高位戦)

 

1回戦組み合わせ

1卓 宇野 公介 松ヶ瀬 隆弥 鳥居 裕一 佐藤 崇
2卓 須藤 泰久 矢島 亨 冨澤 直貴 近藤 誠一
3卓 平賀 聡彦 沖野 立矢 谷井 茂文 コウ
4卓 坂本 大志 齋藤 敬輔 五十嵐 毅 土田 浩翔 (敬称略)

 

緊張感に包まれた会場で、誰よりも早く和了を手にしたのは1卓松ヶ瀬選手。

7巡目にメンタンピンリーチをかけると一発ツモ(一発はないが)の1300・2600。会場内での初和了をものにする。

松ヶ瀬選手はその後も和了を重ね、悠々と一人浮きでのトップを獲り、幸先の良いスタートを切った。

 

圧倒的な力強さを見せたのは土田選手。

南1局に待ちで2600オールをツモり一人抜けたトップ目に。そのまま迎えたオーラス、

 

 ドラ

 

この手を2段目でリーチ。片アガリではあるが役あり、南ポンも見える。また、2着目の親五十嵐選手とは12500差、3着目の坂本選手との差が16700差であるため、リーチ棒を出すのはややリスキーではある。

実はこの後すぐに親番の五十嵐選手が

 

このテンパイに漕ぎつける。ドラのを掴みドラ単騎に受けかえるも、土田選手が高目のをツモり2000・3900。大きなトップをものにした。

素点がものをいうClassicルール。しかも1日勝負とあってはトップ目から更に叩きに行く土田選手のリーチは至極良い選択なのだが、実はすぐ近くまで危険が迫っていたことは知る由もないだろうか。

 

落とし穴はどこにでもある。ハマってしまったのが平賀選手。

親番で13巡目にリーチドラ1の中張牌シャンポンリーチをかける。

この時、北家沖野選手はドラ1のカンチャンテンパイ。すぐにドラを引きシャンポンへ、さらにドラヘッドの両面に変化させながら回し打つ。

南家のコウ選手も無筋を何枚も切り飛ばして押す。沖野選手は残りツモ1回のところで中筋だが初牌のを掴み撤退。その直後に平賀選手が掴んだのも。これがコウ選手のメンホンチートイに刺さって8000点。若干やりすぎな感もあったリーチだったが、手痛い放銃となった。しかし平賀選手はその後両面3種残りから三色の仕掛けを始めてフリテンツモの10002000などで盛り返し、なんとか2着まで戻すことが出来た。超攻撃型の平賀選手。まさに嵐のような男である。

 

本戦まで2回役満をツモりあげた豪腕冨澤選手。我慢の展開が続くも南3局には

 ポン 

こんな恐ろしい手が入る。も親の須藤選手のリーチ後に2枚目を渋々ポンした形である。

豪打炸裂なるか!と思うも親の須藤選手がのシャンポンをツモあがり1000オール。

須藤選手はこのアガリで近藤選手をまくってトップを獲った。

 

1回戦終了時

1     土田 浩翔    32.9
2     松ヶ瀬 隆弥    25.8
3     須藤 泰久    22.3
4     コウ    19.3
5     近藤 誠一    11.8
6     平賀 聡彦    7.0
7     宇野 公介    3.6
8     五十嵐 毅    -0.4
9     沖野 立矢    -4.5
10     佐藤 崇    -7.0
11     冨澤 直貴    -9.2
12     坂本 大志    -10.7
13     谷井 茂文    -21.8
13     齋藤 敬輔    -21.8
15     鳥居 裕一    -22.4
16     矢島 亨    -24.9

 

 

2回戦組み合わせ

1卓 宇野 公介    須藤 泰久    平賀 聡彦    坂本 大志
2卓 鳥居 裕一    冨澤 直貴    谷井 茂文    五十嵐 毅
3卓 佐藤 崇    近藤 誠一    コウ    土田 浩翔
4卓 松ヶ瀬 隆弥    矢島 亨    沖野 立矢    齋藤 敬輔

 

東1局、3卓でわずかな油断から勝負を左右する決定的なアガリが飛び出す。

北家近藤選手が13巡目に待ちでリーチ。この時親の佐藤選手は

 

 ドラ 

 

このイーシャンテン。跳満まで見える勝負手だ。すぐにをツモってテンパイを果たす。しかし佐藤選手は丁寧に、のトイツ落としにかかる。初牌のは打たれ辛く、勝負手とはいえ同じく初牌のを打ち出すリスクを回避したのだろう。アンパイのを引き更に打。近藤選手の最終ツモは・・・ドラの。ツモ切るが声はかからない。そして佐藤選手の最終ツモが・・・。6000オールを、逃したのか・・・。ふっと息を吐き、を切って単騎のテンパイに組む。そしてハイテイ。

 

「ロン。24000」

 

え??

 南家のコウ選手がノータイムで打ち出して来た河底牌は、まさかのだった。コウ選手にしてみれば今通ったこの瞬間に、しかもその打点のテンパイが入るとは、なんたる不運といったところか。佐藤選手もリーチ後は安全そうな牌しか打っていないし降りているようにも見えた。とはいえ手出しは手出しである。ノータイムでドラを打ち出したコウ選手に油断があった部分は否めない。土田選手が佐藤選手を猛追するも佐藤選手はこの点棒を守りぬき、大きなトップ。コウ選手は残り800点のラスを引き、1回戦目のアドバンテージを失ってしまった。

 

1回戦をトップで2位スタートの松ヶ瀬選手。2回戦も幸先良く東2局に11600を出アガリ。そこへ立ちはだかったのが矢島選手。続く東3局の親番で猛連荘。44000と松ヶ瀬選手をかわしてトップ目に。この後も加点し52000点の大トップ。流石の爆発力である。

 

爆発力では須藤選手も負けてはいない。東4局に11600、7700とアガリ一気に天上人に。気分良く連荘する須藤選手だが、連続放銃で後が無い平賀選手のメンピンドラドラリーチに

 

 

このイーシャンテンから無筋を叩き切ってかぶせてゆく。もちろん安牌を抜いていく選択肢はあるし、点棒が突き抜けたこの状況なら降りを選択するのが普通だろう。しかし!結局をツモ切ったところで7700に御用となった。この放銃が仇となったか、南1局坂本選手の連荘により追いつかれてしまう。 オーラスなんとかアガリ切ってトップを獲ったものの、須藤選手としてはヒヤヒヤものだったか。この押しバランスこそが須藤流の真骨頂。高打点での手数は随一のものだろう。

 

2回戦終了時

1     須藤 泰久    51.2
2     土田 浩翔    49.5
3     松ヶ瀬 隆弥    34.5
4     佐藤 崇    33.4
5     坂本 大志    5.8
6     宇野 公介    -7.0
7     谷井 茂文    -18.1
8     コウ    -21.9
9     平賀 聡彦    -27.8
10     矢島 亨    9.9
11     鳥居 裕一    2.0
12     近藤 誠一    -8.0
13     沖野 立矢    -12.4
14     冨澤 直貴    -16.7
15     五十嵐 毅    -22.0
16     齋藤 敬輔    -57.4

 

 

3回戦組み合わせ

1卓  鳥居 裕一    近藤 誠一    平賀 聡彦    齋藤 敬輔
2卓  宇野 公介    矢島 亨    谷井 茂文    土田 浩翔
3卓  松ヶ瀬 隆弥    須藤 泰久    コウ    五十嵐 毅
4卓  佐藤 崇    冨澤 直貴    沖野 立矢    坂本 大志
 

ここまで2着・3着と我慢の展開が続いていた現Classic宇野選手がついに大爆発。

東1局からアガリにあがって点棒を積み重ねる。途中の5200放銃もご愛嬌程度の大旋風。極めつけは南1局に単騎のチートイツをリーチしてツモりあげ3200オール。これで持ち点57000点を越えた宇野選手。Classic連覇へ向け一歩踏み出した。こうなると2着はキープしておきたい3名。南1局1本場では矢島選手がカンのドラ1リーチを打つと谷井選手が高め三色ので追いかけリーチ。が、をポンした2着目の土田選手が1000点でなんとかかわし、2着争いは土田選手がリードしてオーラスを迎える。

ラス親の土田選手が31600、北家谷井選手が24300で迎えたオーラス。

谷井選手が執念で

このテンパイを入れるも、は既に場に2枚。そこへ既にひとつ仕掛けていた土田選手が谷井選手からチー。食い流れて来たのは・・・ラス牌のだった。力強く引き寄せた3000/6000の声は心なしか少し上ずって聞こえた。同時に土田選手の「あーあー、やっちゃったなぁ」と小さく呟く声も。流れや読みを重視する土田選手、ここは読み違えたか、痛恨の親被りで3着に落ちてしまった。

 

 

4卓も熾烈なせめぎ合いが続いていた。

坂本選手が佐藤選手から3900をあがれば、佐藤選手がハイテイで1300/2600をツモるなど、一歩も譲らない戦いが続く。

迎えた南3局。佐藤選手が早々に仕掛けて

 ポン ドラ

このイーシャンテン。このまま佐藤選手が捌くかと思いきや、沖野選手も仕掛け返す。

 ポン ポン

チンイツまで見えるホンイツトイトイのイーシャンテンに。こうなるとが薄いため佐藤選手は若干不利か?沖野選手がツモで広く受けるとこのを親の坂本選手がポン。

 ポン ポン

実際この仕掛け合いはわずかな間の出来事だったのだが、三者の仕掛けにより一気に局面は終盤を迎えた。

全員がアガリに向かい牌をめくり合う中、ラス牌のを引きテンパイを入れた佐藤選手がを手元の踊らせ、嬉しい2000/3900。これが決定打となりこのトップで佐藤選手は決勝へ向け大きく前進する。

 

3回戦終了時

1     須藤 泰久    72.3
2     佐藤 崇    53.2
3     土田 浩翔    41.1
4     松ヶ瀬 隆弥    30.6
5     宇野 公介    29.1
6     坂本 大志    11.1
7     谷井 茂文    -7.8
8     鳥居 裕一    -16.4
9     近藤 誠一    -17.0
10     コウ    -17.1
11     平賀 聡彦    -19.4
12     冨澤 直貴    -25.1
13     矢島 亨    -28.1
14     沖野 立矢    -30.1
15     齋藤 敬輔    -38.4
16     五十嵐 毅    -44.0

 

 

4回戦組み合わせ

1卓  佐藤 崇    矢島 亨    平賀 聡彦    五十嵐 毅
2卓  松ヶ瀬 隆弥    近藤 誠一    谷井 茂文    坂本 大志
3卓  宇野 公介    冨澤 直貴    コウ    齋藤 敬輔
4卓  鳥居 裕一    須藤 泰久    沖野 立矢    土田 浩翔

 

3回戦のトップでエンジンがかかったか、宇野選手の調子が良い。押す時は押す、引く時は引くという基本的なバランスが非常に優れていた。4回戦も宇野ペースで局が進みオーラス1本場を41200のトップ目で迎えた。

21500持ちのラス目の齋藤選手が先手を取ってリーチ。

 ドラ

これにすぐ追いついた26900持ちの冨澤選手はヤミテンを選択。

ここで冨澤選手がを引き打。終わったかと思いきや齋藤選手はスルー。直撃なら安目でも3着だが、ツモで30200のコウ選手を捲って2着になろうという算段か。ここまでマイナスが溜まってきている齋藤選手の苦しい選択だ。齋藤選手が欲したを冨澤選手が空切るとこれがコウ選手のチートイツに刺さってしまう。

 

これで2着コウ選手が33900となり差が広がって若干きつくなったが、続く2本場は冨澤選手が絶好のドラ単騎のチートイツをリーチ。誰も使っていなそうに見えたがその通り山に3枚生き。これを力強くツモりあげ浮きの2着に回った。

 

4卓では鳥居選手が南1局親番での2600オールで頭ひとつ抜け出す。

南3局では沖野選手が親番でのシャンポンリーチ。須藤選手がすぐにを掴んでしまうも切りきれず、全体的に通りそうなのトイツ落としに手をかけると、このが鳥居選手のチャンタと3色の方の3900に当たり。これでラス目に落ちた須藤選手。3連勝の快進撃もここでストップか・・・

その須藤選手、オーラス親番で渾身のリーチ。

 ドラ無し

しかしわずか5巡目に打ったこのリーチも全員にオリに回られ、ツモれないまま流局を迎えた。

かと誰もが思った最終ツモ番、本人も少し驚いた表情でを手元に置いた。この4000オールで2着まで復活した須藤選手。一打の怖さが今日は特に光っている。

煽りを食ったのはここまで良い調子で来ていた土田選手。手痛いラスでポイントを半分減らしてしまう。

 

4回戦終了時

1     須藤 泰久    78.3
2     佐藤 崇    62.3
3     宇野 公介    49.3
4     松ヶ瀬 隆弥    22.2
5     土田 浩翔    21.6
6     谷井 茂文    17.8
7     坂本 大志    11.4
8     鳥居 裕一    5.2
9     矢島 亨    -5.4
10     冨澤 直貴    -14.3
11     コウ    -23.4
12     近藤 誠一    -34.5
13     沖野 立矢    -38.2
14     平賀 聡彦    -41.2
15     五十嵐 毅    -55.0
16     齋藤 敬輔    -63.1

 

 

5回戦組み合わせ

1卓  松ヶ瀬 隆弥    冨澤 直貴    平賀 聡彦    土田 浩翔
2卓  佐藤 崇    須藤 泰久    谷井 茂文    齋藤 敬輔
3卓 鳥居 裕一    矢島 亨    コウ    坂本 大志
4卓  宇野 公介    近藤 誠一    沖野 立矢    五十嵐 毅
 

いよいよここで上位1名が勝ち抜け、下位7名が敗退となる。 マイナスの選手達はもう大きめのトップを目指していくしかない。あとが無くなった選手達ががむしゃらにアガリに向かっていく。

コウ選手・沖野選手らが7700をあがり、平賀選手も東発から2600オール、7700は8000、5200と一気に点棒を積み重ねる。彼らの粘りにより勝負の行方が俄然面白くなってきた。

 

しかし上位陣の強さ、安定感は更にすごい。

南一局、須藤選手が谷井選手から7700一閃、するりとトップをモノにすると、佐藤選手もきっちりと2位をキープ。

宇野選手も南場に入ってからトップ目沖野選手から3200直撃、近藤選手から3900直撃とあがっていき終わってみれば安定のトップに。

 

平賀選手に大きく離された松ヶ瀬選手だが、自身の親番で少しずつ点棒を伸ばしていき、南3局の2600オールでついに平賀選手をかわす。 迎えたオーラス1本場、時間打ち切りの最終局。

松ヶ瀬44200

平賀39200

冨澤20000

土田17600

 

先手を取ったのは平賀選手。

 

 ドラ

 

このリーチで勝負を懸けてくる。しかし他の選手も黙ってはいない。

親番の冨澤選手も追いついてリーチ!!

 

 

更には土田選手も

 

 

ここから萬子が強烈な伸びを見せ

 

 

倍満のテンパイにこぎつける。 ギャラリーが見守る中、勝負は決することなくハイテイを迎える。そこには・・・

 

 ツモ

 

平賀選手がハイテイツモの3000/6000を引きあがり、奇跡のトップ。これによりわずかに鳥居選手をかわして9位に滑り込み、最終6回戦へなんとか望みをつないだ。

 

5回戦終了時

1     須藤 泰久    100.2      決勝進出
2     宇野 公介    69.7
3     佐藤 崇    69.2
4     松ヶ瀬 隆弥    36.3
5     坂本 大志    14.4
6     土田 浩翔    2.1
7     谷井 茂文    -4.1
8     コウ    -5.0
9     平賀 聡彦    -6.7


10     鳥居 裕一    -10.0        ここから敗退
11     矢島 亨    -11.6
12     沖野 立矢    -31.3
13     冨澤 直貴    -43.4
14     五十嵐 毅    -57.7
15     近藤 誠一    -59.1
16     齋藤 敬輔    -72.0

 

須藤選手が準決勝進出を決め、残る椅子は3つ。 2位・3位の宇野選手・佐藤選手はほぼ安泰といえるだろう。

トップ・ラスでも30程度しかポイントが動かないClassicでは55ポイントの差はあまりに大きい。

つまり的となるのは4位の松ヶ瀬選手。それでも坂本選手でトップ3着かトップラス条件、他の選手はトップラスを決めた上10000~20000点程度の差をつけなければならない。

 

6回戦

1卓 起家から平賀・坂本・土田・宇野


決勝へはほぼトップ条件の坂本選手。東3局に平賀選手のリーチを受けて

 

 ドラ

 

この追いかけリーチ。 安目ながら一発でをツモり大きく前進。しかし続く東4局、宇野選手のダブポンに対して、早い巡目からオリを意識して先切りしたが5800につかまってしまう。更には土田選手の

 

ドラ リーチツモ

1300/2600や

 

平賀選手の

 リーチツモ ドラ

3900オールなどで坂本選手はついにラス目に落ちてしまう。

1本場で1300/2600をあがり、追撃の構えを見せ迎えた親番では

 

 ドラ

このチャンス手。 満貫まで見えるこの手をなんとかあがって望みを繋ぎたいが、勝負は無情。

 ポン ツモ

土田選手のこの満貫ツモで再びラス目に落ち、オーラスを迎える。

平賀 364 土田312 宇野296 坂本228  ドラ

ラス親である宇野選手はこのくらいの点数であれば最悪ラスでもほぼ通過。絶対に無理はしないと思われるため、実質最後の一局となる。坂本選手はハネマンツモでトップを獲った上で、別卓の松ヶ瀬選手の3着以下が条件となってくる。土田選手・平賀選手も満貫・跳満をあがって大きめのトップを獲った上で松ヶ瀬選手の着順次第か。

 

注目の序盤、

土田選手

坂本選手

 

二人ともドラが1枚ずつ。北家の土田選手はホンイツが見えそう、坂本選手はピンフ形の整った形で345の三色ができればといったところか。土田選手はやはりホンイツに寄せていくが、が重なってチートイツへ。

 

 

トイツ王子の真骨頂が見られるか!?ドラドラチートイツになれば一気に決勝の可能性が見えてきたが・・・。

坂本選手は10巡目に

 ツモ

テンパイ。リーチを打てば満貫だが、ツモっても満貫。しかし、を打っているためタンピン三色へ修正は難しい。萬子を払っておいて引きでの一通を目指すか?悩む坂本選手。下した決断は打でのリーチ。

点数は変わらないが一発でこれを引き寄せ2000/4000。

わずかに届かず2着に終わる。

坂本選手「2着でも、松ヶ瀬選手が25000点未満のラスならば条件が残る。もう、それをただ祈ってあがるしかなかった。」

決勝への切符の行方は、別卓松ヶ瀬選手の結果にゆだねられた。

 

 

2卓 起親から、谷井・佐藤・コウ・松ヶ瀬

なんとか2着以上は確保しておきたい松ヶ瀬選手。

東2局に好配牌を得ると、

 

6巡目にはこの形。

 

 ドラ

 

格別大きな情報もないため、手成りで打かな・・・?と思ってみていると打。三色含みを残した。

の受けはなくなるが、引きでの三色は魅力的である。準決勝での松ヶ瀬選手の戦いぶりを見ていると、手役、特に三色をかなり重視した打ち回しが印象に残った。目論見通りツモで、今親の佐藤が打ち出したばかりのドラをあわせてヤミテン。あっさりをツモり500/1000。

佐藤選手も 全く無理をする必要がないため、静かに局が進行していく。

 

迎えた南1局。

北家の松ヶ瀬選手が早々にテンパイをいれる。

 

 ドラ

 

もう後が無い親番の谷井選手もなりふり構わず必死の仕掛けをいれてゆく。

 

チーチー

 

そこへ追い討ちをかけるかのようなコウ選手のリーチ。

 

 

 

松ヶ瀬選手がツモで同テンのノベタンに受けかえると、谷井選手のツモはどうにもならない

苦悶の表情を浮かべる谷井選手。しかし、大トップが必要な最後の親番。ここで連荘せねばもうチャンスは巡ってこないかもしれない。ふっとひとつ息を吐き、河に置いたのは。二人からロンの声がかかるも、コウ選手の2600で頭跳ねとなった。

 

佐藤選手の親番は流局となり、コウ選手の最後の親番。必死にアガリを模索するコウ選手だが、佐藤選手があっさりと1300をであがり、残すはいよいよオーラスのみとなった。

 

南4局 親番松ヶ瀬33600 谷井20600 佐藤33600 コウ32200

現在同点トップの松ヶ瀬選手。コウ選手の条件は倍満直撃・三倍満ツモなのでほぼ安泰。順位点を同点のままわけることができれば坂本選手が51600以上のトップをとらない限りは通過となるが・・・

 

 ドラ

ここから をチーして打もチーして打。コウ選手から1500を出あがった。

松ヶ瀬選手「あのままでも、万が一でも他の選手の大トップでかわされていたら嫌だった。2着順下がる可能性もあったし、通過に向けて最大限の努力をしたかったんです。」

最後まで緩めずに戦った松ヶ瀬選手が最終戦もトップを手中にする。

 

そして、ついに決勝戦への4名が出揃った。

 

最終結果

1     須藤 泰久    100.2
2     佐藤 崇    76.8
3     松ヶ瀬 隆弥    53.4
4     宇野 公介    53.2
5     坂本 大志    20.5
6     平賀 聡彦    8.6
7     土田 浩翔    -2.8
8     コウ    -8.3
9     谷井 茂文    -25.5
10     鳥居 裕一    -10.0
11     矢島 亨    -11.6
12     沖野 立矢    -31.3
13     冨澤 直貴    -43.4
14     五十嵐 毅    -57.7
15     近藤 誠一    -59.1
16     齋藤 敬輔    -72.0  

 

 

 

1位通過 須藤 泰久 選手

 

準決勝とにかく圧巻だったのが須藤選手。何者をも寄せつけない強さを見せてくれた。決勝でもこの爆発的な強さが発揮されたら、他の選手は成すすべもなくやられてしまうかもしれない。

 


「予選1組1位でジャンプアップしたので、今日の準決勝はプレッシャーが少しありました。無事責任を果たせてホッとしています。去年宇野プロに預けておいたクラシックのタイトルを今年こそは獲りにいきます。」

 

 

2位通過 佐藤 崇 選手

 

佐藤選手は持ち前の鋭い読みと押し引きで見事決勝進出。予選・本戦では苦しんだが、良く言えば安定感のある勝ち方かと思う。最高位戦若手の期待の星はどんな戦いを見せてくれるのか。

 

「かれこれタイトル戦の決勝という舞台には10回くらいあがりましたが、優駿杯の1回以外は全く勝てなかった。とくにここ最近は苦しい闘いばかり。神様、そろそろいい加減に勝ってもいいでしょうか?(笑)」 

 

 

3位通過 松ヶ瀬 隆弥 選手

 

RMUから唯一勝ち上がった松ヶ瀬選手。あまり知名度は高くないものの、RMUの若手選手の中での実力はかなりのものだ、という話も耳にする。決勝までの戦いぶりを見てもその強さは折り紙付き。経験豊富な三者を相手にどう戦うかは注目である。

 

「タイトル戦の決勝は初めてのことなので、少し緊張しています。気負いすぎず、いつも通りの打牌をしていきたいです。」

 

4位通過 宇野 公介 現Classic

 

そして初の連覇をかけ2年連続決勝進出を果たした宇野選手。

このところの宇野選手の麻雀は見ていて非常に完成度が高いと思う。攻めの鋭さ、受けの強さ、何より気の充実が非常に感じられる。連覇に向け気合は十分。

「ここまで来たら、初の連覇を目指して頑張ります。」

 

 

 

 

決勝戦は二日間全10回戦で行われます。

 

決勝初日は8/26(日)正午より、「神楽坂ばかんす」にて行われます。

選手達の真夏の熱き戦いを是非ご覧ください。

 

 

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