コラム・観戦記

第41期後期北海道C2リーグ第2節自戦記 伊藤奏子

第1節の成績は△100.4ポイントと、いきなり降級点圏内からスタートを切ることになった。
第2節の対局者は、第1節で+153.5と首位を走る、木村翼。
次いで+109.4と木村を追いかける伊藤聖一。
そして、今期から参入の宮永知加。
第1節の上位2名との直接対決である。

1回戦

起家から順に 宮永 伊藤(奏) 木村 伊藤(聖)

前節同様、1回戦目の東1局にアガリを手にできたものの、浮足立った放銃のダメージが大きく、1回戦目はラスとなる。

1回戦の結果
伊 藤(聖) +46.0
木 村    +12.6
宮 永    △15.9
伊 藤(奏) △42.7

 

2回戦

起家から順に 宮永 木村 伊藤(奏) 伊藤(聖)

南3局の親番を迎えた時点で、点数状況は下記のとおり。

東家 伊 藤(奏) 37700
南家 伊 藤(聖) 27800
西家 宮 永    27800
北家 木 村    26700

37700点のトップ目である。
1回戦目でラスを引き、トータルのマイナスポイントもさらに深くなっている状況。
さらに加点して、大トップを目指したいところではあったが、北家の木村に3000/6000を引かれ親っかぶり。
さらに南4局には宮永が3000/6000をツモアガり、2局で9000点を失うこととなった。
トップも2着もスルスルと手中からこぼれ落ちていく。
苦い3着。

2回戦の結果
宮 永    +36.8
木 村    +15.7
伊 藤(奏) △11.3
伊 藤(聖) △41.2

 

3回戦

起家から順に 木村 宮永 伊藤(奏) 伊藤(聖)

東3局 東家

6巡目に下記のテンパイが入る

ドラなし、入り目はが場に1枚、が場に1枚
1回戦目にラス、2回戦目に3着ときて3回戦目の東場の親番で授かったこのチャンス手。
何が何でもアガりたい。
・・・ しかし、そう思う心が冷静な判断を狂わせるのかもしれない。
私の河には字牌もバラ切りされており、イーシャンテン、あるいはテンパイ気配を察知されたとしても、他家にはメンホンが入っているとは気付かれていない様子。
また、も掴んだ者はあっさりと切るだろうと読み、私はヤミテンに構えた。
油断していると親の7700もしくは12000に放銃となるが …
ただ、それと同時に親のメンホンテンパイに感づかれていないため、逆に子方は自由に手を進めていっている。
3巡後、上記のテンパイに、ツモ
さて、どの道を選択するか。
切りの場合

一気通貫が確定したリャンメン待ちとなる。
ヤミテンロンアガリでも、親のマンガンが確定。
ツモればハネマンである。
切りの場合

待ちはのみだが、一通・一盃口が確定しているため、ヤミテンロンアガリでもハネマンである。
ツモ切りの場合

高目でロンアガリはマンガン。
安目で7700のテンパイ。
場にも1枚あるため、アガリの枚数は少ないが、それぞれ山に浅く眠っている場合には、ロンアガリの期待値は高いかもしれない。
または切りの場合

上記のツモ切りと待ちの形は変わらないが、またはを引いた場合にはイーペーコーへの変化があり、さらにそこから先の対子手への変化もないとは言えない?
切りの場合

ソウズのの何を引いてもメンチンのテンパイが組めるイーシャンテン。
上記のように様々なテンパイ形、またはイーシャンテン戻しの形があり、立直をするかしないかでも、その選択肢はさらに広がる。
さて、私がどの選択をしたかというと、ツモ切りでのシャンポン待ちのままのヤミテン続行である。
後々、この局を振り返ってみて、心から反省する。
1、2回戦でマイナスポイントを重ね、気持ちに余裕がない。
そのため、でアガリを拾えるのではないか、という非常に弱く浅い思考でをツモ切ってしまった。
苦しいシャンポン待ちから、マンガン確定のリャンメン待ちに変わる打のヤミテンがおそらくこの状況での正着打だったのではないだろうか。
この局の結末はというと … その後西家の木村からすぐにが放たれて、アガリ逃し。
さらには、悠々自適に手を進めていた北家の宮永からリーチが入る。
一発目に持ってきたのは、3巡目に既に自分が切っている
私のツモ切りに対し、宮永から「ロン」の声がかかる。
リーチ・一発・・ドラでマンガンの放銃となった。

3回戦の結果
宮 永    +45.6
伊 藤(聖) +21.2
伊 藤(奏) △22.8
木 村    △44.0

4回戦

起家から順に 伊藤(奏) 宮永 伊藤(聖) 木村

最終戦、なんとか一矢報いたいところである。

東1局 東家 ドラ

高目三色のリーチをかけるが、ドラ表示牌がのため、三色のアガリはあまり期待できない。
やはり安目のでツモアガリ、4000オール。
その日唯一のマンガンのアガリであった。

東1局 2本場 ドラ

序盤で下記のイーシャンテン

ここに、ツモで打とし、ピンズの形をほぐしたのだが、次巡ツモ
前巡に打とすることができていれば、待ちのテンパイ、もしくはを早めに処理しておけば、自然に待ちのテンパイには組めていたが ・・・
とし、下記のイーシャンテンを組んだ。

後々振り返ると、ここで打といかず、打切りの選択に一考の余地はあったかもしれない。
しばらくしてやっとテンパイが入る。
ツモである。
少考したが、ドラのを切りリーチを宣言した。
すると宮永から「ロン」の声、が暗刻の待ち。
ソウズの形は
最悪の高目放銃である。
私にしか打ち込むことのできない、・一盃口・ドラドラのマンガンであった。

4回戦の結果
伊 藤(奏) △18.4
宮 永    +10.8
伊 藤(聖) +48.9
木 村    △41.3

 

第1節 △100.4 第2節 △95.2 トータル成績 △195.6

リーグ戦は残り3節、現実的な目標に「昇級」を掲げるには、さすがにおこがましい成績である。
目標は、降級点圏内から抜けること、一点に絞られた。

 

 

(文 : 伊藤奏子)

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