C1リーグは半期のリーグ戦。B2以上の通年リーグは12節48半荘だが、Cリーグは5節20半荘。つまりこの5節目が最終節である。昇級は4位までで、4位のポイントは220ほど。少なくとも100P以上は勝たないと昇級できないので最低トップ二回は必要だろう。幸い降級はしそうにないポジションなので、余計なことは考えなくてよさそう。
だからと言ってただ前に出て攻める訳ではない。その瞬間瞬間に適した打牌は心掛けるつもり。いつもの自分通りやれば結果はついて来る。そう信じて対局に臨んだ。
さて、この日の同卓者は平林、中野、柿木の3選手。
とりあえずの目標は同卓の平林より上になること。しかしその平林の調子が良い。一回戦に大きめのトップを取られ、自分は辛くも2着だったものの、早くも昇級に黄色信号が灯る。残り3回で平林を沈めつつ自分も大きくプラスしなければならない。
その2回戦、東2局にチャンス手が入った。
北家 ドラ
配牌
から6巡目に高目倍満のテンパイ。
自分の河が
と、少し派手ではあるが、この瞬間だったらまだ警戒されていないであろう。
しかし他のマンズは切られるもののが出てこない。
結局終盤に親の柿木がタンピンツモで1300オールをツモ。
ひとつチャンスが潰れてしまった。その後決定打が出ることなく迎えたオーラス。
東家 平林 29900
南家 有賀 27900
西家 柿木 33800
北家 中野 28400
1300・2600以上なら平林をラスにしてのトップになれるが、
もはや他人の着順など気にしていられない。是が非でもトップを獲りたいところ。
配牌
ドラ
これが10巡目、出あがりでも条件を満たしたテンパイになり、リーチ。
2巡後、親の平林に追いつかれる。
全体的にマンズが高い場だったが、これをあがれれば希望が見え、
平林にあがられようものなら、残り2半荘がほぼ消化試合になる、そんな捲り合い。
生と死の狭間にいるような、なんとも言えない高揚感の中、
怖いながらも心の底から楽しんでいる自分がいた。
そして‥
恐らくマンズで染めていたであろう中野からがこぼれる。4着から1着になる満貫をあがり、
昇級に望みを繋ぐことができた。
ここまででトータルはプラス170Pほど。
上位陣が崩れずにいたため、昇級ポジションまであと60Pほど必要になっている。
三回戦
オーラスを迎えまたもや混戦。
点棒状況
東家 柿木 18900
南家 有賀 32900
西家 中野 35300
北家 平林 32900
2600をあがればトップ。序盤にこのイーシャンテン
ドラ
は1枚しか切られていないので安全牌という訳ではないが、
重ねることができればよりは価値がある。
中盤に待望のを重ねた後、親からリーチがかかる。
を引き、四暗刻のイーシャンテンになったところでようやくが顔を出した。
当然ポンはしたが、もも危険牌。が2枚切れているので、勝負するなら打、
テンパイ取らずなら打。ここで決めたいと思った自分は打。
これが親に放銃となってしまった。リーチ裏1の3900。
いつもなら、親がテンパイしているのだから流局しても次局勝負、あわよくば周りを引いてテンパイと考えを切っているのだが、自分らしくない打ち方をしてしまった。
今思えば次局もまた焦った選択をしてしまったように思う。
2着になるには3900、トップには6400以上の出あがりが必要になってしまった1本場。
中盤に親からリーチがかかった直後に自分もテンパイする。
ドラ
着順を上げるには2着目の平林から以外の出あがりでは一発か裏ドラが必要。
しかしドラが全て切れており、これ以上の手変わりはないのでリーチを敢行。
そして一発ツモ!
とはいかず、あとは裏ドラにかけるしかなくなった。
14巡目に親がを捨てる。
倒してみたが裏ドラは乗らず、2000は2300のあがりで、2着まで300点届かず。
これが最終戦前の半荘でなければ、倒して裏ドラ期待で良いとは思うが、
降級のリスクがほとんどないのだから、ここで勝負掛けをする価値は充分にあった。
どちらの局も勝負を焦ってしまった感は否めない。
最終戦、3位以上は大きく離れており、4位土井から7位の自分まではこのようなポイント状況。
4位土井 240.4P
5位平林 231.4P
6位小川 204.6P
7位有賀 166.6P
昇級するには平林を捲くるトップをとり、かつ土井、小川がマイナスしてくれることを祈るしかない。
道中、条件を満たした瞬間はあったが、トップをとるも平林を捲くることはできず。さらに、土井、小川もトップをとり、結局昇級ボーダーは270Pくらいに跳ね上がってしまい昇級はできなかった。
半期のリーグ戦で200P以上プラスして昇級できなかったのは、前期に続き2度目。
これで昇級できなかったら・・とは思うが、これがリーグ戦の厳しさであり、醍醐味でもある。
ちょうどこれを書いている時期に、半期先輩の佐藤聖誠選手が決定戦進出を決め(ほとんど決まってはいたが)、坂本大志選手がAリーグに昇級を果たした。同年代で入会期も近い彼らの活躍が嬉しい反面、自分の足踏みが非常に歯痒く悔しい。
来年こそはB2へ昇級し、頂きで待つ彼らに少しでも近づけるよう精進していかなければ。
文責 有賀一宏