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4月より開幕した「飯田正人杯・第9期最高位戦classic」。今期は約200名の参加プロ(一部アマ招待選手含む)を集めた本大会は、8月24日(日)に決勝初日を迎えた。
今期決勝の舞台に立ったのは以下の5名ー
・村上 淳(最高位戦)
・宮本 卓(RMU)
・鈴木 たろう(協会)
・淵田 荘(最高位戦)
・愛内 よしえ(協会)
*通過順(抜け番順)・写真左から・敬称略
今期より決勝へ5名の勝ち上がりとなり、初日5回戦で最下位1名が脱落。8月31日(日)の最終日5回戦で勝者が決まるというシステム。
もう一つ今期から始まった事は、決勝が「スリアロチャンネル」で生放送される事。一般的なアリアリ
ルールと乖離している「classicルール」での対局が視聴者にどれほど受け入れられるか?も注目
の初日となった。
下馬評では第5期にこの大会を勝った村上、協会のメインタイトル「雀王」を連覇中の鈴木が有利と
いう意見が多かった。2人共上記以外の実績も多数で、放送対局の経験も豊富な麻雀界を代表する選手であるから、至極真っ当な話である。
その2人に挑むのは、RMUリーグで抜群の実績を持つ若手のホープ宮本、村上と同期の大ベテラン淵田、紅一点今期classic初挑戦ながら5組予選・本戦と1位通過の愛内の3人。宮本・淵田は初タイトル獲得も掛かっている。
決勝ならではの緊張感に包まながら、1回戦の戦いが始まった。
1回戦開局の様子
■1~3回戦
1・2回戦連勝で絶好のスタートを切ったのは愛内。攻守にバランス良く、気風の良い麻雀で3回戦もリードを広げる。
3連勝なるか?という所で初戦(1回戦抜け番の為2回戦)ラスの村上が奮起し、微差ながら捲くる事に成功。2,2でトータル2着目(3回戦抜け番)に付ける鈴木と共に貫禄ある戦いぶりを見せる。
一方若手宮本と、初の大舞台かつ放送対局を迎えた淵田はには緊張感が見えて、いま一つ歯車が噛み合わない。宮本は連続ラス(2回戦抜け番)、淵田は3、3、3で3回戦までが終了した。
■3回戦終了時スコア
愛内 +41.3 鈴木 +8.4 村上 +1.2 淵田 ▲16.3 宮本 ▲34.6
■4回戦
5回戦抜け番の愛内がこの日最終戦をどう締めるか?独走状態になってしまうのか?
また脱落逃れに背水の陣で臨む宮本の奮起はあるのか?初日山場の4回戦(抜け番淵田)。
まず東1局、ドラをトイツにした宮本が10巡目にして山4枚残り!絶好のカンでリーチ!
これはさすがにツモれそう・・視聴者達の予想はあっさり裏切られて無念の流局。
続く東2局も今度こそと祈りを込めて宮本の6巡目リーチ!ドラは無いが、待ちの高めタンピンの手。字牌しか並んでいない強い河、追いつけそうな者はいない・・・が、強すぎる河が災いした。
安全牌が無く、真っ直ぐ打つしかない親番の村上、急所をあっさり引き続け追いつくと、テンパイ即でカン のタンヤオイーペーコーをツモ。愛内がトイツのラス牌があっさりとツモり、リーチ棒2本を取られた宮本が窮地に追い込まれる。
ここまでの静かな展開とはうって変わった4回戦、まだまだドラマは続く。
東3局3本場鈴木の親番、5巡目に役牌を仕掛けた愛内に、即親の鈴木が追いつきタンヤオドラ
1のカンリーチ!
マンズが安く、 が2枚切れだった事からもリーチに行きやすいが、それでもアガリ連荘、ノーテンバップ無しのこのクラシックルールではダマを選択する向きもあろうが、逆に鈴木なら100%りーチの
局面。平たい状況だった時の鈴木の選択が気になる所。
リーチ後に鈴木が を引いた事もあり、手詰まった愛内がをオリ打ち!痛恨の7700は8600を放縦してしまう。
するとラス目を逃れた宮本がここから800・1600の4本場、500オールと細かいアガリを重ねて、
トップ争いに加わって南場に突入すると、タンピン三色をツモ!
ようやくチャンス手をものにして、愛内一人沈みのままオーラスへ。
迎えたラス親の宮本、ドラの 単騎のチートイツをツモってダメ押し!一気にマイナス分を取り返す
事に成功し、大きなラスとなった愛内のプラス分もほぼ無くなる、という波乱の結果となった。
■4回戦終了時トータルスコア
村上 +9.1 愛内 +5.7 鈴木 +1.2 宮本 +0.3 淵田 ▲16.3
■5回戦
これまで放縦無しとはいえ、殆ど攻めず降りてばかりいた淵田だが、それは意識した戦い方だった
に違いない。初の大舞台、放送対局という事も加味してのものだったのかもしれない。
いくらクラシックルールとはいえ、それほど淵田は降りていた。
結果3連続3着、とはいえ順位ウマで12p(4-12)持っていかれているのだから、▲16.3というスコアは悪くは無いスコアだと思っていただろう。初日を乗り切って、最終日勝負!そんな淵田の意志が
ハッキリと見て取れていた。
ところがー最終戦前にして突きつけられた現実は一人沈みの5位。ここで最低2着、素点によっては
2着でも脱落の可能性が十分ある。
遂に攻める事になった淵田、 他3選手全員脱落の可能性もあり、初日とは思えない緊迫感が
観てる者をも身震いさせる中始まった最終戦。
淵田が東場の親で形が悪いながらもダブをポン。なりふり構わず必死しにアガリにいくと、終盤なんとかテンパイ、最後のツモでアガリ牌を引き当て供託付きの1000オール。この後も加点してトップ目で南場終盤を迎えた。
一方ラス目は4回戦で大トップを取り、そのまま勢いに乗るかと思われた宮本。村上・鈴木と
くぐってきた修羅場の差がでた格好になったか。
ラス前に鈴木より2000をアガリ、少し挽回した宮本だったが、ラス目のままオーラスに突入。
・オーラス時スコア
親 村上 28000 宮本 23900 鈴木 30900 淵田 37200
苦しい立場の宮本だが、1000・2000か5200をアガればOK。その時は現在トータル首位の村上が脱落、当然鈴木も放銃するとラス落ちの可能性があり、3人共ギリギリの状況。
かくして始まったオーラス、宮本が執念でドラの東を重ね、11巡目でカンのイーペーコードラ2、5200のテンパイ。どこからでも出アガリもきき、勿論ツもってもOK。
直後に高め三色ので追いついた村上、宮本のテンパイ気配を感じつつも、
を叩き切って真っ向勝負!
圧巻だったのは、17巡目にツモ。直前に宮本に手出しが入っており、先ほどは通ったが再び通る保証は無い。自分と宮本のツモがあと1回、流局なら勝ち残りが確定する。
暫しの長考、(ここはいかないと思います)との実況席。村上息を大きく吸うと、を再び河に
叩きつけると、最終ツモに眠っていたを引き当て勝負を決めた。
■ 5回戦終了時(初日)スコア
村上 +31.8 愛内+ 5.7 鈴木 ▲2.3 淵田 ▲7.7 宮本 ▲23.5
宮本が初日敗退。残り4者はポイント持越しで最終節5回戦を戦う。
■初日終了時コメント
宮本 卓(RMU)
まだ未熟な自分を痛感したので敗退は納得。また来年この舞台に立てる様に修行します。
淵田 荘(最高位戦)
やはり最初の方は何をやっているかよく分からない状態になってしまったが、じきに卓に集中でき自分の麻雀は打てたと思う。最終節は攻めます!
鈴木 たろう
若干入れ込んだ所はあったが、いつも通り攻め続け、良くも悪くも自分らしい戦いだった。
来週頑張ります。
愛内 よしえ
このルールでの経験不足な所が、最終戦で出てしまった。来週は新たな気持ちで頑張ります!
村上 淳
最終戦は全く手が入らずずっと3着目でヒヤヒヤだった。オーラス攻めきれたのは、決勝は無難な打牌をしていたら駄目でどこかで勝負しないといけないから。結果が出てラッキーだった。
こうして、激闘の行方は8月31日(日)12時~の最終節5回戦に持ち越されました。
初日同様スリアロチャンネルにて全5回戦を完全生放送致します!
皆さま是非ともご覧ください!
■第9期最高位戦classic決勝・最終節
12時~ ニコ生「スリアロチャンネル」で完全生放送!
実況:河野 直也 解説:坂本 大志、近藤 誠一、新津 潔
また、闘牌についての詳細は後にアップされる観戦記をご覧下さい!!