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女流最高位決定戦開幕直前特集!石井あやインタビュー

 

 

先日行われた4団体対抗イベント「四神降臨」の翌日、土田プロと会う機会があった。
最高位戦の大将として出場したご自身の話もそこそこにこのセリフ。

 

「しかし石井さん、初めて観たけど凄いね~。」

今年に入ってから、いったい何度このセリフを聞いただろうか・・・。

 

昨年、最高位戦入会2年目の彼女が連盟主催の「プロクイーン」で優勝した時から
全ては始まった。直後根本佳織の6連覇を阻止して「女流最高位」に輝くと、
今年に入っても勢いは全く衰える事なく、「最強戦女流プロ代表決定戦」を勝ち、
初出場となるモンドでも快進撃を続けている。
「女流」という枠を超えて、今文句なしに麻雀界一輝いているとプロといってよいだろう。

 

前述の土田プロがこの対局の解説で「彼女のハートが欲しい!」と言ったそうだが、
彼女を絶賛する人々は皆「メンタルの強さ」を挙げている。
これはプロ入り2年目でタイトルを2つ取り、その後も活躍し続けている事からも
実証されている。他「守備の正確さ」など勿論技術的に優れている事もあるのだが、
今回は突如トッププロとなった彼女の今までの麻雀との関わりを中心に話を
聞いてみた。


やはり皆さんが一番興味があるのが「その強さの源は?」という所だろう。
まずは彼女のルーツを探ってみる。


編集部(以下、編)麻雀と出会ったのは

いつですか?

 
石井(以下、石):最初の出会いはいくつの時かわかり  ません。それくらい小さいころ、両親が家庭麻雀をやっているのを見ていました。
おばあちゃんを交えて、多分サンマをやってたんじゃないかな?よく父の膝にのってその様子を見てたという記憶があります。

 

編:では幼い頃から鍛えられていた?

 

石:いえいえ(笑)。ちゃんと覚えたのは大学生でその間は全く関わりが無かったです。
小さい頃は割と活発で男の子とも良く遊びましたね。同時に本とゲームが大好きで。
ゲーム得意でしたよ!

 

編:中学・高校はどんな感じの子でした?
 

 

石:至って普通・・・かな。真面目に勉強してましたね。部活もあまりやってなかったです。
まあガリ勉では無かったですけど。友達とカラオケ行ったり、ゲームしたり。普通に青春してました。
小さい頃は親の転勤が多くてあちこち住んでたのですが、この頃はずっと福岡で過ごし、熊本大学
に進学出来たんです。

 

編:そこでやっと麻雀が出てくると(笑)

 

石:入ったバトミントンサークルで麻雀が流行ってて、この時始めてちゃんと覚えました。
すぐ後にセット雀荘でバイト募集してて、バイト始めたんですよ。接客のみだったんですが、
バイトと週1,2位で徹夜で麻雀して。元々ゲーム好きだったせいかハマりましたね。

 

大学に入って覚えた、とここまでは女流プロによくある話。男子では中・高でというのもよくあるが、
女流ではこの年代か家庭麻雀で、という事が多い。この後、彼女は麻雀とどのように関わっていったのか?

 

編:覚えてからどうやって上達しましたか?

 

石:そこで1年位バイトした後、いわゆるギャル雀で働き始めたんですよ。メンバーとして
麻雀を打ってましたけど、まあよく負けてましたね(笑)
その時に周りのスタッフの方などから教えて貰ったりしてましたが、ごく基本的な事で特に挙げる様な事は無いんです。実戦を積み重ねていく内に自然と少しは上達したと思いますが。
でもその後、麻雀を全くやらなくなるんです。

 

編:えっ!?それはどうしてですか?

 

石:大学も卒業を控え、結局就職はしないで大学院に進学したからです。卒業前から大学院にいた頃は一切麻雀から
離れてました。

 

編:話は前後しますが、大学・大学院ではどんな事を学んでいたのですか?

 

石:理学部の地球科学科という所で、地層や化石を研究してました。化石堀りに行ったりもしてましたよ(笑)

 

編:何だか全く想像つかないですが・・良くメディアの方から「石井さんはインテリだ」と聞くのはそういう事だったんですね。

 

石:全然そんな事無いです!大学院に入ったらより専門的になるし、結構大変に感じてきて何か違うかな、と。結局2年位で辞めてしまいました。
その後は実家でのんびりとしてて、また麻雀するようになったんです。

 

編:じゃまたギャル雀に戻ると?

 

石:いやいや(笑)。その頃は普通にフリー行ったり、セットしたり。技術的な事を学んだといえば
この頃かも知れないですね。地元で麻雀好きのちょっとしたコミニティみたいなものがあって、そこの仲間達から色々と学びました。
今の麻雀のスタイル・・スタイルっていうほどの物かどうかは分からないのですが、強いて言えばこの頃に確立されたのかな。

 

編:その後は?

 

石:そのまましばらく経った後、ちょっとしたきっかけがあって東京に出て来たんです。
すぐに友人に誘われて「さんグループ」で働き出しました。

 

編:そこがプロ入りするきっかけだったのですか?

 

石:そうです。お店のマネージャーに勧められました。
プロ団体の事は詳しくなかったけど存在は知っていたので、せっかくなので受けてみようかな?と最初は軽い気持ちで受けてみました。
最高位戦を選んだのは、「最高位」って名前がカッコ良かったからです。(笑)

編:でリーグ戦デビューという訳ですね。最初は通常のリーグ戦も出てたんですよね?(現在は女流リーグのみの出場)
若い時から入る人も多い中、ある程度年齢もキャリアもある中でのデビュー。正直どうでした?

 

石:はい。勿論強い人もいるけど、全くやれない事はないと思いました。それまでに味わった事ない対局の緊張感が凄く楽しくて。

 

いよいよデビューした彼女。謙虚なセリフしか出てこないものの、最初からある程度の手ごたえがあったようなので、本当は相当自信あったのでは?と意地悪に聞くと、やはりはぐらかされてしまう。

ひとまずその後の軌跡について聞いてみる。

 

編:一年目から女流リーグも準決勝まで行って、手ごたえを感じつつ過ぎていったという所でしょうか。
そして2年目。いきなりプロクイーンでタイトルを取ります。勿論初めての決勝でしたが、どんな心境でしたか?勝因など何か印象に残っている事などはありますか?

 

石:特別に何か意識したとか、プレッシャーも無かったです。負けて元々というつもりだったので。
決勝独特の張り詰めた空気が楽しくて仕方無かった事をよく覚えてます。

 

編:無欲の勝利という訳ですね。

 

石:そうですね。抜け番の時にトータルトップの方が大きく沈んで、最後勝っちゃったみたいな。運が良かったのもあります。

 

編:勝った瞬間はどうでした?

 

石:これはいつもそうなんですが、直後は勝った喜びよりも「終わった~」という方が強いです。この時は緊張感から解放されて脱力してる中、どうして良いのか分からずに軽くパニックになりました(笑)。
喜びは後からジワジワと。「勝てて良かった」と感じながらですね。

 

編:その後すぐに女流最高位に。

 

石:自分でもまさかまた勝つとは!とびっくりしました。

 

編:一つ勝った後で何か違った事はありましたか?

 

石:いや、特にないです。プロクイーンの時に着けてた、母から貰ったピアスをまた着けていった位ですかね。

 

編:今年の最強戦(女流プロ代表決定戦)なども?

 

石:はい。つまらなくてすいません。満点の答えで恐縮ですが、皆さまの力強い応援のおかげです。
いつもありがとうございます。

編:では石井さんの長所として皆が挙げ、これだけ勝った大きな要因である「メンタルの強さ」についてはどう思いますか?これまで特に何かで鍛えられたという話も出てこなかったのですが?

 

石:何かの体験で、というと本当に思い当たる所が無いんです。対局中はあまりのめり込み過ぎないように、自分を客観視できるよう心掛けています。のめり込み過ぎると、ミスした時に「絶対取り返そう」とか、反省したりして心が揺れてしまうので。
これが上手くいってるからそういう風に見られていると思うので、それは嬉しい事ですね。

 

 編:もう一つの特徴と言われる「押し引きのバランスが優れている」事も冷静さから来てるのですね。
実際に技術的な事で意識している事はありますか?

 

石:それも良く言われるのですが、特に先制リーチを、とかは無いのです。打ってる時の感覚で自然にやってる感じですね。打牌の理由もまだ常にちゃんと言えないので・・・。まだ自分の麻雀を語るなんて10年早いと思ってます。

と、あくまで謙虚な彼女。要は常に自然体という事なのだろう。自分を良く見せようという気配は全く無く、包み隠さずの本音がそうなんだと確信した。どんな時でもそういう彼女そのままでいれる、という事が長所なのかもしれない。ここで要望が多かった質問へ

編:では趣向を変えて、少しプライベートな事を聞かせて下さい
短期間でこれだけの活躍をしたという事で、生活などに影響のあった事はありますか?

 

石:一番変わったことは、ブログを見に来てくれる人が増えたことですね。
それまでは1日100人も来なかったのに、この1年で6倍くらいに増えました。
応援してくれる人が増えたのかな?
とても嬉しいし、ブログのコメント欄を見るのが楽しみになりました。
それと、若干麻雀を打つ時間が減ってると思います。

 

編:忙しくなった今、プライベートの時間は何をしているのですかね?

 

石:寝てます!寝るのが一番好きです!
それか、天くん(うちの猫)と遊んだりゴロゴロしたり・・・。基本的にぐーたらしてます。

 

編:これはファンの方へのサービスで、好きな男性のタイプは?

 

石:麻雀激強い人です!嘘です。猫が好きな人かな。

編:プロにならなければ・また麻雀と出会わなければ何をしていたと思いますか?

 

石:何やってたんでしょう~?麻雀に出会わなければ、普通にOLとか?
プロになってなければ、旅人になってたかな。

 

 

やはり飾り気無く、素直に答えてくれる彼女。この辺もメディアの方から評判が異常に良い事にも
繋がっているに違いない。最後にこれから始まる決定戦・最強戦の話で締めくくるとしよう

 

 

編:では最後に女流最高位決定戦、最強戦への抱負を聞かせて下さい

 

石:まずは出場させていただくからには優勝を目指して全力を尽くすだけです。
先日のプロクイーンでは、調整不足のまま始まってしまって、全くしっくり来なくてヤバいと思ったら
やはりそのまま終わってしまいました。
これも良い経験になると信じて気持切り換えてしっかりと臨みますので応援よろしくお願いします!

 

最後は力強く締めくくってくれました。31日(月)に迫った女流最高位決定戦、11月の最強戦と
今後の彼女の戦いぶりから目が離せませんね!!

 

構成・文 編集部

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