いよいよ最高位戦Classic予選1.2.3組も最終節を迎えました。
本戦への切符を手にするのは果たして誰か?また1組・2組は首位が準決勝へとジャンプアップするシステムとなっており、首位争いも見ものです。
開幕時のニュースでも触れていますが
最高位戦Classic1.2.3組の組分けは、通常のリーグ戦とは異なるシステムで行われており、
単純に成績上位者が昇級、下位者が降級という従来のリーグ戦のシステムではありません。
予選最終節終了時の順位によって付与されるポイントが累計+10ポイントを超えると翌年ひとつ上の組へ昇級、10ポイントを下回るとひとつ下の組に降級というシステムになっています。
毎年ポイントが翌年に繰り越されていくため、開幕時各選手の保持ポイントはそれぞれ異なります。
今期開幕時+5ポイント保持している選手は+5ポイント以上上乗せすると昇級、△5ポイント保持している選手は△4ポイント以上獲得しないと降級ということなります。
各選手とも本戦進出を大前提に戦いますが、最終節となる今節は成績下位の選手も累計ポイントが△10ポイント以内になるよう各自のボーダーを設定して戦うことになるため、通常のタイトル戦の予選とは異なった特殊な条件戦が繰り広げられます。
予選1組
第2節終了時スコア
1 宇野 公介 73.3
2 木原 浩一 60.7
3 水巻 渉 49.4
4 近藤 誠一 49.3
5 土田 浩翔 43.2
6 平賀 聡彦 41
7 佐藤 聖誠 25
8 石橋 伸洋 10.9
9 井出 洋介 0.2
10 有賀 一宏 -5
11 新津 潔 -23.7
12 忍田 幸夫 -39.4
13 村上 淳 -48.6
14 須田 良規 -53.7
15 嶋村 俊幸 -93.5
16 須藤 泰久 -95.1
1位は準決勝へジャンプアップ。7位までが本戦進出。
首位でスタートした第6期Classicの宇野選手(最高位戦)。1回戦の東1局から一通ドラのド高目をツモって2000/3900。今年の充実ぶりを伺わせる。
しかし南3局、事件は起こった。土田選手(最高位戦)がこれぞ土田流というメンホンチートイツモで3000/6000を引きトップの宇野選手に2200点差に迫ると、オーラスは
ロン ドラ
美しくも超強烈!なこの16000を出和了。放銃してしまったのは井出選手(麻将連合)。手痛いラスを引いてしまう。
土田 浩翔 選手
圧巻の土田劇場はまだ続く。2回戦では東2局にツモり四暗刻をテンパイするとノータイムリーチ!
と1枚切れの待ちだったが、力強くをツモり8000/16000!
裏ドラの無いClassicルールに於いて対子手は打点効率・守備力共に非常に優れています。
つまり対子王子こと土田選手にはうってつけのルール!?今節80ポイントを叩き出し首位で準決勝へジャンプアップを決めました!
逆に非常に苦しいのは井出選手。井出選手は昇降級ポイントが△9ポイント。今節9位以下になってしまうと2組へ降級してしまいます。
1回戦のラスで13位へ落ちてしまい後が無い井出選手。3回戦終了した時点で8位の近藤選手(最高位戦)と40ポイントほど離れた9位につけます。
井出 洋介 選手 (麻将連合)
最終戦、ほぼトップ条件の井出選手。
南1局9巡目 ドラ
とりあえずのテンパイが入るのですが、なんともいまいちなドラ表待ち。
更に井出選手といえば滅多にリーチを打たない事で知られています。とすると三色・平和の手変わりを待って取りダマ?あるいは打で一旦テンパイを外すか・・・?
井出選手の選択は打のテンパイとらず。そして12巡目にドラを重ねてヤミテン。高目のをツモって3000/6000となりました!
これが効いて見事トップを獲得!辛うじて残留を決めました。
予選1組最終結果
1 土田 浩翔 123.6
(↑準決勝へジャンプアップ)
2 木原 浩一 92.3
3 宇野 公介 90.7
4 平賀 聡彦 71.6
5 佐藤 聖誠 45.2
6 水巻 渉 39.8
7 石橋 伸洋 18
(↑本戦へ進出)
8 井出 洋介 ▲9.3
9 近藤 誠一 ▲14.1
10 新津 潔 ▲27.4
11 忍田 幸夫 ▲32.1
12 須田 良規 ▲43.3
13 村上 淳 ▲48.5
14 有賀 一宏 ▲52.4
15 須藤 泰久 ▲132.0
16 嶋村 俊幸 ▲146.1
土田選手のコメント
いや~、麻雀はついたら楽しいですね(笑)
リーグ戦はこのところぐずぐずなので、久しぶりにスカッとした結果を出せました。
1回戦のような高い対子手があがれるとメンタル面が急上昇するからいいね~!
準決勝へ飛び級ということだけども、私はムード派なのでこの戦わない時間というのはあまりよくないからそこだけが気になりますね。
ただやはり対局は非常に心身を消耗するので、私みたいな年寄りにはむしろありがたいかもしれない(笑)
宇野選手のコメント
首位の飛び級狙いで結果は駄目でしたが、現在のシステムになってから予選通過して本戦を戦うのは初めてなので楽しみです。
今年から飯田さんの名前がついたので、他の人も勝ちたい気持ちはあるだろうが、勝つのは僕だ!
予選2組
第2節終了時スコア
1 平林 佑一郎 62.9
2 谷井 茂文 62.3
3 五十嵐 毅 45.9
4 土井 泰昭 41.3
5 坂本 大志 40.3
6 三ヶ島 幸助 39.2
7 多井 隆晴 37.1
8 河野 高志 27.4
9 中嶋 龍太 24.4
10 石井 一馬 22.3
11 福井 仁 21.6
12 佐久間 弘行 -15.9
13 鈴木 たろう -23
14 沖野 立矢 -38.9
15 依田 暢久 -52.3
16 下出 和洋 -53.3
17 小林 剛 -72.2
18 須山 いづみ -75.5
19 根本 佳織 -117.8
1位は準決勝へジャンプアップ。7位までが本戦進出。
かなり接戦となった2組。これまでの結果を見てもポイント差はそうないためこの最終節で大きく運命が変わることとなる。
また、下出選手(麻将連合)・須山選手(最高位戦)・根本選手(最高位戦)は昇降級ポイント的に正念場。
下出選手は14位以下で降級、須山選手は16位以下で降級、根本選手は18位以下で降級とそれぞれ2つ程度順位を上げねばならない。
昇降級を懸けたこの戦いもまたClassicの魅力。
良いスタートを切ったのは土井選手(フリー)と鈴木たろう選手(日本プロ麻雀協会)、そして依田選手(最高位戦)。
依田選手はなんとClassicルールにも関わらず7万点のトップを叩き出しあっというまに借金を返済。あとは上を向いていくだけだったのですが、その後失速してしまい無念の残留。
圧巻は鈴木たろう選手。1回戦東2局にごくごく普通の面子手でドラの単騎リーチを打ち相手を降ろすと悠々ツモって2000/4000。
鈴木 たろう 選手 (日本プロ麻雀協会)
こと駆け引きにおいては群を抜いている鈴木選手。そういった駆け引きは一発裏なしのClassicルールでは非常に強みになることが多い。
鈴木選手はこの日78.7ポイントをたたき出し2組の勝ち頭となるとともに、13位という位置からするするするっと4位まで浮上!見事本戦進出を決めました。
そして熾烈な通過争いは最終局面へ。
最終戦前のスコアはこちら。
1 土井 泰昭 92.6
2 平林 佑一郎 88.8
3 坂本 大志 79.3
4 五十嵐 毅 70.2
5 谷井 茂文 56.5
6 鈴木 たろう 55.7
7 佐久間 弘行 36.3
8 多井 隆晴 23.4
9 福井 仁 21.6
10 中嶋 龍太 19.2
11 石井 一馬 4.6
12 三ヶ島 幸助 1.6
13 河野 高志 -6.1
卓組は
A 坂本・谷井・佐久間・中嶋
B 土井・平林・多井・福井
C 五十嵐・石井・三ヶ島・河野
(敬称略)
最終戦、準決勝へのジャンプアップをかけ、土井プロ・平林選手(最高位戦)は直接対決。別卓で暫定3位の坂本大志選手(最高位戦)が追う展開になりました。
結果予選2組を制したのは土井プロ。見事ジャンプアップを果たしました。平林選手はラス親で最後まで攻めるもわずかに届かず。
そしてここから、衝撃のドラマが巻き起こる。
A卓は大きく点棒は動かなかったものの、中嶋・佐久間・坂本・谷井の着順で終了。
そしてC卓では五十嵐選手(日本プロ麻雀協会)が石井選手(最高位戦)に12000を痛恨の放銃。
更に得点を伸ばす石井選手とずるずると点棒を削られる五十嵐選手。
終わってみれば・・・
1 土井 泰昭 116.5
(↑準決勝へジャンプアップ)
2 坂本 大志 72.4
3 平林 佑一郎 70.6
4 鈴木 たろう 55.7
5 谷井 茂文 40.2
6 佐久間 弘行 39.7
7 中嶋 龍太 39
(↑本戦へ進出)
8 石井 一馬 38
9 五十嵐 毅 37.3
10 福井 仁 20
11 多井 隆晴 16.4
12 河野 高志 8.6
13 三ヶ島 幸助 ▲13.6
14 依田 暢久 ▲34.8
15 小林 剛 ▲40.1
16 下出 和洋 ▲60.2
17 須山 いづみ ▲105.6
18 沖野 立矢 ▲156.8
19 根本 佳織 ▲170.5
なんと最終戦A卓の選手が全員辛くも本戦通過!
対してC卓はまさかの全員落ち・・・
痛恨のラスを引いた五十嵐選手、最後まで攻め抜いた石井選手はごくごくわずかな差で惜しくも本戦進出を逃してしまいました。
土井プロコメント
「序盤に先制することができて、別卓の坂本くんとの勝負も含めて観ることができたのが勝因かな。」
予選3組
3組は1.2組と異なり準決勝への飛び級がありません。
しかし首位通過者には+10ポイントが付与されるため、累積ポイントが±0以上の選手は本戦進出と同時に来期2組への昇級が決定します。
2節終了時1位の篠原選手(最高位戦)の累計ポイントは±0、そして2位の川上選手(最高位戦)、3位の佐々木プロ(日本プロ麻雀棋士会)はいずれも3組初参戦で累計ポイント±0であり、3人とも首位通過で2組に昇級となります。
2節終了して3位につけている佐々木プロは、名将戦からのシードで3組に初参戦ですが、
「上位8人は抜け番があるし、最終戦は直接対決だからラスが怖いなぁ」
と極めて慎重な様子。
一方、88.2ポイントで2位の川上選手は、入会2年目ながら昨年RMUクラウンで優勝し、今期予選3組の出場枠を獲得。
「目指せるならばひとつでも上の組に行っていろいろな選手と対戦したい」
と開始前から気合十分、本戦出場と同時に2組昇級を狙います。
88.9ポイントで暫定首位の篠原選手も普段最高位リーグ戦では穏やかな佇まいでいるのですが、まるで別人かと思うほどに厳しい表情で虎視眈々と首位を狙っていました。
「行けたら狙います」と言葉は少ないながらやる気MAXです。
篠原 健治 選手 川上 貴史 選手 佐々木 秀樹 選手
篠原選手、川上選手は強気の攻めが功を奏し、順調にポイントを重ねていきますが、佐々木プロは最初の不安が的中したのか、初戦でラスを引いてその後ポイントを守る苦しい展開を強いられます。
2回打ち終え、川上選手123.9ポイント、篠原選手104.2ポイントというところで篠原・川上選手が上位直接対決を迎えますが、ここはベテラン篠原選手が圧倒し逆転。結果は別卓での最終戦にもつれ込みます。
2節終了時に上位であった8名が前半抜け番となり、2卓で最終戦がスタート。
暫定首位の篠原選手は確実に加点しトップで締めくくります。
別卓で2.5ポイント差を追う川上選手は佐々木プロ、山下プロ(RMU)、阿賀プロ(日本プロ麻雀協会)と同卓。
川上選手はラスでも通過ですが、同卓の3選手は暫定5,6,7位でポイントも横並び、ほぼ全員通過できそうな位置にいます。最後までフルスイングで2組昇級を狙うのか、本戦を想定して脇を締めて戦うのか…。
すると事件は開始早々に発生。
東2局、阿賀プロが親の国士無双をツモ。その後もベテランプロの厳しい洗礼を受け、川上選手は息つく間もなく大きなラスに転落。
この半荘で40ポイント近くを失い、トータル5位と大幅に順位を落としてしまいます。
3組初参戦、30名中5位で予選通過は決して悪い成績ではありませんが、山下プロ・阿賀プロといった毎年好成績を残している超ベテラン選手に対し、本戦を前に痛い敗戦を喫することとなりました。
川上選手からは「悔しい」と一言、そして笑顔はなく苦い表情。
昇級を狙いすぎたのが仇になってしまったかもしれませんが、まだまだ本戦はこれから。
この悔しさをバネにリベンジに燃えてほしいところです。
抜け番なしで4回を打ち終えた選手の中では、招待選手の山田さんが70ポイント、最高位戦所属の熊林選手が60ポイントそれぞれ上乗せし、本戦進出枠の9位以内に食い込んできました。
やはり後方から大きく差してきたのは、過去決勝進出経験も有している招待選手の山田さん。
予選4位で本戦出場と同時に昇級点7ポイントを獲得し、累積10ポイント達成で2組昇級も決めました。こちらは堂々たる通過で終了後も笑顔。本戦での活躍にも期待できそうです。
最終スコアはこちら
1 篠原 健治 147.2
2 阿賀 寿直 108.8
3 村田 光陽 102.7
4 山田 昌和 83.4
5 川上 貴史 79.9
6 佐々木 秀樹 67.2
7 熊林 真也 45.2
8 山本 篤史 40.2
9 山下 健治 36.6
(↑本戦へ進出)
10 阿部 孝則 15.8
11 清水 英二 6
12 武中 真 2.7
13 淵田 壮 ▲4.6
14 坂本 宗瞳 ▲5.8
15 花本 まな ▲5.8
飯田正人杯・最高位戦Classicはこれから予選4組・5組を開催した後いよいよ本戦へと入ってまいります。
果たして今期栄冠を獲得するのは誰か?今後の戦いからも目が離せません!
今後の日程
4組 6月22日(土) 柳 八丁堀店
5組 6月30日(日) 柳 八丁堀店
本選 7月06日(土)・7月15日(月・祝) 柳 八丁堀店
準決勝 8月03日(土) 神楽坂ばかんす
決勝 8月18日(日)・8月25日(日) 神楽坂ばかんす