去る12月7日(土)、8日(日)に第38期最高位戦新人王戦が開催されました。
タイトル戦として開催が始まって今年で2年目。
決勝はニコニコ生放送で生配信され、有料チャンネルでの放送ながら6000人を越える視聴者が見つめる中、今期発足したばかりの関西支部所属選手、友添敏之選手が見事大逆転優勝を収めました!
総勢55名の新人選手たちが参加し、大熱戦が繰り広げられた今期新人王戦。
その参加資格は下記の通り。
① 以下の条件に該当する者
◎34期前期以降の入会者で2013年12月1日時点で満35歳未満の選手
※但し、入会1年未満(38期入会)に限り年齢は不問
② 以下の条件に該当する者は①の条件を満たしてる者でも参加資格は無いものとする。
◎タイトル戦優勝経験者
◎5年以上前に最高位戦に在籍経験のある者
◎Aリーグ経験者及びAリーグへの昇級を果たした者
現在は38期後期ですので、およそ入会5年以内かつ35歳未満の選手に参加資格が与えられます。
まずは55名で4半荘を戦い、上位16名が準々決勝に進出します。
一気に多くの選手がふるいにかけられる中、勝ち上がったのは以下の16名。
1 中原佑起 決勝へジャンプアップ
2 稲岡佑介
3 山田真木子
4 男澤寛太
5 越後圭輔
6 井上俊
7 竹村淳
8 伊藤翔
9 白井新悟
10 中川英一
11 下山和生
12 下山進一
13 藤松紗希
14 山崎佑希
15 板谷司
16 鳥居裕一
予選1位通過の中原選手は一気に決勝へジャンプアップ。
この後準々決勝、準決勝と2回のトーナメントがあることを考えれば、大きな大きな1位通過といえるでしょう。
そして、残る15人に、関西リーグ優勝シードの友添敏之選手を加えた16名で、半荘2回のトーナメントを行います。
A卓 勝ち上がり 友添敏之 白井新悟 敗退 伊藤翔 鳥居裕一
B卓 勝ち上がり 竹村淳 中川英一 敗退 稲岡佑介 板谷司
C卓 勝ち上がり 山田真木子 井上俊 敗退 下山和生 山崎佑希
D卓 勝ち上がり 越後圭輔 男澤寛太 敗退 下山進一 藤松紗希
結果は上記の通り。悔しいのは稲岡選手。予選で惜しくも2位と決勝進出を逃し、ポイントリセットで臨んだトーナメントで敗れてしまった。勝負とはかくも非情でシビアなものか・・・
翌日8日(日)決勝前に行われる準決勝は、勝ちあがり順位によって卓組が決定される。
1位通過者4名の準決勝A卓は、2回戦トーナメントで上位2名が決勝進出。
2位通過者4名の準決勝B卓は、2回戦トーナメントで上位1名が決勝進出。
準決勝A卓 準決勝B卓
左から山田選手、竹村選手、友添選手、越後選手 左から白井選手、男澤選手、中川選手、井上選手
迎えた準決勝。
A卓では、1回戦から下馬評も高い関西支部友添選手が終始力を見せつけ堂々の首位通過。
2回戦、1回戦2着の山田選手を越後選手がわずかにかわすものの、山田選手がメンピン1発ドラ裏裏の12000をモノにして再度逆転。最後の最後まで越後選手も粘るもののわずかに及ばず。
友添選手・山田選手の2名が決勝へ進出。
B卓は1回戦井上選手が脅威の猛連荘。5万点オーバーのトップで大きくリード。
他3人は井上選手を3着以下に沈めてのトップが必要となり、果敢に狙うものの井上選手のガードをこじ開けることは出来ず。そのまま井上選手が決勝進出となりました。
☆決勝☆
決勝を戦うのは以下の4名。
中原 佑起 選手
36後期入会(在籍2年半)25歳 C2リーグ所属。
見た目より若いが麻雀歴は15年にも及ぶ。
雀風は面前派。三重県から対局に通ってきた情熱を決勝の舞台でぶつける
友添 敏之 選手
38後期入会(在籍半年) 35歳 関西C2リーグ所属
今期創設された関西C3リーグで優勝し、ベスト16シードでの出場 から決勝まで勝ち上がった。
関西支部を盛り上げる為にも絶対に優勝する!と言い切る関西からの刺客
山田 真木子 選手
37後期入会(在籍1年半)26歳 C3リーグ・女流Bリーグ所属
おとなしそうな外見とは裏腹に、自らの雀風を「突撃」とあらわす内面のギャップが見もの。
やっぱりメガネが大好きだそうである。
井上 俊 選手
38後期入会(在籍半年) 19歳 C3リーグ所属 。
19歳という若さながら、ノーレート麻雀ネットワーク「ニューロン」が主催する「子供麻雀教室」で小学校より麻雀を学んできた井上。
英才教育を受けてきた超新世代の実力はいかに!?
もちろん、4名全員がタイトル戦決勝も初であれば、生放送での公式対局も初。
「新人王」にふさわしいフレッシュな顔ぶれとなった。
張り詰めた緊張の中始まった決勝戦。
1回戦は開局から超打撃戦模様。
初決勝?生放送?そんなものはどこ吹く風、とばかりに全員が前に出る乱打戦に突入。
全員が一進一退の攻防を繰り広げる中、
友添選手の先行リーチを追いかけリーチで斬って取った中原選手が、予選の勢いそのままにトップを獲得。
1回戦スコア
中原 +42.6
井上 +15.7
山田 -17.5
友添 -41.8
しかし、続く2回戦から、中原選手に受難の時が訪れる。2回戦も先行するものの、周囲は決して独走を許さず、じわりじわりと追い詰めてくる。気づけば微差のラスを押し付けられてしまい、トップを取った井上選手に首位を明け渡す。
すると3回戦は一人沈みのラスに。よもやの転落で3回戦終了時には4位まで落ちてしまった。
4人の中で最も若い井上選手。
弱冠19歳ながら、小学生の頃から麻雀に触れてきたという経歴の持ち主。
それを裏付けるように、様々な引き出しを魅せてくれる。
親番では序盤から河を作り、手バラからホンイツ仕掛けで対応を迫ってみたり。かと思えば超近代風の速攻も見せたりと最年少とは思えぬ打ち回し。
そして紅一点の山田選手。
自らの雀風を「突撃」と称したように、かなり攻撃的な打ちまわしを見せる。
何度も点棒が減りビハインドを背負ってもここぞというところで大きな加点をしては食らいついていく。
関西からの刺客、友添選手はというと、4着、3着といまいち振るわないスタート。3回戦でようやくトップを取るものの、首位との差は58ポイントと苦しい位置に置かれた。
3回戦終了時トータル
井上 +39.0
山田 +5.0
友添 -17.1
中原 -29.9
4回戦、抜け出したのは山田選手。
タンヤオ三色の4000オールをツモってトップ目に。そして、トータルでも首位に躍り出る。
その後も、3着目親の井上選手のホンイツ仕掛けにも全く恐れずにかぶせていくなど腹をくくって強気に攻めていく。
このままいくと山田選手の優勝か・・・?そう思ったのも束の間。
友添選手が執念のリーチを実らせ山田選手を逆転。
山田選手も再逆転を狙い叩きにいくものの、友添選手の地力はそれを上回っていた。
終わってみれば55000点の大トップ。4着、3着からの2連勝で逆転優勝を飾りました。
優勝 友添敏之
2位 山田真木子
3位 井上俊
4位 中原佑起
4者全員が己の実力を遺憾なく発揮し、非常に面白い戦いとなった今期新人王。
トップクラスの選手に比べればやや力は劣るかもしれませんが、前へ進もうと立ち向かう力、己の引き出しを可能な限り引き出そうと苦闘する姿、今しか存在しないその輝きはとても素晴らしいものでした。
決勝で惜しくも敗れた3名も、決勝に至るまでに涙を飲んだ数多くの選手たちも。
今回の経験を経て今後更に強く大きくなっていくことでしょう。
「麻雀は過程しか評価されない。しかし、過程を見てもらうには結果を出すしかない。そのためにも、なんとしても勝ちたかった」
と語った関西支部からの刺客、友添敏之選手が見事第38期新人王に輝きました!!
関西支部入会から確かな実力を噂され、その通りに関西リーグ優勝、そして新人王と結果に繋げた友添選手。
今後関西支部を牽引する存在になることは間違いないでしょう!
今後の活躍に是非ともご期待ください!!