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【第2部】近藤最高位・花本女流最高位対談

第1部はこちら

 

――それでは、そろそろ決定戦のお話について伺いたいと思います。


――まずは、決定戦に至るまでのお話を。Aリーグは最終節数ポイントを争う非常に厳しい闘いになりましたね。

 

近藤 「10節の時に良くて、2位につけたんだよね。でも次の11節で70ポイントくらい負けてしまってかなり団子の状態で最終節を迎えて。ポイント差があまりなかったから順位はそこまで気にはならなかったんだけども、最終節しっかり勝たないと決定戦は難しいかなという条件だった。」

 

Aリーグ最終節開始時スコア
1 坂本 大志 230.1
2 張 敏賢 189.1
3 金子 正輝 158.5
4 水巻 渉 147.7
5 近藤 誠一 116.9
6 石井 一馬 110.5
7 村上 淳 102.8
8 佐藤 聖誠 87.3

  (以下略)

 

近藤 「最終節は水巻と同卓で、ポイントも近いし二人して勝負駆け、どちらか勝った方が行くんじゃないかと最初は思ってたんだけど。1回戦2回戦で二人ともあまり良くはなくて、残り2回戦で二人とも連勝すれば、連勝しないとチャンスがないっていう厳しい条件になっちゃったんだよね。」


最終節2回戦終了時
1 石井 一馬 201.8
2 坂本 大志 197.9
3 張 敏賢 168.1
4 金子 正輝 167.6
5 佐藤 聖誠 166.8
6 近藤 誠一 119.1
7 水巻 渉 117.5
8 村上 淳 91.1
9 平賀 聡彦 61.0

  (以下略)

 

近藤 「それで3回戦俺がトップを獲って、最後もトップなら、という条件。水巻は相当厳しくなっちゃった。ところがまぁねぇ、気持ち良いくらい手が入らない(笑)もうどこで攻めればいいんだろう?ってくらいだった。」


――最終戦は同卓の平賀さんがかなり走ったんですよね。


近藤 「そうそう。まやも(山口まや選手)すごく安定していたし。それで最終戦は起親だったんだけど、東場ぐるっと終わって普通にラスなんだよね(笑)それで南場の親番、ここが勝負所っていうのもあっという間に終わって(笑)」
花本 「えー・・・それはすごい苦しいですね」

 

――そして南2局のアレですね。


近藤 「そう。南2局も早い平賀のリーチを受けるんだけど、俺もドラもないチートイのシャンテンになって。もう本当にここしか最後の勝負所はないだろうと。」

 

――現状ラス目、親も無いけれど、トップ目からのリーチで最後のチャンスかもしれないですね。

 

近藤 「普通ならやめる場面なんだけども、なんとか無筋を何枚か押して。そしたら最後の親番でもう後が無い水巻がカンをする。するとドラドラが乗っちゃうんだよね。」
花本 「チートイドラドラになったんですね」
近藤 「それが更にカンが入ったらまたドラドラと乗って。なんだこりゃと(笑)」

 

――そしてリーチを打ち、跳満を出あがるんですよね。

 

近藤 「それで2着まで追い上げて、オーラスもあがれればトップというところまで見えたんだけども、あっさりと平賀にあがられちゃって。」
花本 「じゃあ他の結果次第になったってことですか?」
近藤 「まぁそうなんだけども、結構無理そうな感じだったんだよね。トータルポイントと卓組から誰が何着だとって考えると、俺が2着だったら大体駄目っていう条件だったんだよね。逆にトップだったら大体大丈夫だろうっていうポイントだったんだけれど。」
花本 「あーなるほど。。。」

 

――かなり厳しかったですよね。2位の張さん、3位の金子さんの卓で張さんがラス、金子さんが3着というまさかの展開で、他の方全員の着順やポイントの針穴のような条件を潜り抜けたような。

 

近藤 「俺、最後平賀にあがられた瞬間もうがっくりしちゃってさ(笑)がっくりしたのを見せちゃいけないと思って必至に隠そうとしていたよ。」

 

――それがいざ決定戦進出とわかった時はどういうお気持ちでしたか?

 

近藤 「いやあぁー、こんなことってあるんだ!と。」
花本 「こんなことあるんだ(笑)」
近藤 「本当に最後の最後結果が出るまで全然行けたと思わなかったからね!」

 

――花本さんも女流準決勝の最後はすごかったですね。

 

花本 「あたしもこんなことあるんだ!って感じでしたよ!」
近藤 「ああ、すごかったね。」

 

女流リーグ準決勝最終戦スコア、上位2名が決定戦進出(準決勝1位野添選手は最終戦前に通過)
2 櫻田 由樹 222.2
3 石井 あや 198.0
4 花本 まな 114.7
5 西嶋 千春 69.6

 

――最終戦、直接対決とはいえ櫻田さんと100ポイント以上の差をひっくり返しましたからね

 

花本 「あの時はもうやっててなんだかよくわからなかったですね。とにかくあがるしかないな、とは思ってましたけれど。」

 

――親番でもうあがり続けて。

 

花本 「子の時も満貫一発でツモったりして、ほんとすごいあがりましたね。」
近藤 「俺もね、女流の準決勝最終日は見に行ってたよ。」
花本 「あ、そうだったんですか?」
近藤 「まぁ誰を、とかいう訳でもなく全体をこう見にね。ただ、最後大体決まったかなと思って帰ったんだよね」
花本 「あー!最終戦前にですか!(笑)まぁでも普通そう思いますよね、、、」
近藤 「ははは(笑)」
花本 「あたしも実はかなり諦めムードだったんです。でも、せっかく最後だから楽しくやれればいいかな!と思って。」
近藤 「で家に帰って結果を見たらええ!ってびっくりしたよ。」
花本 「結構奇跡のアガリもあったんですよね。後ろで見てた坂本さん(Aリーグ坂本大志選手)に『俺だったら無理だったよ』って言われた局もあって。私の打ち方がすこし変わってたのかな?それがミラクルを呼んだんですかね。」

――それでは、いよいよ決定戦についてお話を伺いたいと思います。

 

――まずは最終日に至るまでの闘いについてお伺いします。誠一さんは、すごく放銃が少なかったですね!

 

近藤 「そうだね、気持ち良いくらいね。見てよこのパーセンテージ。」

 

――4節16半荘で放銃率がなんと5.8%!

 

花本 「ええー!すごいですね!!」
近藤 「こんな奴いるのかってくらいだよね。尋常じゃないよね。」
花本 「他の人はどれくらいなんですか?」

 

――他の3人は張さん11%、石橋さん12.6%、聖誠さん12%ですね。

 

近藤 「これでも一般的には結構いい方だよね。半荘に1回の放銃程度だから。」

 

(参考までに、オンライン麻雀「天鳳」の頂点、鳳凰卓の平均放銃率が12%前後)

 

――これは意識して守備に偏った結果という訳ではないんでしょうか?

 

近藤 「いや特にそういう意識はなくて、攻める所は攻めたし、ただ割と掴まなかったね。」

 

――僕は見ていて、何年か前と誠一さんの打ち筋が変わっているように思いました。

特に4年前1度B1リーグへ降級されて、1年で大勝してAリーグへ復帰された時。この辺りを境にフォームに変化があったように思うのですが

 

近藤 「うーん。」
近藤 「確かに、B1の時がきっかけとか、そういったことは時々言われるんだけども。自分の中ではそうじゃなくて、たまたま時期的にそう見られただけかな?と。」

 

――と言いますと?

 

近藤 「元々それ以前からちょくちょく変えようと意識をしていたんだよね。周りは結構、勝たないとあまり見てくれないじゃない。見られる時、勝つ時っていうのは攻めてる所が多いと思う。そういう場面を見てもらって、攻撃的になったと思われがちなのかな。」
近藤 「確かに長いスパンで見ると元々は守備寄りだったんだよね。それを考えると今は結構攻撃的にはなってるんだけども、ターニングポイントというのはないかな。」

 

――なるほど。ここで1つ牌譜をお持ちしました。

 


――この
を仕掛けていく誠一さんというのは、僕の中では昔の誠一さんのイメージとは違いました。そういった所もあって先のご質問へと繋がったのですが・・・

 

近藤 「どっちかというと無難に様子見て、門前でツモが良ければ行きますよ、というタイプだったね。うーんしかしこれはリーグ戦でもやるかなぁ?」

――決定戦だからこその仕掛けだったと?

 

近藤 「リーグ戦と決定戦との違いというのは確実にあって、決定戦なので普段よりも参加する局を増やそうという意識があった。」

――なるほど。決定戦で攻撃的な場面が多く見られたのはそういった一因もあるんですね。参加という意味では、仕掛けも増えたような気がします。

近藤 「仕掛けること自体は元々色々と試行錯誤していた時期に、今よりももっと仕掛けを多用していたこともあったんだけど、仕掛けの内容という意味では今とその頃とでは全く違うね。」

 

――仕掛けの内容ですか。

 

近藤 「多用していた時期は局を進めるための軽い仕掛け、かわし手がかなり多かったんだよね。ただそれは割と最近は少なめで、仕掛けると遠いけど打点が見込めるケースが増えているかな。」
近藤 「逆の話になるかもしれないけど、どっちかというとこのところ門前は結構意識していて、先手を取られても押し返せるだけの打点を意識した手組みにして押し返す、っていうのが今の旬、かな。そのうちまた違うことやるだろうけど(笑)」

 

――確かに勝負手でのぶつかり合いが多かったですね。

 

近藤 「例えばテンパイに対しても、直線的なテンパイを取りに行くのではなく打点を見据えた手組が多いかな。」
近藤 「昔は先行リーチが入った場合、かわしに行くことが多かったのね。結局かわしに行っても、危険牌を掴んだら打点が無いから止めてた。今は逆に、かわしには行かずに門前を維持して見合う打点になればぶつかりますよ、というスタイルだな。」

 

――こちらの局を見ていただきたいのですが。


 

近藤 「これね!これは途中まで止めてたんだけどなぁ」
近藤 「石橋の河がもうかなり危ないピンズなんだよね。
もツモ切って。とかも切らずに安全に持ってたんだけど、ドラのが重なってイーシャンテンになるんだよね。」

 

―― この形ですね。

 

花本 「ドラドラになったので切った、と。」
近藤 「そうそう。行こうという打点なった。ただ、ドラももう無さそうなんで2枚目の
を打たれた時に形テンを取っちゃえ、と。」

 

――にしても、相当濃厚なホンイツに初牌のをかぶせるのはかなり攻撃的ですね。形テン取ったあと手出しが入っても再びを押してますし。

 

近藤 「ドラドラあったら結構単純に押す、っていうのも最近のちょっとした旬かもしれないね。あとはこの時萬子が非常に安かったんで、うっかりハイテイで誰か切ってくれないかなというのもちょっとだけ(笑)」


――実際ハイテイ直前に打たれましたしね。


――あともうひとつ、七対子がすごく増えていませんか?


近藤 「ああ、七対ね。はい、増えてます。」


――例えばこれなんですが。



近藤 「ああ、これは気持ちよかったなぁ」


――これは本当にすごかったです。3巡目の選択がゾクっとします。


   ツモ


――ラス目のオーラス、3着まで5200差です。


花本 「メンツ手見そうですね。
とか切っちゃいそう。」
近藤 「そう。
とか切りそうなんだよね。ただこれ七対を見るならが本当に捨てがたい。」


――ここから誠一さんは打


花本 「七対に決めちゃったんですね!」
近藤 「この瞬間にね。」


――こういった時に、七対子を選択する機会が増えているように思います。


近藤 「それは事実だね。四、五年前かな?割とメンツ手中心で仕掛けも多用したり、手役よりも早いテンパイを目指すとかそういうことを中心にやってた頃。七対子ってそういう意識からするとちょっと不利じゃない。だからその頃はちょっと避けてた。元々はそんなに嫌いじゃないんだけどね。」
近藤 「最近はね、こういうのやってみよう、ああいうの取り入れようっていう試行錯誤を止めて、もう自分の好きにやろうと。そうした時に、俺って結構七対子好きみたい(笑)」


――なるほど(笑)


近藤 「マルジャンやってるとさ、なんとか率全国何位、とか出てくるじゃない。自分の中の成績で全国順位が良いものから出てくるんだと思うんだけど、」
花本 「マルジャンってそういうのも出るんですね!楽しそう!」
近藤 「俺が良く出てくるのは、七対子率と、あと二着率(笑)」
花本 「(笑)」


――実際決定戦のときも、着取りがすごく上手かったですよね。


近藤 「20回やってラス1回だからね。実際はついてた部分が大きかったんだけど。」


――オーラスの着順アップが20半荘中6回。勝負強さが際立ってました。


――精神的な物もお聞きしたいと思います。第1節から、ずっとトーナメントリーダーとして首位を走ってこられたじゃないですか。


近藤 「気持ちよかったねぇー」


――それが4節の最後に、張さんにわずかながらかわされてしまった、これはどうでしたか?


近藤 「あの時は、動揺したりだとかは全く無かったね。」


――それは本来の自分の麻雀を打ち切れてたから?


近藤 「そうそう。内容は良かったからね。特に不安とかも全くなく。そうだな、あえて言うならば、ちょっと気分が悪い、くらい。」

花本 「ずっと気持ちよくやってきたのにって?(笑)」
近藤 「そうそう(笑)ホームページに、毎節終わる度に成績が載るじゃない?それが毎回一番上だったから楽しかったのに、4節終わったら2番目だから、ちぇっ、みたいな(笑)」


――逆に、誠一さんがあそこでかわされて良かったという人もいました。初の決定戦最終節を追われる立場で迎えるよりは緊張も少なくなったんじゃないかと。


近藤 「それもあるかもしれないね。」

 

――やはり決定戦は緊張されましたか?

 

近藤 「よく、緊張しないんですか?なんて言われたんだけど、めちゃめちゃ緊張するよ。」

 

――あまりそんな風には見えませんでしたが。

 

近藤 「ある程度その、必要以上に緊張しないように持っていくことは出来たとは思うね。」

 

――最終日なんですが、優勝しちゃうかな?とか途中で思われましたか?

 

近藤 「打ってる時はそういうの集中してて考えなかったんだけど、あえて言うならば、3回戦(19回戦)のラス前にをツモった時にちょっとちらついたかな。」
近藤 「そもそも、三回戦、東発に張が石橋に12000打って、その後俺が石橋から12000あがって、すっごい良い展開だったのに、その後石橋の4巡目くらいのリーチにぱっと
切ったら16000!って言われるんだぜ?なんだよって腰砕けちゃったよ。」

 

――そういうのが冷や水になって、最後まで闘志を保てたのかもしれませんね。


近藤 「そういう部分は確かにあるだろうね。」


――最高位を獲得した瞬間のお気持ちはどうでしたか?


近藤 「うーん、、、あれはね。なんだろう・・・言葉にするのは難しいなぁ。なんて言ったらいいのかなぁー、よくわからないというか。」
近藤 「そもそもさ、勝ったらどんな感じなのかな?って想像するじゃない。妄想空想は得意技なんで。」

花本 「(笑)」
近藤 「そういうので持ってたイメージがあるんだけども、それとはなんだか違って、こういう感じなのかな?という漠然とした感じだったな。」


――思い描いていたのとは違ったと。

 

 

――花本さんにも伺って行きたいと思います。初日はやはり緊張されてましたか?


花本 「すごく緊張しました!人が沢山見てたので・・・とにかく離されないようにとだけ考えて打ってたので弱気でしたね。皆に離されてマイナス100とかからはスタートしたくなかったので、放銃しないことだけ考えてました。」


――そんな時、この放銃があったじゃないですか。



花本 「あー、
単騎ですね。これも手が苦しくて、ついつい一発裏に期待してリーチを打っちゃったんですけど、あれはちょっと軽はずみかなーと思って悔やみますね。ダマでよかったかな。」


――これで少し緊張がほぐれたように、ここから2回戦とリーチをよく打つようになったと思ったんですが。


花本 「うーんそうでしょうか?結構私の中では攻めてなかったですね。とにかく打つのだけは嫌で、雑な放銃はしたくないので1回戦は仕掛けはほとんどしなかったですし。」
花本 「でも見てるんでどうしよう!って頭がおかしくなりそうでした。とにかく前も後ろも沢山の人がいて、ああ助けて~!って思っちゃいました。そういうの全然慣れてなかったので。」


――しかし2回戦、オーラスで連荘して追い上げ2着、3回戦でもオーラス大連荘して逆転トップと風向きはよくなりました。


花本 「奇跡のテンパイから連荘出来て、本当に良かったです。ただただ本当に必死でした。」


――準決勝から、親番でかなり連荘する、点数を上積みすることが非常に多いように感じます。


花本 「そうですね。準決勝では四暗刻とか、6000オールとか・・・親番の時はかなり押しますね。」


花本 「ほんとにここだけの話、私これで麻雀卒業と思ってたんです。」


――なんと!本当ですか?


花本 「就職して、結婚しようって!相手は見つけてないんですけど(笑)」
近藤 (笑)
花本 「麻雀楽しかったよ、本当にありがとう!という気持ちでやってたんですけど、あれおかしいなー?役満ツモっちゃうし。」
花本 「中々色々と上手くいかなくて。私麻雀向いてないんじゃないかな?ってすごく悩んでたんです。でもトントン拍子で決勝まで行けて。希望が持てたんです。私でもまだやれるんじゃないか、もっともっと頑張ろうって。」

近藤 「単純というか、素直でいいね(笑)」
花本 「そう、私結構単純なんですよ(笑)」

花本 「でも本当奇跡的で、夢みたいでしたね」


――二日目はあまり緊張してなかったように見えましたが?


花本 「はい、観てる方が誰もいなかったので、全然緊張しないで入りこめました。」


――結構スタジオでの麻雀の方が緊張する人もいるかと思うのですが、逆に放送で良かった?


花本 「放送で良かったです!ギャラリーが多いと、どうしてもまだ緊張しちゃって・・・多分全然違う麻雀になってたと思います。」

近藤 「意外とそういう部分はあると思うね。やっぱり、カメラさえ意識しなければ、単純に四人でやってるように打てるから集中しやすいよ。」
花本 「カメラとかあんまり見えないですしね。私って特別マイナス思考が強いので、ギャラリーの方のほんのちょっとした反応がすごく気になってしまって雑念が生まれちゃうんですよ。これからは慣れていかないと、と思うんですけど。」

――少し話題がずれてしまいましたね。女流決定戦に戻りたいと思います。
――やはり、お聞きしたいのはこの局ですね。僕はこの局は大きなキーポイントだと思います。

 

 

――茅森さんの親リーチに、初牌のドラを切って追いかけリーチ。1日目までの戦いを見ていた僕としては結構驚きでしたし、すごいと思いました。


花本 「確かに野添さんの
ポンもあって、相当打ち辛いでした。トイツ以上は間違いないと思いました。
ただ、野添さんの打牌にかなり間があったので、野添さんはイーシャンテンか降りたんじゃないかと。仮に当たってもしょうがないし鳴かれてもしょうがない。降りるにしても筋とか追ってオリ打ちしたら最悪だし、現状ラス目なのでだったらリーチして差を詰めたいな、と思って。」
花本 「野添さんにノータイムで打たれてたら多分
は打ち切れてませんでしたし、だったら多分降りてたんじゃないかな。」


――僕もここまで見てきた感じだとオリちゃうんじゃないかなと思って見ていました。

 

本 「もう決勝の最終日で、これが最後じゃないですか。これで終わっちゃうんだと思ったら、覚悟決めていくしかないなと。でもこのについては周りでは賛否両論でしたけどね。」

――同じような局面がありました。こちらなんですが



花本 「あー。石井さんのリーチのやつ。」


――東1局、リーチを受けた瞬間宣言牌の現張りでテンパイするんですが、ここは冷静にオリと。


近藤 「繊細だね。あまり繊細なイメージはなかったけど。」
花本 「珍しく繊細でしたね(笑)ポイントをすごい意識していて。6回戦が終わってトータルトップ目に立って、残り2回で野添さんにまくられさえしなければ大丈夫。局は潰したいんですけど、その野添さんが親だし、ここは雑に打てないなーって。オリてもいいのかなって思って。」


――見事に今回は止めた牌は当たり牌、と。


近藤 「全体的に押し引きがよかったね。」
花本 「普段だったら絶対押してるんですけど、本当にこの日は押し引きがピッタリはまりましたね」


――あとはこれですね。この七対子。

 

 

――ドラ単騎の七対子から1s単騎に変えてあがるというこれはベストなアガリですね。


花本 「これは良かったですね。元々1sはすごく良さそうで変えようと思っていました。」


――親の石井さんがテンパイ入っててもおかしくなさそうなほど早そうですし、ドラ単騎続行で動きが入ればオリる選択肢も普通にありそうですが


花本 「当たっても鳴かれてもおかしくは無いと思いましたし、そうするとすごく嫌なんですけど、1sだったら通れば私がアガる方が早いかなと。すぐ出たのはラッキーでしたね。」
花本 「あとは、野添さんがもうあまり怖くなかったかな。石井さんとか茅森さんの方がまだまだ何かあるかも、って怖く思ってました。野添さんは何となく気が抜けちゃったような、気力が感じられない気がしてて。」

近藤 「そういう所までちゃんと見えるような状態だったのが良かったのかもね。」

――獲った瞬間、終わった瞬間はどうでしたか?


花本 「私も誠一さんと同じですね。誠一さんと違って想像はしてなかったんですけど、打ってる最中にこれってもしかして私優勝とかあるのかな?とか思って」


――打ってる最中からそういうことも考えていたんですか?


花本 「7回戦くらいからかな。私もしかしていけちゃうんじゃないかな、どうしようどうしよう!とりあえず麻雀打とうみたいな。終わってからも控え室でどうしようどうしよう、私でいいのかな?ってもう軽いパニックみたいな(笑)
とりあえず、お姉ちゃんとお父さんに報告しました。お父さんはいつも電話で、『お前獲れるに決まってるだろ。お前は普通とは違うんだよ。』みたいなことを言う人なんですよ。」


――良いお父さんじゃないですか。


花本 「『逆にお前は普通の仕事とか無理なんだよ。お前星があるからそういう方が向いてるんだ』って言うんです(笑)」
花本 「それで表彰式でマイク向けられた瞬間にもう意味がわからなくなっちゃって、どうしよう何喋ればいいのかわかんないし、しかも涙出てくるしどうしよう!私どうしよう!って」

近藤 「私どうしよう(笑)」
花本 「決勝戦の日も、すごい応援メールとかいっぱい来て、応援してくれた人達もいっぱいいて、そういう人達の顔が浮かんできたんです。でもお礼を言いたいけど、ここで何を言えばいいのか判らなくなっちゃって涙が・・・」


――女流最高位を獲って、何か変わりましたか?


花本 「自分にちょっと自信がつきました!麻雀にというより、自分自身にですね。私本当にネガティブ思考で、皆私のこと嫌いとか思っちゃうくらいで。あとは仕事とか麻雀に対する意識も変わりましたね。」

 

――色んな人におめでとう、とか言われましたか?


花本 「そうですね!本当人に会う度に言われました。あんまり面識の無かった方からもおめでとう、って言ってもらったり。」


――今後の抱負などをお聞かせください。


花本 「今後はもうがむしゃらに麻雀で生きていくために頑張りたいと思います。」
近藤 「一回は辞めようと思ってたのに?(笑)」
花本 「(笑)いや、神様が、って言うと変なんですけど。これは私はやっぱりこの道で生きていけっていうことなのかな、と思っちゃって。」
近藤 「あぁ、タイミング的にもね。」
花本 「そう本当にびっくりして!このまま麻雀を頑張って行こうと決めました。」

花本 「これからは麻雀をやってくれる人をいっぱい増やしたいと思っていて。特に若い女の子達が、これで少しでも麻雀に興味を持ってくれたりしたらいいなと思っています。」

花本 「自分でもすごいミラクルだと思うんです。私自身が一番びっくりしてますもん。
今まで私くらいの年代で、しかも麻雀を始めてからこんな短期間でタイトル獲れるなんてミラクル、ほとんどなかったと思うので。
でも、誰にでもチャンスはあるし、ミラクルは起きるって。今ではそう思います。」

――本日はお二人とも、ありがとうございました。

 

 

 

インタビュアー : 小山直樹

 

 

 

この世界で継続ほど価値のあるものはない。
才能は違う。才能があっても失敗している人はたくさんいる。
天才も違う。恵まれなかった天才はことわざになるほどこの世界にいる。
教育も違う。世界には教育を受けた落伍者があふれている。
信念と継続だけが全能である。     (レイ・クロック)


一度は麻雀プロになることすら諦めた。それでも、諦めきれなかった。
ここへ辿りつくまで15年かかった。信念と継続と。たゆまぬ努力が実を結んだ。

チャンスに出会わない人間は一人もいない。それをチャンスにできなかっただけである。必要な条件をすべて与えられながら、即座に決断を下すことのできない人は、いかなる決断も下すことはできない。     (アンドリュー・カーネギー)

そう、誰にでもチャンスは訪れる。
ほんの少しだけ変わろうとして、覚悟を決めて決断を下すことこそが、チャンスを活かす方法。諦めそうな夢はありませんか?まだ少しだけ、早いかもしれません。

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観戦記一覧

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