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【挑戦者決定!!女流最高位戦準決勝レポート】

第13期女流最高位戦セミファイナル。

三日間行われる準決勝も早二日が終了し、今や残された選手は8名のみとなった。

この中から勝ち抜いた3名のみが、頂点で待ち受ける女流最高位花本まなへと挑戦することができる。

 

1     野添 ゆかり    108.7
2     京杜 なお    91.6
3     石井 あや    84.0
4     櫻田 由樹    62.5
5     満井 あゆみ    39.7
6     西嶋 千春    22.6
7     小池 美穂    20.3
8     元島 明子    15.6

 

開始時点でのポイントは上記の通り。

下位選手が敗退していく中、上位とのポイント差も自然と少なくなり、直接対決も増えていく。

例年女流リーグで巻き起こるドラマ。

茅森選手・根本選手ら女流最高位経験者が準決勝二日目、最終戦二人ともが箱ラスで敗退という波乱は記憶に新しいが、

勿論最終日が荒れぬわけはない。

 

1.2回戦。

たった2半荘。しかしこの2半荘で選手たちの明暗はくっきりと分かれた。

京杜選手は連続ラス、櫻田選手・満井選手もラス・3着と、3人ともが70ポイント近くを失ってしまう。

全く対照的にポイントを伸ばしたのが石井選手、そして小池選手である。

小池選手の初日の結果は-110ポイント。二日目2回戦で途中敗退があるこのシステムでは絶望的な数字である。

そこからの快進撃たるや、鬼神、いや戦女神のごとくであった。

この日も快調な2連勝。素点も叩いて100ポイント上乗せ。一気に2位まで浮上する。

 

2回戦(トータル10回戦)終了時スコア

1     石井 あや    164.9
2     小池 美穂    122.5
3     野添 ゆかり    111.3
4     西嶋 千春    59.2
5     元島 明子    8.9
6     京杜 なお    5.3
7     櫻田 由樹    -0.6
8     満井 あゆみ    -27.5

 

続く3回戦で、上位1名が決勝へ進出。下位3名は敗退となる。

3回戦の卓組は

1卓 石井 小池 野添 満井

2卓 西嶋 元島 京杜 櫻田

 

上位3名が同卓。ポイントでは石井選手が有利だが、ほぼ着順勝負にて首位通過が決まる。

そしてもう1卓。下位選手がまとまってしまった。

別卓の満井選手の着順次第で卓内2位でも最終戦は打てる可能性は残るが、その場合も消化試合は目に見えている。決定戦に向けては、全員がトップ条件。

 

1卓

あえて、今期準決勝の主役を挙げるとするならば、それはやはり小池選手だろう。

110ポイントのビハインドからここまで来たのはどれほどの確率だろうか。

この3回戦も東1局に中ホンイツドラ1の4000オールをツモると、その後も危なげない戦いぶりを見せ、初日からは想像もつかなかった首位通過を決めた。

 

2卓

全員がトップを目指す中、一人若干の有利は西嶋選手。

上位陣との差はおよそ50ポイント。しかも上位3名が同卓のため、連帯さえ出来れば誰かしらとはポイントが詰められる。他3選手はある程度手を作り、しかも押さざるを得ない状況のため、西嶋選手がポイントを伸ばすケースが多そうだと見ていたが、その予想は当たった。

 

東家

  ポン   ロン   ドラ

北家リーチ

   一発ツモ   ドラ

 

この二つのアガリをモノにして50000点オーバーのダントツに。

オーラス、京杜選手がリーチツモドラ3の6000オールツモなどで追いすがるも届かず、西嶋選手が大きくポイントを伸ばした。

 

3回戦終了時スコア

1     小池 美穂    163.4   決定戦進出


2     石井 あや    150.3
3     野添 ゆかり    124.7
4     西嶋 千春    105.0
5     元島 明子    29.7


6     京杜 なお    -6.7      下位3名が敗退
7     櫻田 由樹    -55.2
8     満井 あゆみ    -70.2
 

初日最下位スタートだった小池選手だが、わずか7半荘で270ポイントアップ。史上稀に見る大逆転劇で見事決定戦進出を決めた。

西嶋選手も大きくポイント差を詰め、最終戦、3名での着順勝負。元島選手はかなり厳しいが、昨年同じくらいの条件をクリアし、女流最高位に輝いた花本選手の例もあるため、か細いながらも道はある。

そして、ここまで厳しいサバイバルを勝ち抜きながらも、京杜選手、櫻田選手、満井選手の3名が敗退となった。

 

京杜なお選手

今日は手が入らなさ過ぎて、周りに追いつかなかった。

最後まで決勝を見据えて打ったけど、噛み合わなかったなぁ

 

櫻田由樹選手

予選初日の大マイナスからしたら、良くここまで来れました。最終日に良い位置につけていたので、大事に行けばよかったんですけど・・・普段通りに真っ直ぐいきすぎましたね。でももう、性格なんで仕方ないですね!!

 

満井あゆみ選手

今日1回戦目何も出来なくてラスを引いてしまい、そこから大物手を狙いすぎて逆にダメになっちゃいました。

悔しいですが、良い経験が出来たので、また来年がんばりたいです! 

 

 

そして、運命の最終戦。

東1局から壮絶な戦いが幕をあける。

2局続けて、元島選手の先制リーチ→西嶋選手の追いかけリーチ。

これが両方とも凌がれ流局。続く2本場には石井選手のドラアンコリーチに元島選手が追いかけ一発ツモの満貫! 

この時観戦者全員の脳裏によぎったのは、昨年の花本選手の奇跡だったのではないか。

 

続いて東2局は、野添選手の親リー、元島選手のリーチに西嶋選手が追いかけリーチ。

4局で9本のリーチ棒が飛び交うという、これぞ最終戦といった死闘が繰り広げられる。

これを制したのは西嶋選手。一発ツモで1000/2000。 

 

西嶋選手の一発ツモを見て、石井選手は微笑みを浮かべた。

それは、厳しいなぁ・・・という苦笑だったのだろうか?

石井選手の対局を観戦に来たことがある方は見たことがあるかもしれないが、苦笑にしては穏やかすぎるその微笑を、石井選手は対局中しばしば浮かべている。

そのほとんどは、極めて打牌に悩む時、手が入らず戦えない時、他選手のアガリが続く時など苦境に立たされた時が多い。ため息が出そうな時にこそ穏やかな笑みを浮かべられることも、石井選手の強さかもしれない。

 

東3局、勝負の行方を左右する一局が生まれた。

巡目も深まった中盤から終盤にさしかかったころ、西嶋選手がやや悩みながらリーチを打つ。

親番でどうしてもアガリたい元島選手が1枚切れのをツモ切ると、西嶋選手の手牌が倒された。

リーチ一発七対ドラドラ。12000。

ダントツに踊り出る一撃。

西嶋選手の捨て牌は七対子が濃厚だったが、とはいえこのポイント差の親番をオリて手放すことは出来ないだろう。

 

そう、これは準決勝の最終戦。負ければ今年の女流は終わり。

諦めてなんかはいられない。

 

東4局、元島選手はリーチピンフツモ表裏の満貫をツモ。

続く南1局もリーチを打つが一人テンパイ。

必死に決定戦への道を追いかける。

 

追い込まれたのは野添・石井の二人。

トップ目、2着目と20000点の差がついた今、お互いに見据えるのは相手のみ。

 

南2局1本場 

終了後、石井選手が「決定打みたいなものだった」と語った局。

それは、なんでもないヤミテンのピンフのみの1000は1300。

しかしこの局の親番は野添選手。そして残すは2局になる。

点数以上に、大きく大きく勝利に近づいた1局だったのは間違いないだろう。

 

ラス前も西嶋選手があっさりと流し、いよいよオーラスを迎える。

     持ち点      トータルポイント

親 石井 20100  (130.4ポイント)

   西嶋 42800  (147.8ポイント)

   野添 18800  (83.5ポイント)

   元島 38300  (48.0ポイント)

 

野添選手が通過する条件は、1300/2600以上か8000出和了。

選択は、あったかもしれない。

 

   ドラ  西家

 

場にはともに1枚切れ。 ここで打たれた2枚目のを、意思を持ってスルー。

西家なのでポンしてホンイツorトイトイを作りに行く手もあったのだろうか。

だが上家は西嶋選手、親の石井選手は間違いなくオリ、ポイント的に元島選手もよほどの手が入らない限りは前に出ないだろう。やや遠い仕掛けが、果たして成るか?

 

七対子本線にした野添選手は、最終手番の1巡前、いよいよテンパイを果たす。

待ち選択は、か。どちらもションパイである。

リーチを打って残り1回、最後の最後にこのどちらかが自分のツモに眠っていることを祈るだけ。

時が止まったかと思うような、この日一番の長考の末野添選手が選んだのは待ち。

3人がオリに回り、読みづらい手牌の中、 1枚だけではあるが山に残っている待ちを選択したのは、流石の野添選手の力か、決定戦に懸ける執念か。

3期連続での決定戦進出を目指す野添選手の戦いは、ここで幕を閉じた。

 

1位通過 小池美穂 選手

2位通過 西嶋千春 選手

3位通過 石井あや 選手

 

小池選手、西嶋選手は初の女流最高位決定戦。

石井選手は4期連続での決定戦に臨む。

待ちうけるは、女流最高位花本まな選手。

 

頂点を決める戦いは、9月29日(日)15時幕をあけます。

今期は、第1節をスリアロチャンネルにて生放送!(予定)

最終節はニコニコ公式生放送いたします。

皆様是非ともご視聴ください!

 

最後に、準決勝終了後、女流最高位決定戦に向けた4名の選手のインタビューをご覧ください。

 

現女流最高位 花本 まな 選手

 

 

 

準決勝1位通過  小池 美穂 選手

 

 

準決勝2位通過 西嶋 千春 選手

 

 

準決勝3位通過 石井 あや 選手

 

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