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最高位戦日本プロ麻雀協会

最高位戦特集

【第34期最高位決定戦インタビュー】


第34期のAリーグも、波乱、そして、死闘の舞台になった。

Aリーグは、全12節を12名で戦い、決定戦進出者、降級者が決まる。
いつものように刻が進んでゆくと、8月、大きな波乱が起こった。

重戦車伊藤英一郎が、病に倒れたのだ。
最高位戦と101のAリーグを戦う重鎮。最高位と名翔位を狙うベテランが、無念の途中休場で姿を消すことになる。

決定戦は、3枠。
降級は、伊藤が確定し、残り1枠。

10月7日。Aリーグ最終節。

大柳、富澤は最後の半荘まで降級を凌ぐ戦いをし、大柳が笑顔の残留を決めた。
金子、尾崎の両者は、多少余裕あるポイントで淡々と時を進める。
平賀、現發王の水巻、石橋の3人で、事実上1つのイスを取り合うことになった。
そして最後までもつれていた昇降級の戦いは、9時間に及ぶ長期戦で幕を閉じ、新たな戦いへの狼煙をあげた。

飯田大魔神に戦いを挑むのは、この3名。
インタビューを交えて、1人ずつ紹介させて頂こうと思う。

金子正輝

【金子プロ インタビュー】

長年最高位戦の看板を支えるトッププロの金子、1位で決定戦に駒を進めた。 決定戦は13回目、昨年に引き続き今年も頂点を目指す。

意気込みはありますか?の問いに

―佐藤崇が唸るような、金子らしさのある麻雀を打ちたい。打たなきゃ意味がない。

―と、笑顔も交えて熱く語る。

ライバルは?と尋ねれば期待通りの返事が返ってきた。

飯田さんでしょ。もちろん、尾崎くんも石橋くんも強い。けれど、金子VS飯田みんな期待するじゃない。
…飯田さんに、勝ちたいじゃない?

―無邪気に語る金子の言葉の端々に、飯田正人への闘志が滲む。

今年も金子は、鋭く攻める。
尾崎公太

【尾崎プロ インタビュー】

第29期に最年少最高位を獲得した若き実力者が、今年も決定戦に名乗りを上げる。

意気込み、普通。意識することも、特にないと、常に冷静な尾崎のコメントが返ってきた。

そして、今年は初の決定戦、Aリーグ在籍の短い石橋を、またもや冷静に分析する。

―石橋くんが初挑戦ですが、後半戦の内容等、かなり良さそうで、特に手牌の見切りが早くなった感じがします。 僕はかなり高い評価。 なんで、今期の決定戦は普通に、厳しい戦いになると思います。

、と尾崎。自分への分析も冷静だ。

―麻雀なんで、運が良ければ優勝するだろうし、悪ければ4位だと思います。ただ、最近は麻雀のデキは悪くないので、まずまずいい麻雀は打てると思います―

―自信がなければ語れない言葉が並ぶ。しかし尾崎の場合は文字通り、あくまで自分に対しての冷静な評価に過ぎないのだ。 尾崎は、決定戦を素晴らしい戦いにすることを約束する。

ファンのために、自分のために、尾崎が魅せる。
石橋伸洋

【石橋プロ インタビュー】

最後のイスを勝ち取ったのは、ネット麻雀出身の、石橋だった。

一牌一牌を渾身の力で邁進する仕掛け巧者が、始めての決定戦で最高峰を獲りにいく。

意気込みを語る姿は、興奮に包まれていた。

―雰囲気に飲まれないように、いつもどおり冷静に打ちたい。緊張しないよにしなきゃ。―

―ポイントを重ねてもぎ取った決定戦のイス。
手に入れた石橋は、一回りも、二回りも自信に繋がったに違いない。

目標は、最高位だと言い切った石橋。

初めての舞台でも、華麗に仕掛けアガリきれるか。

そして迎え撃つのは、永世最高位。


飯田 正人

【飯田プロ インタビュー】

意気込みなんてないよーと笑って話す大魔神。

昨年9回目の最高位を獲得。
今年の誕生日で還暦を迎えた飯田は、今もなお、第一線で麻雀を打ち続ける。

―おれは運がいいからね。恵まれてるんだ。
勝てるなんてこれっぽっちも思ってない。
みんな強くて、困っちゃうよ。―

―勝ちを意識したことも、無理に勝ちにいくこともない。 いつも、挑戦者の気持ちで戦いに挑む。

しかし、大魔神は強い。

今年も、飯田らしさを纏った麻雀を、ファンに見せつけるにちがいない。

かくして、戦いの舞台は調った。

10月21日(水)12:00~ 神楽坂ばかんすで、最高峰の決戦が、火蓋を切って落とされる。


wrriten by 佐藤かづみ(文中敬称略)