コラム・観戦記

【第38期Aリーグ第7節】

みなさんこんにちは!佐藤聖誠です。
普段私は自身のBlogにて、対局の結果報告や簡単な検討記事をアップしているのですが、この度これを最高位戦HPでやらせて頂くことになりました!
發王戦の自戦記と平行してAリーグやクラシックの自戦記、他にも麻雀のことをいろいろ書いていけたらと思っています。よろしくお願いします!

さて、今期のAリーグもいよいよ後半戦へ突入しました。

第7節は4132のサイクルヒット。+0.3で現状維持となりました。
5位の石井が沈んだのでトータル順位は5位へ浮上。

第7節終了時

1 新井 啓文 254.3
2 平賀 聡彦 168.0
3 中嶋 和正 164.9
4 金子 正輝 155.6
5 佐藤 聖誠 71.5
6 村上 淳 49.9
7 石井 一馬 ▲42.8
8 水巻 渉 ▲56.3
9 坂本 大志 ▲70.5
10 土田 浩翔 ▲160.6
11 張 敏賢 ▲174.9
12 石橋 伸洋 ▲182.0
13 山口 まや ▲229.1

※上位3名が最高位決定戦へ進出。下位3名がB1リーグへ降級。

今節の1局はこちら。

第7節2回戦東4局


村上 45700
土田 20200
石井 23400
佐藤 30700

 

親番。マンズの染め手へ真っ直ぐ向かってイーシャンテン。チンイツはリャンシャンテン。
ちなみに5巡目に
を手出ししてからはすべてツモ切り。

これに対し、「先切りだ!」と言わんばかりに下家でマンズを切る村上と、しれっとション牌のを切る石井。

この二人とは対戦回数も多く、お互いの打ち筋は知り尽くしている。
私の捨て牌はマンズ寄せが本線ではあるがどんな形でもあるし、マンズに寄せていたとしてもかなりバラバラなこともあると思っているのだと思う。今回はたまたま本物だっただけ。
更に村上も石井も、明確な動きが入るまでは絞ったりダマテンをケアしたりしないタイプなので、この押し返しはさほど気に留めていませんでした。

しかし土田は違います。
今期のAリーグで土田は「本来の土田からかけ離れている」という評価をよく耳にしますが、恐らく土田は初めて打つ最高位戦Aリーグを未だに手探り状態で打っているのだと思います。
手探り状態で打つときに、攻撃寄りになる人と守備寄りになる人がいますが土田は後者で、私の見解では『本来より守備寄りになっている』という感じ。
そんな土田が2段目に連続手出しした
は結構強烈で、たぶんイーシャンテンだなと思っていました。ただでさえ守備派の土田が、ダマテンが多そうなこの巡目に整っていないところからこんな牌は出てこないと思います。


「あー・・・土田さんイーシャンテンかなあ?」
そう思いながら画像の10巡目。

東家佐藤 10巡目


   ツモ  ドラ

これでイーシャンテン。字牌が重なるとテンパイします。
字牌はが1枚切れ、が2枚切れ、が1枚切れ。

ここで私が選択したのは打!重なったら一番嬉しい字牌ですが、土田との距離感を優先しました。
もし土田が私の読みどおりイーシャンテンで、とのシャンポン形が残っていたらポンテンを入れてしまうかもしれませんが、どうせいずれ切る牌なのでリーチを受ける前に切っておきたい。
も1枚切れですがこれは土田の現物。
引きはかなり痛いですが、ポンやポンがすぐできるだろうという期待もありこうしてみました。

ちなみに土田はこのピンフドラ1イーシャンテン。

西家土田 10巡目


  ドラ

 

「土田さーん!私チンイツですよ。だからそろそろ止めたほうが良いですよー!」
そういう意思を込めて11巡目、2枚切れのを引いて2枚切れのを手出し。
これでこの後あたりをポンできると、字牌の切り順から一気にチンイツに見えます。
はトイツってもおいしくないので要りません!」って言っているわけですからね。
ここへ土田がを勝負してピンフドラ1テンパイ!危険牌を引いたら撤退する構えでダマテン。
このをポンして打

   ポン  打

ここはツモがおいしくないので安全度重視で打としても良いんですけど、ここで1枚切れのを切ってしまうと字牌の切り順がおかしく映ってしまうのでを切りました。

よくよく考えるとここでを切ってもさほど影響は無いと思うんですけど、実戦では直感というものが非常に大切で、「ん?あれおかしいな。キヨマサだからニセモノ(ブラフ)ってこともあるかも」と少しでも思われないような工夫は必要だと思うんですね。


 

南家村上 13巡目リーチ

 

  ドラ

 

土田ばかりマークしていましたが、先にリーチが入ったのは村上。

村上は数牌の先切り巡目が土田より遅めなので(というか土田が普段早すぎるんですけどw)、村上を軽視していたわけではないのですがいろんなケースがあるため、先ほど書いたとおり気に留めていませんでした。

しかしこのリーチはどうなんだろう?村上は後に「あの局、キヨマサはまだイーシャンテンだと読んでいた。リーチは微妙だが微妙なら踏み込もうと思った。」と語ってくれた。

私はこの点棒状況なら、私がイーシャンテンだとしてもダマテンが得策な気がする。ただ、まだ中盤戦とはいえ村上のトータルポイント(6節終了時点で▲81.2)を加味すると、このようなチャンス手はきちんとぶつけるべきなのかもしれない。
実際に現在首位の新井、2位の平賀は同じ局面でリーチを打つような気がするし、今年のAリーグではこういう麻雀の方が成績が残るのかもしれません。

思えば私も大勝したAリーグ1年目はリーチを打っていたような気がします。なーんか最近大勝ちが減ったなあと思ったら、こういうリーチが減っていたんですね。
もうちょっとリスクを負ってみようかなあ・・?

次節は7月31日(水)
神楽坂「ばかんす」で11:00開始です。
私の卓は、平賀、中嶋、金子、石井と私の5人打ちです。

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