コラム・観戦記

【36期Aリーグ第6節自戦記】大柳 誠

今日のメンツの開始時ポイントは以下の通り

石橋 +76.9(3位)
張  △6.6(7位)
大柳 △81.0(8位)
佐藤(崇) △206.2(11位)

まだ第6節なのでトータルポイントはそこまで意識しないが(全12節)、頭の片隅には置いておく。
気になる点は毎期Aリーグでも上位に名を連ねている佐藤が、あまり見たことない程下位に

甘んじているという事だ。
だからといって特にバランスが変わったりするという事はないのだが・・・

<1回戦>
起家-張 南家-石橋 西家-大柳 北家-佐藤

東3局0本場 東家 ドラ
まだ平たい点数状況で9巡目に佐藤がをポン。

そのときの佐藤の捨て牌は

ポン出し)

特に派手な捨て牌ではなく、こんな時佐藤はドラ2の3900以上のイーシャンテンか

2000以下のテンパイであることが多い。と、思う。

通りそうな牌を数枚ツモ切った所でこちらも以下の形でテンパイする。

 

佐藤の手がドラ暗刻の可能性もあると思っているためリーチは自重した。
脇からこぼれることはあまりないだろうが、佐藤がドラ1の2000テンパイのときにはも拾えるかもしれない

という思いもあったためだ。

2巡後、張が生牌のをツモ切り佐藤からロンの声。隠しドラ暗刻で東バックの8000だった。

東4局0本場
東家 佐藤 39700
南家 張  21000
西家 石橋 32100
北家 大柳 28200

2巡目、こんな形のイーシャンテンになる。

 

アンカンをするという打ち手もいるかもしれない。ここでカンしなくても2巡後にを引いたところでカンをする

というバランスもあると思う。
自分の都合だけなら当然カンする一手だと思う。
しかし、この時はこの手牌にそれほどの魅力を感じていなかったためもツモ切った。

あがるだけなら切りだが、流石にダイレクトにを引いた時にアンカンしてリーチが

したかった(逆に言えばそれ以外はあまりやる気が無かった)ためである。
2巡後、待望のを引きカンの発声に続いて高らかにリーチ宣言。
しかし、結果は石橋に追っかけられ3000・6000をツモられる。

 

 ツモ 裏ドラ

その後は小場で進んだが、張が5200をあがるなどして、オーラスを迎え
東家 佐藤 24900
南家 張  29900
西家 石橋 45100
北家 大柳 20100

一つでも着順を上げたいと思っていたところ、親の佐藤から10巡目先制リーチ
このときの手牌が

 

安全牌は1枚しかなく、点数状況も踏まえてほぼゼンツに
無スジを2枚押した後、を引き、打
を引いてポンテンもあるので、さっき通った待ちでタンヤオ固定の打
次巡、狙い通り佐藤からが出てポンして打
すると佐藤からロンの声
脇からも手詰まり放銃の可能性がある待ちになり、若干通りそうだと思って切った牌での

ロンだったので流石に痺れた。

1回戦
石橋 +47.8
佐藤  +8.4
張  -13.8
大柳 △42.4

<2回戦>
起家-佐藤 南家-石橋 西家-張 北家-大柳

東2局1本場 西家 ドラ7m
こんな配牌

 

が7巡目には

 

のノーミスでのチートイテンパイ
下家の佐藤が5巡目にを1鳴きして、すぐにチー
ピンズが高い捨て牌になっている。
テンパイ打牌のも切るのを躊躇したが、まだ佐藤にテンパイが入っていない雰囲気だったので、

とりあえずタンキのテンパイを取った。
次巡、場況的にそこそこいいを持ってくる。(石橋が2巡目に、張が2巡目に、4巡目に切り)
張が5巡目に、石橋が8巡目にを切っており、佐藤の仕掛けが無ければ確実にタンキを

選択していたであろう。
しかし、佐藤がピンズを持っていそうなこと、巡目が深くなればも出づらくなるであろうということから、

若干リスキーだが佐藤がイーシャンテンのうちにと思いタンキに待ち変えした。
ただ、このときは1600で佐藤の仕掛けを蹴るつもりでいた。
次巡、状況が一変した。
佐藤がを手出ししたのだ。しかも、ほんの一瞬逡巡したような気がした。
ここで持ってきた牌はタイミング良く空切り出来る。さらに、僕の捨て牌は

 

で、全て手出しである。
普通のメンツ手、しかも、下家のあの仕掛けにこの手出しは本手に見える。待ちは

マンズの上、ソーズ全部でマンズの下は他に比べればケアされにくい。
行くならここしかないと思い、満を持して空切りリーチ
数巡後、首尾よくツモり、裏も乗って3000・6000

東3局は石橋が自風でドラの北が雀頭で両面リーチ、一発でツモり2000・4000

東4局0本場 東家 ドラ
8巡目、追い上げてきた石橋から先制リーチが入るも、
次巡、現物を切ってひっそりとテンパイを入れる。

 

 

石橋のリーチにソーズの上は全く通っていないが、ドラ引きに備えてダマ。
すると、次巡あっさりとをツモって4000オール。

南場にもチートイドラ2の6400を張からあがり、1回戦目の負債を帳消しにする今期久々の断トツトップをゲット。
これは経験則だが、チートイが上がれる日は調子(成績)が良い。
気分良く3回戦を迎える。

2回戦
1着 大柳 +59.8
2着 石橋 +13.1
3着 佐藤 △14.1
4着 張  △58.8

<3回戦>
起家-大柳 南家-佐藤 西家-石橋 北家-張

東1局1本場 東家 ドラ
ホンイツテンパイ(5800)するも、テンパイ打牌ので北家の張のダマ満貫に放銃

 

 ロン

何となく不穏な気配を感じていただけに、若干悔やまれた。

次局、ドラ 8巡目に以下のテンパイ

8000放銃の後ではあるが、じっと堪えてダマにする。
すると、次巡を引き、ここでリーチ。
2巡後、をツモり2000・4000

東3局0本場 西家 ドラ
8巡目にホンイツテンパイ。今度はすぐに張から出て、5200のあがり。
南2局0本場 
張が5巡目までに3フーロすると、親の佐藤がをアンカンしてリーチ。これに対して、

安全牌に窮した石橋がオリ打ち。裏が乗って9600。佐藤に7400点まくられる。

南2局1本場 北家 ドラ南
ラス目の石橋が3巡目にを2鳴き。8巡目にをポン。
捨て牌から明らかにソーズのホンイツである事が読み取れる。
以下、次巡の手牌

 

ツモ

3巡目のR*が2鳴きであった事、のポン出しの牌は前巡と続きのトイツ落としで未だに

字牌が1枚も余っていなかった事、そして何よりこの鳴きをしているのが石橋であった事から、

これがテンパイである可能性はあまり高くないと思っていた。
そのため、目一杯に受ける打を選択した。

次巡もをノータイムでツモ切り、さらに次巡を引くと石橋からの出あがり。

これで再びトップに躍り出る。

オーラス、僕以外の3者がそれぞれ2フーロしたが、ドラをポンしたラス目の石橋がツモってトップのまま終了。

3回戦
1着 大柳 +40.2
2着 佐藤 +19.0
3着 張   △6.1
4着 石橋 △53.1

4回戦、オーラス南家 ドラ7 点数状況が
1着 佐藤 39400
2着 石橋 33000 (親)
3着 大柳 28800
4着 張  18800
トップまで満貫ツモ。2着まで1000・2000(50符以上は無視)が必要。

7巡目にこんな形に

 

  ツモ

あと1翻欲しいので、引きを待つために当然の切りダマ。
っていうか、こんなの実質イーシャンテンやろーって気持ちで次巡ツモ山に手を伸ばすと、

そこには、がいました。
予想外のツモに長考してしまいました。

ツモ?
あがらず?
あがらないとしたら何を切るの???

悩んだ挙句、親の石橋プロの捨て牌から、それなりに手牌が整っているであろう事が伺えたので、

チキンな僕はツモって言いました。

4回戦
1着 佐藤 +39.1
2着 石橋 +12.5
3着 大柳 △10.1
4着 張  △41.5

第6節成績
4着、1着、1着、3着 +47.5ポイント

これで、順位を一つ上げトータル7位に浮上。ポイントも△33.5になり、あと少しでプラスになれます。
今期はマイナスの節とプラスの節が交互にやってきているので、次節要注意です(笑)

何か、書き始めたらやたらと長くなってしまいました。
ここまで読んで下さった皆様、長文・駄文にお付き合い頂き誠にありがとうございました。

文責 大柳 誠(文中敬称略)

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