コラム・観戦記

【B2リーグ第5節自戦記】齋藤 巧也

第4節で大敗して以降、不調が続いていた。
丁寧に打牌の選択を心がけても結果がついてこない。
オーラスをトップ目で迎えてもハネ満ツモ条件を倍満ツモで捲くられる。
そんな日々が2週間続いた。
まるで麻雀牌に嫌われてしまったみたいだ。

未曾有の危機的状況で迎えたリーグ戦当日。
午前6時には目が覚めていた。
不安で寝ていられなかったのだ。
「このままではいけない」
そう思いシャワーを浴びスーツに着替え家を出た。
向かった先は村上最高位が勤務する麻雀店。

リーグ戦の直前に麻雀を打つなんて初めてだった。
村上さんにも驚かれた。
時間はあまりない。
2半荘くらいは打てるだろうか。
とにかく正午までに自分の麻雀を立て直すきっかけが欲しかった。
ルールは全く違うがそんなことはこの際問題ではない。
勝ち負けも問題ではない。
相手の手牌をできるだけ正確に推測すること。
押し引きのバランス。
この2点に焦点をしぼりとにかく集中した。

3半荘打てた。
結果は散々だった。
だが、前日までより場が見えていたような気がする。
肝心なのはこの後だ!
村上さんに激励の言葉をもらい、神楽坂ばかんすに向かった。

同卓者
松本 浩司
小山 直樹
竹内 朋之

1回戦
東家 小山
南家 竹内
西家 松本
北家 齋藤

東1局
親の小山がを仕掛け、続いてカンを仕掛けたところ。
10巡目に以下の手牌。

 ツモ ドラ

を落としていきたいところ。
しかし、親には既に聴牌が入っていると読んだ。
がヘッドのマンズの上よりの両面と推測。
だけなら聴牌すれば勝負するつもりだった。
しかし、まで引かされては真っ直ぐ行ききれない。
安全なに手をかけた。
を引いたあとを引いてきたときは具合が悪かった。
これで小山がマンズじゃなかったら…。
流局後開かれた小山の手牌はほぼイメージ通りの待ち。
まずは、3000・6000のあがり逃しではなかったことにほっとした。
仕掛けに正確に対応できたことも自信になった。
今日はいけてるかもしれない!

その後は東4局の親番までは防戦が続く。
しかし、ここで一気に加点する。
東4局
發ドラ1 2900。
メンタンピンツモウラウラ 6000は6100オール。
リーチオモウラ 9600は10200。
リーチダブ東 7700は8600。

南場でも更に加点し、84800点の大きなトップとなった。

1回戦トータル
齋藤 +84.8
松本 +20.7
小山 △38.8
竹内 △66.7

2回戦
開局早々に先手が取れる。

 

ドラはないが先手の両面リーチなら上出来。
終盤でをツモあがる。
ツモったがなんと裏ドラで2000・4000。

その後も親番でメンタンピンツモの2600オールをあがるなどし加点。
トップのまま逃げ切った。

2回戦トータル
齋藤 +55.5
竹内  +3.9
小山 △17.8
松本 △43.6
供託   2.0

3回戦
この半荘も一番最初にリーチを打つことができた。

 ドラ

何とドラが暗刻のリーチだ。
なんとしてもあがりたいところ。
終盤にをツモあがる。
裏ドラが1枚いてくれ!
そう願ってめくると、そこにはがいた。
リーチツモドラ3裏3の8000オール。

このリードを守りきり、3回戦もトップを決める。

3回戦トータル
齋藤 +54.4
竹内 +16.4
小山 △13.4
松本 △57.4

4回戦
竹内と松本が大きく抜け出す展開となる。
南場に入る頃には小山との3着争いに焦点が絞られる。
南3局2本場
小山 13600
齋藤 15400
松本 42700
竹内 38300

小山と1800点差の3着。
2巡目。

 

 ドラ

上家の小山が喉から手が出るほど欲しいを第1打、2打目に切り飛ばす。
1000点あがってもオーラス勝負になるだけだと思いスルー。
中盤に聴牌。
なんとか自力でを引き入れる。

 

 

 

ダマテンならの出あがりも期待できるが、ツモの700・1300ではオーラスに不安が残るのでリーチ。
を数巡後ツモあがる。
願いを込めて裏ドラをめくるとそこにはがいた。
メンタンピンツモウラウラの3000・6000。
なんとか3着をキープした。

4回戦トータル
松本 +42.7
竹内 +17.3
齋藤 △12.6
小山 △47.4

4回戦終了時合計
齋藤 +182.1
竹内  △29.1
松本  △37.6
小山 △117.4

今回は先手がよく取れ、リーチに裏ドラが付いてくる恵まれた展開だった。
12節ある長いリーグ戦の中にはこんな日もあるのかもしれない。
間違いなくついていた。
もしかしたら、最高位からパワーを分けてもらえたのかもしれない。
しかし、場がよく見え対応できたこと、攻撃の姿勢を崩さなかったことも勝因だと思う。
今日は大勝だが前回は大敗している。
まだまだ、自信はもてないが12節を終えた時に結果に胸を張れるよう研鑽を重ねたいと思う。

B2リーグ第5節終了時
1  松田 猛   190.8 
2  中嶋 和正  157.2 
3  浅見 真紀  152.1 
4  竹内 朋之  139.9 
5  齋藤 巧也  138.8 
6  依田 暢久  125.3 
7  橋本 辰徳  100.9 
8  井上 慎司   74.3 
9  宇野 公介   57.7 
10 中郡 慧樹   54.6 
11 和田 聡子   36.3 
12 斉藤 まゆら   8.0 
13 坂井 秀隆    4.4 
14 土井 裕美子  -1.0 
15 栗田 寛    -2.9 
16 川端 美雪   -5.9 
17 宮本 祐子  -81.1 
18 野口 みちる -86.1 
19 河野 直也 -103.0 
20 須藤 泰久 -106.8 
21 熊林 真也 -155.7 
22 小山 直樹 -174.9 
23 松本 浩司 -244.6 
24 野口 洋貴 -282.3

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