コラム・観戦記

Aリーグ第12節レポート

男たちの究極の死闘 Aリーグ第12節 リポート

 

ついに迎えた最終節となる第12節。
断トツの首位の水巻と2位の村上は決定戦進出がほぼ確定している。
残り1つの椅子を巡って、佐藤・上野・大柳が争い、状況によっては
金子・平賀も可能性がある。
残り1つの椅子、ズバリ筆者の予想は佐藤である。
毎年、決定戦が指定席となっている金子の爆発はあるのだろうか。

降級枠は近藤・石橋・冨澤の争いで2名が降級となる。
冨澤は厳しいポイントで、近藤と石橋は同卓での一騎打ちである。
佐藤の戦いと近藤と石橋の一騎打ちを中心にリポートします。

プロ競技者にとって人生を左右する大切な戦いのゴングが鳴った。

C卓1回戦

起家から平賀、佐藤、村上、張

東1局 ドラ ウラ

早速、平賀と佐藤の真っ向勝負となる。

佐藤は6巡目にツモでリーチ

平賀は2巡目に村上からをポン、そして佐藤のリーチ宣言牌をポンし、
ホンイツのテンパイとなるが終盤、佐藤がをツモ3000・6000

南1局 ドラ ウラ

大勝すると決定戦進出が見え、降級の心配がない平賀は全力で攻めるが・・・
平賀 10巡目リーチ 
しかし、流局へ 張との2人テンパイ

平賀はさらに南3局にもリーチで攻めるが、張のピンフツモドラ700・1300
で捌かれる。

南4局 ドラ ウラ

平賀22600佐藤33900村上28200張35300

ラス親の張は決定打となるアガリが欲しいところ。
佐藤と僅差のため、攻めることになる。

しかし、体勢を崩しながらもまたも平賀のリーチが
飛んで来た。
7巡目リーチ 

放銃がラス転落となる可能性が高いだけに3者防戦となることが多い。
トップ目の張は1つ無筋を押して来たが、2着目の佐藤の受け気味を
確認した後に受けに回る。
当然の対処である。
しかし、流局寸前に佐藤が平賀からケイシキテンパイとなる仕掛けを入れ、
無筋を押し、流局となる。
平賀と佐藤のテンパイで佐藤が逆転トップとなる。

佐藤+35.4 張+13.8 村上△13.3平賀△36.9

A卓1回戦

起家から近藤・太田・石橋・金子

開局、石橋は太田に8000放銃するも次局に1300・2600
近藤との着順を意識しながらトップが欲しいところ。
ぶつかり合いは南1局に訪れた。

南1局 ドラ 

まず近藤が15巡目にドラを暗刻にして当然のリーチ

同巡、石橋もリーチ

気迫が表情に現れる近藤と平静な石橋
結果は流局へ。

南1局 ドラ 3本場

6巡目に石橋が分岐点となる

少考後、をツモ切り。

しかし、14巡目には
のテンパイとなる。
結局流局となりやっと近藤の親番が流れた。

近藤はオーラスを迎えた時点では+9.8の僅差トップ目であったが
ラス親の金子の粘りで、2着目の太田に逆転トップを許す。
競っている石橋が3着でまあ良しといったところか。

太田+37.6 近藤+15.2 石橋△10.5 金子△42.3

C卓2回戦

起家から張、佐藤、村上、平賀

東3局 ドラ ウラ

親の村上は10巡目にリーチ

手詰まりの平賀は暗刻のを打ち、12000放銃。

南2局 ドラ ウラ

村上は中盤過ぎにドラのも打ち、ワンズのメンホンを
テンパイしていた。
村上テンパイ濃厚の局面で、13巡目に佐藤が打でリーチ

最終ツモがで6000オールの決定打となる。

連続トップでいよいよ決定戦が見えて来た佐藤
しかし、別卓の大柳も連続トップで気が抜けない状況
となっている。

佐藤+50.0 村上+11.4 張△10.2 平賀△51.2

A卓2回戦

起家から金子、近藤・石橋・太田

開局から石橋は太田から8000と1600でトップ目となる。

東3局 ドラ ウラ

石橋、5巡目にカンをチー、8巡目にツモでテンパイ
 

11巡目に金子がリーチ
しかし、ドラを引かされ石橋に放銃12000

このまま石橋は断トツでオーラスを迎えた。
近藤の1人テンパイで流局し、近藤と太田が同点2着となる。

石橋+52.3 近藤+0.7 太田+0.7 金子△53.7

C卓、3回戦

起家から平賀、村上、張、佐藤

東1局 ドラ ウラ

またも佐藤が魅せる。
中盤

のテンパイで、村上のリーチと対決。
2枚切れのをツモり、貴重な2000・4000

東2局は村上の1300オール、南2局に平賀から佐藤に5200

南3局 ドラ ウラ

張が7巡目にリーチ

10巡目にツモ、6000オールとなる。
東場に40000点以上あった平賀がオーラスを迎えた時点で
ラス目となる乱打戦であった。

南4局 ドラ ウラ

平賀24000村上40100張29400佐藤26500

佐藤が7巡目にリーチ

平賀も11巡目にリーチで追い掛けるが、で佐藤に放銃7700

次局は平賀のリーチで1人テンパイ流局となる。

村上+39.1 佐藤+14.2 張△11.6 平賀△42.7

A卓3回戦

起家から太田、近藤、石橋、金子

体勢上昇の石橋が得意の喰い仕掛けで連続のアガリ

  ドラ 金子から3900
  ドラ で4000オール

近藤にとっては最悪の展開となってきた。

南4局 ドラ ウラ

太田35300近藤11500石橋64500金子8700

ラスだけは回避したい近藤が7巡目に当然のリーチ

ラス目のオヤ金子も12巡目にリーチ

金子はツモでテンパイ即リーチでを一発ツモの2000オール

次局、ラス目となった近藤が金子まで7200差でリーチ
ドラ

が場に2枚切れの苦しいリーチだが、テンパイしていた石橋からでロン、
ウラ1枚で逆転だったが乗らず、3900でラスのまま。

そして、いよいよ最終戦を迎えた。
全卓同時スタートである。

B卓4回戦

起家から大柳(+147.6 4位)、上野(+82.7 5位)、水巻(+434.4 1位)、冨澤(△356.0 12位)
()内は3回戦終了時の総合計と順位

注目は大柳。
3位の佐藤まで41.1差である。
自身のトップ、別卓の佐藤が3着以下であれば、ほぼ逆転であるが
佐藤が浮きの2着であれば、大柳は大きなトップが必要である。

大柳は東場で持ち点が50,000点近くのトップ目であった。
別卓の佐藤は小場で一進一退である。
南場の親番で大柳はイーシャンテンで水巻のリーチを受け撤退。
加点よりもトップ目を守る選択をしたのだが、これはどうだろう。
ガムシャラに突進する大柳をイメージしていただけに意外であった。

この後、ジワリと大柳の点棒は削られ、オーラス奇跡的なリンシャンカイホウドラ3の
2000・4000で終了

総合計 大柳(+187.8 4位)、上野(+74.2 5位)、水巻(+452.8 1位)、冨澤(△406.1 12位)

C卓4回戦

起家から平賀(△191.5 10位)、村上(+314.9 2位)、佐藤(+188.7 3位)、張(△122.4 7位)
()内は3回戦終了時の総合計と順位

佐藤は浮きの2着以上であればほぼ当確、
苦しくなったのは平賀でなんと降級争いに巻き込まれてしまった。
別卓の近藤トップ、自身の3着以下だと危険である。

村上と張は決して無理をしない。
小場となり、オーラス平賀はトップ目、佐藤は2着目で迎えた。
親の3着目の張は国士狙いで佐藤はだいぶ安心したであろう。
流局の可能性が高くなったからである。
結局全員ノーテンで流局。

総合計 平賀(△151.5 8位)、村上(+276.2 2位)、佐藤(+199.9 3位)、張(△134.9 7位)

A卓、4回戦

起家から太田(+56.0 6位)、石橋(△142.8 8位)、近藤(△250.6 11位)、金子(△173.0 9位)
()内は3回戦終了時の総合計と順位

毎年のように決定戦に進出している金子がピンチである。
近藤とのトップラスで別卓の平賀の結果しだいで降級の可能性がある。
石橋はラス以外であれば良い。
近藤はトップを取り金子か石橋をラスにしなければならない。

東3局に近藤からリーチが入るが、金子がピンフイッツウをヤミテンで太田から3900。

南1局、金子が難しいイーシャンテンをノータイムで打ち切り、700・1300。

南3局に親の近藤が1300オール。
迎えた次局もリーチ
ドラ ウラ

17巡目にツモの4000オール。

近藤はもう1回4000オールが欲しい、金子も大ピンチで
なんとしても近藤の親番を落とさねばならない。

金子は喰いタンでテンパイ、しかしまたもや近藤のリーチが・・・・
しかし、金子はこの捲り合いに勝ち300・500。

このアガリで金子の危機はなくなり、近藤に奇跡は起こらなかった。

総合計 太田(+11.6 6位)、石橋(△157.8 9位)、近藤(△201.7 11位)、金子(△162.5 10位)

降級は近藤と冨澤
決定戦進出は水巻、村上、佐藤

激闘は終わった、しかし卓上には戦いの余韻が強く残っていたのである。
飯田現最高位を迎える注目の決定戦、恋い焦がれた女神を得るのは・・・・・

最高位決定戦第1節は11月12日(金)より下記で開催されます。
最高峰の戦い、すべてを麻雀に捧げて来た男たちの
熱き戦いをご覧になって下さい。

神楽坂「ばかんす」正午開始
東西線神楽坂駅 1番出口よりすぐ
 TEL:03‐3268‐5577
 東京都新宿区神楽坂6‐38‐5階

文責 三ヶ島幸助 

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