終わりは始まりに過ぎない・・・。
在籍選手一人一人の喜怒哀楽が入り乱れた前期Cリーグ最終節から早一か月、34期後期C2リーグが開始された。
多数のBリーグ経験者から新人までが集う層の厚い今期のC2リーグであるが、会場からは各選手の麻雀に対する確かな情熱が感じられた。
組み合わせは以下(新→新人の意)
赤組
A 菊崎、京杜、須山、西嶋
B 沖野、松本(新)、柳井(新)、吉村(新)
C 石崎、手倉森、正木、増田、三國
白組
D 鴻海、坂井、中郡、永野(新)
E 河野(新)、紺谷、須田、中野(新)
F 石田(新)、小山、竹内、永田、藤田
尚、坂井と三國は諸事情によりリーグ戦を休場していたが、今回改めて参戦することとなった。
開始の合図から間もなく、本日初の発声は坂井からのものだった。
D卓1回戦(鴻海、坂井、中郡、永野)
東1局 ドラ
6巡目に親の坂井がリーチ。
形だけで言えば手変わりを待つのがセオリーであろうが、マンズの下が安く、親ということもあってか即リーチといった。
これを永野から一発で出アガり、裏ドラがで7700の収入。
私(志村)は現在、坂井と同じ雀荘で働いており、毎日のように同卓しているが、手数が多く読みも鋭く、一歩も二歩も踏み込んできて、非常に厄介な存在である(笑)。決してひいき目ではなく、意識、実力共に相当高いと思われる。
この日も坂井はプラスでまとめ、幸先のいい再スタートとなった。
E卓1回戦(河野、紺谷、須田、中野)
東4局4本場 供託4000点
親の須田、中盤になんと
の牌姿。期待が高まるも、供託4000点といった早アガりの展開が邪魔をし、既に2フーロしていた紺谷にアガリを拾われる。
オーラス ドラ
ここまでトップは新人の河野。これに追い付こうと2着目の須田が12巡目リーチ。
すると、ラス目の紺谷が執念のツモ切り追いかけリーチ。
待ちは圧倒的に不利だが、一撃必殺の打点を秘めている。
はたして結果はどうか?
数巡後、紺谷が渋い声と共にを手元に引き寄せる。
裏ドラは乗らず4000・8000のアガリで、「リーチ棒が出てからハネ直か倍ツモ」という条件を満たし、紺谷はラスから2着に。
なんと裏が乗れば3倍満でトップだった。恐るべし。
また、新人の河野、中野は、マナー、牌さばきもよく、新人とは思えないほど堂々としているのを感じた。
F卓3回戦(石田、小山、竹内、永田)
南1局1本場 ドラ
親の竹内の8巡目の牌姿
ツモ
「何切る?」のような牌姿である。関連牌は自分でを切っており、
が二枚切れ。候補は
、
、
、
(
)あたりか。人によってその選択は様々であろう。
長考後、竹内の選択は雀頭固定の打。これで
、
、
、
、
、
ツモに期待したい所だが、次のツモは一応テンパイの
。これをツモ切ると、次のツモは、これまた余り嬉しくないテンパイの
。役ありなのでしぶしぶ打
でヤミテンにした所で、北家の石田から
切りリーチが入る。
結果的には、上記の牌姿からの打は、候補のうち唯一リーチの宣言牌
を捕らえられない選択であった。オカルト的に言えば「流れが悪い」となるのだろうか。
竹内は次巡ツモ、打
ですかさずカン
に待ちを変えヤミテン、同巡対面の小山を捕らえ、3900は4200。裏目にも冷静に対処した。
ロン
A卓(菊崎、京杜、須山、西嶋)
菊崎無念。奮闘むなしく女性陣3人にポイントを献上する結果となった。
B卓(沖野、松本、柳井、吉村)
吉村が新人では唯一の1節でのプラス。98.2ポイントの2位につけた。
C卓5回戦(石崎、正木、増田、三国)
東4局2本場 ドラ
親の正木、10巡目に以下の牌姿。
ピンズは安く、切りリーチでミニマム5800だが、正木は思い切って
を払っていった。
13巡目、北家の増田がリーチ。
正木、次巡ツモでテンパイし、ヤミテン。
同巡、三國がリーチ。
三者大激戦の中、増田が後に掴んだのは竹が一本多い。これで正木、大量得点を得て、この半荘をトップで終えた。
赤組結果
1 正木 太志 121.7
2 吉村 昌敏 98.2
3 石崎 光雄 77.2
4 沖野 立矢 50.4
5 京杜 なお 27.6
6 須山いづみ 11.4
7 西嶋 千春 7.0
8 手倉森 弘 -30.4
9 菊崎 善幸 -46.0
10 柳井 隆道 -46.2
11 三國 麗子 -57.0
12 松本 敦 -103.4
13 増田 慎吾 -111.5
白組結果
1 永田 航 132.8
2 小山 直樹 83.0
3 中郡 慧樹 77.4
4 須田 春恵 76.9
5 坂井 秀隆 40.3
6 紺谷 博 34.7
7 鴻海 大輔 29.1
8 竹内 朋之 20.3
9 中野 慎也 -47.2
10 河野 直也 -64.4
11 藤田 基三 -96.5
12 石田 時敬 -139.6
13 永野 弘夢 -186.8
今回の対局は新人にとってはデビュー戦となるが、「緊張したけど楽しかった。」との声を多く聞くことができた。
坂井、三國も久しぶりのリーグ戦を楽しんでいたようだ。
囲碁、将棋などの他の競技と違い、プロの肩書だけでは食べていけないこの業界。だからこそ選手は「楽しさ」が根底にあることで、精進、探究していけるのではないだろうか。会場の空気が、大事なことを再確認させてくれた。
戦士は戦場へ、雀士は卓上へ。まだ旅は続くのである。
文責 志村友基